国民健康保険法 第32条の15(裁判所の選任する清算人の報酬)
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裁判所は、第三十二条の五の規定により清算人を選任した場合には、組合が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。この場合においては、裁判所は、当該清算人及び監事の陳述を聴かなければならない。
この条文の基本情報
裁判所の選任する清算人の報酬とは何ですか?
定義裁判所の選任する清算人の報酬とは、国民健康保険法第32条の15に定められた規定で、「裁判所は、第三十二条の五の規定により清算人を選任した場合には、組合が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民健康保険法第32条の15(裁判所の選任する清算人の報酬)は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
- 国民健康保険法第32条の15の条文原文は「裁判所は、第三十二条の五の規定により清算人を選任した場合には、組合が当該清算人に対して支払う報酬の額を定めることができる。」で始まります。
- 国民健康保険法第32条の15は第三節 解散及び合併に置かれています。
- 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
- 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民健康保険法第32条の15の前の条は国民健康保険法第32条の14です。
- 国民健康保険法第32条の15の次の条は国民健康保険法第32条の16です。
- 国民健康保険法第32条の15には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第32条の15 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - 本サイト収録
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第32条の15(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/32_15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民健康保険法32条の15は、裁判所が選任した清算人の報酬額を裁判所が定めると規定する。決定前に清算人と監事の陳述を聴くことが義務である。
Q · 裁判所に選ばれた清算人の報酬って、誰がいくらと決めるんですか?
裁判所が決める。清算人と監事の陳述が必須
国民健康保険法32条の15により、裁判所が同法32条の5で清算人を選任した場合、その報酬額は組合の総会ではなく裁判所が定めます。額を定めるときは、当該清算人と監事の陳述を聴かなければならないと義務付けられており、「聴くことができる」ではありません。したがって清算人は事務の内容・所要時間・難易度を裁判所へ伝える公式の場を持ち、監事は残余財産の目減りを防ぐ立場から意見を述べる機会が法律上保障されています。
解説
報酬を自分で決められない。それが裁判所に選ばれた清算人の立場である。国保組合(医師国保や土建国保のように、同業者だけで作る公的医療保険の運営主体)が解散したのに清算人がいない、あるいは欠けた場合、32条の5で裁判所が清算人を選ぶ。その報酬額を決める権限は、組合の総会でも清算人自身でもなく、裁判所にある。そして裁判所は決める前に、清算人本人と監事の陳述を必ず聴かなければならない。「聴くことができる」ではなく「聴かなければならない」。つまり監事には「高すぎる」と言う場が法律で保障され、清算人には事務の複雑さ、残余財産の規模、係属中の紛争の数を裁判所へ伝える唯一の公式ルートが用意されている。準備せずにこの陳述に臨む清算人は、自分の手で自分の報酬を削っている。
法的な位置づけ
国民健康保険法32条の15は、裁判所が同法32条の5により選任した清算人について、組合が支払う報酬の額を裁判所が定めることができる旨を規定する。報酬額の決定権を組合の自治機関から裁判所へ移す一方、決定に先立ち当該清算人および監事の陳述を聴くことを裁判所の義務とする手続規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.選任直後から作業記録を開始する 裁判所に選任された初日から、日付・作業時間・処理事項・関与者を記録する。後から記憶で再現した記録は説得力を欠き、報酬算定の起点を自ら下げることになる
- 2.財産目録と債権債務一覧を早期に固める 報酬の原資は組合の残余財産にしかない。財産の全体像と債務の総額を早期に把握し、報酬が空振りしない弁済・分配の順序を設計する
- 3.陳述の期日より前に事務報告書を書面提出する 期日で語る内容が同じでも、書面が先に裁判所の手元にあるかどうかで額の起点が変わる。事務の難易度、所要時間、処理した紛争の件数を具体的な数字で示す
- 4.監事が突く論点を先回りして説明する 外部専門家への委託分と清算人本人の工数の切り分け、重複計上の不存在、長期化した理由を書面のうちに説明しておく。指摘されてから釈明するより信用が高い
- 5.残余財産の分配前に報酬額の決定を得る 清算結了までに報酬額の決定を得ておかないと、分配後の回収は事実上困難になる。決定の取得を工程表に明記し、分配の前工程として配置する
よくある質問 AI による整理
Q1清算人の報酬は誰が決めるのですか?
裁判所が選任した清算人の報酬額は、組合の総会ではなく裁判所が定めます(国民健康保険法32条の15)。決定に先立ち清算人と監事の陳述を聴くことが義務付けられています。
Q2清算人の報酬の相場はいくらですか?
法律に額の基準はありません。裁判所が事務の内容・難易度・所要期間・残余財産の規模を踏まえて個別に決めます。相場を探すより、自分の事務量を裏づける記録を整える方が実益があります。
Q3監事の陳述を聴かずに決まった報酬はどうなりますか?
本条は「聴かなければならない」と義務付けているため、陳述の機会を欠いた決定は手続上の瑕疵を抱えます。まず記録と決定書の教示欄で、機会の有無を確認してください。
Q4清算人の報酬はどの財産から支払われますか?
支払うのは組合であり、原資は組合の残余財産です。債務弁済や残余財産の分配が先に進むと、報酬の回収が事実上困難になります。
Q5組合が自分で選んだ清算人にも本条は適用されますか?
適用されません。本条の対象は裁判所が32条の5により選任した清算人に限られ、組合が自ら選任した清算人の報酬は組合内部で処理されます。
Q6国民健康保険組合が解散するとどうなりますか?
清算手続に入り、財産の換価・債務の弁済・残余財産の処理が行われます。組合員の医療保険は他の保険者へ切り替わり、清算人が不在または欠けた場合は裁判所が選任します。
Q7陳述の期日には何を準備すればよいですか?
日付入りの作業時間記録、事務報告書、財産目録、処理した紛争の件数などです。口頭の説明だけより、書面が先に裁判所へ届いている方が額の起点が上がります。
Q8報酬の決定に不服がある場合は争えますか?
この種の裁判は非訟事件として進み、類似規定では不服申立てが制限される例もあります。決定書の教示欄と非訟事件手続法の定めで、可否と期間を個別に確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1清算人の報酬って、だいたいいくらになるんですか?
法律に額の基準はない。裁判所が事務の内容・難易度・所要期間・残余財産の規模を見て個別に決める。対象は裁判所が選任した清算人(32条の5)に限られ、組合が自ら選んだ清算人の報酬は組合内部の問題だ。実務のポイント:裁判所選任の清算人には弁護士が就くことが多く、実務では費やした時間と処理内容の記録が算定の土台になる。記憶で後から再現した清算人は、そこで損をする。
Q2監事の陳述を聴かずに報酬が決まってしまったら、どうなりますか?
本条は「聴かなければならない」と義務付けているため、陳述の機会を欠いた決定は手続上の瑕疵を抱える。まず記録と決定書の教示欄で、機会が本当になかったのかを確認する。実務のポイント:この種の裁判は非訟事件として進み、類似規定では不服申立てが制限される例もある(取扱いは個別に確認)。だから決定後に争うより、陳述の期日で言い切るほうが実質的に強い。監事は呼ばれてから動くのでは遅い。
間違えやすい点 AI による整理
- 「清算人の報酬はいくらが相場か」という問いの立て方がすでに外れている。法は額の基準を定めておらず、裁判所が事案ごとに事務の内容・難易度・所要時間・残余財産の規模を見て決める。探すべきは相場ではなく、自分の事務がどれだけ重かったかを裁判所に伝える材料である。
- 「監事の陳述を聴く」を単なる形式と理解している人は多いが、深刻なのは逆側だ。法が「聴かなければならない」と義務付けた手続を欠いた決定は、手続上の瑕疵を抱える。監事を呼ばずに出た報酬決定は、後に争われたとき脆い。
- 清算人から見れば報酬は自分の労務の対価だが、組合員から見れば残余財産の目減りである。同じ一円が、一方では正当な対価、他方では取り分の減少として映る。この落差を理解していない清算人は、組合側から不当に高額だと突かれたとき、反論の言葉を持たない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 国保法32条の15:裁判所選任の清算人の報酬額を裁判所が定める | 国保法32条の5:裁判所による清算人の選任そのもの 会社法485条:株式会社における同型の報酬決定規定 |
| 適用の前提 | 32条の5による裁判所選任の清算人が存在すること | 清算人がいない、または欠けたこと 裁判所が株式会社の清算人を選任したこと |
| 陳述の要否 | 当該清算人および監事の陳述を聴くことが裁判所の義務 | 選任の場面であり報酬の陳述手続は規定していない 清算人および監査役の陳述を聴くものとされる |
| 決定の性質 | 非訟事件としての裁判、不服申立ての可否は個別確認が必要 | 非訟事件としての選任の裁判 非訟事件としての報酬決定の裁判 |
他国ではどう定めているか 4 か国
法院が選派した清算人の報酬は法院が定めるとする点で本条と同型。台湾も報酬額の法定基準を置かず、事務の繁簡と財産の状況による個別判断とする
韓国も法院選任の清算人について法院が報酬を定める構造を採る。会社法制の規律を他の法人類型へ準用する立法技術も日本と類似する
ドイツでは社団の清算人選任が非訟事件(FamFG)として区裁判所の管轄に属する。裁判所選任者の報酬決定も後見的裁判として扱われる
米国では非営利法人の裁判所監督下の解散において receiver の報酬を裁判所が承認する枠組みが一般的。州ごとに手続は大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 清算人の報酬は、誰が、どの財産から払うのか? 払うのは組合、額を決めるのは裁判所、出どころは組合の残余財産である。だから債務弁済の順序を誤ると、最後に自分の報酬だけが空振りする。
- 弁護士として国保組合の清算人に選任され、事務は組合員名簿の突合と債権回収で半年かかった。裁判所から陳述の期日を告げられるのは、あと十日。ここで示す事務報告の粒度、費やした時間の記録、処理した紛争の件数が、そのまま報酬額の根拠になる。口頭で「大変でした」と述べるだけの清算人と、日付入りの時間記録を出す清算人では、決定額の起点が違う。
- 組合の監事として、裁判所から「清算人の報酬について陳述を」と呼ばれた。組合員に返すべき残余財産が減るのだから、黙って頷くのは職務放棄に近い。清算事務の実質、外部委託した部分、重複請求の有無を検証して意見を述べる。法が必ず聴くと定めた手続であるから、これを欠いた決定は手続の瑕疵を主張する余地を残す。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 選任された直後から作業記録を開始、日付・時間・処理事項・関与者を残す2. 財産目録と債権債務の一覧を早期に固め、残余財産の見通しを把握する(報酬の原資はここにしかない) 3. 陳述の前に事務報告書と時間記録を書面で提出4. 監事が突きそうな点、外部委託分・重複作業・長期化の理由を先回りして説明する5. 残余財産の分配が始まる前に報酬額の決定を得る順序で計画を組む
訴えられた側:1. 監事として陳述を求められたら、清算人の事務報告を項目ごとに検証し、外部専門家への委託費と清算人報酬の二重計上がないか確認する2. 事務の難易度に比して所要時間が不自然な項目を具体的に指摘3. 組合員に返る残余財産への影響額を数字で示す4. 陳述の機会を与えられずに決定が出た場合は、経緯を記録し、不服申立ての可否を決定書の教示欄と非訟事件手続法の定めで確認する
時効(請求できる期限):本条に固有の時効はない。清算人の報酬請求権自体は一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)に服する。実務上の締切は別で、清算結了までに報酬額の決定を得ておかないと、残余財産が分配された後の回収は事実上困難になる。裁判所の決定に対する不服申立ての可否と期間は、決定書の教示欄と非訟事件手続法の規定で必ず確認すること(類似規定では不服申立てが制限される例もあり、実務上、取扱いは個別確認が必要)。
- 国民健康保険法 第32条の5裁判所による清算人の選任、本条の適用範囲を画す前提規定
- 国民健康保険法 第26条組合の解散事由、清算手続に入る入口(現行効力を要確認)
- 会社法 第485条裁判所選任の清算人の報酬決定、株式会社における同型規定
- 非訟事件手続法 第67条非訟裁判の告知と即時抗告期間の一般規律(現行効力を要確認)
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