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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

国民健康保険法 第60条

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被保険者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に疾病にかかり、又は負傷したときは、当該疾病又は負傷に係る療養の給付等は、行わない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 国民健康保険法第60条は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
  2. 国民健康保険法第60条の条文原文は「被保険者が、自己の故意の犯罪行為により、又は故意に疾病にかかり、又は負傷したときは、当該疾病又は負傷に係る療養の給付等は、行わない。」で始まります。
  3. 国民健康保険法第60条は第三節に置かれています。
  4. 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
  5. 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 国民健康保険法第60条の前の条は国民健康保険法第59条です。
  7. 国民健康保険法第60条の次の条は国民健康保険法第61条です。
  8. 国民健康保険法第60条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第60条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192
  • 本サイト収録国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第60条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/60

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点国民健康保険法60条は、自己の故意の犯罪行為による傷病、又は故意にかかった疾病・負傷について、当該傷病に係る療養の給付等を行わないと定める。止まるのはその傷病分だけで、資格自体は失われない。

Q · 自分のせいでケガをしたら、国民健康保険は使えなくなるの?

「故意」の場合だけ、その傷病の給付が止まります

国民健康保険法60条は、自己の故意の犯罪行為による傷病、または故意にかかった疾病・負傷について、当該傷病に係る療養の給付等を行わないと定めます。制限されるのは「その傷病に係る」給付だけで、無関係な持病の通院や被保険者資格自体は失われません。過失による傷病は原則対象外で、闘争・泥酔は裁量規定である61条の問題です。自殺未遂の負傷も、うつ病等の精神疾患に起因すると認められる場合は「故意」に当たらず、給付の対象になります。

解説

たった一文で、保険証が紙切れに変わる条件が決められている。国民健康保険法60条は、自己の故意の犯罪行為による、または故意にかかった病気・負傷について、療養の給付を「行わない」と言い切る。61条(けんか、泥酔、著しい不行跡)が「全部又は一部を行わないことができる」という裁量規定なのに対し、60条は保険者に裁量のない絶対的制限である。ただし限定が二つある。ひとつは「故意」であること、つまり過失犯は原則この射程の外にあること。もうひとつは、止まるのが「当該疾病又は負傷に係る」給付だけで、持病の通院まで巻き添えにはならないこと。最大の盲点はここから先だ。自殺未遂による負傷は、うつ病など精神疾患に起因すると認められる場合、「故意」に当たらず給付の対象になる。窓口で「自殺未遂は保険がききません」と言われて10割払った人は、その場で数十万円を取りこぼしている可能性がある。

法的な位置づけ

国民健康保険法60条は絶対的給付制限を定める規定であり、被保険者が自己の故意の犯罪行為により、又は故意に疾病にかかり若しくは負傷した場合に、当該疾病又は負傷に係る療養の給付等を行わない旨を規定する。制限の範囲は当該傷病に係る給付に限定され、被保険者資格そのものは失われない。裁量的制限を定める同法61条に対する、保険者に裁量のない類型として位置づけられる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.病院窓口の回答を結論扱いしない 「保険対象外です」と言われても、それは医療機関の経験則であって処分ではない。給付制限を決めるのは保険者(市区町村の国保担当・国保組合)であることを確認し、保険者の担当窓口の連絡先をその場で控える
  2. 2.入院中に主治医へ診断書を依頼する 原因が精神疾患による自殺企図である場合、うつ病等に起因する旨を明記した診断書を退院前に依頼する。保険者が「故意」の有無を判断する前に手元にあれば、処分が出る前に決着する可能性が高い
  3. 3.保険者の照会書には事実だけを書く 保険者から届く事実関係の照会書に、自己評価や「故意でした」に読める文言を自分の筆で書かない。日時・場所・経過・受診に至る経緯といった事実のみを記載し、判断部分は診断書と資料に委ねる
  4. 4.領収書と診療明細書を確保する 10割を支払った場合は、領収書と診療明細書を原本で保管する。再発行は有料となることが多く、内訳が立証できないと療養費の支給額計算そのものができない
  5. 5.3か月以内に審査請求する 給付制限の処分通知が届いたら、処分を知った日の翌日から3か月以内に国民健康保険審査会へ審査請求する(国民健康保険法91条、行政不服審査法18条1項)。期限を過ぎると判断が誤っていても争えない
  6. 6.支払済みなら療養費を請求する 保険給付の対象と判断された場合、療養費(同法54条)として保険者へ支給申請する。時効は2年(同法110条)、起算点は費用を支払った日の翌日である

よくある質問 AI による整理

Q1国民健康保険の給付制限とは?

保険者が保険給付を行わない、または一部を行わない取扱いのことです。国民健康保険法60条(故意)、61条(闘争・泥酔等)、62条(療養指示違反)、59条(拘禁中)に類型が分かれています。

Q2故意の犯罪行為とは何を指しますか?

故意犯として行った違法行為を指します。過失犯は原則含まれません。また犯罪行為と傷病との間に因果関係が必要で、無関係な受傷まで一括して制限することはできません。

Q3給付制限は誰が決めるのですか?

決めるのは保険者(市区町村の国保担当または国保組合)です。病院の受付で言われる「対象外です」は処分ではなく、争う相手を間違えると期間だけが過ぎます。

Q4給付制限に納得できないときの不服申立ては?

国民健康保険審査会へ審査請求します(国民健康保険法91条)。期限は処分を知った日の翌日から3か月以内、処分の日の翌日から1年を過ぎると原則できません。

Q5給付制限されると高額療養費も使えない?

保険給付が行われない以上、自己負担の上限を画する高額療養費も働きません。3割が10割になるだけでなく、天井のない自己負担が入院日数に比例して積み上がります。

Q6家族の受診まで止まりますか?

止まりません。制限は「当該疾病又は負傷に係る」給付に限られます。同一世帯の子どもの受診も、本人の無関係な持病の通院もこれまで通り使えます。

Q7健康保険(社保)でも同じ制限がありますか?

あります。健康保険法116条が同旨の絶対的制限を定めています。国民年金法69条にも故意の障害に対する不支給規定があり、制度横断で同じ発想が置かれています。

Q810割払ってしまった後でも請求できますか?

保険給付の対象だったと判断されれば、療養費(同法54条)として保険者に支給申請できます。時効は2年(同法110条)、起算点は費用を支払った日の翌日です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1自殺未遂で運ばれたら、治療費は全額自己負担になるんですか?

原則として保険給付を受けられます。厚生労働省は平成22年(2010年)5月21日の通知で、自殺未遂による傷病でも精神疾患等に起因すると認められる場合は60条の「故意」に当たらないと明示しました。実務のポイント:この通知が出たのは、現場で一律に対象外とする運用が実在したからです。断られたら、判断権限を持つ保険者に直接確認してください

Q2けんかでケガした場合も、この条文で保険が止まるんですか?

60条ではなく61条の問題です。けんか・泥酔・著しい不行跡は「全部又は一部を行わないことができる」という裁量規定で、必ず止まるわけではありません。実務のポイント:相手がいる負傷では第三者行為による傷病届の提出が必要になります。これを出さずに保険を使うと、後から保険者の求償手続で事情を蒸し返される。最初に出しておく方が結果的に静かに終わります

Q3窓口でもう10割払ってしまいました。後から取り戻せますか?

保険給付の対象だったと判断されれば、療養費(国民健康保険法54条)として保険者に支給申請できます。時効は2年です(同法110条)。実務のポイント:領収書と診療明細書を捨てないこと。再発行は有料になることが多く、金額の内訳が立証できないと支給額の計算そのものができません。まず紙を確保してから相談に行く

間違えやすい点 AI による整理

  • 「犯罪を犯したら国保は一切使えなくなる」と思われがちだが、止まるのは「当該疾病又は負傷に係る」給付だけである。その行為と無関係な糖尿病の通院も、同じ世帯の子どもの受診も、これまで通り使える。被保険者の資格そのものを失うわけでもない
  • 「保険がきくかどうか」を病院の受付で確かめようとする人が多いが、問いの立て方自体が誤っている。給付制限を決めるのは医療機関ではなく保険者である。窓口で言われる「対象外です」は多くの場合その職員の経験則であって、争える処分ではない。相手を間違えると、争う期間だけが溶けていく
  • 給付制限を「3割が10割になるだけ」と理解している人は、深刻度を読み違えている。保険給付が行われない以上、自己負担の上限を作る高額療養費も働かない。天井のない自己負担が、入院日数に比例してそのまま積み上がる
比較の観点この条文ほかの条文
制限の性質60条:絶対的制限(保険者に裁量なし、「行わない」)61条:裁量的制限(「全部又は一部を行わないことができる」)
62条:療養の指示に従わない場合の一部制限
対象となる行為自己の故意の犯罪行為、故意の疾病・負傷闘争、泥酔、著しい不行跡
保険者の療養に関する指示への不服従
制限の範囲当該疾病又は負傷に係る療養の給付等のみ当該事由に係る給付の全部又は一部
給付の一部
争い方の力点「故意」該当性そのものを否定する(精神疾患起因の立証等)裁量権の逸脱・濫用、事情の斟酌不足を主張する
指示の内容と不服従の有無・程度を争う

他国ではどう定めているか 5 か国

台湾
全民健康保険法第39条

台湾は不予給付項目を列挙する方式をとり、日本のような「故意」という一般要件で切り分ける構造ではない。列挙型のため射程の争いは条文解釈より項目該当性に寄る

韓国
국민건강보험법 제53조(급여의 제한)

韓国は故意または重大な過失による犯罪行為・自해行為等を給付制限事由として同一条文内に列挙する。日本が60条と61条に分けて絶対/裁量を書き分けるのと対照的

中国
中華人民共和国社会保険法 第30条

中国は第三者負担・公衆衛生負担・海外治療等とともに、医療保険基金から支払わない費用を列挙する方式。故意の自招事由を一般要件で切る日本型とは異なる

ドイツ
SGB V § 52(Leistungsbeschränkung bei Selbstverschulden)

ドイツは自己招致の傷病について費用の全部または一部を被保険者に負担させうると定め、原則として裁量的構成をとる。日本60条の「行わない」という断定形とは立法技術が異なる

フランス
Code de la sécurité sociale, art. L. 375-1

フランスは被保険者の故意の過失(faute intentionnelle)を給付喪失事由とするが、医療給付の普遍性が強く、実務上の制限は限定的とされる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 深夜、救急搬送された家族の病室で、事務職員から「これは保険対象外になるかもしれません」と告げられる。翌朝示された概算費用は80万円。だが原因がうつ病による自殺企図なら、この線引きは覆せる余地がある
  • もし飲酒運転で電柱に突っ込み、自分だけが大ケガをしたら、治療費は全額自腹になるのか? 道路交通法違反は故意犯だが、飲酒運転とケガの結びつきを60条の「故意の犯罪行為」で処理するか、61条の泥酔として裁量で処理するかは実務上、解釈が分かれている。保険者の判断ひとつで自己負担が3割か10割かに割れる
  • 殴り合いのけんかで、あなたが先に手を出して自分も鼻骨を折った。窓口で「けんかは保険がきかない」と言われても、それは61条の土俵であって、保険者が裁量で判断する事項である。60条の絶対的制限とは別の話になる
  • 給付制限の通知書が届いてから審査請求できるのは3か月。内容が難しそうだからと机の上に伏せたまま90日を過ぎると、判断が誤っていても争う扉そのものが閉じる。相談に来る人の多くが、残り数日の状態で来る

取るべき行動

被害を受けた側:1. 病院窓口の「保険対象外」を最終結論として受け取らない、処分を出すのは保険者である2. 原因が精神疾患による自殺企図なら、その旨を明記した診断書を主治医に依頼する3. 保険者の照会には評価ではなく事実だけを書く4. 給付制限の処分通知が出たら3か月以内に国民健康保険審査会へ審査請求(国民健康保険法91条)。いったん10割を払っていても、療養費として取り戻せる場合がある

訴えられた側:1. 刑事手続と保険は別軌道、不起訴でも保険者が独自に故意を認定することはある2. 犯罪行為とケガの因果関係を切り分ける、搬送中の別原因の受傷まで一括りにさせない3. けんかや泥酔の事案なら、絶対的制限の60条ではなく裁量制限の61条の土俵に乗せる主張を組む4. 10割請求が現実になったら、医療機関の分割払いと一部負担金の減免制度を早期に相談する

時効(請求できる期限):給付制限に不服がある場合の審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、処分の日の翌日から1年を過ぎると原則不可。保険給付を受ける権利自体は2年で時効消滅する(国民健康保険法110条)、療養費の起算点は費用を支払った日の翌日

学説

通説:60条の「故意」は結果発生の認識・認容を要し、過失は含まれない。また「当該疾病又は負傷に係る」の限定により、制限の効果は故意行為と因果関係のある傷病に係る給付に限られ、被保険者資格や無関係な傷病には及ばないと解されている

実務的理解:飲酒運転による自損事故のように、故意の違法行為と傷病の関係が間接的な事案では、60条の絶対的制限で処理するか61条の裁量的制限で処理するかが分かれうる。60条を広く適用すれば救済の余地が閉ざされるため、限定解釈が求められるとの理解が有力である

改正沿革 AI による整理

  • 昭和33年(1958年)現行法制定 現行の国民健康保険法(昭和33年法律第192号)制定時から置かれている絶対的給付制限規定。その後の条文文言の改正履歴は未検証であり、人的確認が必要

改正の年表

  1. 1.昭和33年(1958年) 新設:現行国民健康保険法(昭和33年法律第192号)制定時から置かれた絶対的給付制限規定。その後の条文文言の改正履歴は未検証であり、人的確認が必要

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国民健康保険法の全文を見る所属する編章節を開く:第三節

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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