国民健康保険法 第73条の2(出産育児交付金)
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- 出産育児一時金の支給に要する費用(健康保険法第百一条の政令で定める金額(第五十八条第一項の規定に基づく条例又は規約で定める金額が、同法第百一条の政令で定める金額に満たないときは、当該条例又は規約で定める金額とする。)に係る部分に限る。)の一部については、政令で定めるところにより、高齢者の医療の確保に関する法律第百二十四条の四第一項の規定により支払基金が都道府県又は組合に対して交付する出産育児交付金をもつて充てる。
- 2.健康保険法第百五十二条の三から第百五十二条の五までの規定並びに高齢者の医療の確保に関する法律第四十一条及び第四十二条の規定は、出産育児交付金について準用する。この場合において、必要な技術的読替えは、政令で定める。
この条文の基本情報
出産育児交付金とは何ですか?
定義出産育児交付金とは、国民健康保険法第73条の2に定められた規定で、「出産育児一時金の支給に要する費用(健康保険法第百一条の政令で定める金額(第五十八条第一項の規定に基づく条例又は規約で定める金額が、同法第百一条の政令で定める金額…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民健康保険法第73条の2(出産育児交付金)は、日本の国民健康保険法に含まれる条文です。
- 国民健康保険法第73条の2の条文原文は「出産育児一時金の支給に要する費用(健康保険法第百一条の政令で定める金額(第五十八条第一項の規定に基づく条例又は規約で定める金額が、同法第百一条の政令で定める金額…」で始まります。
- 国民健康保険法第73条の2は第五章に置かれています。
- 国民健康保険法の公布日は昭和33年12月27日です。
- 国民健康保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 国民健康保険法第73条の2の前の条は国民健康保険法第73条です。
- 国民健康保険法第73条の2の次の条は国民健康保険法第74条です。
- 国民健康保険法第73条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第73条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/333AC0000000192 - 本サイト収録
国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)第73条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/333AC0000000192/73_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民健康保険法73条の2は、出産育児一時金の費用の一部を、後期高齢者医療制度を原資とする出産育児交付金で賄うと定める。対象は健康保険法101条の政令金額に係る部分に限られる。
Q · 国民健康保険の出産育児一時金って、誰のお金から出ているんですか?
2024年度から後期高齢者医療の保険料も財源の一部です
国民健康保険法73条の2により、出産育児一時金の費用の一部は、支払基金が都道府県または国保組合へ交付する出産育児交付金で賄われます。その原資は後期高齢者医療制度、つまり75歳以上の人が納める保険料です(高齢者の医療の確保に関する法律124条の4第1項)。ただし交付の対象は健康保険法101条の政令金額(現行50万円)に係る部分に限られ、市町村の条例や組合規約で上乗せした額は保険者の全額負担になります。受け取る金額そのものを決めるのは本条ではなく、58条1項に基づく条例または規約です。
解説
出産育児一時金は健康保険の財布から出ている、と多くの人が信じている。国民健康保険に入っているあなたが受け取る50万円について、その前提は2024年4月に崩れた。国民健康保険法73条の2は、出産育児一時金の費用の一部を、社会保険診療報酬支払基金(医療費の請求と支払いを仲介する公的機関)が交付する「出産育児交付金」で賄うと定める。その原資をたどると、後期高齢者医療制度、つまり75歳以上の人が払う保険料に行き着く。高齢者向けの制度が出産という給付を恒常的に支える回路は、日本の社会保険史で初めてできたものだ。もう一つ知っておくべきことがある。あなたが実際に受け取る金額を決めているのは法律ではなく、住んでいる市町村の条例、または国保組合の規約である(58条1項)。本条が交付金を充てるのは健康保険法101条の政令金額(現行50万円)までの部分に限られ、それを超える上乗せ分は保険者の完全な持ち出しになる。
法的な位置づけ
国民健康保険法73条の2は、出産育児一時金の財源に関する規定である。支給に要する費用のうち健康保険法101条の政令金額(条例または規約で定める額がこれに満たないときはその額)に係る部分の一部について、支払基金が都道府県または国民健康保険組合に交付する出産育児交付金を充てることを定め、その交付手続には健康保険法152条の3から152条の5までの規定等を準用する。
よくある質問 AI による整理
Q1出産育児交付金とは?
支払基金が都道府県または国保組合へ交付する、出産育児一時金の費用を支える資金です。原資は後期高齢者医療制度の保険料で、2024年4月に始まりました。
Q2出産育児一時金はいくらもらえる?
現行の政令金額は50万円です。産科医療補償制度に加入していない医療機関等での出産は48.8万円になります。国保の実際の支給額は市町村の条例または組合規約で定まります。
Q3出産育児一時金の申請はいつまで?
出産日の翌日から2年で時効により権利が消滅します(国民健康保険法110条)。直接支払制度で生じた差額も同じ期間内に申請する必要があります。
Q4直接支払制度を使うと差額は自動で戻る?
自動では戻りません。出産費用が支給額を下回った場合、保険者へ差額支給の申請をして初めて振り込まれます。退院時の明細書を持参すると手続きが早く済みます。
Q5退職直後の出産、国保と健保の両方からもらえる?
二重受給はできません。被保険者期間が継続1年以上で資格喪失後6か月以内の出産なら、健康保険法106条により前の健保から受け取る選択も可能です。
Q6出産育児交付金は妊婦本人に支払われる?
本人には支払われません。交付先は都道府県または国民健康保険組合という保険者側であり、被保険者は保険者から出産育児一時金として給付を受けます。
Q7市町村が支給額を上乗せしたら交付金も増える?
増えません。本条1項は交付対象を健康保険法101条の政令金額に係る部分に限定しているため、条例や規約による上乗せ分は保険者の全額持ち出しになります。
Q8帝王切開や死産でも出産育児一時金はもらえる?
受け取れます。妊娠85日以降であれば、死産・流産・帝王切開のいずれでも支給対象です。手術費用自体は療養の給付として別途扱われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの市の出産育児一時金って、隣の市より少ないってことあるんですか?
法律上はありえます。国保の支給額を定めるのは市町村の条例または組合の規約(国民健康保険法58条1項)で、健康保険法101条の政令金額(現行50万円)は交付金を充てる範囲の基準にすぎません(本条1項)。実際はほぼ全団体が政令金額に合わせています。実務のポイント:条例で上乗せしても、その上乗せ分に出産育児交付金は充てられず全額が保険者の持ち出しになる。だから上乗せは広がりにくく、増額を望むなら国の政令金額そのものを動かす議論に乗せる方が早い
Q2なんで75歳以上の人のお金が、出産に使われるんですか?
2024年4月から、出産育児一時金の費用の一部を後期高齢者医療制度が支える仕組みが始まったためです。支払基金が都道府県や国保組合へ出産育児交付金を交付し(高齢者の医療の確保に関する法律124条の4第1項、本条1項)、その原資は後期高齢者の保険料です。負担割合は段階的に引き上げる設計です(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:この仕組みは金額より前例としての意味が大きい。高齢者側から子育て側へ資金を流す回路が一度できた以上、次の給付拡充でも同じ回路が財源候補に挙がる
間違えやすい点 AI による整理
- 「出産育児一時金は国が決めた50万円」という前提で誰もが話を始めるが、国保についてはその問いの立て方自体が誤っている。国保の支給額を定めるのは市町村の条例または国保組合の規約(58条1項)であり、50万円は健康保険法101条の政令金額。本条は、その政令金額までの部分にしか交付金を充てないと限定している。「国が保証している額」と「あなたの保険者が払う額」は、法律上は別々の話である
- 後期高齢者医療制度が出産費用を支えていること自体は報道で知っている人も、その性質までは知らない。単発の応援金ではなく、費用の一定割合を毎年恒常的に負担し、割合を段階的に引き上げる恒久の仕組みだ(負担割合は最新の改正状況をご確認ください)。一度敷かれた財源の回路は、次の給付拡充の議論でも真っ先に候補に挙がる
- 「交付金が入るなら自分の保険料は下がるはず」と考える人がいるが、本条の交付先は都道府県または国保組合であって、被保険者個人ではない。国保の保険料率は保険者の総収支で決まるため、交付金の効果は医療費の増減など他の要素に吸収され、通知書の上では見えなくなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 73条の2:出産育児一時金の財源(交付金)を定める | 58条1項:出産育児一時金の支給根拠と額を条例・規約に委任 76条:保険者が被保険者から徴収する保険料の根拠 |
| お金の流れ | 支払基金 → 都道府県・国保組合(後期高齢者医療が原資) | 保険者 → 被保険者(出産育児一時金として給付) 被保険者 → 保険者(保険料として納付) |
| 被保険者への影響 | 間接的(保険者の財政を通じて保険料率に反映) | 直接的(受け取る金額そのものを決める) 直接的(納める金額そのものを決める) |
| 金額を動かす手段 | 政令改正(負担割合・交付方法) | 市町村の条例改正または組合の規約変更 保険料率の告示(保険者の総収支で決定) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の出産給付は医療保険(全民健康保險)ではなく労工保険・国民年金の現金給付として設計され、日本のように医療保険者が一時金を支給する構造ではない。財源も高齢者医療とは切り離されている
韓国は健康保険の付加給付として妊娠・出産診療費を支援し、専用カード方式で医療機関に直接決済される。日本の直接支払制度に近いが、高齢者医療からの財政移転という仕組みは採っていない
ドイツは法定疾病保険が妊娠・出産の医療給付と母性手当を負担し、雇用主も上乗せ分を負担する。世代間の財政調整はリスク構造調整(Risikostrukturausgleich)で行われ、出産給付専用の高齢者拠出は存在しない
米国は妊娠・出産医療を必須給付として保険に義務づけるにとどまり、連邦レベルの出産一時金制度はない。財源は保険料と補助金で、高齢者向け Medicare から出産給付への財政移転は制度上存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 引っ越しで出産育児一時金の額は変わるのか? 国保の支給額を決めているのは法律ではなく市町村の条例だ。里帰り出産で住民票を移すか迷っているなら、出産日の時点でどこの保険者の被保険者かが分かれ道になる。予定日まであと40日、転出入のタイミングは今週中に決めないと、申請先の窓口ごと変わる
- 75歳を過ぎたあなたの手元に、保険料の決定通知書が届く。前年より上がっている理由の一つが、他人の出産費用を支える負担分だと説明されることはまずない。2024年度に始まり、負担割合は段階的に引き上げる設計になっている。納得するかどうかは別の話として、自分が何に払っているかを知ってから議論したい
- 出産費用が48万円で済んだ。直接支払制度を使ったので、残る2万円は自動では振り込まれない。申請しないまま2年経てば、その権利は時効で消える(国民健康保険法110条)
学説
全世代型社会保障の立法趣旨(政府説明):上昇し続ける出産費用を現役世代の保険料のみで支えることは困難であり、給付と負担の均衡を全世代で図る必要があるとの説明のもとに本条は新設された。他方、社会保険料の対価性を重視する立場からは、高齢者医療の保険料を別目的の給付に充てる設計への慎重論もある
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年)公布、令和6年(2024年)4月1日施行 全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律により新設。出産育児一時金の費用の一部を後期高齢者医療制度が支え、支払基金が都道府県または国保組合へ出産育児交付金を交付する仕組みを創設した
改正の年表
- 1.令和5年(2023年)公布・令和6年(2024年)4月1日施行 新設:全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律により新設。出産育児一時金の費用の一部を後期高齢者医療制度が支え、支払基金が都道府県または国保組合へ出産育児交付金を交付する仕組みを創設した
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