要点特許法 105 条の 17 は、秘密保持命令を受けていない者が訴訟記録の秘密部分の閲覧を請求すると、書記官が秘密提出者へ通知し、請求から 2 週間は閲覧を停止すると定める。
Q · 特許訴訟の記録に出した営業秘密を、相手方の社員に勝手に見られてしまうのですか?
請求後 2 週間は見られず、その間に秘密保持命令を申し立てられます
特許法 105 条の 17 により、秘密保持命令が発せられた訴訟記録につき、命令を受けていない者が民事訴訟法 92 条 1 項の秘密記載部分の閲覧等を請求すると、裁判所書記官は秘密を提出した当事者へ直ちにその旨を通知します(1 項)。そして請求日から 2 週間、または請求者への秘密保持命令の申立てに係る裁判が確定するまで、その者には閲覧させません(2 項)。ただし閲覧制限を申し立てた当事者全員が同意すれば、通知も 2 週間のロックも適用されません(3 項)。
特許侵害で訴えた、あるいは訴えられた。その訴訟の立証のため、自社の製造ノウハウや顧客データといった営業秘密が証拠として裁判記録に載った。ここで多くの企業が見落とす事実がある。訴訟記録は原則として誰でも閲覧できる(民事訴訟法91条)。だから秘密保持命令(特許法105条の4)で人を縛り、記録の閲覧を当事者に限る決定(民事訴訟法92条1項)で記録に蓋をして、二重に守る。ところが、ここに穴が空いている。秘密保持命令を受けていない人、たとえば相手方企業の別部署の社員が、当事者の立場で記録の閲覧を請求してきたらどうなるか。命令の網はその人にかからない。本条はその穴をふさぐ装置だ。閲覧請求があった瞬間、裁判所書記官は秘密を出した側へ直ちに通知し、請求日から2週間、その人には見せない。あなたはこの2週間で、その人物に対する秘密保持命令を申し立てるかどうかを決める。動かなければ、2週間後に営業秘密は穴から流れ出す。
特許法 105 条の 17 は、秘密保持命令が発せられた訴訟記録につき、命令を受けていない者から秘密記載部分の閲覧等の請求があった場合の通知および閲覧停止を定める規定である。裁判所書記官は秘密提出側へ請求を通知し、請求日から 2 週間、または請求者への秘密保持命令の申立てに係る裁判が確定するまで閲覧を停止する。閲覧制限を申し立てた当事者全員の同意があるときは適用されない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
訴訟で開示された営業秘密を、名宛人となった者が第三者に漏らしたり目的外で使ったりすることを禁じる裁判所の命令です(特許法 105 条の 4)。違反には刑事罰があります。
原則として何人でも閲覧を請求できます(民事訴訟法 91 条)。ただし秘密記載部分は閲覧制限決定(民訴 92 条 1 項)で当事者に限定でき、105 条の 17 が二重に守ります。
営業秘密など秘密が記載された訴訟記録の閲覧・謄写を当事者に限る民事訴訟法 92 条 1 項の決定です。105 条の 17 はこの決定を前提に通知と閲覧停止を働かせます。
閲覧請求があった日から 2 週間以内に請求者を名宛人として申し立てれば、その裁判が確定するまで閲覧停止が延長されます(105 条の 17 第 2 項)。期限を過ぎると閲覧を止められません。
はい。営業秘密に関する訴訟には、ほぼ同等の秘密保持命令と閲覧請求通知の制度が置かれています。退職者による営業秘密訴訟でも同じ攻防が起きます。
命令に違反して秘密を使用・開示すると刑事罰の対象となります。社内の同僚にすら漏らせなくなるため、命令を受けたら情報管理体制を即整える必要があります。
通知を受けた日ではなく、閲覧等の請求の手続が行われた日から起算します。郵送のタイムラグで実際に動ける日数はさらに短くなる点に注意が必要です。
2019 年改正で新設された査証(105 条の 2 の 2 以下)で得た情報も訴訟記録に現れ得ます。査証報告書の秘密部分にも 105 条の 17 の閲覧通知が及ぶ場面があります。
そのとおりだ。秘密記載部分の閲覧制限を申し立てた当事者の全員が同意すれば、通知も2週間のロックも適用されない(本条3項)。一人でも反対すれば原則どおりロックがかかる。業界裏話ヒント:実務では共同原告など利害が近い当事者が複数いると全員同意の取り付けに時間を食う。同意を急ぐ側は、誰が民事訴訟法92条1項の閲覧制限を申し立てた当事者なのかを記録上で先に特定しておくと、交渉すべき相手を絞り込める
2週間が過ぎ、かつ請求者への秘密保持命令を申し立てていなければ、書記官は閲覧を止められなくなり、その人物は秘密記載部分を見られる(本条2項の反対解釈)。業界裏話ヒント:この2週間は土日も含む暦日計算が原則で、想像より短い。通知が郵送で届くタイムラグも食うので実質動ける日数はさらに減る。起算点が『通知を受けた日』ではなく『閲覧請求があった日』である点を見落とすと、締切を丸ごと読み違える
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 役割 | 105 条の 17:閲覧請求時の通知と 2 週間の閲覧停止 | — |
| 誰に効くか | 命令を受けていない閲覧請求者に自動で 2 週間の時間差防御 | — |
| 回避・失効 | 全当事者の同意で不適用(3 項)/2 週間放置で失効 | — |
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