特許法 第12条(代理人の個別代理)
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手続をする者の代理人が二人以上あるときは、特許庁に対しては、各人が本人を代理する。
この条文の基本情報
代理人の個別代理とは何ですか?
定義代理人の個別代理とは、特許法第12条に定められた規定で、「手続をする者の代理人が二人以上あるときは、特許庁に対しては、各人が本人を代理する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第12条(代理人の個別代理)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第12条の条文原文は「手続をする者の代理人が二人以上あるときは、特許庁に対しては、各人が本人を代理する。」で始まります。
- 特許法第12条は第一章 総則に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第12条の前の条は特許法第11条です。
- 特許法第12条の次の条は特許法第13条です。
- 特許法第12条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第12条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第12条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法12条は、特許庁への手続で代理人が二人以上あるとき、各人が単独で本人を代理すると定める。共同代理を求める内部の約束は特許庁に対抗できない。
Q · 弁理士を二人つけたら、片方が勝手に手続を進めることはできないですよね?
できます。各代理人が単独で本人を代理します
特許法12条により、特許庁に対する手続で代理人が二人以上あるときは、各人が単独で本人を完全に代理します。片方の弁理士が他方に相談せず補正書・意見書・審査請求を出しても、特許庁は本人の正式な行為として受理します。「二人の連名でなければ動かさない」という社内や事務所間の約束は内部の話にすぎず、特許庁に対抗できません。ただし出願の取下げ・放棄など重大な行為には特許法9条の特別の授権が別途必要です。
解説
重要な特許出願だからと、念のため弁理士を二人つけた。多くの社長はこう考える。二人いれば相互チェックが効く、勝手なことはされない、と。特許法12条はその安心を真正面から否定する。「手続をする者の代理人が二人以上あるときは、特許庁に対しては、各人が本人を代理する」。つまり片方の弁理士が、もう一方に相談せず単独で補正書を出し、意見書を提出し、審査請求をしても、それは全部あなたの正式な行為として特許庁に受理される。「うちは二人の連名でないと動かさない約束だった」と後から言っても、特許庁には通じない。社内や事務所間の取り決めは、あくまで内部の話。外(特許庁)に対しては、一人ひとりが完全な代理人だ。ただし出願の取下げ、放棄など重大な行為には別途「特別の授権」(その行為をしてよいという本人の個別の許可)が要る(特許法9条)。この線引きを知らないと、誰か一人の独走であなたの権利が思わぬ方向に動く。
法的な位置づけ
特許法12条は個別代理の原則を定める規定であり、特許庁に対する手続をする者の代理人が二人以上あるときは、各人が単独で本人を完全に代理する旨を規律する。共同代理を求める内部の特約は特許庁に対して効力を持たず、出願の取下げ等の重大な行為には特許法9条の特別の授権を要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.委任前に「単独可」と「連名を求める」行為を仕分ける 複数の弁理士に委任する前に、補正・意見書・審査請求など日常手続(単独で有効になる行為)と、出願の取下げ・放棄・大幅減縮補正など社内で連名承認を求めたい行為を一覧化する。特許庁に対しては全員が単独代理権を持つ前提で線引きする
- 2.内部委任契約で共同承認と賠償条項を明記する 特許庁に対しては縛れないため、代理人との委任契約書に「重要手続は依頼者の事前書面承認を要する」「違反時は損害を賠償する」旨を明記する。歯止めは外(特許庁)ではなく内(委任契約)にしか作れない
- 3.重大行為には特許法9条の特別授権を書面化する 出願の取下げ・放棄・変更を代理人に任せる場合のみ、委任状に特別の授権を明示する。逆に任せない場合は特別授権を与えないことで単独処分を防ぐ
- 4.権限制限・解任は即日で特許庁へ届け出る 代理人の権限を制限・解任したら、その瞬間に特許庁へ届出を提出する。届出が到達するまではその代理人の単独行為が有効に本人を縛り続けるため、一日の遅れが望まない補正を有効にしてしまう
よくある質問 AI による整理
Q1個別代理とは何ですか?
代理人が複数いても各人がそれぞれ単独で本人を完全に代理できる原則です。特許法12条が根拠で、他の代理人の同意なく補正や審査請求を有効に行えます。
Q2特許法12条の代理人は何人まで委任できますか?
人数の上限は定められていません。ただし何人つけても各人が単独で代理権を持つため、人数を増やしても相互牽制の効果は特許庁に対しては生じません。
Q3共同代理を特許庁に登録できますか?
できません。特許法12条は各代理人に単独の代理権を与える強行規定で、「二人の連名でしか動けない」という共同代理の特約を特許庁に対して登録する仕組み自体が存在しません。
Q4代理人が単独ではできない行為はありますか?
出願の取下げ・放棄・請求の取下げ・出願の変更など重大な行為は、特許法9条により本人からの特別の授権がなければ単独では行えません。
Q5個別代理と共同代理の違いは何ですか?
個別代理は各人が単独で有効に手続できる仕組み、共同代理は全員そろわないと手続できない仕組みです。特許庁手続では12条により個別代理が強制されます。
Q6特許法12条は民事訴訟にも当てはまりますか?
同じ発想が民事訴訟法56条にもあり、弁護士を二人つけても各自が単独で本人を代理します。手続法一般に共通する個別代理の考え方です。
Q7弁理士を複数つけるメリットはありますか?
拒絶理由通知の応答期限が迫っても、メイン担当が不在のとき別の代理人が単独で対応できます。個別代理は危機時のバックアップとして機能します。
Q8出願の取下げは代理人が単独でできますか?
できません。取下げは重大な処分行為なので特許法9条の特別の授権が必要です。委任状にその旨の授権がなければ、代理人だけで取り下げることはできません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁理士を二人雇ったのに、片方が勝手に補正を出しました。これって取り消せますか?
特許庁に対しては有効な手続なので、出した事実そのものは取り消せません。ただし内容次第では、その後の再補正や意見書で実質的に戻せる場合があります(特許法17条の補正の制限内で)。実務のポイント:複数事務所に同じ案件を委任するとき、実務では「主任代理人」を一人決め、他は連絡、受信のみとする運用をする弁理士が多い。だがこれはあくまで内部運用で、特許庁に対しては全員が単独代理権を持ったまま。本当に縛りたいなら、委任契約書に「○○の手続は依頼者の事前書面承認を要する」と明記し、違反時の賠償条項を入れておく
Q2代理人を一人解任しました。特許庁にも伝えないとダメですか?
はい、特許庁への届出が必要です。届出が到達するまでは、解任したはずの代理人の手続も有効なものとして扱われます。実務のポイント:解任の意思表示を本人と代理人の間でしただけでは足りず、特許庁の手続上は届出の到達時点が分かれ目になる。トラブルになりやすいのは事務所変更のタイミング。旧事務所への委任を解いたつもりでも届出が遅れ、その間に旧事務所が形式的に出した手続が残る。事務所を変えるときは、新委任状の提出と旧代理人の解任の手続を同時に動かすのが安全
Q3共同で出願した場合、共同出願人の一人が単独で手続できますか?
それは別の条文の話です。代理人の個別代理は特許法12条ですが、複数の出願人自身が共同で手続をした場合は特許法14条(相互代表)が適用され、一定の重要な手続を除き各人が全員を代表します。実務のポイント:共同出願では、一人が単独で出した補正が全員に効いてしまう一方、出願の放棄、取下げのような重大な手続は全員の同意(または特別の定め)が要る。共同研究や産学連携の出願で、相手方が単独で権利範囲を狭める補正を出せる点を見落とすと、あとで揉める。共同出願契約に手続権限の分担を明記しておくのが定石
間違えやすい点 AI による整理
- 「弁理士を二人つければ、片方が勝手なことをしても、もう片方が止めてくれる」と思いがちだが、特許庁に対しては各人が単独で完全な代理権を持つ。一方が他方を止める法的な力は、特許庁の手続の上には存在しない
- 個別代理の原則は名前だけ知っていても、その射程の広さを軽く見ている人が多い。補正、意見書、審査請求といった日常的な手続だけでなく、いつ、どの代理人が動いたかをあなたが把握していなくても手続は進む。気づいたときには権利範囲が変わっている、という深刻さがある
- 「どうすれば二人の代理人に共同でしか動けないよう特許庁に登録できるか」と問う人がいるが、その問いそのものが成り立たない。特許法12条は共同代理の特約を特許庁に対して無効としており、そういう登録の仕組み自体が用意されていない。問うべきは、内部の委任契約でどう縛るか、だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する対象 | 特許法12条:代理人が複数のときの個別代理 | 特許法9条:代理権の範囲(重大行為の特別授権) 特許法14条:複数当事者の相互代表 |
| 誰が単独で動けるか | 各代理人が単独で本人を完全代理 | 取下げ・放棄等は特別授権がなければ単独不可 共同出願人の各人が一定行為を除き全員を代表 |
| 牽制のかけ方 | 内部委任契約でしか縛れない(特許庁に対抗不可) | 委任状の授権範囲で処分行為を制限できる 共同出願契約で手続権限の分担を定める |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も専利代理人による手続代理を認めるが、複数代理人の個別代理を明示する規定の有無は日本ほど明確でなく、実務運用に委ねられる部分がある
ドイツは代理一般法理を基礎とし、特許庁手続での代理人の権限は委任の趣旨により定まる。個別代理の当否は代理法の一般規律に従う
米国では登録された複数の代理人が USPTO に対しそれぞれ手続をなしうるのが実務であり、個別代理に近い運用となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 重要技術の出願を、念のため社内特許部の担当者と外部弁理士の二人に委任した。ある日、外部弁理士が社内に確認せず請求項を大幅に減縮する補正を提出。権利範囲が狭まったが、特許庁の手続としては完全に有効。「社内決裁が要る約束だった」は特許庁に対抗できない
- もし、メイン担当の弁理士が急病で連絡が取れず、拒絶理由通知(特許庁から届く「このままでは特許にできない」という通知)への応答期限まであと3日だとしたら? もう一人の代理人が単独で意見書、補正書を出せる。個別代理は、緊急時にはあなたを救う仕組みにもなる
- あなたが弁理士で、共同で受任した案件。相方が依頼者の意向を確認せず先に手続を進めてしまった。特許庁に対してはその手続は有効だが、依頼者との関係では善管注意義務(プロとして当然払うべき注意のレベル)違反の責任を問われうる
- 代理人の一人を解任した。だが特許庁への届出を忘れた。その隙にその弁理士が出した補正は、有効なまま記録に残る
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず特許庁の包袋(手続履歴)を取得し、いつ、どの代理人が何を出したかを時系列で確定する2. 既に確定した手続(補正等)は特許庁に対して有効なので、再補正や意見書で実質的に戻せる余地があるか(特許法17条の補正の制限内で)を別の専門家に確認3. 代理人が委任の趣旨に反して動いたなら、その代理人に対し善管注意義務(プロとして当然払うべき注意のレベル)違反に基づく損害賠償を検討(民法415条、709条) 4. 再発防止として、残る代理人の権限を制限する届出を直ちに特許庁へ
訴えられた側:1. あなたが代理人なら、単独で出した手続自体は有効だが、依頼者や共同代理人との内部関係で責任を問われうる点を自覚する2. 取下げ、放棄、出願変更等の重大な行為は特許法9条の特別の授権が必要、授権の範囲を委任状で再確認3. 依頼者の意向確認を怠った記録があると善管注意義務違反を問われやすい、連絡履歴を保全4. 共同受任時は、誰がどの手続を担当するかの内部分担を書面化し、独走による紛争を予防
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。ただし代理権の制限、消滅を特許庁に対抗するには届出が必要で、届出が到達するまで個別代理の効力が続く。また各手続には固有の期限がある(例:拒絶理由通知への応答は指定された期間内、在外者には別途期間。最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:特許法12条は特許庁に対する手続の迅速・円滑を確保するための強行規定であり、複数代理人がある場合の共同代理の特約は特許庁に対して効力を持たないと解される。相互牽制は本人と代理人の内部委任契約および善管注意義務の領域に委ねられる。
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