特許法 第14条(複数当事者の相互代表)
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二人以上が共同して手続をしたときは、特許出願の変更、放棄及び取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請又は申立ての取下げ、第四十一条第一項の優先権の主張及びその取下げ、出願公開の請求並びに拒絶査定不服審判の請求以外の手続については、各人が全員を代表するものとする。ただし、代表者を定めて特許庁に届け出たときは、この限りでない。
この条文の基本情報
複数当事者の相互代表とは何ですか?
定義複数当事者の相互代表とは、特許法第14条に定められた規定で、「二人以上が共同して手続をしたときは、特許出願の変更、放棄及び取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請又は申立ての取下げ、第四十一条第一項の優…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第14条(複数当事者の相互代表)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第14条の条文原文は「二人以上が共同して手続をしたときは、特許出願の変更、放棄及び取下げ、特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ、請求、申請又は申立ての取下げ、第四十一条第一項の優…」で始まります。
- 特許法第14条は第一章 総則に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第14条の前の条は特許法第13条です。
- 特許法第14条の次の条は特許法第15条です。
- 特許法第14条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第14条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第14条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法14条は、二人以上が共同で手続をしたとき各人が全員を代表すると定める。ただし出願の変更・放棄・取下げ、優先権の主張、出願公開の請求、拒絶査定不服審判の請求は例外で、全員の合意を要する。
Q · 共同で特許を出したら、相手が一人で勝手に取下げできるの?
できない。取下げは全員の合意が必要です
特許法14条により、二人以上が共同して手続をしたときは原則として各人が全員を代表します。住所変更、手数料納付、意見書提出などの日常手続は共同出願人の一人が単独で全員分を進められます。ただし出願の変更・放棄・取下げ、優先権の主張及びその取下げ、出願公開の請求、拒絶査定不服審判の請求は例外で、共同出願人全員の合意が必要です。したがって相手が一人であなたの出願を取下げて葬ることはできません。代表者を定めて特許庁に届け出れば手続窓口を一本化できます。
解説
大学の研究室で同期と二人で発明し、連名で特許を出願した。数年後、相手が転職して連絡が取りにくくなる。あるいは共同研究先の企業と特許を共有したが、事業方針が食い違ってきた。そこで効いてくるのが特許法14条だ。二人以上が共同で手続をしたとき、原則として各人が全員を代表する。住所変更や手数料の納付といった日常的な手続は、共同出願人の一人が単独で、しかも全員分まとめて進められる。だが例外がある。出願の変更、放棄、取下げ、優先権の主張やその取下げ、出願公開の請求、拒絶査定不服審判の請求といった「出願の運命を左右する行為」は、この相互代表から外れる。つまり一人では決められず、全員が揃わなければならない。あなたの名前が入った出願を、相手が勝手に取下げて葬ることはできない。逆に、相手の単独行動でルーティンが進んでしまうこともある。この線引きを知っているかどうかで、共同出願のリスク管理は決定的に変わる。
法的な位置づけ
特許法14条は手続の相互代表を定める規定であり、二人以上が共同して手続をしたとき、原則として各人が全員を代表することを規定する。ただし特許出願の変更・放棄・取下げ、優先権の主張及びその取下げ、出願公開の請求、拒絶査定不服審判の請求は例外とされ、全員の合意を要する。代表者を定めて特許庁に届け出た場合は相互代表によらない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出願時に代表者を定めて特許庁に届け出る 共同出願の段階で、誰が手続を主導するかを共同出願人間で決め、代表者を特許庁に届け出る(14条但書)。窓口が一本化され、後の単独行動による混乱を防げる
- 2.相手の単独手続が相互代表の範囲内か例外かを判定 相手が単独でした手続が、日常手続(相互代表の範囲内で有効)か、例外行為(変更・放棄・取下げ、優先権の主張、出願公開の請求、拒絶査定不服審判の請求)かをまず切り分ける
- 3.特許庁に係属状況と手続履歴を確認する 手続が確定する前に、特許庁へ出願の係属状況と手続履歴を問い合わせる。例外行為が単独でされていれば無効を主張できる余地がある
- 4.期限のある例外行為は逆算して全員の合意を取り付ける 拒絶査定不服審判の請求(査定謄本の送達日から3か月・特許法121条)のように期限がある例外行為は、相手の同意取り付けに要する時間を逆算して動く。連絡困難が予想されるなら早期に代表者を届け出ておく
よくある質問 AI による整理
Q1特許の相互代表とは何ですか?
二人以上が共同で特許手続をしたとき、各人が全員を代表して単独で手続を進められる仕組みです。特許法14条が根拠で、住所変更や手数料納付など日常手続に及びます。
Q2特許法14条の例外にあたる手続は何ですか?
出願の変更・放棄・取下げ、存続期間延長登録出願の取下げ、各種取下げ、優先権の主張及びその取下げ、出願公開の請求、拒絶査定不服審判の請求です。これらは全員の合意を要します。
Q3特許の共同出願で代表者を届け出る方法は?
共同出願人間で代表者を定め、特許庁に届け出ます(14条但書)。届け出れば以後その代表者だけが全員を代表し、手続窓口が一本化されて無断手続のリスクが下がります。
Q4共同出願で拒絶査定不服審判の請求はいつまでにできますか?
査定謄本の送達日から3か月です(特許法121条)。審判請求は14条の例外なので共同出願人全員の合意が必要で、連絡が取れないと期限内に請求できず出願を失う恐れがあります。
Q5共同出願人の一人が単独で出した意見書は有効ですか?
有効です。意見書や補正書の提出は14条の相互代表の範囲内で、共同出願人の一人が全員を代表して単独で提出できます。後から覆すことはできません。
Q6特許の共同出願がデッドロックになったらどうすればいいですか?
取下げや審判請求など例外行為は全員の合意が要るため、関係悪化で手続が完全に止まることがあります。出願時に手続の主導権と不調時の取扱いを契約で定め、弁理士・弁護士に相談するのが実務です。
Q7共同出願人が一人で優先権を主張できますか?
できません。特許法41条1項の優先権の主張及びその取下げは14条の例外で、共同出願人全員の合意が必要です。
Q8自分の持分だけ特許出願を取下げることはできますか?
できません。特許出願は持分ごとに取下げる仕組みではなく、取下げは出願全体に対する行為で14条の例外として全員の合意が必要です。一人が自分の分だけ抜ける選択肢は存在しません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1共同で特許を出したんですが、相手と仲が悪くなりました。私が一人で取下げて、別に出し直せますか?
できません。出願の取下げは特許法14条の相互代表の例外で、共同出願人全員の合意が必要です。あなた一人では取下げられず、相手の同意なく出し直しても共同出願義務(特許法38条)に反して拒絶されます。実務のポイント:共同出願の関係がこじれると手続が完全に止まる「デッドロック」になりやすい。実務では出願時に共同出願人間で手続主導権と不調時の取扱いを契約書で決めておくのが定石。揉めてからでは遅い。
Q2弁理士に任せてあるから、共同出願でも自分は何も気にしなくていいですよね?
そうとは限りません。代表者を定めて特許庁に届け出ていない限り(14条但書)、各共同出願人が単独で全員を代表して手続できます。あなたの知らない間に別ルートで手続が進む余地が残ります。実務のポイント:共同出願では代表者を選定して届け出ておくと窓口が一本化され、無断手続のリスクが下がる。弁理士に丸投げする前に、その届出を出したか一言確認するだけで安心度が変わる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「共同出願なら、何をするにも全員の署名が要る」と思われがちだが、実態は逆である。原則は相互代表で、住所変更、手数料納付、意見書提出など大半の手続は、共同出願人の一人が単独で全員を代表して進められる。全員の合意が要るのは、取下げや放棄など限られた重要行為だけだ。
- 相互代表のリスクを知識として「知ってはいる」人は多い。だがその深刻さを見落としている。代理人(弁理士)を立てていても、代表者を特許庁に届け出ていなければ、共同出願人の一人が別ルートで手続を進めることも有効に成立しうる。代理人がいるから安心、という油断が一番危ない。
- 「相手と揉めたら、自分の持分だけ取下げればいい」と考える人がいるが、問いの立て方そのものが誤っている。特許出願は持分ごとに取下げる仕組みではない。取下げは出願全体に対する行為で、しかも14条の例外として全員の合意が必要だ。一人が自分の分だけ抜ける、という選択肢はそもそも存在しない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 14条:共同手続における相互代表と例外の線引き | 38条:共有に係る権利は共同出願が必要 73条:共有特許権の持分譲渡・実施・許諾の制限 |
| 一人でできること | 日常手続(住所変更・手数料納付・意見書提出)は一人が全員を代表 | 単独出願は不可、全員で出願する必要 持分譲渡・専用実施権設定は他の共有者の同意が必要 |
| 全員の合意が必要な場面 | 取下げ・放棄・変更、優先権主張、出願公開請求、拒絶査定不服審判請求 | 出願行為そのもの(全員が出願人) 持分の譲渡・実施許諾・質権設定 |
| 回避・緩和手段 | 代表者を定めて特許庁に届け出る(14条但書) | 共同出願契約で持分・手続を事前に取り決める 共同出願契約で実施・許諾の条件を事前に取り決める |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も、共同でする専利手続について連署を原則としつつ、撤回・放棄など一定の行為を除いて代表を認め、代表人の指定制度を置く点で日本14条と構造が近い。
韓国特許法11条は、複数当事者が特許手続をするとき一定の例外を除き各自が全員を代表するとし、代表者を選定して特許庁長に届け出れば代表者のみが代表するとする。日本14条とほぼ同型。
ドイツ特許法にも複数出願人の手続に関する運用があるが、日本14条のような相互代表と例外を条文で明快に線引きする構造とは対応が一致しないため、断定的対照は控える(要確認)。
米国は各共同発明者・共同名義人が独立して手続に関与しうる運用(37 CFR 等)で、日本のように『相互代表と重要行為の例外』を一条で規律する構造とは異なる(要確認)。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 共同出願人の一人が、拒絶理由通知への応答(意見書、補正書)をあなたに相談せず単独で提出していた。これは相互代表の範囲内なので有効。気づいたときには補正が確定していた。
- もし共同出願した相手が、あなたに無断で出願を取下げようとしたら、どうなる? 取下げは14条の相互代表が効かない例外だ。あなたの同意なしに取下げは成立しない。一人で出願を葬る権限は、誰にも与えられていない。
- 拒絶査定が届いた。不服審判の請求期限は査定謄本の送達日から3か月(特許法121条)。だが審判請求は14条の例外で、共同出願人全員が揃わなければ請求できない。相手と連絡がつかないまま、残り日数だけが削られていく。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手が単独でした手続が、14条の相互代表の範囲内か、例外(取下げ、放棄、変更、優先権主張、出願公開請求、拒絶査定不服審判請求)かをまず判定する2. 例外に当たる行為を相手が単独でしたなら無効を主張し、特許庁に係属状況と手続履歴を確認する3. 範囲内の手続(意見書提出等)は有効で覆せない。今後の暴走を防ぐため、代表者の届出(14条但書)を相手と協議4. 関係が完全に壊れているなら、共有持分や手続権限を含めて弁理士、弁護士に相談する
訴えられた側:1. やりたい手続が相互代表の範囲内なら、あなた一人で全員を代表して進められる2. 取下げ、放棄、拒絶査定不服審判の請求など例外行為は、共同出願人全員の合意が必要。連絡がつかない相手がいると手続が詰む3. 連絡困難が予想されるなら、出願時か早期に代表者の届出をしておく4. 拒絶査定不服審判のように期限がある例外行為は、相手の同意取り付けを逆算して動く。3か月はあっという間だ
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない(代表のルールであり権利の消滅ではない)。ただし対象となる各手続には固有の期間がある。例えば拒絶査定不服審判の請求は査定謄本の送達日から3か月(特許法121条)。この期間内に全員の合意で請求しないと、出願は確定的に失われる(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:14条は手続の便宜と各共同出願人の重要決定権の保護を調停する規定と解される。日常手続は相互代表として効率を確保し、出願の運命を左右する行為(取下げ・放棄・変更、優先権主張、出願公開請求、拒絶査定不服審判請求)だけを例外として全員の合意を要求する、と説明される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 改正:現行特許法(昭和34年法律第121号)制定。旧法下の共同手続の代表規定を承継し、相互代表の原則と重要行為の例外、代表者届出の但書を整備した。
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