特許法 第121条(拒絶査定不服審判)
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- 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる。
- 2.拒絶査定不服審判を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。
この条文の基本情報
拒絶査定不服審判とは何ですか?
定義拒絶査定不服審判とは、特許法第121条に定められた規定で、「拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第121条(拒絶査定不服審判)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第121条の条文原文は「拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる。」で始まります。
- 特許法第121条は第六章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第121条の前の条は特許法第120条の8です。
- 特許法第121条の次の条は特許法第122条です。
- 特許法第121条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第121条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第121条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/121
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法121条は、拒絶査定を受けた者が査定謄本の送達日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求できると定める。補正を伴う請求は前置審査で原審査官が再判断する。
Q · 特許庁から拒絶査定が届いたら、もう特許は取れないの?
査定謄本の送達日から三月以内なら審判で覆せます
特許法121条により、拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、査定謄本の送達があった日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求できます。審判請求と同時に明細書等を補正すると前置審査(162条)に付され、原審査官が再度判断するため、審判官の合議を待たずに特許査定が出ることもあります。三月を過ぎると査定は確定しますが、天災など本人の責めに帰せない理由があれば、理由消滅から十四日(在外者は二月)以内かつ期間経過後六月以内に限り救済されます。
解説
特許庁から「あなたの発明は特許にできません」という拒絶査定の謄本が届く。多くの出願人は、この一通で開発した技術が永久に守られなくなったと思い込み、書類を引き出しにしまう。それは誤りだ。特許法121条は、その査定に不服がある者に「拒絶査定不服審判」という逆転の手段を与えている。期限は、査定謄本の送達があった日から三月。あなたが知っておくべきは、この審判が単なる再審査ではないという点だ。審判を請求すると、まず原審査官がもう一度見直す前置審査(162条)に回ることが多く、ここで明細書を補正していれば、審判官の合議に行く前に特許が認められることもある。さらに、自分の責めに帰せない理由(大規模災害、通信障害など)で三月を守れなかった場合でも、その理由が消えた日から十四日(在外者は二月)以内、かつ期間経過後六月以内なら救済される。締切に見える一本の線の裏に、二段構えの逆転ルートが隠れている。
法的な位置づけ
特許法121条は拒絶査定不服審判を定める規定であり、拒絶をすべき旨の査定を受けた者が、査定謄本の送達があった日から三月以内に特許庁へ審判を請求して再審理を求めることができる旨を規定する。審判請求と同時に明細書等を補正した場合は前置審査(162条)に付され、原審査官が再度判断する二段構えの救済構造を備える。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.査定謄本の送達日を特定し三月後を固定 拒絶査定が届いたら、まず謄本の「送達があった日」を特定し、そこから三月後の期限をカレンダーに固定する。代理人がいる場合は代理人への送達日が起算点になる点に注意する
- 2.拒絶理由が補正で解消できるか切り分ける 記載不備や限定で回避できる手続的拒絶理由か、新規性・進歩性の本質的否定かを弁理士と切り分ける。前者なら補正で逆転、後者なら正面から争う方針を決める
- 3.審判請求と同時に補正書を提出し前置審査を狙う 補正で解消できる場合、拒絶査定不服審判の請求書と同時に明細書・特許請求の範囲の補正書を提出する。前置審査(162条)に回り、原審査官の段階で特許査定が出る可能性がある
- 4.本質的争いは審判で争い分割出願で保険をかける 進歩性等を正面から争う場合は審判で進める一方、期限内に分割出願(44条)で別請求項を独立させ、片方が失敗しても権利化の道を残す二段構えを組む
よくある質問 AI による整理
Q1拒絶査定不服審判とは何ですか?
拒絶査定に不服がある出願人が、特許庁に再審理を求める手続です。特許法121条が根拠で、査定謄本の送達日から三月以内に請求する必要があります。
Q2拒絶査定不服審判の費用はいくらですか?
特許庁への審判請求手数料に加え、弁理士に依頼すると代理人費用がかかります。請求項数で手数料が変動するため、出願規模により総額は大きく変わります。
Q3前置審査とは何ですか?
審判請求と同時に補正をした場合に、まず元の審査官が再審査する手続です(特許法162条)。ここで拒絶理由が解消すれば合議を経ずに特許査定が出ます。
Q4拒絶査定への補正はどうやって行いますか?
審判請求と同時に明細書・特許請求の範囲の補正書を提出します。新規事項の追加は認められず、拒絶理由を回避する限定的な補正に限られます。
Q5拒絶査定不服審判の三月はいつから数えますか?
「気付いた日」ではなく査定謄本の送達があった日から起算します。代理人弁理士への送達でも期間が進むため、起算点の確認が重要です。
Q6拒絶査定不服審判の成功率はどのくらいですか?
補正の有無や拒絶理由の性質で大きく異なります。記載不備など補正で解消できる類型は前置審査段階で覆ることが相当数あります。
Q7拒絶査定不服審判と分割出願はどちらを選ぶべきですか?
争点が一部の請求項なら、審判で本体を争いつつ分割出願(44条)で別請求項を保険にする並走も有効です。期限到来後は並走が組めません。
Q8審決取消訴訟の期限はいつまでですか?
審判で敗れた場合、審決謄本の送達から三十日以内に知的財産高等裁判所へ審決取消訴訟を提起できます(特許法178条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1拒絶査定不服審判って、弁理士に頼まないと自分では請求できないんですか?
本人でも請求できます。特許庁に審判請求書を提出すればよく、121条に代理人必須の規定はありません。ただし拒絶理由の反論や補正の組み立ては専門性が高く、本人請求での逆転は容易ではありません。実務のポイント:審判請求と同時に補正を出すと前置審査(162条)に回り、原審査官が再判断します。実は審判官の合議まで行かずにここで特許が認められるケースが相当数あり、この前置審査での解決率を意識して補正案を作れるかが、本人と弁理士の差になります
Q2三月の期限を一日でも過ぎたら、もう絶対に特許は取れないんですか?
原則として請求できなくなり、拒絶査定が確定します。ただし121条2項に救済があり、天災や大規模通信障害など『責めに帰することができない理由』があれば、理由消滅から十四日(在外者は二月)以内、かつ期間経過後六月以内に限り請求可能です。実務のポイント:この救済は失念や多忙では認められません。どうしても権利化したい技術なら、期限を逃した後でも分割出願(44条)が使えないか、あるいは同じ発明を改良して再出願する道がないかを弁理士に相談する。一本の道が閉じても別の入口が残っていることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「拒絶査定が来た=もう特許は無理」と思い込む人が大半だが、実際には三月以内の審判請求で覆る案件は相当数ある。特に審判段階で補正を伴う前置審査(162条)に乗れば、原審査官自身が判断を変えることも珍しくない。拒絶査定は『最終決定』ではなく『一審の負け』にすぎない
- 審判請求の三月という期限は『気付いてから三月』ではなく『査定謄本の送達があった日から三月』だ。この起算点の違いを軽く見ると数週間を失う。送達は出願人本人だけでなく代理人弁理士への送達でも進行する、つまり自分が知らない間にカウントが始まっていることがある
- 121条2項の救済(責めに帰せない理由)を『うっかり忘れた場合の救済』と誤解している人がいる。問いの立て方そのものが誤っている。これは天災・大規模通信障害など本人の努力では避けられない事由のための例外であって、多忙・失念・代理人との連絡ミスは原則として救済されない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手段の性質 | 121条:拒絶査定への不服審判(特許庁内部の再審理) | 44条:出願の分割(別請求項を独立出願) 178条:審決取消訴訟(知財高裁での司法審査) |
| 申立先・管轄 | 特許庁(審判部の審判官合議体) | 特許庁(出願手続) 知的財産高等裁判所 |
| 期限 | 査定謄本の送達日から三月以内 | 原出願係属中(拒絶査定後一定期間内)に請求 審決謄本の送達日から三十日以内 |
| 主な効果 | 拒絶査定の取消し・特許査定の可能性 | 別請求項での権利化の保険を確保 審決そのものの取消し |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は拒絶後にまず特許主務官庁での再審査を経る構造。その後の不服は訴願・行政訴訟へ進む
韓国も特許庁の審判段階を経て特許法院(専門裁判所)に進む構造で、日本の審判→審決取消訴訟と類似する
ドイツは拒絶決定に対し連邦特許裁判所(Bundespatentgericht)へ Beschwerde を申し立てる。行政内部審判よりも早期に司法審査へ移行する点が日本と異なる
米国は審査官の拒絶に対し特許審判部(PTAB)へ appeal し、さらに連邦巡回控訴裁判所(CAFC)へ進む。前置審査に類する制度として継続審査請求(RCE)がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 個人発明家のあなたが何年もかけた装置の出願に、拒絶理由通知への反論も虚しく拒絶査定が届いた。諦めかけたが、謄本の送達日から三月以内なら審判を請求できる。しかも審判請求と同時に明細書を補正すれば前置審査に回り、原審査官が翻意する可能性がある。捨てる前に、補正で乗り越えられる拒絶理由かを見極めるのが分水嶺
- スタートアップのあなたが資金調達の最中、コア特許に拒絶査定が来た。投資家は『その特許どうなった』と聞いてくる。ここで『審判係属中』と言えるか『査定確定で権利化断念』と言うかで、企業価値の評価は大きく変わる。三月の期限管理を社内の誰も握っていない、それが本当のリスク
- もし、海外出張中に査定謄本が会社に届き、あなたがそれを知ったのが帰国後で、すでに三月を数日過ぎていたとしたら? 原則アウトだが、責めに帰せない理由と認められれば救済の余地がある。ただし『出張で忙しかった』程度では通らない、要件は厳しい
- あと十日で三月の期限。審判を請求するか、それとも分割出願で別の請求項を生かすか、あるいは両方走らせるか。この判断を弁理士と詰める最後のタイミングだ。期限を過ぎれば選択肢そのものが消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 査定謄本の『送達があった日』を特定し、そこから三月後の期限をカレンダーに固定する。代理人がいる場合は代理人への送達日が起算点2. 拒絶理由が補正で解消できる性質か(記載不備・限定で回避可能か、それとも新規性・進歩性の本質的否定か)を弁理士と切り分ける3. 補正で乗り越えられるなら、審判請求と同時に補正書を提出し前置審査(162条)を狙う4. 本質的争いなら審判で進歩性等を正面から争う。並行して分割出願(44条)で別請求項を保険にかける
訴えられた側:1. あなたが審判か他ルートかを選ぶ立場なら、まず権利化の事業上の必要性とコスト(審判費用・代理人費用)を試算する2. 拒絶理由が複数あるなら、すべて解消できる見込みがあるかを冷静に評価、一つでも本質的に潰せない理由が残れば審判は通らない3. 審判で負けても、審決の謄本送達から三十日以内に審決取消訴訟(178条)を知財高裁に起こせる、その先まで見据えて戦略を組む4. 権利化を断念する場合でも、ノウハウとして秘匿するか、防衛的に公開して他社の特許化を防ぐかを検討
時効(請求できる期限):拒絶査定の謄本送達の日から三月以内(121条1項)。責めに帰することができない理由で守れない場合は、その理由が消滅した日から十四日(在外者は二月)以内、かつ期間経過後六月以内に請求可能(同条2項)。審判で敗れた場合の審決取消訴訟は審決謄本送達から三十日以内(178条)
学説
通説:拒絶査定不服審判は審査の続審的性格を持ち、審判請求時の補正により前置審査(162条)で原審査官が再判断する二段構えの救済制度と理解されている。審判は単なる再審査ではなく、不服申立てとしての性格と続審としての性格を併せ持つ。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成27年(2015年)施行 拒絶査定不服審判の請求期間を、従来の30日から3月へと延長し、在外者と国内者の期間差を解消して一律3月に統一した。出願人の救済機会を実質的に拡大した
- 救済規定の整備 責めに帰することができない理由により期間内に請求できなかった場合の救済(2項)を整備し、理由消滅から一定期間内かつ期間経過後六月以内の請求を可能とした(具体的改正年は要確認)
改正の年表
- 1.平成26年(2014年)改正・平成27年(2015年)施行 改正:拒絶査定不服審判の請求期間を従来の30日から3月へ延長し、在外者と国内者の期間差を解消して一律3月に統一。出願人の救済機会を実質的に拡大した(施行時期は要確認)
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