特許法 第178条(審決等に対する訴え)
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- 取消決定又は審決に対する訴え及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書又は第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定に対する訴えは、東京高等裁判所の専属管轄とする。
- 2.前項の訴えは、当事者、参加人又は当該特許異議の申立てについての審理、審判若しくは再審に参加を申請してその申請を拒否された者に限り、提起することができる。
- 3.第一項の訴えは、審決又は決定の謄本の送達があつた日から三十日を経過した後は、提起することができない。
- 4.前項の期間は、不変期間とする。
- 5.審判長は、遠隔又は交通不便の地にある者のため、職権で、前項の不変期間については附加期間を定めることができる。
- 6.審判を請求することができる事項に関する訴えは、審決に対するものでなければ、提起することができない。
この条文の基本情報
審決等に対する訴えとは何ですか?
定義審決等に対する訴えとは、特許法第178条に定められた規定で、「取消決定又は審決に対する訴え及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書又は第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定に対する…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第178条(審決等に対する訴え)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第178条の条文原文は「取消決定又は審決に対する訴え及び特許異議申立書、審判若しくは再審の請求書又は第百二十条の五第二項若しくは第百三十四条の二第一項の訂正の請求書の却下の決定に対する…」で始まります。
- 特許法第178条は第八章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第178条の前の条は特許法第177条です。
- 特許法第178条の次の条は特許法第179条です。
- 特許法第178条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第178条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第178条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/178
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法178条は、審決取消訴訟を東京高等裁判所の専属管轄とし、審決謄本の送達日から30日の不変期間内に提起しなければならないと定める。
Q · 特許庁の審決に不服がある場合、どこの裁判所に、いつまでに訴えればいいの?
東京高裁(知財高裁)のみ。期限は30日で延長は原則不可
特許法178条1項により、取消決定又は審決に対する訴えは東京高等裁判所(実体は知的財産高等裁判所)の専属管轄です。地方の地方裁判所に提起することはできず、第一審がいきなり高裁になります。出訴期間は審決又は決定の謄本の送達があった日から30日(同条3項)で、この期間は不変期間(同条4項)のため、当事者の病気や多忙では延長されません。唯一の緩和は、遠隔又は交通不便の地にある者のために審判長が職権であらかじめ定める附加期間(同条5項)だけです。
解説
特許庁の審判で負けた。その審決の謄本が手元に届いた瞬間、見えないストップウォッチが動き出す。特許法178条が突きつけるのは二つの硬い現実だ。第一に、この審決を覆す訴えは東京高等裁判所、実体はその特別支部である知的財産高等裁判所の専属管轄(その裁判所でしか裁判できず、他の裁判所に移せない定め)。大阪の町工場だろうと福岡のスタートアップだろうと、戦場は東京一か所しかない。第二に、出訴期間は審決謄本の送達から30日。しかもこれは「不変期間」(裁判所の裁量では延ばせない、法律で固定された種類の期限)だ。風邪で寝込もうが、担当者が出張中だろうが、31日目には訴える権利が消える。唯一の逃げ道は、遠隔地の者のために審判長が「あらかじめ」職権で定める附加期間(上乗せの猶予)だけ。後から「間に合わなかった」と泣きついても、原則として通用しない。一行の条文が、あなたの数年がかりの特許戦略の生死を30日で区切る。
法的な位置づけ
特許法178条は、特許庁の取消決定又は審決に対する取消訴訟の管轄と出訴期間を定める手続規定である。当該訴えは東京高等裁判所の専属管轄に属し、審決又は決定の謄本の送達があった日から30日の不変期間内に提起しなければならない。提訴できる者は当事者、参加人及び参加申請を拒否された者に限られる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.審決謄本の送達日と附加期間を確認する 審決書・決定書の末尾で送達日と附加期間の記載を確認する。出訴期間は送達日の翌日から30日。附加期間が定められていればその日数を上乗せし、その場でカレンダーに出訴期限日を記入する
- 2.代理人を選定する 審決取消訴訟は弁理士が単独で訴訟代理できる類型(弁理士法6条)。審判を担当した弁理士にそのまま依頼するのが効率的で、知財訴訟に強い弁護士との協働も選択肢となる
- 3.被告適格を確認して訴状を作成する 被告が特許庁長官か相手方かは事件類型により分かれる(特許法179条)。査定系審判は特許庁長官、当事者系審判は相手方が被告となるのが原則。誤ると補正を要し期限を圧迫する
- 4.期限内に東京高裁(知財高裁)へ提訴する 主張・立証が固まらなくても、まず30日以内に訴えを提起することを最優先する。具体的な取消事由の主張はその後の準備書面で補充できるが、期間徒過だけは取り返しがつかない
よくある質問 AI による整理
Q1審決取消訴訟とは何ですか?
特許庁の審判官が下した審決や取消決定を、裁判所に取り消してもらう訴訟です。特許法178条が管轄と期限を定め、東京高等裁判所の専属管轄となります。
Q2審決取消訴訟の出訴期間はいつまでですか?
審決又は決定の謄本の送達があった日から30日です(特許法178条3項)。起算は送達日の翌日からで、この期間は不変期間のため原則延長されません。
Q3不変期間とは何ですか?
法律で固定され、裁判所の裁量では伸長できない期間です。特許法178条4項が30日の出訴期間を不変期間とし、病気や多忙を理由に延ばせません。
Q4審決取消訴訟は地方裁判所に起こせますか?
起こせません。特許法178条1項が東京高等裁判所の専属管轄と定めており、第一審が高裁になります。実際の審理は知的財産高等裁判所が担当します。
Q5附加期間はどうすれば付きますか?
遠隔又は交通不便の地にある者のため、審判長が職権であらかじめ定めます(178条5項)。当事者からの事後申請で付けてもらう制度ではありません。
Q6審決取消訴訟は弁理士だけで訴訟代理できますか?
できます。弁理士法6条により、審決取消訴訟は弁理士が単独で訴訟代理できる数少ない類型です。侵害訴訟とは代理権の範囲が異なります。
Q7誰が審決取消訴訟を提起できますか?
当事者、参加人、及び審理・審判・再審への参加申請を拒否された者に限られます(特許法178条2項)。無関係の第三者は提訴できません。
Q8審判を請求できる事項をいきなり裁判所に訴えられますか?
できません。特許法178条6項により、審判を請求できる事項に関する訴えは審決に対するものでなければ提起できません。審判前置が原則です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審決に納得いかないんですが、いつもの地方裁判所に訴えればいいですか?
いいえ、できません。審決取消訴訟は東京高等裁判所、実体は知的財産高等裁判所の専属管轄です(178条1項)。地元の地裁に出しても受理されず、通常の三審制と違い第一審がいきなり高裁になります。実務のポイント:知財高裁は技術に精通した裁判官と、技術専門家である調査官が揃う特別な裁判所。地裁を経ない分、第一審から高度な技術論の攻防になる。地元の一般民事に強いだけの代理人では太刀打ちできず、知財訴訟の経験者を選べるかが分かれ目になる
Q2弁理士さんに頼んでいるので、訴訟もそのまま任せられますよね?
任せられます。実は審決取消訴訟は、弁理士が弁護士なしで単独で訴訟代理できる数少ない類型です(弁理士法6条)。特許庁の審判を担当した弁理士が、地続きで東京高裁の訴訟まで代理できる。実務のポイント:同じ特許でも「侵害訴訟」は別物で、そちらは特定侵害訴訟代理業務の付記を受けた付記弁理士でも、弁護士と共同でなければ代理できない(弁理士法6条の2)。審決取消訴訟だけは弁理士の独壇場、だから審判から訴訟まで一貫して同じ弁理士に任せられるのがこの類型の大きな利点だ
間違えやすい点 AI による整理
- 出訴期間が30日だと知っている人は多いが、「不変期間」の重みを知らない。これは裁判所が当事者の事情を斟酌して延ばせる「法定期間」とは別物で、病気でも事故でも原則一切延びない。延長の窓口は事前の附加期間だけ、事後の救済は天災級の例外(追完)に限られる
- 「審決に不満なら地元の地裁に行けばいい」と考える人がいるが、問いの立て方そのものが間違っている。審決取消訴訟に地裁は存在しない。第一審がいきなり東京高裁という、通常の三審制とは異なる構造で、地裁を一段飛ばす
- あなたから見れば「特許庁の判断に納得いかないから裁判所へ」という素直な不服申立てだが、法律から見ればこれは行政の判断を覆す取消訴訟の一種。だから審判で出さなかった新証拠を訴訟でいきなり持ち出せるか、という審理範囲の独自論点が立ちはだかる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する事項 | 178条:専属管轄(東京高裁)と出訴期間30日の不変期間 | 179条:被告適格(特許庁長官か相手方か) 181条:審決取消判決後の審判官による再審理 |
| 間違えた場合の帰結 | 管轄違い・期間徒過は却下、実体審理に入れない | 被告を誤ると補正が必要、期限内提訴の圧迫要因 取消判決の拘束力の理解を誤ると再審理で同じ結論に戻る |
| 当事者が動くタイミング | 審決謄本の送達直後(最初の30日) | 訴状作成時 取消判決確定後 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は特許(発明専利)の審定・挙発審定に不服がある場合、訴願を経て智慧財産及商業法院の行政訴訟へ進む。専門裁判所への集中という点で日本と同型だが、訴願という行政上の不服申立てを一段挟む点が異なる
韓国は審決取消訴訟を特許法院(Patent Court)の専属管轄とする。日本の知財高裁が東京高裁の支部であるのに対し、韓国の特許法院は独立した高等法院級の専門法院である点が構造上の相違
ドイツはドイツ特許商標庁(DPMA)の決定に対し連邦特許裁判所(BPatG)への Beschwerde、さらに法律問題に限り連邦通常裁判所(BGH)への Rechtsbeschwerde という二段構造。専門裁判所の独立性は日本より徹底している
米国は PTAB の決定に対し連邦巡回控訴裁判所(CAFC)へ直接上訴する道(§ 141)と、バージニア東部地区連邦地裁に民事訴訟を提起する道(§ 145、査定系のみ)が併存する。日本のような単線的な専属管轄ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 拒絶査定不服審判で負けた審決が届いた。受領から検討に20日かけ、いざ訴訟と決めたとき残りは10日。東京高裁宛の訴状を仕上げ、被告を誰にするか(特許庁長官か相手方か、179条で分かれる)を確認し終えられるか。タイムリミットは刻一刻と迫る
- もし審決謄本の送達日を1日勘違いしていたら、どうなる? 不変期間の起算は送達があった日の翌日から。30日目を31日目と数えて訴状を出せば却下され、無効にされた特許を取り戻す最後の道が閉じる。期間計算のたった1日のズレが、全てを無に帰す
- 地方の中小企業の知財担当者。審決に不服だが、訴訟コストと自社特許の価値を天秤にかける時間は数日しかない。まず審決書の末尾を開き、遠隔地ゆえの附加期間が付いているかを確認する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 審決謄本の送達日を正確に記録、起算は翌日から30日。末尾で附加期間の有無を確認2. 審決取消訴訟は弁理士が単独で訴訟代理できる数少ない類型(弁理士法6条)なので、審判を担当した弁理士にそのまま依頼するのが効率的、知財に強い弁護士との協働も選択肢3. 東京高裁(知財高裁)宛に訴状を準備、被告は事件類型により特許庁長官か相手方か異なる(179条参照) 4. 中身が固まらなくても期限内提起を最優先、主張は後の準備書面で補充する
訴えられた側:1. 相手が訴えを起こせる30日の間は審決が確定していないことを認識、権利行使を急ぎすぎない2. 出訴期間が経過すれば審決は確定、無効審判で勝っていれば特許の無効が確定する3. 訴えが提起されたら被告または参加人として知財高裁での反論を準備4. 審決で認められた自社の主張が訴訟で覆らないよう、審決の論理を補強する立証を整える
時効(請求できる期限):審決又は決定の謄本の送達があった日の翌日から30日(不変期間、特許法178条3項・4項)。遠隔又は交通不便の地にある者には審判長が職権で附加期間を定めうる(同条5項)。期間徒過後は原則として訴え提起不可、追完は天災等の極めて例外的な場合に限る
学説
通説(審判前置・第一次判断権尊重説):178条6項が審判を経ない直接出訴を封じているのは、技術的専門性を有する特許庁の第一次判断権を尊重する趣旨と解される。この理解は、審決取消訴訟の審理範囲を審判で現実に審理判断された事由に限定する判例法理とも整合する。
通説(専門裁判所集中説):東京高裁への専属管轄集中は、技術に通じた裁判官と調査官による審理の専門性と判断の統一を確保するための立法政策である。2005年の知的財産高等裁判所設置により、この集中審理体制は組織法上も裏付けられた。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正・平成27年(2015年)施行 特許異議申立制度の再導入に伴い、第1項に特許異議申立書の却下の決定に対する訴え及び第120条の5第2項の訂正の請求書の却下の決定に対する訴えが加えられた。全体の改正回数及び他の改正点は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法の制定に伴い、審決等に対する訴えの専属管轄と出訴期間を定める規定として置かれた
- 2.平成16年(2004年) 改正:知的財産高等裁判所設置法の制定により、178条1項が指定する東京高等裁判所の特別の支部として知財高裁が設置され、実質的な審理主体が明確化された(施行は平成17年)
- 3.平成26年(2014年) 改正:特許異議申立制度の再導入に伴い、第1項に特許異議申立書の却下の決定及び第120条の5第2項の訂正の請求書の却下の決定に対する訴えが加えられた(施行は平成27年)
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