特許法 第2条(定義)
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- この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
- 2.この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。
- 3.この法律で発明について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。
- 一物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為
- 二方法の発明にあつては、その方法の使用をする行為
- 三物を生産する方法の発明にあつては、前号に掲げるもののほか、その方法により生産した物の使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為
- 4.この法律で「プログラム等」とは、プログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下この項において同じ。)その他電子計算機による処理の用に供する情報であつてプログラムに準ずるものをいう。
この条文の基本情報
定義とは何ですか?
定義定義とは、特許法第2条に定められた規定で、「この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第2条(定義)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第2条の条文原文は「この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。」で始まります。
- 特許法第2条は第一章 総則に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第2条の前の条は特許法第1条です。
- 特許法第2条の次の条は特許法第3条です。
- 特許法第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第2条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法2条は「発明」と「実施」を定義する。実施には生産・使用・譲渡等のほか、輸出入や展示を含む譲渡等の申出も含まれ、販売前でも侵害が成立しうる。
Q · 特許を「使っていない」つもりでも、特許侵害になることってあるの?
ある。展示・輸入・ネット配信も「実施」に当たり侵害になりうる
特許法2条3項は「実施」を行為類型ごとに限定列挙しており、物の発明では生産・使用・譲渡等(譲渡・貸渡し・プログラム等のネット提供)・輸出入・譲渡等の申出(展示を含む)が実施に当たります。つまり自分で製造・販売していなくても、他人の特許品を輸入したり、EC サイトやカタログに並べたり、ソフトウェア特許を実装したアプリを無償配信するだけで「実施」=侵害が成立しうるのです。売れたかどうかではなく「申し出たか」が分水嶺になります。
解説
特許法を読むとき、多くの人は権利の中身(68条)から入る。だが本当の急所は、その手前の2条にある。特許権とは「業として特許発明の実施をする権利を専有する」もので、何が「実施」に当たるかを定義しているのがここだからだ。そして「実施」の射程は、あなたの想像よりはるかに広い。物を作る、使う、売るだけでなく、貸す、輸出する、輸入する、さらに「譲渡等の申出」、つまりカタログや EC サイトに並べて展示するだけでも実施に当たる。売れていなくても侵害になりうるのだ。2002年の改正で、ソフトウェア(プログラム等)が「物」に組み込まれ、ネット配信も「譲渡等」に含まれた。あなたがアプリを無償で配っても、それが他人の特許を実装していれば実施になる。さらに「発明」の定義(自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの)は、計算手法やビジネスの仕組みが特許になるかどうかの分水嶺だ。この一条が、あなたの事業のどこからが侵害かを静かに決めている。
法的な位置づけ
特許法2条は基本概念を定義する規定である。1項は「発明」を自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものと定め、3項は「実施」を、物の発明については生産・使用・譲渡等・輸出入・譲渡等の申出、方法の発明についてはその使用、物を生産する方法の発明についてはさらに生産物の使用等として、行為類型ごとに限定列挙する。
よくある質問 AI による整理
Q1特許法上の「発明」の定義は?
特許法2条1項は発明を「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」と定義します。自然法則の利用と高度性が要件で、単なる着想や人為的取決めは含みません。
Q2特許法でいう「実施」にはどんな行為が含まれる?
物の発明では生産・使用・譲渡等・輸出・輸入・譲渡等の申出が実施です。方法の発明ではその使用、物を生産する方法の発明ではさらに生産物の使用・譲渡等が加わります(2条3項)。
Q3「譲渡等」と「譲渡等の申出」の違いは?
譲渡等は譲渡・貸渡し(プログラム等はネット提供を含む)を指し、譲渡等の申出はその前段階の展示や勧誘です。申出だけでも実施に当たるため、販売前でも侵害となりえます。
Q4特許法の「プログラム等」とは何を指す?
電子計算機への指令を組み合わせたプログラム、およびこれに準ずる処理用情報を指します(2条4項)。平成14年改正でソフトウェアが「物」に含められました。
Q5「物を生産する方法」の発明の実施とは?
その方法の使用に加え、方法により生産した物の使用・譲渡等・輸出入・譲渡等の申出も実施に当たります(2条3項3号)。製法特許は完成品の流通まで効力が及びます。
Q6ビジネスの仕組みは特許になる?
仕組みそのものは自然法則の利用を欠くため発明に当たりません。ただしサーバー処理やシステム構成という技術的手段に落とし込めば、ビジネス関連発明として保護されうります。
Q7特許でいう「使用」はどこまで該当する?
物の発明では、その物を本来の機能に従って用いる行為が使用に当たります。業として行えば実施となり、純粋に個人的・家庭内の使用は68条の効力の外です。
Q8特許法2条はいつ改正された?
平成14年(2002年)にプログラム等を「物」に含め、ネット配信を譲渡等に追加。平成18年(2006年)に実施行為へ「輸出」を追加しました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1アイデアだけでも特許って取れるんですか?
頭の中の着想そのものでは取れません。特許法2条1項の「発明」は『自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの』なので、アイデアを自然法則を使った具体的な技術的手段にまで落とし込む必要があります。実務のポイント:ビジネスの仕組みも、それを実現するシステムやサーバー処理という技術的手段に紐づければ『ビジネス関連発明』として特許になりうる。「仕組みは特許にならない」と諦める前に、技術的な実装に翻訳できないか弁理士に相談する価値がある
Q2他人の特許製品を売らずに展示しただけなら、侵害じゃないですよね?
侵害になりえます。2条3項の「実施」には『譲渡等の申出』が含まれ、その括弧書きで展示も入ると明示されています。つまり売れていなくても、展示会や EC サイトに並べた時点で実施=侵害が成立しうる。実務のポイント:権利者側はこれを使い、相手が大量に売り出す前の『出品段階』で差止めを打つ。逆にあなたが出品側なら売上が立つ前でも警告が届く。特許調査は『販売開始前』ではなく『出品・展示前』に終わらせるのが実務の鉄則
Q3海外で作られた製品を輸入して売る場合、日本の特許は関係ないのでは?
関係あります。2条3項は『輸入』を実施行為と定めているので、製造が海外でも、日本に輸入した時点で日本特許の侵害になりえます。実務のポイント:個人輸入でも業として行えば侵害リスクがあり、権利者は税関に輸入差止めを申し立てられる。通関で止められて在庫が宙に浮くこともある。海外仕入れの転売では、仕入れ前に日本での特許・意匠・商標を必ず確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「売らなければ侵害にはならない」と考えて在庫リスクだけを計算する人がいるが、問いの立て方そのものが違う。展示・カタログ掲載・EC への出品(譲渡等の申出)だけで実施は成立する。「売れたか」ではなく「申し出たか」が分水嶺だ
- ソフトウェアが特許の対象になることは知っていても、その深刻さを見落としている人が多い。プログラムをネット経由で提供する行為(ダウンロード提供・SaaS 配信)そのものが「譲渡等」=実施に当たる。GitHub やアプリストアでの無償公開でも、他人の特許を実装していれば侵害になりうる
- 「アイデアやビジネスの仕組みは特許にならない」と思われがちだが、自然法則を利用した技術的手段に落とし込まれていれば保護されうる。逆に、純粋な計算手法や人為的な取り決めそれ自体は自然法則の利用を欠き発明に当たらない。あなたから見れば画期的なアイデアでも、法律から見れば技術的手段がなければ保護の外、この落差が出願戦略を誤らせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 2条:何が「発明」「実施」に当たるかを定義 | 68条:業としての実施を専有する効力を規定 101条:実施に準じる行為を侵害とみなす(間接侵害) |
| 規律対象 | 用語(発明・実施・プログラム等)の意味 | 権利者が独占できる範囲 直接侵害の予備的・幇助的行為 |
| 侵害判断での位置 | 実施該当性を判定する入口 | 権利の効力範囲を画定 直接侵害に当たらない行為を捕捉 |
他国ではどう定めているか 4 か国
第21条が発明を「利用自然法則之技術思想之創作」と定義し、第58条が物の発明・方法の発明ごとに実施(製造・販売の要約・使用・輸入等)を列挙する。日本の2条と骨格がほぼ同型
発明を「自然法則を利用した技術的思想の創作으로 고도한 것」と定義し、実施の類型も日本法と同旨。植民地期に日本法を継受した経緯を反映する
ドイツは発明の定義を条文で置かず、§ 9で特許の効力として禁止される実施行為(製造・提供・市場流通・使用・輸入・所持)を列挙する。日本の2条+68条に相当する機能を集約
§ 101が特許適格な発明(process, machine, manufacture, composition of matter)を、§ 271が侵害としての make/use/sell/offer to sell/import を定める。判例(Alice 判決)でソフト・ビジネス方法の適格性が制限された点は日本と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが海外の展示会で見つけた便利な雑貨をメルカリや BASE で転売し始めたら、どうなる? それが日本の特許を侵害する製品だった場合、自分で製造していなくても「輸入」と「譲渡等の申出」が実施に当たり、出品して並べた瞬間にあなたは侵害者になりうる
- 個人開発したアプリを App Store で無償公開した。課金も広告もしていない。それでも、他人のソフトウェア特許を実装していれば「プログラム等を電気通信回線を通じて提供する」行為=実施に該当し、ある日警告書が届く。趣味のつもりが侵害の当事者になる
- あなたのスタートアップが新製品をクラウドファンディングのページに載せ、リターン品として「予約受付」を始めた。販売はまだゼロ。だが画像と仕様を掲示した時点で「譲渡等の申出」=実施が成立し、競合の特許権者が差止めを打ってくる余地がある
- あなたが画期的な料金プランの仕組みを思いつき、特許出願を考えた。だが仕組みそのものは「自然法則の利用」を欠くため発明に当たらない。サーバー処理やシステム構成という技術的手段に落とし込めるかどうかで、保護されるか門前払いかが分かれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手の行為がどの「実施」類型に当たるか特定する(製造・使用・販売・貸与・輸入・展示・ソフト配信)。展示や EC 出品(譲渡等の申出)でも実施なので、販売前でも動ける2. 製品・広告・出品ページを証拠保全(スクショ、URL、日付) 3. 自社特許の技術的範囲(70条)と相手製品を対比し、弁理士・弁護士に侵害鑑定を依頼4. 警告書送付から交渉、決裂なら差止請求・損害賠償(100条、102条)。輸入品なら税関の輸入差止申立ても併用
訴えられた側:1. まず自分の行為が本当に「実施」に当たるか確認、業としてでない純粋に個人的な使用は68条の射程外2. 相手特許の技術的範囲を精査、自社製品が構成要件を全て充足するか確認(一つでも欠ければ非侵害) 3. その特許自体の無効事由(新規性・進歩性の欠如)を調査し、無効審判(123条)や無効の抗弁(104条の3)で反撃4. 先使用権(79条)も確認、相手の出願前から実施していた事業なら継続できる
時効(請求できる期限):侵害に基づく損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年で時効(民法724条、724条の2)。差止請求権は特許権の存続期間中(原則として出願から20年)行使でき、継続的な侵害は日々新たに時効が起算される(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:発明の成立には「自然法則の利用」が要件であり、純粋な計算手法・人為的取決め・経済法則それ自体は発明に当たらない。ビジネス方法も、技術的手段(システム・サーバー処理等)に具体化されていれば発明該当性が認められうる。
通説:2条3項の実施行為は限定列挙であり、条文に掲げられた類型に該当しない行為は直接には実施に当たらない。ただし予備的・幇助的行為は101条の間接侵害で別途捕捉される。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年) プログラム等を「物」の発明に含め、譲渡等に電気通信回線を通じた提供を追加。ソフトウェアのネット配信が実施行為として明文化された
- 平成18年(2006年) 実施行為に「輸出」を追加。模倣品の国外流出を捕捉できるよう実施の範囲を拡張した
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:プログラム等を「物」の発明に含め、譲渡等に電気通信回線を通じた提供を追加。ソフトウェアのネット配信が実施行為として明文化された
- 2.平成18年(2006年) 改正:実施行為に「輸出」を追加。模倣品の国外流出を捕捉できるよう実施の範囲を拡張した
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