特許法 第179条(被告適格)
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前条第一項の訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。ただし、特許無効審判若しくは延長登録無効審判又はこれらの審判の確定審決に対する第百七十一条第一項の再審の審決に対するものにあつては、その審判又は再審の請求人又は被請求人を被告としなければならない。
この条文の基本情報
被告適格とは何ですか?
定義被告適格とは、特許法第179条に定められた規定で、「前条第一項の訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。ただし、特許無効審判若しくは延長登録無効審判又はこれらの審判の確定審決に対する第百七十一条第一…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第179条(被告適格)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第179条の条文原文は「前条第一項の訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。ただし、特許無効審判若しくは延長登録無効審判又はこれらの審判の確定審決に対する第百七十一条第一…」で始まります。
- 特許法第179条は第八章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第179条の前の条は特許法第178条です。
- 特許法第179条の次の条は特許法第180条です。
- 特許法第179条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第179条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第179条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/179
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法179条は審決取消訴訟の被告を定める。査定系審判では特許庁長官、特許無効審判など当事者系審判ではその相手方(請求人または被請求人)が被告となる。
Q · 特許の審判で負けたら、被告は特許庁でいいの?
審判の種類次第。当事者系なら相手方が被告です
特許法179条により、審決取消訴訟の被告は審判の種類で変わります。拒絶査定不服審判など査定系なら被告は特許庁長官ですが、特許無効審判・延長登録無効審判など当事者系では、その審判の請求人または被請求人が被告です。当事者系で特許庁長官を被告にすると、被告適格を欠くとして却下されかねません。出訴期間は審決謄本の送達日から30日の不変期間(178条3項・4項)で、被告を誤ると訴え直しの間に審決が確定するおそれがあります。
解説
特許の審判で負けた。次は東京の知的財産高等裁判所で審決取消訴訟を起こす。残り時間は30日。ここで多くの人が、最初の一歩でつまずく。誰を被告にするかだ。特許法179条は、この入口に見えない分岐を仕込んでいる。拒絶査定不服審判や訂正審判のように、あなたと特許庁だけが向き合った審判(査定系)なら、被告は特許庁長官。だが特許無効審判や延長登録無効審判のように、相手方が存在した審判(当事者系)なら、被告は特許庁長官ではなく、その相手方本人だ。長官を被告にして当事者系の訴えを起こせば、中身を一切審理されないまま却下されうる。その間に30日の出訴期間は過ぎ、審決は確定する。被告を一人取り違えるだけで、戦う前に勝負がつく。
法的な位置づけ
特許法179条は、審決取消訴訟の被告適格を定める規定である。拒絶査定不服審判や訂正審判のような査定系の審決に対する訴えでは特許庁長官が被告となり、特許無効審判や延長登録無効審判のような当事者系の審決に対する訴えでは、その審判の請求人または被請求人が被告となる。行政事件訴訟法上の被告適格の一般原則に対する特則として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.審決謄本の送達日を記録し、出訴期間を逆算する 審決の謄本が届いたら送達日を記録する。ここから30日の不変期間が起算される(特許法178条3項)。カレンダーに提出期限を書き込み、初日から動く
- 2.審判の種類を判定する(査定系か当事者系か) 審判番号と種類を確認し、査定系(拒絶査定不服審判・訂正審判など)か当事者系(特許無効審判・延長登録無効審判など)かを判定する。この振り分けが被告を決める
- 3.被告を特定する 査定系なら被告は特許庁長官。当事者系なら審判の請求人または被請求人(相手方)を被告とし、登記事項証明書で正確な名称・所在を確定する(特許法179条但書)
- 4.知的財産高等裁判所に訴状を提出する 東京高裁(知的財産高等裁判所)の専属管轄に、30日以内に訴状を提出する(特許法178条1項)。当事者系では特許庁長官の180条の2意見にも備える
よくある質問 AI による整理
Q1審決取消訴訟とは何ですか?
特許庁の審判の審決に不服があるとき、その取消しを求めて知的財産高等裁判所に提起する訴訟です。出訴期間は審決謄本の送達日から30日です(特許法178条・179条)。
Q2査定系審判と当事者系審判の違いは?
査定系は出願人と特許庁だけが向き合う審判(拒絶査定不服審判など)、当事者系は相手方が存在する審判(特許無効審判など)です。179条で被告が長官か相手方かに分かれます。
Q3審決取消訴訟の管轄裁判所はどこですか?
東京高等裁判所(知的財産高等裁判所)の専属管轄です(特許法178条1項)。地方裁判所を経由せず、第一審として知財高裁に提起します。
Q4当事者系で被告を間違えるとどうなりますか?
被告適格を欠くとして訴えが却下されるおそれがあります。訂正している間に30日の出訴期間が経過すれば、審決が確定し争えなくなります。
Q5無効審判で勝った側も被告になりますか?
なります。相手方が知財高裁に審決取消訴訟を起こせば、審判で勝った請求人または被請求人が被告席に座ります(特許法179条但書)。
Q6特許庁長官は当事者系訴訟に関与しないのですか?
被告ではありませんが、特許法180条の2により当事者系の審決取消訴訟で意見を述べることがあります。相手方と特許庁の双方に備える必要があります。
Q7審決取消訴訟の出訴期間はいつから数えますか?
審決の謄本が送達された日から30日で計算します(特許法178条3項)。この30日は不変期間で、原則として延長できません。
Q8審決取消訴訟の被告は訴状にどう書けばよいですか?
査定系なら「特許庁長官」、当事者系なら審判の請求人または被請求人の正確な名称・所在を記載します。審判の種類を確認してから被告を特定します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審決に不服なんですが、とりあえず特許庁を被告にして訴えればいいですか?
そこが分かれ目です。拒絶査定不服審判のような査定系なら被告は特許庁長官で正解ですが、特許無効審判や延長登録無効審判のような当事者系では、被告は相手方の請求人または被請求人になります(特許法179条但書)。当事者系で長官を被告にすると、被告適格を欠くとして却下されかねません。実務のポイント:審決の謄本には審判番号が記されており、無効○○○といった記号で当事者系だと判別できる。封を開けた瞬間に種類を確認する習慣が、30日を生かすか溶かすかを分けます
Q230日って本当に短いですよね、延長はできないんですか?
原則できません。審決取消訴訟の出訴期間30日は不変期間(特許法178条3項・4項)で、当事者の都合では延ばせません。例外として在外者などに附加期間が定められることはあります(同5項、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:実務では謄本の送達日を起点に逆算したスケジュールを最初に固めるのが鉄則。被告の確定・訴状作成・知財高裁への提出を30日に収めるには、迷う時間こそが最大の敵で、種類判定と被告特定を初日に済ませておくと余裕が生まれます
間違えやすい点 AI による整理
- 「審決に不服なら特許庁を訴えればいい」という思い込み。当事者系審判の取消訴訟では、被告は特許庁長官ではなく、審判の請求人または被請求人、つまり私人である相手方だ。特許庁は当事者の座にいない
- 「どの審判でも被告は同じ」という前提そのものが誤っている。査定系と当事者系で被告は全く入れ替わる。あなたが立てるべき問いは「特許庁をどう訴えるか」ではなく、「自分が経た審判は査定系か当事者系か」である
- 出訴期間が30日と短いことは知っていても、その深刻さを取り違えている。被告を誤れば、訴え直しや被告の整理に手間取るうちに不変期間が経過し、審決が確定する。短いのは期間だけでなく、ミスを取り戻す猶予のほうだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律事項 | 179条:審決取消訴訟の被告適格 | 178条:出訴期間(30日)と知財高裁の専属管轄 行訴法11条:抗告訴訟の被告適格の一般原則 |
| 査定系の被告 | 特許庁長官 | ―(管轄・期間を規律) 処分をした行政庁の所属する国・公共団体 |
| 当事者系の被告 | 審判の請求人または被請求人(相手方) | ― 特則がなければ国・公共団体 |
| 位置づけ | 行訴法11条の特則 | 179条の前提規定 一般法(179条により排除) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では専利の拒絶・無効に対する不服は訴願を経て智慧財産及商業法院の行政訴訟で争い、被告は経済部智慧財産局となる。当事者を相手方とする日本の当事者系とは構造が異なる。
韓国も原則として特許庁長官を被告とするが、無効審判など当事者系では相手方を被告とする点で日本179条と類似する。
ドイツの特許無効はそもそも特許権者を相手とする民事的な無効訴訟の構造をとり、庁を被告とする日本の査定系とは前提が大きく異なる。
米国では PTAB の審決に対して連邦巡回控訴裁判所へ上訴し、当事者系(IPR 等)では相手方当事者が、その他では USPTO 長官が当事者となる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自社の主力特許を、競合の起こした無効審判で潰された。あと N 日で出訴期間が切れる。逆転を狙って審決取消訴訟を出すなら、被告は特許庁ではなく、無効審判を仕掛けてきた相手会社そのもの。ここを取り違えると、残り時間を却下の応酬で食いつぶす
- もし、あなたが査定系と当事者系を取り違えて被告を間違えたら、どうなる? 訴え自体は受け付けられても、被告適格を欠くとして門前払いになりうる。中身の良し悪しを審理してもらえないまま、30日の不変期間は刻一刻と減っていく
- 拒絶査定不服審判で出願を蹴られた。相手方は存在せず、向き合ったのは特許庁だけ。だから被告は特許庁長官。当事者系のつもりで相手会社を探す必要はない。ここは迷わず長官だ
- 他社の特許に無効審判を仕掛けて勝ったのに、相手が知財高裁に持ち込んできた。今度はあなたの会社が被告席に座る。審判で勝った側が、訴訟では訴えられる側に回る。180条の2による特許庁長官の意見にも目を配る必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 審決の謄本が届いたら送達日を記録、ここから30日のカウントが始まる(特許法178条3項) 2. 審判の種類を判定:拒絶査定不服審判・訂正審判など査定系なら被告は特許庁長官、特許無効審判・延長登録無効審判など当事者系なら被告は相手方の請求人または被請求人(179条但書) 3. 管轄は東京高裁(知的財産高等裁判所)に専属(178条1項) 4. 当事者系なら相手方の正確な名称・所在を訴状段階で確定、被告適格を誤らないこと。判断に迷えば30日を待たず弁理士・弁護士に確認する
訴えられた側:1. 当事者系審判で相手から審決取消訴訟を起こされたら、あなたが被告。訴状の送達を確認し、審判で提出した主張・証拠を即座に整理する2. 特許庁長官は当事者ではないが、180条の2で意見を述べる場合があるため、その内容も把握3. 審判で確定した判断を維持する立場で、知財高裁での技術論・無効理由の蒸し返しに反論を組む4. 自社が請求人・被請求人のどちらだったか、審判記録で立場を正確に確認してから防御方針を決める
時効(請求できる期限):審決取消訴訟の出訴期間は審決の謄本送達日から30日(特許法178条3項)、これは延長を許さない不変期間(同4項)。在外者など遠隔の者には附加期間が定められることがある(同5項、最新の改正状況をご確認ください)。被告を誤った場合、この期間内に正しい被告へ訴えを整えられなければ却下のリスクが高い
学説
通説:審決取消訴訟の被告は審判の性質で振り分けられる。査定系は行政処分への不服という性格から特許庁長官を、当事者系は私人間紛争の延長という性格から相手方を被告とする。行政事件訴訟法11条の被告適格の一般原則に対する特則と解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法の制定に伴い、審決取消訴訟の被告を査定系は特許庁長官、当事者系は審判の請求人または被請求人と振り分ける規定として設けられた。
- 2.平成16年(2004年) 改正:行政事件訴訟法の改正で一般の抗告訴訟の被告が行政庁から国・公共団体へ整理されたが、審決取消訴訟は特許庁長官を被告とする特則として維持され、一般原則の例外に位置づけられた。
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