特許法 第171条(再審の請求)
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- 確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。
- 2.民事訴訟法第三百三十八条第一項及び第二項並びに第三百三十九条(再審の事由)の規定は、前項の再審の請求に準用する。
この条文の基本情報
再審の請求とは何ですか?
定義再審の請求とは、特許法第171条に定められた規定で、「確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第171条(再審の請求)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第171条の条文原文は「確定した取消決定及び確定審決に対しては、当事者又は参加人は、再審を請求することができる。」で始まります。
- 特許法第171条は第七章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第171条の前の条は特許法第170条です。
- 特許法第171条の次の条は特許法第172条です。
- 特許法第171条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第171条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第171条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/171
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法171条は、確定審決に対し当事者・参加人が再審を請求できると定める。事由は民訴338条等に準用され、証拠偽造や判断の遺脱に限られ、審決内容の当否は争えない。
Q · 無効審判で特許がつぶされて確定したら、もう一切やり直せないの?
確定審決でも証拠偽造など手続の瑕疵があれば再審で覆せる
特許法171条により、確定した取消決定および確定審決に対しても、当事者または参加人は再審を請求できます。ただし覆せる事由は民事訴訟法338条1項・2項、339条に準用されたものに限られ、証拠の偽造、判断の遺脱、代理権の欠缺など手続の致命的瑕疵に絞られます。審決内容の当否そのものは争えません。しかも再審の事由を知った日から30日以内という短い期間制限(特許法173条)があり、これを過ぎると原則として請求できなくなります。
解説
あなたが特許の無効審判で負け、審決が確定した。通常ここで勝負は終わる。特許法167条の一事不再理効が、同じ事実と同じ証拠で再び争うことを封じるからだ。だが171条は、その固く閉じた扉に一つだけ鍵穴を残している。相手が出した証拠が偽造だった、審判官が判断すべき主張を見落としていた、代理人に代理権がなかった。こうした根本的な瑕疵があれば、確定した審決でも再審で覆せる。ただし2項が示す通り、覆せる事由は民事訴訟法338条1項・2項、339条に列挙されたものに限られる。中身の蒸し返しは一切できない。通用するのは手続の致命的な欠陥か、不正だけだ。そして気付いた日から30日という極端に短い時計が、その瞬間から動き始める。
法的な位置づけ
特許法171条は審決の再審を定める規定であり、確定した取消決定および確定審決に対して、当事者または参加人が再審を請求できる旨を規律する。再審の事由は民事訴訟法338条1項・2項および339条が準用され、証拠の偽造や判断の遺脱等の限定列挙に絞られる。一事不再理効(特許法167条)の例外として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.確定審決の理由と手続を洗い直す 確定した審決の理由を読み直し、自分が主張した無効理由への判断遺脱がないか、審判手続に違法がないかを点検する。相手が提出した証拠に偽造・虚偽の疑いがないかも同時に確認する
- 2.民訴338条1項の該当号を特定する 見つけた瑕疵が、証拠の偽造(6号)、判断の遺脱(9号)、代理権の欠缺(3号)など、民訴338条1項・339条のどの事由に当たるかを特定する。中身の当否への不満は事由にならない点に注意する
- 3.偽造系の事由なら刑事告訴を並行する 証拠偽造・虚偽陳述など犯罪を理由とする場合、民訴338条2項の有罪確定要件を満たす布石として刑事告訴を検討する。刑事の決着が再審の通りやすさを大きく左右する
- 4.知った日から30日以内に再審請求書を提出 再審の事由を知った日を起点に、30日以内(特許法173条)に再審請求書を特許庁へ提出する。確定から原則3年の制限もある。判明の経緯を内容証明やメールで日付ごと記録し、起算点を固定しておく
よくある質問 AI による整理
Q1特許の再審とは何ですか?
確定した取消決定や審決を、限られた事由に基づいて再び審理する手続です。特許法171条が根拠で、証拠の偽造や判断の遺脱など手続の致命的瑕疵がある場合に請求できます。
Q2確定した審決でも覆せますか?
原則として一事不再理効(特許法167条)で覆せませんが、171条の再審は例外です。ただし内容の誤りは対象外で、手続の重大な瑕疵か不正に限られます。
Q3再審の事由にはどんなものがありますか?
民訴338条1項が準用され、証拠の偽造、判断の遺脱、代理権の欠缺、審判官の関与の違法などが列挙されています。中身の蒸し返しは事由になりません。
Q4判断の遺脱とは何ですか?
当事者が主張した重要な事項について、審決が判断を示さないまま結論を出すことです。民訴338条1項9号の再審事由になりえます。
Q5取消決定に対しても再審を請求できますか?
できます。特許法171条1項は、確定した取消決定と確定審決の両方を再審の対象としています。当事者または参加人が請求できます。
Q6誰が特許の再審を請求できますか?
当事者または参加人です。無効審判に参加した通常実施権者なども、参加人の立場で再審を請求できる場合があります。
Q7証拠が偽造だった場合、再審できますか?
できる余地があります。ただし民訴338条2項により、偽造を理由とする再審は原則として有罪の確定判決等がなければ認められません。
Q8民訴338条2項の有罪確定要件とは何ですか?
証拠の偽造など犯罪を理由とする再審では、原則としてその犯罪について有罪判決が確定していることが必要とされる要件です。刑事の決着が再審の前提になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一度負けた無効審判、審決の判断がどう見ても間違ってるんですが、再審でやり直せますよね?
残念ながら、判断の当否そのものは再審の対象外です。171条2項が準用する民訴338条1項は、証拠の偽造、判断の遺脱、代理権の欠缺といった事由を限定列挙し、中身の蒸し返しを認めません。実務のポイント:実務では「再審事由に化ける手続瑕疵」を探すのが勝負どころ。審決が触れていない主張が一つでもあれば判断遺脱(9号)を狙える。理由の薄い審決ほど、実は再審の隙がある
Q2再審の事由らしきものを見つけました。いつまでに動けばいいんですか?
特許法173条で、事由を知った日(審決確定後)から30日以内です。さらに確定から原則3年で完全に締め切られます。実務のポイント:争点になるのは「いつ知ったか」。相手は「もっと前に知っていたはずだ」と期間徒過を突いてきます。だから事由判明の経緯を内容証明やメールで日付ごと残すこと。この一手が30日の起算点を守る盾になる
間違えやすい点 AI による整理
- 判断が間違っていれば再審で正せると思いがちだが、再審は中身の誤りを救済しない。事由は民訴338条1項の限定列挙に尽きており、「審決の結論がおかしい」という不満だけでは入口にすら立てない
- 再審があると知っていても、その時計の短さを知らない人が多い。事由を知った日から30日、確定から原則3年。深刻なのは、気付いた時にはもう期間が過ぎているケースが大半だという点だ
- 「確定したら一切争えない」という前提自体が不正確。167条の壁には、171条という例外の通用口が初めから設計されている。問うべきは「争えるか」ではなく「どの事由に当たるか」だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 特許法171条:確定審決・取消決定を覆す再審の入口 | 特許法167条:確定審決の一事不再理効(原則) 特許法173条:再審の請求期間(30日・3年) |
| 対象 | 確定した取消決定および確定審決 | 同一事実・同一証拠による再度の審判請求 171条の再審請求そのもの |
| 要件・限界 | 民訴338条1項・2項、339条の限定列挙事由に該当すること | 確定審決の登録により以後の同一争いを封じる 事由を知った日から30日、確定から原則3年 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は特許無効を挙発として智慧財産局が審査し、確定後の是正は行政訴訟の再審に接続する。手続瑕疵・不正を事由とする点で日本と親和的。
韓国特許法も再審の請求を独立の条で定め、民事訴訟法の再審事由を準用する構造をとり、日本法と近い。
ドイツは確定判決の再審(Wiederaufnahme)を ZPO が定め、特許無効訴訟にも及ぶ。偽造・可罰的行為を事由とする点が共通する。
米国は確定判決からの救済を FRCP 60(b) が定め、詐欺(fraud)や新証拠で限定的に認める。特許は PTAB の再審査等の別ルートも併存する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 無効審判であなたの特許が無効と判断され確定した。半年後、相手方が審判で提出した実験データが捏造だったと判明する。167条があるから同じ争いはできないと諦めかけるが、その偽造が刑事で文書偽造として立件されれば、民訴338条1項6号の再審事由になりうる。確定審決を生き返らせる道がまだ残っている
- もし審判官が、あなたが主張した重要な無効理由について一言も判断しないまま審決を出していたら? それは判断の遺脱(民訴338条1項9号)にあたりうる。だが気付いてから30日を過ぎれば、その扉は音もなく閉じる
- 通常実施権者として無効審判に参加していたが、知らぬ間に手続が進み、代理権のない者が当事者を代理していた。あなたも当事者・参加人として再審を請求できる立場にある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 確定審決の理由を読み直し、自分の主張への判断遺脱や手続違反がないか洗う2. 相手提出の証拠に偽造・虚偽の疑いがあれば、民訴338条1項各号のどれに当たるか特定3. 偽造系の事由なら刑事告訴を並行し、338条2項の有罪確定要件への布石を打つ4. 事由を知った日を起点に30日以内(特許法173条)に再審請求書を特許庁へ。一日でも超えれば門前払いになる
訴えられた側:1. 相手の再審請求が30日・3年の期間制限(特許法173条)を守っているか真っ先に確認、徒過なら不適法却下を主張2. 主張された事由が民訴338条1項の限定列挙に本当に該当するか、中身の蒸し返しにすぎないと反論3. 原審で知り主張できた事由は使えない点(338条1項但書)を突く4. 偽造主張には有罪確定判決の有無(338条2項)を確認する
時効(請求できる期限):特許法173条。再審の事由を知った日(審決確定後)から30日以内、かつ審決確定の日から3年を経過すると原則として請求できない。事由が確定後に発生した場合は発生日の翌日から3年を起算。代理権欠缺など一部の事由には3年の制限が及ばない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:特許法171条の再審は独自の事由を持たず、民訴338条1項・2項、339条の限定列挙を準用する。したがって審決内容の当否そのものは救済の対象外であり、救済されるのは手続の致命的瑕疵と偽造等の不正に限られると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 改正:特許法全部改正(昭和34年法律第121号)により現行体系が成立し、確定審決等に対する再審制度が置かれた。
- 2.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法の全面改正に伴い、準用先の再審事由の条番号が整理され、現行の338条・339条を参照する形となった。
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