特許法 第173条(再審の請求期間)
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- 再審は、請求人が取消決定又は審決が確定した後再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならない。
- 2.再審を請求する者がその責めに帰することができない理由により前項に規定する期間内にその請求をすることができないときは、同項の規定にかかわらず、その理由がなくなつた日から十四日(在外者にあつては、二月)以内でその期間の経過後六月以内にその請求をすることができる。
- 3.請求人が法律の規定に従つて代理されなかつたことを理由として再審を請求するときは、第一項に規定する期間は、請求人又はその法定代理人が送達により取消決定又は審決があつたことを知つた日の翌日から起算する。
- 4.取消決定又は審決が確定した日から三年を経過した後は、再審を請求することができない。
- 5.再審の理由が取消決定又は審決が確定した後に生じたときは、前項に規定する期間は、その理由が発生した日の翌日から起算する。
- 6.第一項及び第四項の規定は、当該審決が前にされた確定審決と抵触することを理由とする再審の請求には、適用しない。
この条文の基本情報
再審の請求期間とは何ですか?
定義再審の請求期間とは、特許法第173条に定められた規定で、「再審は、請求人が取消決定又は審決が確定した後再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第173条(再審の請求期間)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第173条の条文原文は「再審は、請求人が取消決定又は審決が確定した後再審の理由を知つた日から三十日以内に請求しなければならない。」で始まります。
- 特許法第173条は第七章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第173条の前の条は特許法第172条です。
- 特許法第173条の次の条は特許法第174条です。
- 特許法第173条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第173条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第173条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/173
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法173条は再審の請求期間を定め、再審の理由を知った日から30日以内、かつ審決確定から3年以内の請求を要する。矛盾審決を理由とする場合は期間制限がない。
Q · 特許の審決が確定した後、再審っていつまでに請求できるの?
理由を知った日から30日、かつ確定から3年以内です
特許法173条により、再審は再審の理由を知った日から30日以内に請求しなければならず(1項)、かつ審決確定から3年を経過すると請求できません(4項)。責めに帰することができない理由で30日を逃した場合は、理由消滅から14日(在外者は2月)かつ期間経過後6月以内の救済があります(2項)。前の確定審決と抵触することを理由とする再審だけは、30日も3年も適用されません(6項)。
解説
特許の無効審判で負けた。審決が確定し、もう終わったと机の引き出しに資料を放り込んだまま数か月が過ぎたある日、相手が決定的なデータを偽造していたと判明する。覆せるのか。限定的に覆せる。だが特許法173条は、その扉に二重の鍵をかけている。第一の鍵は「再審の理由を知った日から30日」。不正に気付いても、そこから30日動かなければシャッターが落ちる。第二の鍵は「審決確定から3年」。3年経てば、後から不正が判明しても扉は永久に開かない。さらに見落とされやすいのが6項だ。確定した審決が、それより前の確定審決と矛盾している場合、この30日も3年も適用されない。矛盾を理由にする再審だけは、期間の壁が存在しない。あなたが知っておくべきは、自分の再審理由がどの枠に入るかで、残された時間が30日にも、3年にも、無期限にもなるという点である。
法的な位置づけ
特許法173条は、確定した取消決定または審決に対する再審の請求期間を定める規定である。再審は再審の理由を知った日から30日以内に請求しなければならず、かつ審決確定から3年を経過した後は請求できない。前の確定審決と抵触することを理由とする再審には、これらの期間制限は適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の事情が再審事由に当たるか確認 特許法171条が準用する民事訴訟法338条の再審事由(判断の基礎となった証拠の偽造、代理権の欠缺、矛盾審決など)に自分の事情が該当するかを確認する。単なる判断への不服では再審事由にならない
- 2.「知った日」を記録で確定する 30日の起算点となる「再審の理由を知った日」を、内部告発メール・報告書・発見の経緯メモで客観的に固定する。後から相手に「もっと早く知り得た」と起算点を前倒しされないよう証拠を残す
- 3.確定から3年の除斥期間を確認 審決確定日から3年を経過していないかを確認する。経過していれば原則として請求不可。ただし再審の理由が確定後に発生した場合は発生日の翌日から3年を起算する(5項)ので、起算点を取り違えない
- 4.30日以内に再審請求書を提出 起算点から30日以内に、特許法171条に基づき再審請求書を特許庁に提出する。代理権欠缺を理由とする場合は送達により知った日の翌日から起算する(3項)点を反映する
- 5.期間を逃した場合は救済枠・矛盾審決枠を検討 責めによらず30日を逃したなら理由消滅から14日(在外者は2月)かつ期間経過後6月以内の救済(2項)を主張する。矛盾する確定審決が併存するなら6項により期間制限のない別枠で攻める
よくある質問 AI による整理
Q1特許の再審とは何ですか?
確定した取消決定・審決を、証拠の偽造や代理権の欠缺など重大な瑕疵を理由にやり直す制度です。特許法171条が再審請求を、173条がその期間を定めます。
Q2特許の再審請求はいつまでにできますか?
再審の理由を知った日から30日以内(173条1項)、かつ審決確定から3年以内(同4項)です。両方の期間を満たさなければ請求できません。
Q3特許法173条の30日はいつから数えますか?
再審の理由を「知った日」から起算します。証拠偽造や代理権欠缺などの事由を現実に認識した日が基準で、知り得た可能性だけでは足りません。
Q4在外者の再審請求期間はどうなりますか?
責めによらず期間を逃した場合の救済枠が、通常14日のところ在外者は2月に延びます(173条2項)。ただし期間経過後6月以内という上限は共通です。
Q5代理権がなかった場合の再審はいつから起算しますか?
代理権の欠缺を理由とする場合、30日は送達により取消決定・審決があったことを知った日の翌日から起算します(173条3項)。
Q6矛盾審決を理由とする再審に期間制限はありますか?
ありません。前の確定審決と抵触することを理由とする再審には、30日も3年も適用されません(173条6項)。期間の壁のない特別な入口です。
Q7審決取消訴訟と再審はどう違いますか?
審決取消訴訟は確定前に30日以内に提起する不服申立て(特許法178条)、再審は確定後に重大な瑕疵を理由にやり直す最終手段です。実務では取消訴訟が本筋です。
Q8再審の理由が確定後に発生したら3年はいつから起算しますか?
再審の理由が審決確定後に生じたときは、3年はその理由が発生した日の翌日から起算します(173条5項)。確定時ではない点に注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特許の審決が確定した後でも、本当にやり直せるんですか?
限定的にやり直せます。特許法171条の再審制度があり、民事訴訟法338条が準用する再審事由(判断の基礎になった証拠が偽造だった、代理権がなかった等)に当たれば請求できます。ただし173条が期間を厳しく絞っています。実務のポイント:実務で再審が認められるのは極めて稀で、多くは審決取消訴訟(特許法178条、確定前の30日以内)で勝負が決まる。再審は確定後に不正が発覚した場合の最終手段であり、確定前に取消訴訟を打てるなら必ずそちらが本筋です
Q230日も3年も過ぎてしまったら、もう完全に終わりですか?
原則終わりですが、二つの抜け道があります。一つは2項の救済で、自分の責めによらない理由で期間を逃した場合、理由消滅から14日(在外者は2月)かつ期間経過後6月以内なら請求できます。もう一つは6項で、確定審決が前の確定審決と矛盾する場合は30日も3年も適用されません。実務のポイント:6項の矛盾審決ルートは期間制限がないため、見落とされがちな最後のカードです。同一特許に矛盾する複数の確定審決が存在しないか、確定後でも一度棚卸しする価値があります
間違えやすい点 AI による整理
- 「審決が確定したらもう何をしても覆らない」と思われているが、特許法は限定的に再審の道を残している。問われているのは覆せるか否かではなく、間に合うかどうかだ
- 「再審は審決確定から3年以内」とだけ覚えている人が多い。だがその手前で、はるかに短い「知った日から30日」という別の砂時計が同時に回っていることを見落とすと、3年の枠が残っていても入口を逃す。これは深刻度の見誤りである
- 「再審の期間は一律に決まっている」という前提そのものが誤っている。代理権の欠缺を理由にする場合(3項)、理由が後から発生した場合(5項)、矛盾審決を理由にする場合(6項)で、起算点も上限も全く違う。「いつまでか」を問う前に「どの理由か」を確定させなければ、答えは出ない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 173条:確定後の再審の請求期間を規律 | 178条:確定前の審決取消訴訟(不服申立て) 171条:再審の請求そのもの(事由を準用) |
| 起算点 | 再審の理由を知った日から30日(代理権欠缺は送達日の翌日) | 審決の謄本送達から30日以内に提訴 民訴338条の再審事由に該当することが前提 |
| 最終期限(除斥) | 審決確定から3年(確定後発生の理由は発生日翌日から3年) | 確定すれば取消訴訟は不可(確定前限定) 民訴342条準用(民事再審は30日・5年) |
| 期間制限の例外 | 矛盾審決を理由とする場合は30日・3年とも不適用(6項) | なし(出訴期間は厳格) 民事は5年、矛盾判決の扱いが特許と異なる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は専利の舉発不服が行政訴訟に接続し、再審は行政訴訟法の再審規定(知った日から30日、確定から5年)による。除斥期間の上限が日本の3年より長い
韓国は特許法自体に再審の請求期間を規定する点で日本と同構造。再審事由の準用や期間の二重構造も類似する
ドイツは特許無効訴訟の再審(Wiederaufnahme)を民事訴訟法(ZPO)の規定に接続し、期間は原則1か月・5年。特許固有の期間規定を置く日本と立法技術が異なる
米国は PTAB 決定への rehearing 請求を規則で30日程度に絞り、その後は連邦巡回控訴裁判所への appeal に接続する。日本の再審のような確定後のやり直し制度とは構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相手方が無効審判で出した実験データが捏造だったと、確定から半年後に内部告発で判明したら、どうなる。再審の窓は「知った日から30日」。あなたが告発メールを開いた日が起算点になり、気付いた瞬間からカウントダウンが始まっている
- あなたが無効審判で勝った側でも油断はできない。負けた相手が再審の機会をうかがっている。だが審決確定から3年を過ぎれば、相手の手は完全に封じられる。
- 海外の親会社が特許権者で、あなたが日本側の窓口。再審事由を知ったが、決裁が本国経由で間に合わない。在外者なら期間は2月に延びるが、それでも「理由が消滅した日から」「期間経過後6月以内」という二重の枠に縛られる。あと数週間で一つ目の枠が閉じる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の事情が再審事由(証拠の偽造、代理権の欠缺、矛盾審決など、特許法171条が準用する民事訴訟法338条)に該当するか確認2.「知った日」を記録で確定し、そこから30日以内に再審請求(特許法171条) 3. 審決確定から3年を超えていないか確認、超えていれば原則として請求不可4. 自分の責めによらず期間を逃したなら、理由消滅から14日(在外者は2月)かつ期間経過後6月以内の救済(2項)を主張5. 矛盾審決(6項)が理由なら30日も3年も不適用、別枠で攻める
訴えられた側:1. 相手の再審請求が30日・3年の期間内かを真っ先に検証、徒過していれば不適法却下を主張2. 相手が言う「知った日」が本当か、もっと早く知り得たはずだとの反証材料を集める3. 確定から3年の満了日を管理し、満了後はライセンスやM&Aで「揺るがない特許」として活用4. 矛盾審決(6項)を理由にされた場合は期間の壁が使えないため、矛盾の有無そのものを争う
時効(請求できる期限):再審の理由を知った日から30日(特許法173条1項)。かつ審決確定から3年を経過すると請求不可(同4項)。理由が確定後に発生した場合は発生日の翌日から3年を起算(5項)。代理権の欠缺を理由とする場合は送達により審決を知った日の翌日から起算(3項)。矛盾審決を理由とする再審は30日・3年とも不適用(6項)。在外者の救済期間は2月(2項)
学説
通説:173条4項の3年は除斥期間と解され、中断・停止に親しまない。これに対し1項の30日は再審の理由を知った時から進行する主観的起算の期間であり、両者が同時に走る二重構造をとる点が本条の特徴とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法の制定に伴い、再審の請求期間を規定。確定審決に対する再審を30日・3年の二重の期間で厳格に絞る枠組みを設けた
- 2.平成26年(2014年) 改正:特許異議申立制度の導入(施行は平成27年)に伴い、再審の対象として『取消決定』を審決と並べて明記し、確定後の再審請求期間の起算対象に加えた
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