特許法 第167条(審決の効力)
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特許無効審判又は延長登録無効審判の審決が確定したときは、当事者及び参加人は、同一の事実及び同一の証拠に基づいてその審判を請求することができない。
この条文の基本情報
審決の効力とは何ですか?
定義審決の効力とは、特許法第167条に定められた規定で、「特許無効審判又は延長登録無効審判の審決が確定したときは、当事者及び参加人は、同一の事実及び同一の証拠に基づいてその審判を請求することができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第167条(審決の効力)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第167条の条文原文は「特許無効審判又は延長登録無効審判の審決が確定したときは、当事者及び参加人は、同一の事実及び同一の証拠に基づいてその審判を請求することができない。」で始まります。
- 特許法第167条は第六章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第167条の前の条は特許法第166条です。
- 特許法第167条の次の条は特許法第167条の2です。
- 特許法第167条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第167条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第167条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/167
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法167条は、無効審判の審決が確定すると、当事者と参加人は同一の事実かつ同一の証拠で再び審判を請求できないと定める。証拠か事実を変えれば再挑戦は可能で、第三者は縛られない。
Q · 無効審判で一度負けたら、その特許はもう二度と争えないの?
いいえ。証拠か事実を変えれば再挑戦でき、第三者は縛られません。
特許法167条により、無効審判の審決が確定すると、当事者と参加人は同一の事実かつ同一の証拠に基づいて同じ審判を再請求できません。ただし封じられるのは『同一の事実かつ同一の証拠』の組み合わせだけで、新たな先行文献を出す、無効理由を変えるなど事実か証拠のいずれかを変えれば再挑戦できます。さらに2011年改正で効力は当事者・参加人に限定されたため、まったく別の第三者は同じ証拠でも審判を請求できます。
解説
あなたの会社の製品が、競合の特許に引っかかっていると警告された。そこで無効審判を打って潰しにかかったが、敗れた。審決が確定した今、もう一度同じ特許を攻められるのか。特許法167条がその答えを握る。確定した審決について、当事者と参加人は「同一の事実及び同一の証拠」に基づいて再び審判を請求できない。ここで効くのが二つの「同一」だ。事実か証拠のどちらかが変われば、もう一度勝負できる。逆に言えば、一度目の審判で手持ちの証拠を出し惜しみすると、温存したつもりの一枚が二度と使えなくなる。さらに2011年の改正でこの効力は「当事者及び参加人」だけに縮小された。あなたが負けても、まったく別の第三者が同じ証拠で挑むことは封じられていない。一発勝負に見えて、実は誰が縛られるかが本当の急所だ。
法的な位置づけ
特許法167条は一事不再理を定める規定であり、特許無効審判または延長登録無効審判の審決が確定した場合に、当事者および参加人が同一の事実かつ同一の証拠に基づいて同一の審判を再請求することを禁じる。2011年改正により、その効力は当事者および参加人に限定され、第三者には及ばない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.過去の審判履歴と自分の立場を確認 同じ特許で過去に無効審判が請求され審決が確定しているか、その際に自分が当事者・参加人だったかを特定する。第三者の立場なら167条の制約は受けない
- 2.無効理由と証拠を棚卸しし変更点を特定 手持ちの無効理由と先行文献を一覧化し、前回との違いを明確化する。新たな先行文献を追加する、進歩性違反から記載要件違反へ無効理由を変えるなど、事実か証拠のいずれかを変える
- 3.証拠の同一性を専門家と検討 変更した証拠が『別の証拠』と認められるかは判断が微妙なため、再請求の可否を弁理士・弁護士に事前確認する。門前払いのリスクを回避する
- 4.出訴期間・再請求のタイミングを設計 審決に不服なら審決謄本送達日から30日以内に知財高裁へ審決取消訴訟を提起する。再請求は最強の証拠を初回に投入し、出し惜しみをしない
よくある質問 AI による整理
Q1一事不再理とは何ですか?
確定した審決について、当事者と参加人が同一の事実かつ同一の証拠で再び審判を請求できない原則です。特許法167条が根拠で、紛争の蒸し返しを防ぎます。
Q2特許無効審判に負けても再請求できますか?
できます。封じられるのは同一の事実かつ同一の証拠の組み合わせだけです。新たな先行文献を出す、無効理由を変えれば同じ特許に再挑戦できます。
Q3同一の証拠とはどこまでを指しますか?
文献を一つ足しただけ、主引用例と副引用例を入れ替えただけでは同一と判断されがちです。主引用例そのものを差し替えると別証拠と認められやすいとされます。
Q4他社が負けた特許を第三者が争えますか?
争えます。2011年改正で167条の効力は当事者・参加人に限定されたため、審判の当事者でも参加人でもない第三者は同じ証拠でも請求できます。
Q5審決が確定するのはいつですか?
審決取消訴訟の出訴期間(審決謄本送達日から30日)を過ぎた時、または訴訟で審決が維持され判決が確定した時です(特許法178条3項)。
Q6延長登録無効審判とは何ですか?
存続期間の延長登録が要件を欠く場合に、その延長登録を無効にする審判です。167条の一事不再理は延長登録無効審判の審決にも及びます。
Q7一事不再理は2011年改正で何が変わりましたか?
改正前は何人にも及ぶ対世効がありましたが、改正後は当事者・参加人に限定されました。第三者による同一証拠での再請求の道が開かれました。
Q8審決に不服がある場合の出訴期限は?
審決謄本の送達日から30日以内に知的財産高等裁判所へ審決取消訴訟を提起できます(特許法178条3項)。過ぎると審決が確定します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一度無効審判で負けた特許、もう絶対に争えないんですか?
いいえ。封じられるのは『同一の事実かつ同一の証拠』に基づく再請求だけです(167条)。新しい先行文献を見つける、進歩性違反から記載不備へと無効理由を変える、こうすれば同じ特許に再挑戦できます。実務のポイント:実務では『証拠の同一性』の線引きが最大の争点です。文献を一つ足しただけでは同一と見なされる一方、主引用例そのものを差し替えれば別証拠と認められやすい。再請求の前に、どこをどう変えれば壁を越えられるかを専門家と設計するのが鉄則です
Q2他社が無効審判で負けた特許、うちが同じ資料で挑んでも無駄ですか?
無駄ではありません。2011年の改正で167条の効力は『当事者及び参加人』に限定されました。あなたがその審判の当事者でも参加人でもなければ、他社と同じ証拠でも審判を請求できます。実務のポイント:改正前は『何人も』縛られる対世効があり、第三者も再請求できませんでした。古い解説書を読むと『他社が負けた特許は誰も争えない』と誤解しかねない。2011年の前後で結論が正反対になる論点なので、情報の日付に必ず注意してください
Q3無効審判で負けそうなとき、次の証拠を取っておくのは賢い戦略ですか?
むしろ危険です。敗訴して審決が確定すると、温存した証拠まで『同一の事実』の枠内と判断され、再請求が封じられるおそれがあります。一回の審判に最強の証拠を投入するのが原則です(167条)。実務のポイント:弁理士が顧客に最も強く勧めるのが『無効資料の出し尽くし』です。後出しの切り札のつもりが、確定審決の一事不再理効で永久に抜けない刀になる。出し惜しみは最悪の一手です
間違えやすい点 AI による整理
- 「一度負けたら、その特許はもう二度と争えない」と思われがちだが、封じられるのは『同一の事実かつ同一の証拠』という組み合わせだけ。新たな先行文献を出す、進歩性違反から記載要件違反へ無効理由を変える、こうすれば同じ特許に再挑戦できる
- 「証拠を変えればいい」とは知っていても、どこまで変えれば『別の証拠』になるのか、その線引きの厳しさを知らない人が多い。文献を一つ足しただけ、主引用例と副引用例を入れ替えただけでは『同一の証拠』と判断され、門前払いになることがある
- 「自分が負けたなら、この特許はもう安泰だ」と特許権者は胸をなで下ろす。だがそれはあなたから見た景色にすぎない。法律から見れば167条が縛るのは当事者と参加人だけ。第三者は同じ証拠で何度でも挑める。あなたの勝利は、世界の誰に対する勝利でもない。この落差を読み違えると、安心した翌月に別の請求人が現れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 167条:一事不再理(同一事実・同一証拠での再請求禁止) | 123条:特許無効審判の請求(審判の本体) 178条:審決取消訴訟(審決確定の起点) |
| 縛られる主体 | 当事者および参加人のみ(2011年改正)、第三者は対象外 | 利害関係人等が請求人となりうる 審決を受けた当事者・参加人・参加を申請して拒否された者 |
| 発生・適用のタイミング | 審決が確定した時点で効力発生 | 無効理由がある限りいつでも請求可能 審決謄本送達日から30日以内に提起 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も挙発(無効)について一事不再理を定め、同一事実・同一証拠での再挙発を制限する。日本と機能面で近い構造
韓国も審決確定後の同一事実・同一証拠による再審判請求を禁じる一事不再理を明文で定める。日本法と極めて類似
米国は当事者系レビュー(IPR)で確定した場合、申立人が『提起した/合理的に提起し得た』理由を後の手続で主張できないエストッペルを定める。機能的には一事不再理に対応するが要件の射程がより広い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 競合の特許が邪魔で無効審判を請求したが、用意した先行文献では新規性を崩しきれず敗北。半年後、もっと強い別の先行文献を掘り当てた。同じ特許をもう一度潰せるか。答えは条件付きでイエス。証拠が本当に違えば167条の壁は越えられる。問題は、どこまで変えれば「別の証拠」と認められるかだ
- 口頭審理まであと2週間。手元には決定的な先行文献Aと、補強用の文献Bがある。Bは万一のときの切り札として次回に温存しようと考えているなら、その発想こそが命取り。敗訴して審決が確定すれば、温存したBまで「同一の事実」の枠で封じられかねない。後出しの切り札が、一生抜けない刀になる
- ライバルA社が無効審判で負けた特許。あなたの会社も同じ特許に悩んでいる。A社が使ったのと寸分違わぬ証拠でも、あなたは審判を請求できる。2011年改正で167条が縛るのは当事者と参加人だけになったからだ。A社の敗北は、あなたの敗北ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 過去に同じ特許で無効審判を起こして負けているか確認、その際あなたが当事者・参加人だったかを特定する2. 縛られるのは『同一の事実かつ同一の証拠』だけ。新たな先行文献、異なる無効理由(進歩性違反から記載要件違反へ等)を洗い出す3. 自分がその審判の当事者でも参加人でもないなら167条の制約は受けない、同じ証拠でも請求できる4. 証拠の『同一性』の判断は微妙なので、再請求の可否を弁理士・弁護士に事前確認する
訴えられた側:1. 無効審判で勝って審決が確定したら、その相手(当事者・参加人)は同一証拠で再請求できない、まず防御線の範囲を確認する2. ただし第三者には効力が及ばない(2011年改正)、別の請求人による攻撃に備え続ける3. 相手が証拠を変えて再請求してきたら『同一性』を主張し、却下を求める4. 侵害訴訟と並行している場合、確定審決の効力がどこまで及ぶかを訴訟戦略に組み込む
時効(請求できる期限):特定の時効はない。167条の効力は審決が確定した時点で発生する。審決に不服があれば、審決謄本の送達日から30日以内に知的財産高等裁判所へ審決取消訴訟を提起できる(特許法178条3項)。この出訴期間を過ぎると審決が確定し、同一事実・同一証拠による再請求の道が閉じる
学説
通説:167条の一事不再理は、封じられる範囲を『同一の事実かつ同一の証拠』の組み合わせに限定して理解する。事実か証拠のいずれかが異なれば別案件として再請求でき、瑕疵ある特許を排除する道を確保する。証拠の同一性は主引用例の異同を軸に判断される。
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年)改正 従来『何人も』に及んでいた対世効(第三者効)を廃止し、一事不再理の効力を『当事者及び参加人』に限定する改正。第三者が同一の事実・証拠でも無効審判を請求できるようになり、瑕疵ある特許を排除する道が広がった
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法(昭和34年法律第121号)制定時に、確定審決の一事不再理を定める規定として整備された
- 2.平成23年(2011年) 改正:従来『何人も』に及んでいた対世効(第三者効)を廃止し、一事不再理の効力を『当事者及び参加人』に限定。第三者が同一の事実・証拠でも無効審判を請求できるようになり、瑕疵ある特許を排除する道が広がった
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