特許法 第166条
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第百三十四条第一項から第三項まで、第百三十四条の二、第百三十四条の三、第百四十八条及び第百四十九条の規定は、訂正審判には、適用しない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第166条は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第166条の条文原文は「第百三十四条第一項から第三項まで、第百三十四条の二、第百三十四条の三、第百四十八条及び第百四十九条の規定は、訂正審判には、適用しない。」で始まります。
- 特許法第166条は第六章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第166条の前の条は特許法第165条です。
- 特許法第166条の次の条は特許法第167条です。
- 特許法第166条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第166条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第166条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/166
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法166条は、訂正審判に答弁書・参加・無効審判内の訂正の請求の規定を適用しないと定める。訂正審判は特許権者の一方手続で、相手方は関与できない。
Q · ライバルに無効審判を仕掛けられそう。自分の特許を訂正審判で直すとき、相手は口を挟めるの?
口を挟めません。訂正審判は特許権者だけの一方手続です。
特許法166条は、訂正審判に答弁書(134条)・無効審判内の訂正の請求(134条の2、134条の3)・第三者の参加(148条、149条)の規定を適用しないと定めます。つまり訂正審判は特許権者と特許庁だけで進む一方手続で、ライバルは答弁も参加もできません。ただし無効審判が係属中は訂正審判を請求できず(126条2項)、その場合は無効審判内の訂正の請求で対応します。先に動けるかどうかが攻防を分けます。
解説
特許を取得した後で、請求の範囲を書き直したくなる瞬間がある。広く書きすぎて先行技術にぶつかり無効にされそうだ、誤記が見つかった、記載が曖昧で権利範囲が読めない。そのとき特許権者が使うのが訂正審判(特許法126条)だ。そして166条は、この訂正審判が「あなた一人の手続」であることを裏側から宣言している。当事者が対立する無効審判で働く規定、相手方の答弁書(134条)、無効審判の中での訂正の請求(134条の2、134条の3)、第三者の参加(148条、149条)、これらをすべて訂正審判には適用しないと定める。意味は重い。あなたが自分の特許を訂正するとき、ライバルはその手続に口を挟めない。答弁書も出せない、横から参加もできない。特許庁とあなただけで進む。だからこそ訂正審判は速く、特許権者がコントロールできる防御の手段になる。条文は退屈な引用の羅列に見えて、実は「この手続は一方通行だ」という攻防の設計図そのものだ。
法的な位置づけ
特許法166条は、訂正審判について無効審判型の規定を適用除外する規定である。具体的には答弁書の提出(134条1〜3項)、無効審判の手続内における訂正の請求(134条の2、134条の3)、および審判への参加(148条、149条)を訂正審判には適用しないと定め、訂正審判が特許権者の単独手続であることを手続面から担保する。
よくある質問 AI による整理
Q1訂正審判とは?
特許権者が登録後の特許の請求の範囲や明細書を訂正するための審判手続です。特許法126条が根拠で、請求項の減縮、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明に限られます。
Q2訂正審判と訂正の請求はどう違う?
訂正審判は単独で請求する一方手続、訂正の請求(134条の2)は無効審判の中で行う手続です。無効審判が係属中は訂正審判を請求できず、訂正の請求によります。
Q3訂正審判はいつまでに請求できる?
特許権の存続中のほか、消滅後も一定の場合に請求できます。ただし無効審判が係属した時からその審決確定までの間は請求できません(126条2項)。
Q4訂正審判と無効審判は同時にできる?
できません。無効審判が特許庁に係属している間は訂正審判を請求できず、無効審判の中での訂正の請求によることになります(126条2項)。
Q5特許の訂正で権利範囲を広げられる?
広げられません。訂正でできるのは原則として請求項の減縮、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明だけです。範囲を拡張する訂正は認められません。
Q6訂正審判の手数料はいくら?
特許庁の審判請求手数料がかかり、請求項の数に応じて算定されます。最新の料額は特許庁が公表する手数料表でご確認ください。
Q7訂正審判は誰が請求できる?
特許権者が請求できます。専用実施権者など利害関係人がいる場合は、その承諾が必要となる場面があります。第三者が訂正審判に参加することはできません。
Q8特許法166条の適用除外とは?
訂正審判に、答弁書(134条)、無効審判内の訂正の請求(134条の2・134条の3)、参加(148条・149条)の規定を適用しないことを意味します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分の特許なのに、直すのにわざわざ審判が要るんですか?
要ります。一度登録された特許の請求の範囲や明細書は公示された権利なので、勝手には直せず、訂正審判(特許法126条)という正式な手続で特許庁の審査を受けます。ただし166条のおかげで、無効審判のような相手方とのやり取りはなく、あなたと特許庁だけで進みます。実務のポイント:訂正でできるのは原則として減縮、誤記訂正、釈明だけで、権利範囲を広げる訂正は通りません。だから出願時にどう書くかが勝負で、後から救える範囲は限られる。広く取りたいなら最初の明細書作成に投資すべき、というのが実務の鉄則です
Q2ライバルが特許を訂正してきたら、こっちは何も言えないんですか?
その訂正審判の手続自体には参加できません。166条が参加の規定(148条、149条)を適用除外しているからです。ただし手は残っています。訂正が確定した後、訂正後の請求項を相手にして無効審判(123条)を起こせます。実務のポイント:実務では、自分から先に無効審判を仕掛けると、相手は訂正審判ではなく無効審判の中での訂正の請求(134条の2)で応じることになり、その訂正にはこちらが意見を述べる機会が生まれます。つまり先に無効審判を起こすことで、相手の訂正を一方通行にさせず、自分の見える土俵に引き込めるのです
間違えやすい点 AI による整理
- 「訂正審判は無効審判の一部でしょ」と思っている人がいるが、問いの立て方が逆だ。訂正審判は完全に独立した一人手続で、166条はむしろ無効審判型の規定を全部はぎ取っている。しかも無効審判が係属している間は訂正審判を請求できず(126条2項)、その場合は無効審判の中で訂正の請求をする。二つは別の入口であって、片方の中にもう片方が入っているのではない
- 訂正審判が一方手続だと知っていても、その怖さまで知っている人は少ない。ライバルが参加できないということは、訂正の内容をその場で争えないということ。気づいたときには相手の特許の範囲が書き換わっている。後から無効審判で叩くしかなく、構造的に一手遅れる
- 「訂正すれば権利が強くなる」と思いがちだが、訂正でできるのは原則として請求項の減縮、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明だけ。範囲を広げる訂正はできない。守りを固める手続であって、攻めの範囲を広げる手続ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 訂正審判(126条):特許権者の単独・一方手続 | 無効審判内の訂正の請求(134条の2):無効審判に付随する手続 特許無効審判(123条):請求人と特許権者の当事者対立手続 |
| 相手方・第三者の関与 | 答弁書・参加とも適用除外(166条)、関与できない | 無効審判の枠内なので請求人が訂正に意見を述べられる 請求人が当事者として全面的に関与する |
| 請求できる時期 | 無効審判係属中は請求不可(126条2項) | 無効審判が係属している間に行う 特許権の存続中など所定の時期に請求可 |
| 適用される規定 | 134条・134条の2・134条の3・148条・149条は適用なし | 答弁・参加の規定が働く 答弁書・参加・職権審理の規定が全面適用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は登録後の特許の更正を専利法で定め、智慧財産局が審査する。日本の訂正審判に相当するが、独立した審判手続として構成される点に差がある
韓国も特許権者による訂正審判を設け、無効審判が係属している場合は訂正請求によるなど、係属関係による振り分けの構造が日本と類似する
ドイツは特許庁での特許の限定手続を定め、特許権者が請求項を限定できる。第三者対立を伴わない権利者主導の手続という点で日本の訂正審判と機能が近い
米国は再発行(reissue)や訂正証明書で登録後の補正・訂正を行う。再発行では範囲拡大が一定期間内に限り可能な点が、範囲拡張を認めない日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの会社の特許に無効審判を仕掛けられたら? そのとき訂正審判はもう使えない。126条2項で封じられ、無効審判の中で訂正の請求をするしかなくなる。166条が適用除外している134条の2が、まさにその局面の規定だ。入口を間違えると、打とうとした手そのものが成立しない
- あなたが競合から特許侵害だと警告された側。相手が突然その特許を訂正審判で書き直してきた。あなたはその手続に参加できない(148条が適用除外)。横から「その訂正はおかしい」と言う場が、制度上そもそも存在しない。訂正が確定してから、別途無効審判で争うしかない
- 誤記を一つ直したいだけ。それでも訂正審判という正式な審判手続が要る。特許庁の審判官が審理し、訂正の可否を判断する
- あなたがライセンス交渉の最中、相手に「この請求項は無効だ」と突かれた。先回りして訂正審判で請求項を減縮し、無効の芽を摘む。相手はこの手続に介入できないから、交渉のテーブルに戻ったときには争点そのものが静かに消えている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自社特許に無効の弱点があると気づいたら、無効審判を仕掛けられる前に動く。係属後は訂正審判が封じられる(126条2項) 2. 訂正の方向を決める:請求項の減縮、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明のいずれか。範囲拡張はできない3. 訂正審判請求書を特許庁に提出し、審判官の審理を待つ。相手方は介入できない4. 侵害訴訟が並行しているなら、訂正のタイミングを訴訟スケジュールに合わせ、相手の無効の抗弁(104条の3)を空振りさせる
訴えられた側:1. 相手が訂正審判で特許を書き直してきても、その手続には参加できない(148条が適用除外) 2. 動くべきは訂正確定後。訂正後の請求項を前提に、改めて無効審判(123条)を検討する3. もし自分から無効審判を起こせば、相手は訂正審判ではなく無効審判内の訂正の請求(134条の2)で対応することになり、その訂正にはあなたが意見を述べる機会が生まれる4. どの入口を先に開けるかが攻防を分ける、専門家と早期に詰める
時効(請求できる期限):訂正審判の請求自体に特定の期間制限はない(特許権の存続中、または消滅後も一定の場合に請求可能、126条参照)。ただし特許無効審判が特許庁に係属した時からその審決が確定するまでの間は、訂正審判を請求できない(126条2項)。この係属の有無が時間的な分岐点になる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:訂正審判は特許権者の単独手続であり、166条が無効審判型の規定(答弁書・無効審判内の訂正の請求・参加)を適用除外することで、その一方手続性が手続面から担保されると一般に理解されている。第三者の救済は訂正確定後の無効審判等に振り分けられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法(昭和34年法律第121号)の制定により訂正審判制度が整備され、無効審判型の規定を訂正審判に適用しないとする本条の原型が設けられた。その後の審判制度改正に伴い適用除外の対象が調整されている。
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