特許法 第134条(答弁書の提出等)
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- 審判長は、審判の請求があつたときは、請求書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。
- 2.審判長は、第百三十一条の二第二項の規定により請求書の補正を許可するときは、その補正に係る手続補正書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。ただし、被請求人に答弁書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情があるときは、この限りでない。
- 3.審判長は、第一項又は前項本文の答弁書を受理したときは、その副本を請求人に送達しなければならない。
- 4.審判長は、審判に関し、当事者及び参加人を審尋することができる。
この条文の基本情報
答弁書の提出等とは何ですか?
定義答弁書の提出等とは、特許法第134条に定められた規定で、「審判長は、審判の請求があつたときは、請求書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第134条(答弁書の提出等)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第134条の条文原文は「審判長は、審判の請求があつたときは、請求書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。」で始まります。
- 特許法第134条は第六章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第134条の前の条は特許法第133条の2です。
- 特許法第134条の次の条は特許法第134条の2です。
- 特許法第134条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第134条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第134条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/134
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法134条は、審判請求があったとき、審判長が請求書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して答弁書提出の機会を与えると定める。答弁書の副本は請求人に送達される。
Q · 特許の無効審判を起こされたら、こちらの言い分を言う機会はあるの?
あります。134条が答弁書提出の機会を保障します
特許法134条1項により、審判の請求があったときは、審判長が請求書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して答弁書を提出する機会を与えなければなりません。請求書の補正が許可された場合も同様です(2項)。提出された答弁書の副本は請求人に送達され(3項)、審判長は当事者及び参加人を審尋できます(4項)。この答弁書提出期間は、請求項を限定して特許を守る訂正請求(134条の2)の機会とも連動するため、期間管理が権利の生死を分けます。
解説
特許庁から一通の封筒が届く。中身は「特許無効審判請求書の副本」。あなたが何年もかけて取得した特許に、競合他社が無効を申し立ててきた合図だ。ここで多くの特許権者が誤解する。「特許庁が勝手に審理して結論を出す」と。違う。特許法134条は、審判長があなた(被請求人)に請求書の副本を送達し、相当の期間を定めて答弁書を提出する機会を必ず与えなければならないと定める。これは単なる事務手続ではない。あなたの特許が無効にされる前に、必ず反論の場が保障されるという告知と聴聞の権利だ。そして見落としてはならないのが、この答弁書提出のための期間が、請求項を書き直して特許を守る訂正請求(134条の2)の窓口と連動している点だ。期間を逃せば、反論も、特許を生き延びさせる訂正も、同時に失う。
法的な位置づけ
特許法134条は、審判手続における被請求人の答弁機会の保障を定める規定である。審判長は請求書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して答弁書を提出する機会を与える義務を負う。請求書の補正が許可された場合も原則として同様である。受理した答弁書の副本は請求人に送達され、審判長は当事者及び参加人を審尋することができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.請求書副本の受領日と答弁書提出期限を確定する 審判長が134条1項に基づき指定した「相当の期間」の満了日を、送達書面の記載から確認し、社内カレンダーと弁理士側の双方で二重管理する。この期限は訂正請求(134条の2)の窓口でもあるため、期限を一つの管理単位として扱う
- 2.請求人が主張する無効理由と引用先行技術を精査する 新規性欠如(29条1項)、進歩性欠如(29条2項)、記載要件違反(36条)など、無効理由ごとに引用文献を分解し、本件発明の構成要件との差異を一覧化する。どの請求項がどの理由で攻撃されているかをマトリクスにする
- 3.訂正請求(134条の2)で請求項をどこまで限定するか設計する 無効理由をかわす最小限の限定に留めるか、確実性を優先して広く限定するかを、侵害訴訟での権利行使可能性と併せて弁理士と検討する。新規事項追加・実質的拡張変更にならない範囲を明細書の記載から確認する
- 4.答弁書を作成し、訂正請求と一体で提出する 答弁書には、引用文献と本件発明の構成上の差異、進歩性を基礎づける作用効果、記載要件を満たす根拠を具体的に記載する。訂正請求を行う場合は、訂正後の請求項を前提とした反論構成にそろえる
- 5.期間内に仕上がらない場合は理由を示して延長を申請する 134条の期間は審判長の裁量による指定であるため、訂正案の設計や海外実験データの取得など合理的理由を具体的に示して延長を申請する。単なる多忙は理由になりにくい
- 6.審尋・口頭審理に備えて争点を絞り込む 134条4項の審尋や145条の口頭審理に向け、争点を「引用発明の認定」「相違点の容易想到性」「訂正の適法性」に整理する。請求人からの弁駁書を受けて、主張の優先順位を再構成する
よくある質問 AI による整理
Q1特許法134条とは何ですか?
審判請求があったとき、審判長が請求書の副本を被請求人に送達し、相当の期間を指定して答弁書を提出する機会を与えなければならないと定める規定です。
Q2無効審判の答弁書はいつまでに出す?
法定の固定期間はなく、審判長が事案ごとに「相当の期間」を指定します。国内在住の被請求人には概ね60日前後が指定される運用です(最新の運用をご確認ください)。
Q3答弁書を出さないとどうなる?
提出は義務ではなく機会ですが、反論がないまま審理が進み無効審決のリスクが高まります。訂正請求(134条の2)の機会も同時に失います。
Q4特許無効審判の答弁書は延長できる?
審判長が指定する裁量的期間のため、合理的理由があれば延長申請の余地があります。在外者にはもともと長めの期間が指定される運用です。
Q5答弁書の副本は請求人に届く?
届きます。134条3項により、審判長は受理した答弁書の副本を請求人に送達しなければなりません。相手の防御内容は必ず開示されます。
Q6審判請求書が補正されたらもう一度答弁できる?
134条2項により、補正が許可されたときは手続補正書の副本が送達され、改めて答弁書提出の機会が与えられます。ただし特別の事情があるときは例外です。
Q7審尋とは何ですか?
134条4項に基づき、審判長が審判に関して当事者及び参加人に対し、争点や主張の趣旨を書面等で問いただす手続です。口頭審理とは別の運用です。
Q8答弁書と訂正請求はどちらを先に出す?
訂正請求は答弁書提出期間内にできるため、実務では請求人が挙げた先行技術を精査したうえで、答弁書と訂正請求を一体で設計するのが定石です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1無効審判の答弁書って、出さなかったらどうなるんですか?
答弁書の提出は義務ではなく『機会』ですが(134条1項)、出さなければ請求人が主張する無効理由に反論がないまま審理が進み、特許が無効と審決されるリスクが格段に上がります。実務のポイント:実務上、答弁書を出さない被請求人はほぼ負けます。さらに重要なのは、この答弁書期間が請求項を限定して特許を守る訂正請求(134条の2)の窓口でもある点。黙っていると反論と訂正の両方のチャンスを同時に失う
Q2答弁書の期限って延ばせますか?60日じゃ準備が間に合いません
134条の期間は審判長が指定する裁量的な『相当の期間』なので、合理的な理由を示せば延長が認められる余地があります。在外者にはもともと長めの期間が指定される運用です。実務のポイント:延長申請は理由次第で、単に『忙しい』では通りにくい。訂正請求の内容を詰めるための時間という理由は比較的通りやすい。期限ギリギリに慌てるより、早期に訂正の方向性を決めて延長の要否を判断するのが定石(最新の運用をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「特許庁が職権で審理するのだから、こちらが黙っていても公平に判断してくれる」と思いがちだが、134条はあえて答弁書提出の機会を保障している。裏を返せば、機会を与えられた以上、反論しなければ請求人の主張がそのまま通る前提で審理が進む。沈黙はあなたに不利に働く
- 答弁書を出せばよいと知っている人でも、その期間が訂正請求(134条の2)の期限と連動していることまで知る人は少ない。答弁書だけ出して訂正のタイミングを逃すと、本来なら請求項を限定して生き残れた特許を、丸ごと失う。同じ期限の重さが二重にかかっている
- 「答弁書の期限を延ばせないか」と問う人が多いが、問いの立て方が逆だ。134条の期間は審判長が事案ごとに指定する裁量的なもので、合理的な理由があれば延長申請の余地がある。問うべきは『延ばせるか』ではなく『この期間で訂正と反論をどう同時に仕上げるか』だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 特許法134条:答弁書提出機会の付与と副本送達、審尋 | 特許法134条の2:答弁書提出期間内の訂正請求 特許法145条:口頭審理・書面審理の審理方式 |
| 主体 | 審判長が被請求人に機会を与える義務を負う | 被請求人(特許権者)が自ら訂正を請求する 審判官が審理方式を決定する |
| 時期 | 審判請求時/請求書補正の許可時 | 134条1項・2項の答弁書提出期間内 答弁書提出後、審決に至るまでの審理段階 |
| 怠った場合の効果 | 答弁しなければ請求人の主張に反論がないまま審理が進む | 訂正の機会を逃し、請求項を限定して生き残らせる道が閉じる 審理方式は当事者が選択できず、審判長の判断に従う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も挙発(無効審判に相当)において、専利専責機関が挙発書副本を専利権者に送達し、期間内の答弁を求める点で構造が近い。答弁と同時に訂正を申請できる点も日本と類似する
韓国も審判長が請求書副本を送達し、期間を指定して答弁書提出の機会を与える。訂正請求との連動も日本法とほぼ同構造で、継受関係が明確
ドイツの特許無効手続は連邦特許裁判所(BPatG)の訴訟手続として構成され、行政審判ではない。被告となる特許権者は Klageerwiderung(答弁書)を提出し、請求項の限定的防御(Hilfsanträge)を行う
米国の当事者系レビュー(IPR)では、特許権者は審理開始決定の前に Preliminary Response を提出でき、開始後は Patent Owner Response と Motion to Amend を行う。日本の答弁書+訂正請求に機能的に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 競合他社の製品を特許侵害で警告した三週間後、特許庁から無効審判請求書の副本が届いた。相手の反撃だ。審判長が指定した答弁書提出期限はおよそ60日。この期間内に答弁書と訂正請求を組み立てなければ、攻めていたはずのあなたの特許が先に消える
- もし、自社の主力製品を支える特許に、退職した元従業員が在籍する競合先から無効審判を起こされたらどうなる? 134条があなたに答弁書の機会を保障するが、その期間内に先行技術をどう乗り越えるか、請求項をどこまで限定するか、戦略の全てがこの一回の答弁にかかる
- あなたが無効審判を起こした側なら、答弁書は相手の防御カードの開示でもある。134条3項により、その副本は必ずあなたに送達される。相手が訂正でクレームを狭めた瞬間、あなたの主張も組み替える番だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 請求書副本の受領日と審判長指定の答弁書提出期限を即確認、期限は権利の生命線2. 請求人が挙げた無効理由(新規性・進歩性欠如、記載要件違反等)と引用先行技術を精査3. 答弁書と並行して訂正請求(134条の2)を検討、請求項を限定して無効理由をかわせるか弁理士と設計4. 期間内に仕上がらない事情があれば合理的理由を示して延長を申請5. 答弁書は反論の根拠条文と先行技術との構成差を具体的に、沈黙は請求人主張の追認に等しい
訴えられた側:1. 134条3項により被請求人の答弁書副本が送達される、これは相手の防御の手の内2. 相手が訂正請求でクレームを限定してきたら、訂正後の請求項に対して無効理由を組み替える(弁駁) 3. 訂正で無効理由が解消されそうなら、訂正の適法性(新規事項追加・拡張変更の有無)を争う4. 審尋(134条4項)や口頭審理(145条)に備え、争点を先行技術と構成の対比に絞る
時効(請求できる期限):答弁書の提出期間は、審判長が事案ごとに指定する裁量的な「相当の期間」で、国内の被請求人は概ね60日前後、在外者にはより長期が指定される運用。固定の法定期間ではないため、合理的理由があれば延長申請の余地がある。この期間が訂正請求(134条の2)の期限と連動する点に注意(最新の運用をご確認ください)
学説
通説:134条の答弁書提出機会の付与は、当事者対立構造をとる審判(当事者系審判)における手続保障の中核であり、審判長の裁量ではなく義務と解される。2項ただし書の「特別の事情」は限定的に解釈すべきとされる
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