特許法 第145条(審判における審理の方式)
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- 特許無効審判及び延長登録無効審判は、口頭審理による。ただし、審判長は、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書面審理によるものとすることができる。
- 2.前項に規定する審判以外の審判は、書面審理による。ただし、審判長は、当事者の申立により又は職権で、口頭審理によるものとすることができる。
- 3.審判長は、第一項又は前項ただし書の規定により口頭審理による審判をするときは、その期日及び場所を定め、当事者及び参加人に対し、期日の呼出しを行わなければならない。
- 4.前項の期日の呼出しは、呼出状の送達、当該事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によつてする。
- 5.呼出状の送達及び当該事件について出頭した者に対する期日の告知以外の方法により第三項の期日の呼出しをしたときは、期日に出頭しない当事者若しくは参加人、証人又は鑑定人に対し、法律上の制裁その他期日の不遵守による不利益を帰することができない。ただし、これらの者が期日の呼出しを受けた旨を記載した書面を提出したときは、この限りでない。
- 6.第一項又は第二項ただし書の規定による口頭審理は、公開して行う。ただし、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるときは、この限りでない。
- 7.審判長は、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、経済産業省令で定めるところにより、審判官及び審判書記官並びに当事者及び参加人が映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によつて、第三項の期日における手続を行うことができる。
- 8.第三項の期日に出頭しないで前項の手続に関与した当事者及び参加人は、その期日に出頭したものとみなす。
この条文の基本情報
審判における審理の方式とは何ですか?
定義審判における審理の方式とは、特許法第145条に定められた規定で、「特許無効審判及び延長登録無効審判は、口頭審理による。ただし、審判長は、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書面審理によるものとすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第145条(審判における審理の方式)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第145条の条文原文は「特許無効審判及び延長登録無効審判は、口頭審理による。ただし、審判長は、当事者若しくは参加人の申立てにより又は職権で、書面審理によるものとすることができる。」で始まります。
- 特許法第145条は第六章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第145条の前の条は特許法第144条の2です。
- 特許法第145条の次の条は特許法第146条です。
- 特許法第145条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第145条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第145条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/145
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法145条は、特許無効審判と延長登録無効審判を口頭審理、それ以外の審判を書面審理と定める。審判長の職権または申立てで方式は切り替えられる。
Q · 特許の審判って、特許庁まで行って口で説明するんですか? それとも書類だけ?
無効審判は口頭審理が原則、それ以外は書面審理が原則です
特許法145条1項により、特許無効審判と延長登録無効審判は口頭審理が原則です。拒絶査定不服審判など当事者が対立しない審判は、2項により書面審理が原則となります。どちらも審判長の職権または当事者の申立てで方式を切り替えられます。さらに7項は映像と音声の送受信による方法(ウェブ会議)での期日手続を認め、8項によりこれに関与した当事者・参加人は期日に出頭したものとみなされます。遠隔地からの関与でも手続上の不利益はありません。
解説
特許を潰しに行く手続と、特許を守りに行く手続では、そもそも「戦う場所」が違う。特許法145条1項は、特許無効審判と延長登録無効審判だけを原則「口頭審理」に振り分けている。つまりあなたが誰かの特許を無効にしようと審判請求したなら、特許庁の審判廷に出向き、三人(または五人)の審判官の前で口頭で戦うのが原則である。一方、拒絶査定不服審判のように、あなたと特許庁の間だけで完結する審判は2項により原則「書面審理」、紙の応酬で終わる。この振り分けは偶然ではない。当事者同士が対立する構造(当事者系)では、相手の主張に即座に反論できる場が要る。対して査定系では対立当事者がいない。さらに7項により、いまやウェブ会議での口頭審理が正面から認められ、8項でそれは「出頭したものとみなす」。地方の中小企業が東京の特許庁まで日帰り出張する時代は、条文レベルで終わっている。
法的な位置づけ
特許法145条は特許庁の審判における審理方式を区分する規定である。特許無効審判および延長登録無効審判については口頭審理を原則とし、その他の審判については書面審理を原則とする。口頭審理は公開して行われ、期日の呼出方法および映像・音声の送受信による期日手続への関与についても定めを置く。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の審判が当事者系か査定系かを確定する 特許庁からの書類の事件名を確認し、無効審判・延長登録無効審判なら145条1項の口頭審理原則、拒絶査定不服審判や訂正審判なら2項の書面審理原則として準備方針を決める
- 2.口頭審理の期日指定と呼出しを確認する 3項により審判長が期日と場所を定めて呼出しを行う。4項の呼出方法(呼出状の送達か、期日の告知か、その他の方法か)を書面上で確認し、5項の適用有無を把握する
- 3.口頭審理陳述要領書で争点を先に固める 期日前に提出する陳述要領書で、無効理由ごとの主張と証拠の対応関係を整理する。当日の議論の枠組みを先に提示することで、審判官の質問の方向をコントロールする
- 4.遠隔参加が必要ならウェブ会議手続を申し立てる 7項により、当事者・参加人の申立てまたは職権で、映像と音声の送受信による方法での期日手続が可能。8項で出頭とみなされるため欠席扱いにならない。期日直前では調整がつかないことがあるため早めに申し立てる
- 5.公開原則を前提に営業秘密の取扱いを設計する 6項により口頭審理は公開が原則で、傍聴人が入りうる。営業秘密に触れる主張・書証を審理に出す必要があるか、代理人と事前に整理し、必要なら主張構成そのものを組み替える
よくある質問 AI による整理
Q1特許法145条とは何ですか?
特許庁の審判をどの方式で審理するかを定める条文です。無効審判系は口頭審理、それ以外は書面審理が原則で、審判長の判断で切替えもできます。
Q2口頭審理と書面審理の違いは?
口頭審理は指定期日に審判廷で主張を述べる方式、書面審理は書面の提出だけで審理が進む方式です。対立当事者がいるかどうかで原則が分かれます。
Q3特許の無効審判はウェブ会議でできる?
145条7項により、映像と音声の送受信で相互に状態を認識できる方法での期日手続が認められます。8項で出頭したものとみなされます。
Q4拒絶査定不服審判で口頭審理にしてもらう方法は?
145条2項ただし書により、当事者の申立てまたは審判長の職権で口頭審理に切り替えられます。争点が絞られた段階での申立てが実務上有効です。
Q5特許の口頭審理は傍聴できますか?
6項により口頭審理は公開が原則です。公の秩序または善良の風俗を害するおそれがある場合のみ非公開とされます。
Q6審判の期日に出頭しないとどうなる?
呼出状の送達または出頭者への期日告知で呼び出された場合、不出頭は主張・証拠提出の機会喪失につながります。5項の保護は他の呼出方法に限られます。
Q7審判の期日の呼出しはどうやって届く?
4項により、呼出状の送達、当該事件について出頭した者への期日の告知、その他相当と認める方法で行われます。方法によって5項の効果が変わります。
Q8特許法145条は商標や意匠にも適用される?
各法の準用規定を通じて、商標登録無効審判や意匠登録無効審判等にも同様の審理方式のルールが及びます。準用の範囲は各法の条文で確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1無効審判って、必ず特許庁まで行かないとダメなんですか?
1項により口頭審理が原則ですが、7項により審判官・審判書記官・当事者が映像と音声の送受信で相互に状態を認識できる方法、いわゆるウェブ会議での手続が認められています。8項でそれは出頭したものとみなされます。実務のポイント:ウェブ会議の申立ては審判長の職権でも可能なので、代理人経由で早めに希望を伝えると通りやすい。逆に直前だと調整がつかず通常期日のままになることがあり、申立ての時期が結論を分ける
Q2口頭審理って、誰でも見に来られるんですか? 競合に技術を知られませんか?
6項により口頭審理は公開が原則で、公の秩序または善良の風俗を害するおそれがある場合のみ非公開にできます。営業秘密という理由だけで当然に非公開になるわけではありません。実務のポイント:実務では、審理の場に出す書証の一部について営業秘密該当部分の扱いを事前に協議したり、そもそも秘密情報を主張の柱に据えない構成に組み替えるのが定石。公開されて困る情報を審判で使うかどうかは、請求の組み立て段階で決まる
Q3拒絶査定不服審判で、審査官の判断に納得いかないので直接説明したいんですが?
2項により査定系の審判は書面審理が原則ですが、同項ただし書で当事者の申立てまたは職権で口頭審理にできます。また審判段階では面接や審尋の運用もあります。実務のポイント:口頭審理そのものより、審判官との面接を活用する方が実務上は一般的で、争点が実験データや実物の効果に関わるときほど効く。書面では伝わらない現物を見せられる場面かどうかが、申立ての成否の分かれ目
間違えやすい点 AI による整理
- 「特許庁の審判は書類のやり取りだけで終わる」と信じている人は多い。これは半分正しく半分致命的に誤っている。査定系(拒絶査定不服審判など)は確かに2項で書面審理が原則だが、当事者系の無効審判は1項で口頭審理が原則。自分がどちらの立場かを取り違えたまま準備すると、期日当日に何も言えないまま心証が固まる
- 口頭審理は「非公開の密室でやる行政手続」だと思われがちだが、6項は明確に公開を原則としている。公序良俗を害するおそれがある場合だけが例外。あなたの技術的主張も、相手の攻撃も、傍聴席から誰でも聞ける。競合他社が傍聴に来る可能性を計算に入れているか
- 「呼出しさえ受けていれば、出頭しなくても大きな問題にはならない」という理解は、リスクの深刻度を見誤っている。5項が不利益を課せないと定めるのは、呼出状の送達でも期日の告知でもない方法で呼び出された場合に限られる。正式な送達を受けていれば、不出頭は証拠調べの機会喪失として跳ね返る
- ウェブ会議は「簡易な代替手段だから効力が弱い」と考える人がいるが、法律から見れば8項により出頭とみなされる、完全に等価な関与である。物理的に東京にいるかどうかは、もはや手続上の意味を持たない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 原則となる審理方式 | 145条1項:無効審判・延長登録無効審判は口頭審理 | 145条2項:その他の審判は書面審理 134条:答弁書等の書面提出手続(方式を問わず先行) |
| 手続の対立構造 | 当事者系:請求人と被請求人が対立 | 査定系:出願人と特許庁の一対一 書面の応酬による主張整理段階 |
| 方式変更の可否 | 審判長の職権または当事者・参加人の申立てで書面審理へ | 審判長の職権または当事者の申立てで口頭審理へ 審判長が期間を指定して書面提出を求める |
| 遠隔関与・記録 | 7項ウェブ会議、8項出頭みなし、6項公開原則 | 書面審理のため期日出頭の問題が生じにくい 147条:口頭審理の調書作成義務 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の舉發(無効審判に相当)では書面審査が基本で、必要に応じて面詢・勘驗を行う運用。日本のように無効審判を口頭審理原則とする明文の振り分けは置かれていない
韓国も審判の審理を口述審理と書面審理に区分し、当事者系審判で口述審理を重視する点で日本と構造が近い。韓国特許法は日本法の影響を強く受けた領域である
ドイツは特許庁の審決に対する争いを連邦特許裁判所(BPatG)が扱い、無効訴訟等では口頭弁論が要求される。行政庁内審判ではなく司法機関による審理という構造の違いがある
米国の当事者系レビュー(IPR)では PTAB における oral hearing を当事者が請求でき、実務上は電話・ビデオ参加も広く用いられる。日本の7項ウェブ会議手続と機能的に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 町工場の社長であるあなたが、大手メーカーから「うちの特許を侵害している」と警告書を受け取った。反撃として無効審判を請求すると、1項により口頭審理が原則。相手の代理人弁理士と同じ部屋で、審判官の前に立つことになる。書面だけのやり取りだと思って準備していると、当日の口頭でのやり取りで一気に不利な心証を作られる
- 拒絶査定不服審判を請求した個人発明家。「審判官に直接会って説明したい」と思っているが、2項により原則は書面審理。ただし2項ただし書があり、当事者の申立てで口頭審理に切り替えられる余地は残っている。申立てをするという発想自体を持っていない人が大多数
- もし口頭審理の呼出しが、呼出状の送達ではなく普通郵便やメールなど「その他相当と認める方法」で来ていたとしたら? 5項により、あなたが出頭しなくても法律上の制裁や不利益を課せない。ただしあなたが「呼出しを受けた」と書いた書面を提出してしまうと、その保護は消える(5項ただし書)。うっかり返信した一通が、あなたの盾を捨てさせる
- 無効審判の口頭審理期日まであと10日。海外出張と重なった。7項のウェブ会議手続の申立てを審判長にするか、期日変更を求めるか。ウェブ会議で関与すれば8項により出頭したものとみなされるので、欠席扱いにならない。判断は今週中にしないと間に合わない
- 自社の技術ノウハウが審理で出てくる。口頭審理は6項により公開が原則で、傍聴人が入れる。企業秘密の扱いをどうするか、事前に審判長と詰めておかないと、公開の法廷で自分の手の内を晒すことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 無効審判を請求する側なら、1項により口頭審理が原則である前提でスケジュールを組む。答弁書・弁駁書の応酬のあと期日が指定される2. 期日が決まったら口頭審理陳述要領書で争点を整理、これが当日の議論の枠を作る3. 遠隔地なら7項のウェブ会議手続を早めに申し立てる、8項で出頭とみなされるので不利益はない4. 6項の公開原則を踏まえ、営業秘密に触れる部分の扱いを事前に代理人と協議する
訴えられた側:1. 無効審判を起こされた特許権者側は、訂正請求と反論を同時に組み立てる必要があり、口頭審理はその戦略を審判官に直接説明できる場と捉える2. 呼出しの方法を確認、呼出状の送達以外の方法だった場合の5項の効果を把握しておく3. 不出頭は主張の機会を失うだけで有利にはならない、日程が合わないなら期日変更またはウェブ会議を申し立てる4. 拒絶査定不服審判なら2項ただし書の口頭審理申立てで、審判官に直接技術内容を説明する選択肢がある
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はないが、口頭審理の期日は3項により審判長が指定し呼出しが行われる。期日変更やウェブ会議の申立ては期日に間に合う時期に行う必要がある。なお無効審判請求への答弁書提出期間など、周辺手続の指定期間は審判長が定める(特許法134条)
学説
通説的整理:145条の振り分けは紛争構造に対応する。当事者系審判は対世的効力を持つ権利の消滅を扱い、相互の即時反論機会が手続保障として必要なため口頭審理を原則とする。査定系審判は対立当事者を欠くため書面審理で足りるとされる。
改正沿革 AI による整理
- 近年の改正(要人的検証) 映像と音声の送受信による期日手続(ウェブ会議)を認める規定および出頭みなし規定が追加された。追加時期・項番号の変遷は原典照合が必要
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法の制定に伴い、審判の審理方式に関する規定として置かれた。無効審判系を口頭審理、それ以外を書面審理とする基本構造が採用された。
- 2.近年の改正(時期は原典照合が必要) 改正:映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法での期日手続を認める規定、およびこれに関与した当事者・参加人を出頭したものとみなす規定が追加された。
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