特許法 第144条の2(審判書記官)
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- 特許庁長官は、各審判事件(第百六十二条の規定により審査官がその請求を審査する審判事件にあつては、第百六十四条第三項の規定による報告があつたものに限る。)について審判書記官を指定しなければならない。
- 2.審判書記官の資格は、政令で定める。
- 3.特許庁長官は、第一項の規定により指定した審判書記官が審判に関与することに故障があるときは、その指定を解いて他の審判書記官を指定しなければならない。
- 4.審判書記官は、審判事件に関し、調書の作成及び送達に関する事務を行うほか、審判長の命を受けて、その他の事務を行う。
- 5.第百三十九条(第六号及び第七号を除く。)及び第百四十条から前条までの規定は、審判書記官について準用する。この場合において、除斥又は忌避の申立てに係る審判書記官は、除斥又は忌避についての審判に関与することができない。
この条文の基本情報
審判書記官とは何ですか?
定義審判書記官とは、特許法第144条の2に定められた規定で、「特許庁長官は、各審判事件(第百六十二条の規定により審査官がその請求を審査する審判事件にあつては、第百六十四条第三項の規定による報告があつたものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第144条の2(審判書記官)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第144条の2の条文原文は「特許庁長官は、各審判事件(第百六十二条の規定により審査官がその請求を審査する審判事件にあつては、第百六十四条第三項の規定による報告があつたものに限る。」で始まります。
- 特許法第144条の2は第六章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第144条の2の前の条は特許法第144条です。
- 特許法第144条の2の次の条は特許法第145条です。
- 特許法第144条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第144条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第144条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/144_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法144条の2は、特許庁長官が各審判事件について審判書記官を指定すると定める。書記官は調書の作成と送達を担い、審判官の除斥・忌避規定が準用される。
Q · 特許の無効審判で調書を作る審判書記官って、裁判官のように忌避できるの?
できます。第5項が除斥・忌避を準用しています。
特許法144条の2により、特許庁長官は各審判事件について審判書記官を指定します。審判書記官は調書の作成と送達を担い(第4項)、この調書は後の審決取消訴訟で知財高裁が事実を認定する基礎になります。第5項は審判官の除斥・忌避(139条・140条)を準用しているため、書記官の公平性を疑う事情があれば忌避を申し立てられます。ただし審決が出る前に動く必要があり、確定後は主張できません。
解説
特許を無効にされそうになって審判で争っているとする。あなたが向き合う相手は審判官(裁判官役の特許庁職員)だと思っているが、その横にもう一人、調書を作る審判書記官がいる。この人物が記録した調書こそ、後にあなたが審決取消訴訟で知財高裁に持ち込むときの公式の記録になる。144条の2は、特許庁長官が各審判事件にこの書記官を指定すること、資格は政令で定めること、そして第5項で審判官の除斥・忌避の規定が準用されることを定める。つまり、この書記官に公平性を疑う事情があれば、あなたは裁判官を忌避するのと同じく、書記官を忌避できる。記録を作る人間が偏っていたら、その記録に基づく審決の土台ごと傾く。多くの当事者は、この一手の存在を知らないまま審判を終える。
法的な位置づけ
特許法144条の2は審判書記官の指定と職務を定める規定である。特許庁長官が各審判事件について審判書記官を指定し、審判書記官は調書の作成および送達に関する事務を行うほか、審判長の命を受けてその他の事務を行う。第5項により審判官の除斥・忌避に関する規定が準用され、書記官の公平性も制度的に担保される。
よくある質問 AI による整理
Q1審判書記官とは何ですか?
特許庁の審判手続で調書の作成と送達を担う職です。特許法144条の2に基づき、特許庁長官が各審判事件について指定します。資格は政令で定められています。
Q2審判書記官の資格はどう定められていますか?
特許法144条の2第2項により、資格は政令に委任されています。法律本体ではなく政令で定める点が特徴で、審判手続の専門性を担保する仕組みです。
Q3特許の審判で調書はどんな役割がありますか?
調書は口頭審理などのやり取りを記録した公式文書で、後の審決取消訴訟で知財高裁が事実認定する基礎になります。作成は審判書記官が担います。
Q4審判書記官の忌避はいつまでに申し立てできますか?
審決が出る前、審理の途中に申し立てる必要があります。144条の2第5項が忌避規定を準用しますが、審決確定後は一切主張できません。
Q5実用新案や意匠の審判にも審判書記官はいますか?
実用新案法・意匠法・商標法は特許法の審判規定を準用しており、審判書記官の仕組みも及びます。各法の現行準用条文は個別に確認が必要です。
Q6審判書記官と審判官の違いは何ですか?
審判官は審理と審決を担う裁判官役、審判書記官は調書の作成と送達を担う記録役です。いずれも除斥・忌避の対象になります。
Q7審判書記官の調書は審決取消訴訟でどう使われますか?
調書は審判手続の公式記録として、知財高裁が審決取消訴訟で事実を認定する基礎資料になります。記載の正確さが訴訟の土台を左右します。
Q8審判書記官の指定は誰が行いますか?
特許庁長官が行います。144条の2第1項で各審判事件について指定し、関与に故障があるときは指定を解いて別の書記官を指定します(第3項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審判書記官って、裁判所の書記官と同じものですか?
似ていますが別物です。審判書記官は特許庁の審判手続のための職で、144条の2第4項により調書の作成と送達を担い、審判長の命でその他の事務も行います。資格は同条2項で政令に委ねられています。実務のポイント:実務では書記官の作る調書の正確さが、後の審決取消訴訟(知財高裁)での事実認定を左右します。口頭審理の重要なやり取りは、その場で調書記載を確認しておくと、後で効いてくる。
Q2書記官の忌避なんて、本当にできるんですか?
できます。144条の2第5項が審判官の除斥・忌避の規定(139条・140条)を書記官に準用しているからです。公平性を疑う事情があれば申し立てられますが、審決が出る前に動く必要があります。実務のポイント:実際に書記官が忌避される例は稀ですが、申立てができるという事実自体が、手続の公正さを担保する安全装置です。確定後は争えないので、違和感を覚えたら審理中に動くのが鉄則。
間違えやすい点 AI による整理
- 「審判で相手にすべきは審判官だけ」と思って準備するが、その問いの立て方が既にずれている。手続の記録を残すのは書記官であり、口頭審理での発言が調書にどう落ちるかまで意識する当事者が、後の取消訴訟で強い
- 書記官にも除斥・忌避があることは条文を読めば分かる。だが、それを審決確定後に持ち出しても無意味だという深刻さを知る人は少ない。忌避は審理の途中、結論が出る前にしか機能しない
- 「書記官はただの事務員で中立に決まっている」と思われがちだが、第5項がわざわざ除斥・忌避を準用しているのは、書記官にも公平性を疑う事情がありうると法が正面から認めているからだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 144条の2:調書の作成・送達(審判書記官) | 137条:審理と審決を担う(審判官) 144条:審理の指揮(審判長) |
| 指定・選任 | 特許庁長官が各審判事件について指定(1項) | 特許庁長官が指定(137条) 審判官のうちから特許庁長官が指定(144条) |
| 除斥・忌避 | 第5項で139条・140条を準用 | 139条・140条が直接適用 139条・140条が直接適用 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では専利無効は智慧財産局の行政手続で処理され、争訟段階の記録は法院の書記官が担う。日本のような審判専属の書記官職とは制度構成が異なる
ドイツは連邦特許裁判所の書記官が記録を担い、裁判所職員としての除斥・忌避法理が及ぶ。日本の特許庁内職制とは組織上の位置づけが異なる
米国は特許審判部(PTAB)が行政審判を担い、独立した審判書記官職は置かず、記録管理は Board の事務体制で処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの会社の特許無効審判で、口頭審理の重要なやり取りが調書に正確に反映されていなかったら? その調書は審決取消訴訟で知財高裁が事実認定の基礎にする。書記官の調書作成は単なる事務ではなく、後の訴訟の土俵そのものを作る作業だ
- 相手方代理人と審判書記官が同じ事務所の出身だと審理の途中で気づいた。忌避するなら審決が出る前に動くしかない。確定してからでは手遅れになる
- あなたが知財の実務担当として初めて口頭審理に臨む。審判官の発言ばかり追っていたが、調書を作っている書記官の手元こそ、後で効いてくる記録の源泉だと気づく
学説
通説:144条の2第5項が審判官の除斥・忌避規定を準用するのは、記録を作成する審判書記官にも公平性を疑わせる事情がありうることを法が正面から認めた趣旨であり、当事者は審理中に限り忌避を申し立てられると解される。
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