要点特許法 137 条は、特許庁長官が各審判事件の合議体を構成する審判官を指定し、故障ある審判官は指定を解いて他の審判官で補充すべきことを定める。この構成は審決の正当性の基盤となる。
Q · 特許の審判で、自分の事件を裁く審判官って誰が、どうやって決めるの?
特許庁長官が事件ごとに指名し、故障あれば差し替える
特許法 137 条により、特許庁長官は各審判事件について合議体を構成すべき審判官を指定します(1 項)。拒絶査定不服審判では、前置審査(162 条)で審査官の報告があったものが対象になります。指定した審判官に病気・利害関係その他の故障があるときは、長官はその指定を解いて他の審判官を補充する義務を負います(2 項)。この構成の正当性を当事者側から点検する回路が除斥・忌避(139 条以下)であり、偏りある審判官は排除を申し立てられます。誰が裁くかは審決の適法性に直結する変数です。
競合他社の特許を無効審判で潰そうとしている、あるいは自分の出願が拒絶され拒絶査定不服審判を申し立てた。そのとき、あなたの特許の生死を実際に判断するのは特許庁長官その人ではない。長官が事件ごとに指名した3名(事案により5名)の審判官による合議体だ。特許法137条は、この指名権限が長官にあること、そして指名した審判官に「故障」(病気、利害関係、その他の支障)があれば長官が指定を解いて差し替える義務があることを定める。多くの出願人や企業は、審判官の顔ぶれを特許庁が一方的に決めるものと思い込み、誰が自分の事件を裁くのかに無関心だ。だが裏側には、偏った審判官を当事者の側から排除できる除斥・忌避の仕組み(139条以下)が直結している。誰が裁くかは天与の与件ではなく、あなたが動かせる変数の一つだ。
特許法 137 条は審判官の指定を定める規定であり、特許庁長官が各審判事件について合議体を構成すべき審判官を指定し、指定した審判官に審判関与の故障があるときは指定を解いて他の審判官を補充すべきことを規定する。準司法手続たる特許審判の合議体構成の正当性を担保する基盤規定として機能する。
特許庁長官が各審判事件について、合議体を構成する審判官を事件ごとに割り当てる行為です(特許法 137 条 1 項)。誰が裁くかを決める最上流の手続で、指定内容は当事者に通知されます。
原則 3 名、事案により 5 名の審判官による合議体です(136 条)。137 条により特許庁長官がその構成員を指名し、うち 1 名が審判長を務めます(138 条)。
病気、当事者との利害関係、その他審判に関与できない支障を指します。故障があるとき、特許庁長官は指定を解いて他の審判官で補充する義務を負います(137 条 2 項)。
拒絶査定不服審判で、審判官を指名する前に元の審査官が再度審査する手続です(162 条)。維持されて初めて 137 条の審判官指定が動き出します。
除斥は法定事由があれば当然に排除される仕組み(139 条)、忌避は公正を疑わせる事情を当事者が申し立てて排除を求める仕組み(141 条)です。除斥は自動、忌避は申立てが必要です。
審決に不服がある場合、知的財産高等裁判所に取消訴訟を提起します(178 条)。合議体の構成に瑕疵があれば取消事由になり得ます。
請求書提出 → 特許庁長官が審判官を指定(137 条)→ 答弁・口頭審理 → 合議体の評議 → 審決、という流れです。不服なら知財高裁へ。
137 条で指定された審判官のうちの 1 名が審判長となり、審理を指揮します(138 条)。審判長は口頭審理の進行や証拠調べの主宰などの職務を担います。
分かります。特許庁長官が事件ごとに審判官を指名し(137条1項)、合議体の構成は当事者に通知されます。誰が審判長で誰が陪席かを確認できます。業界裏話ヒント:実務家はこの段階で各審判官の過去の審決傾向や技術分野の専門性を調べます。同じ技術でも、化学に強い審判官と機械に強い審判官では、明細書の読み込みの厳しさが変わる。顔ぶれが分かった時点で、どの論点を厚く主張するかの戦術を組み替える人と、通知を読み飛ばす人とでは、準備の精度が違ってくる
外せます。法定の除斥事由(139条、当事者との特別な関係など)があれば当然に排除され、それ以外の公正を疑わせる事情があれば忌避を申し立てられます(141条)。長官は故障ある審判官の指定を解き、別の審判官で補充する義務を負います(137条2項)。業界裏話ヒント:忌避には時期の壁があり、その審判官の面前で事件について陳述した後は原則として申し立てられません。指名通知を受けたら、本案の話を始める前に利害関係を点検する。この順番を逆にすると、正当な忌避理由があっても権利ごと失う
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 137 条:特許庁長官が審判官を指定・補充(構成の入口) | — |
| 誰が動かすか | 特許庁長官(職権) | — |
| 対象となる支障 | 病気・利害関係・その他の故障全般 | — |
| 時期的制約 | 審判事件ごとに指定時・故障発生時 | — |
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