特許法 第141条(審判官の忌避)
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- 審判官について審判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者又は参加人は、これを忌避することができる。
- 2.当事者又は参加人は、事件について審判官に対し書面又は口頭をもつて陳述をした後は、審判官を忌避することができない。ただし、忌避の原因があることを知らなかつたとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。
この条文の基本情報
審判官の忌避とは何ですか?
定義審判官の忌避とは、特許法第141条に定められた規定で、「審判官について審判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者又は参加人は、これを忌避することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第141条(審判官の忌避)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第141条の条文原文は「審判官について審判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者又は参加人は、これを忌避することができる。」で始まります。
- 特許法第141条は第六章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第141条の前の条は特許法第140条です。
- 特許法第141条の次の条は特許法第142条です。
- 特許法第141条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第141条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第141条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/141
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法141条は、審判の公正を妨げる事情があるとき、当事者又は参加人が審判官を忌避できると定める。ただし事件について陳述した後は原則として忌避できない。
Q · 特許庁の審判官が相手に肩入れしているように見えたら、交代させられるの?
できる。ただし本案について陳述する前に申し立てる必要がある
特許法141条により、審判の公正を妨げるべき事情があるときは、当事者又は参加人は審判官を忌避できます。申立ては書面によります(140条)。ただし最大の落とし穴は2項で、事件について書面又は口頭で一度でも陳述をした後は、原則として忌避できなくなります。例外は、忌避の原因を知らなかったとき、又は原因が後から生じたときのみ。つまり「おかしい」と感じた最初の段階で、本案の意見を述べる前に動く必要があります。
解説
特許の無効審判や拒絶査定不服審判を戦っているとき、担当する審判官が相手企業の元顧問だったり、口頭審理で明らかに一方へ肩入れする態度を見せたら、その審判官を交代させられる。それが忌避だ。多くの人は「相手は特許庁、お役所の決定に文句なんて言えるわけがない」と諦める。だが特許法141条は、審判の公正を妨げるべき事情があれば、当事者又は参加人が審判官を忌避できると明記している。裁判官を忌避する民事訴訟法と同じ発想の仕組みが、特許庁の審判にもある。ただし、ここに玄人しか知らない罠がある。第2項だ。事件について審判官に書面又は口頭で陳述をした後は、もう忌避できない。意見を一度述べてしまえば、その瞬間に忌避権は消える。例外は、忌避の原因を知らなかった場合か、原因が後から生じた場合だけ。つまり「何かおかしい」と感じた最初の段階で動かなければ、武器は手の中で静かに溶けてなくなる。
法的な位置づけ
特許法141条は審判官の忌避を定める規定であり、審判の公正を妨げるべき事情がある場合に、当事者又は参加人が当該審判官の排除を申し立てられる旨を規定する。法定事由により自動的に排除される除斥(139条)と異なり、忌避は申立てを要し、かつ事件について陳述をした後は原則として権利を失う点に特色がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.審判官の氏名確認と経歴・利害関係の調査 審判官の氏名が判明したら、本案について陳述する前に、経歴、過去の関与案件、相手方代理人の事務所との利害関係を洗い出す。陳述後は原則として忌避権が失われるため、調査は最優先で行う
- 2.忌避の原因(公正を妨げる事情)の特定 発見した事情が、単なる不利な心証開示ではなく「審判の公正を妨げるべき事情」に当たるかを検討する。相手方との過去の顧問関係、共同研究歴、結論の予断などを具体的事実として整理する
- 3.忌避申立書の作成・提出(本案陳述の前に) 特許法140条の方式に従い、忌避の原因を記載した書面を特許庁長官に提出する。本案について書面又は口頭で陳述をする前に申し立てることが決定的に重要(141条2項の失権効を避ける)
- 4.合議体の決定を待ち、却下時は記録を保全 忌避された審判官以外の審判官の合議による決定を待つ(142条)。却下されても、その申立てと決定の記録は、後の審決取消訴訟で手続の公正を争う材料になりうるため保全する
よくある質問 AI による整理
Q1審判官の忌避とは何ですか?
特許庁の審判で、審判の公正を妨げる事情がある審判官の排除を申し立てる制度です。特許法141条が根拠で、当事者又は参加人が申立てできます。
Q2除斥と忌避の違いは何ですか?
除斥(139条)は法定事由により審判官が自動的に排除される制度、忌避(141条)は公正を妨げる事情があるとき申立てにより排除する制度です。忌避は失権期限があります。
Q3審判官の忌避は書面が必要ですか?
必要です。特許法140条により、除斥又は忌避の申立ては、その原因を記載した書面を特許庁長官に提出して行います。口頭のみでは足りません。
Q4忌避が認められないのはどんな場合ですか?
単に厳しい質問をされた、心証が不利そうというだけでは足りません。客観的に偏頗の疑いを抱かせる具体的事情が必要で、認められるハードルは高いです。
Q5参加人も審判官を忌避できますか?
できます。特許法141条は「当事者又は参加人」と明記しており、無効審判の参加人も当事者と同様に忌避を申し立てる資格があります。
Q6忌避の申立ては誰が判断しますか?
忌避された審判官以外の審判官の合議によって決定されます(特許法142条)。忌避された本人が自分の忌避を判断するわけではありません。
Q7忌避を申し立てると審判は止まりますか?
原則として審判手続は中止されますが、急速を要する行為はこの限りでない場合があります。最新の運用は特許庁の審判便覧でご確認ください。
Q8特許庁の審判官の氏名はどこで分かりますか?
審判請求後に送付される書面や口頭審理の通知等で合議体を構成する審判官の氏名が示されます。氏名判明後、陳述前に経歴を調べるのが実務の鉄則です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1そもそも特許庁の審判官って、裁判官でもないのに忌避なんてできるんですか?
できます。特許法141条が、審判の公正を妨げるべき事情があるとき、当事者又は参加人は審判官を忌避できると定めています。審判は特許庁という行政庁の手続ですが、民事訴訟の裁判官忌避(民事訴訟法24条)と同じ発想で公正が担保されています。実務のポイント:実務で忌避が認められる例は極めて少なく、本当の効用は「この当事者は手続をよく分かっている」という無言の圧力で合議体に緊張感を持たせる点にある。申立ての存在自体が一つのメッセージになる。
Q2意見書を一回出した後で審判官が怪しいと気づいたら、もう手遅れですか?
原則は手遅れです。141条2項は、事件について陳述した後は忌避できないと定めます。ただし但書があり、忌避の原因を知らなかったとき、又は原因が後から生じたときは例外です。陳述前に知り得なかった利害関係を後で発見したのなら、まだ間に合う可能性があります。実務のポイント:だからこそ、審判官の氏名が判明した最初の段階で経歴と過去案件を徹底的に調べておく。陳述後に「知らなかった」と主張するには、調べても分からなかったという経緯が問われる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「お役所の審判官に文句なんて言えるわけがない」という前提そのものが誤っている。審判官は行政庁の職員だが、審判は準司法的な手続であり、当事者には裁判官と同様に審判官を忌避する権利が法律で保障されている。問うべきは「言えるか」ではなく「いつまでに言うか」だ。
- 忌避できることは知っていても、その期限の厳しさを知らない人が多い。第2項は、事件について一度でも陳述すれば忌避権が失われると定める。「次の機会に言えばいい」は通用しない。陳述という一回の行為で、権利は静かに失効する。
- 「気に入らない審判官は忌避で外せる」と思われがちだが、忌避が認められるのは「審判の公正を妨げるべき事情」がある場合に限られる。厳しい質問をされた、心証が不利そうだ、というだけでは足りない。客観的に偏頗の疑いを抱かせる具体的事情が必要だ。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 排除の根拠 | 141条 忌避:公正を妨げるべき事情がある場合の申立て | 139条 除斥:法定事由による自動的排除 24条(民訴)裁判官忌避:審判官忌避の母型 |
| 申立ての要否 | 当事者又は参加人の申立てが必要 | 申立て不要、事由があれば当然に職務から排除 当事者の申立てが必要 |
| 失権(タイムリミット) | 事件について陳述した後は原則忌避不可(141条2項) | 失権なし、いつでも問題となる 本案について弁論等をした後は忌避不可 |
| 申立ての方式 | 140条により書面で特許庁長官に提出 | 同じく140条の書面方式(除斥の申立て) 民訴規則の定める方式 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では特許無効等の準司法・行政手続について行政程序法の迴避規定が適用され、公務員が当事者と一定の関係にある場合の自行迴避・申請迴避を定める。日本の除斥・忌避に対応する。
韓国特許法も審判官の除斥・忌避を定め、公正を妨げる事情がある審判官の忌避を当事者に認める。日本法と同じく失権的な時期的制限が置かれている。
ドイツでは連邦特許裁判所の裁判官について、ZPO の除斥・忌避規定を準用して公正を担保する。行政庁(DPMA)段階と裁判所段階で規律が分かれる点が日本と異なる。
米国では特許審判部(PTAB)の行政特許審判官(APJ)の忌避が問題となり、行政手続法上の中立性要請とデュープロセスにより規律される。判例法的な運用が中心。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの特許に対し競合が無効審判を仕掛けてきた。第1回の審理で気づく。合議体の審判官の一人が、相手代理人の事務所の元パートナーだ。忌避を申し立てるなら、本案について意見を述べる前の今しかない。次の答弁書を出した瞬間、第2項であなたの忌避権は消える。
- 拒絶査定不服審判で、審判官が口頭審理の段階で「この発明に新規性はない」と結論を先に決めたような態度を見せたら、どうなる? その予断が「審判の公正を妨げるべき事情」に当たれば忌避の対象になりうる。ただし単なる心証開示と予断は紙一重で、認められるハードルは高い。
- あなたが無効審判の参加人として加わったとき、審判官と特許権者の間に過去の利害関係を見つけた。参加人も当事者と同じく忌避を申し立てられる。141条は「当事者又は参加人」と明記している。あなたは傍観者ではなく、手を挙げる資格がある。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 審判官の氏名が判明したら、本案について陳述する前に経歴、過去の関与案件、相手方との利害関係を調べる2. 公正を妨げる具体的事情が見つかれば、本案の答弁や意見陳述をする前に忌避を申し立てる(140条の方式に従い書面で) 3. 申立ては、忌避された審判官以外の審判官の合議で決定される(142条) 4. 忌避が却下されても、その記録は後の審決取消訴訟で手続の公正を争う材料になりうる。最新の運用は特許庁の審判便覧で確認を
訴えられた側:1. 相手が忌避を申し立ててきたら、それが手続遅延目的の濫用的申立てでないか見極める2. 忌避の原因とされる事情が「審判の公正を妨げるべき事情」に当たらない(単なる不利な心証開示にすぎない等)と反論する3. 相手がすでに本案について陳述している場合は、第2項により忌避権が失われていると主張できる(原因を知らなかった等の例外に当たらない限り) 4. 忌避申立て中でも、急速を要する行為は進められる場合がある点を押さえる
時効(請求できる期限):特定の出訴期限ではなく失権期限が核心。事件について審判官に書面又は口頭で陳述をした後は忌避できない(141条2項)。例外は、忌避の原因を知らなかったとき、又は原因がその後に生じたときで、この場合は原因を知った時又は原因発生時が事実上の起算点となる(最新の運用状況をご確認ください)。
学説
通説:特許庁の審判は準司法的手続であり、審判官の除斥(139条)と忌避(141条)は手続の公正を担保する制度である。忌避が認められるのは客観的に偏頗の疑いを抱かせる具体的事情がある場合に限られ、単なる不利な心証開示では足りないと解される。
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