特許法 第144条
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除斥又は忌避の申立があつたときは、その申立についての決定があるまで審判手続を中止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第144条は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第144条の条文原文は「除斥又は忌避の申立があつたときは、その申立についての決定があるまで審判手続を中止しなければならない。ただし、急速を要する行為については、この限りでない。」で始まります。
- 特許法第144条は第六章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第144条の前の条は特許法第143条です。
- 特許法第144条の次の条は特許法第144条の2です。
- 特許法第144条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第144条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第144条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/144
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法144条は、除斥または忌避の申立てがあると、その決定が出るまで審判手続を中止しなければならないと定める。ただし急速を要する行為は例外的に進められる。
Q · 特許の審判中に審判官を忌避したら、手続は止まるの?
止まります。決定が出るまで審判手続は中止されます。
特許法144条により、審判官の除斥または忌避の申立てがあると、その申立てについての決定が出るまで審判手続は中止しなければなりません。相手方が早期審決を狙っていても、手続そのものが止まります。ただし但書により、証拠保全など急速を要する行為は中止中でも行えます。忌避には事由の疎明(142条)が必要で、根拠が薄いと却下され、かえって心証を損なうおそれがある点に注意が必要です。
解説
特許の無効審判や拒絶査定不服審判で、担当する審判官の一人が、過去に相手方企業の知財部にいた、あるいはその特許の出願に関わっていたと分かった。そんなとき、あなたには「除斥」と「忌避」という二つの引き金がある。除斥は法律上当然に資格を失う事由、忌避は審判の公正を妨げる事情があるときの申立てだ。144條が効くのはここからである。あなたがその申立てをした瞬間、審判官はあなたの事件について審理を先へ進められなくなる。決定が出るまで、手続は止まる。相手がどれだけ早く結論を出したくても、止まる。ただし例外がある。証拠保全のように急速を要する行為は、中止中でも進められる。この一行を知っているかどうかで、不利な審判官の下で結論を急がれる前にブレーキを踏めるかどうかが変わる。
法的な位置づけ
特許法144条は、審判手続の中止を定める規定である。審判官の除斥または忌避の申立てがなされた場合、その申立てに対する決定がなされるまで、当該事件の審判手続を進行させてはならないとする。ただし但書により、証拠保全など急速を要する行為は、中止期間中であっても例外的に行うことができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.審判官の指定通知が来たら経歴を確認 無効審判・拒絶査定不服審判などの指定通知を受けたら、各審判官の氏名・前職・過去の関与案件を確認し、除斥事由(139条)か忌避事由(141条)に当たらないか精査する
- 2.忌避事由を客観資料で疎明 審判官と相手方企業・代理人との接点(前職・過去の関与)を示す客観的資料を集める。142条は忌避原因の疎明を要求するため、心証だけでなく資料で裏づける
- 3.書面で除斥・忌避を申し立てる 142条の方式に従い、原則として書面で除斥または忌避を申し立てる。申立てと同時に、144条により当該事件の審判手続は中止される
- 4.中止中も急速を要する行為に備える 144条但書により証拠保全など急速を要する行為は中止中でも進む。相手方の証拠保全が予定されている場合は、中止を過信せず期日への対応を準備する
よくある質問 AI による整理
Q1特許審判の除斥と忌避はどう違う?
除斥(139条)は法定事由に該当すれば当然に資格を失うもの、忌避(141条)は審判の公正を妨げる事情があるときに申立てで排除するものです。いずれの申立ても144条で審判手続の中止を生じさせます。
Q2特許審判の中止はいつまで続く?
除斥・忌避の申立てについての決定(143条)が出るまで続きます。決定で申立てが認められれば審判官が交代し、却下されればもとの審判官のもとで手続が再開します。
Q3忌避を申し立てる書面はどう書く?
特許法142条により、忌避の申立ては原則として書面で行い、忌避の原因を疎明する必要があります。審判官と相手方との接点など、客観的資料を添えるのが実務の要点です。
Q4特許審判官を交代させることはできる?
できます。除斥事由(139条)や忌避事由(141条)に該当すれば、申立てにより審判官を排除でき、認められれば別の審判官が指定されます。
Q5審判手続の中止中でも証拠保全はできる?
できます。144条但書により、急速を要する行為は中止中でも例外的に進められます。証拠保全はその典型で、「止めたはず」でも進む点に注意が必要です。
Q6忌避の申立てが認められないとどうなる?
申立てを却下する決定が出て、中止していた審判手続はもとの審判官のもとで再開します。引き延ばし目的とみなされると心証を損なうおそれもあります。
Q7審判官の除斥は自動的に効く?
除斥事由に該当すれば法律上当然に職務を行えませんが、実務では除斥の申立て(140条)や忌避の申立てによって手続的に確認・排除されます。申立てがあれば144条で手続が中止されます。
Q8特許無効審判で審判官の中立性を疑ったら?
審判官の経歴や相手方との接点を確認し、忌避事由に当たれば速やかに書面で申し立てます。申立て時点から決定まで審判手続は中止されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1忌避を申し立てたら、本当にその場で審判は止まるんですか?
止まります。特許法144條により、除斥または忌避の申立てがあると、その申立てについての決定が出るまで審判手続は中止されます。ただし但書で、急速を要する行為(証拠保全など)は中止中でも行えます。実務のポイント:忌避は申し立てれば自動的に止まるため、相手が早期審決を狙う局面での時間確保に使われることがあります。ただし事由の疎明(142條)が弱いと却下され、かえって審判官の心証を損なうので、関係性を示す客観資料を揃えてから動くのが実務の鉄則です
Q2審判官が前に相手の会社にいた、というだけで交代させられますか?
前職が相手方企業というだけで自動的に除斥になるとは限りませんが、審判の公正を妨げる事情があれば忌避事由になり得ます(141條)。除斥(139條)は法定事由に限られ、それ以外は忌避で争います。実務のポイント:審判官の経歴は過去の審決などから追えることがあります。指定通知を受けた段階で経歴を調べ、接点があれば早期に動く。知財業界は人材の流動が激しく、こうした接点は意外なほど起こります。(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「忌避を申し立てても審判はそのまま進んで結論が出てしまう」と思われがちだが、144條は逆である。申立てがあれば、決定が出るまで手続は中止される。あなたの一手が、進行そのものを止める
- 忌避できること自体は知っていても、その重みを見落としている人が多い。申立てが認められれば審判官が交代するだけでなく、それまでの審理の公正性そのものが問い直され、後の審決取消訴訟での主張材料にもなり得る。単なる時間稼ぎの手段ではない
- 「中止されれば全部止まる」という前提が誤っている。但書により急速を要する行為は止まらない。だから『忌避すれば相手の証拠保全も止められる』と考えて動くと、保全だけが進んで足をすくわれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 144条:申立てにより審判手続を中止する効果規定 | 141条:審判官の忌避事由と申立て時期 139条:審判官の除斥事由(法定・当然) |
| 発動の要件 | 除斥または忌避の申立てがあること | 審判の公正を妨げる事情の存在 当事者・代理人であった等の法定事由該当 |
| 手続への影響 | 決定が出るまで手続中止(但書で急速行為は例外) | 該当すれば忌避申立ての根拠となる 該当すれば当然に職務執行不可 |
| 終期を画す規定 | 143条の決定により中止が終わる | 142条の方式・疎明を経て決定へ 140条の除斥申立て・決定へ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも法官迴避の聲請があると訴訟程序が停止する。特許審査手続の中立性確保という発想は日本と共通する。
韓国特許法も審判官の제척・기피と、それに伴う審判절차の중지を定めており、日本法と近い構造を持つ。
ドイツでは忌避(Ablehnung)を受けた裁判官は、延期できない行為(unaufschiebbare Handlungen)のみ行える。急速を要する行為の例外という点で144条但書と同じ発想。
米国は裁判官の disqualification を定めるが、中止効果は個別手続規則による。PTAB の審判では37 CFR 等の手続規則が中立性を担保する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社の特許に無効審判が起こされ、指定された審判官の一人が、過去に相手方企業の知財部に在籍していたと判明した。忌避を申し立てれば、決定が出るまで審理は止まる。相手が早期審決を狙っていたなら、その目論見は崩れる
- もし口頭審理の直前に、審判官が相手方代理人と私的なつながりを持つと気付いたら、どう動く?忌避を申し立てた瞬間、その期日は中止される。ただし事由の疎明が弱ければ却下され、引き延ばし目的とみなされて心証を損なうリスクもある
- 証拠保全の期日が三日後に迫っている。忌避で手続全体を止めたつもりでも、急速を要する証拠保全だけは但書により進む。「止めたはず」が止まっていなかった、その思い込みが命取りになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 審判官の指定通知が来たら、各審判官の経歴・前職・過去の関与案件を確認し、除斥事由(139條)か忌避事由(141條)に当たるか精査する2. 該当すれば速やかに書面で申し立てる。忌避は事由を疎明する必要があるので(142條)、相手方との関係を示す客観的資料を添える3. 申立てと同時に審判手続は中止される(144條)。ただし急速を要する行為は止まらない点に注意4. 根拠が薄い段階での濫用は却下と心証悪化を招くため避ける
訴えられた側:1. 相手が忌避を申し立てて手続が中止されたら、まずその忌避事由に理由があるか冷静に検討する2. 引き延ばし目的が明らかなら、その旨を主張して早期の却下決定を求める3. 中止中でも急速を要する行為(証拠保全など)は但書により進められるので、必要な保全は止めずに動く4. 忌避が認められた場合は審判官交代を前提に、主張立証の戦略を組み直す
時効(請求できる期限):忌避は、当事者又は参加人が事件について審判官に対し書面又は口頭で陳述をした後は、原則として申し立てることができない(忌避の原因を知らなかったとき、又はその後に原因が生じたときを除く、特許法141条2項)。中止の効果は申立て時から決定時まで継続する。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:144条の中止は、除斥・忌避の申立てがあれば当然に生じ、審理の公正確保を優先する趣旨とされる。但書の急速を要する行為の例外は、証拠の散逸や回復不能な不利益を避けるための必要最小限の進行を認めるものと理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法(昭和34年法律第121号)の制定に伴い、審判官の除斥・忌避の申立て時における審判手続の中止を定める規定として整備された。
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