特許法 第143条(除斥又は忌避の申立についての決定)
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- 除斥又は忌避の申立があつたときは、その申立に係る審判官以外の審判官が審判により決定をする。ただし、その申立に係る審判官は、意見を述べることができる。
- 2.前項の決定は、文書をもつて行い、かつ、理由を附さなければならない。
- 3.第一項の決定又はその不作為に対しては、不服を申し立てることができない。
この条文の基本情報
除斥又は忌避の申立についての決定とは何ですか?
定義除斥又は忌避の申立についての決定とは、特許法第143条に定められた規定で、「除斥又は忌避の申立があつたときは、その申立に係る審判官以外の審判官が審判により決定をする。ただし、その申立に係る審判官は、意見を述べることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 特許法第143条(除斥又は忌避の申立についての決定)は、日本の特許法に含まれる条文です。
- 特許法第143条の条文原文は「除斥又は忌避の申立があつたときは、その申立に係る審判官以外の審判官が審判により決定をする。ただし、その申立に係る審判官は、意見を述べることができる。」で始まります。
- 特許法第143条は第六章に置かれています。
- 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 特許法第143条の前の条は特許法第142条です。
- 特許法第143条の次の条は特許法第144条です。
- 特許法第143条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第143条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121 - 本サイト収録
特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第143条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/143
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点特許法143条は、審判官の除斥・忌避の申立てについて、当該審判官以外の審判官が審判により決定すると定める。決定は文書で理由を付し、その決定に不服は申し立てられない。
Q · 特許審判の審判官を外したいとき、その申立ては誰がどう決めるの?
申立て対象の審判官を除く他の審判官が審判で決定します
特許法143条により、除斥又は忌避の申立てがあると、その申立てに係る審判官を除いた他の審判官が審判により決定します(当の審判官も意見は述べられます)。決定は文書で理由を付して行われますが、この決定やその不作為に対しては不服を申し立てることができません(3項)。それゆえ忌避の原因は申立てから3日以内に疎明する必要があり(142条2項)、準備不足の申立ては一度で却下され再度撃てません。
解説
特許の無効審判や拒絶査定不服審判で、あなたの事件を裁くのは特許庁の審判官三名(または五名)の合議体だ。その名簿を受け取ったとき、もし一人が過去にあなたの特許を拒絶した張本人の審査官だったら、あるいは相手方企業と縁のある人物だったら、黙って受け入れるしかないと思っていないか。143条は、その審判官を外す手続の出口を定める。除斥(139条の法定事由)や忌避(141条の公正を疑う事由)を申し立てると、当の審判官を除いた他の審判官が、審判によって決定を下す。決定は必ず文書で、しかも理由を付さなければならない。ただし落とし穴がある。三項は、この決定にもその不作為にも「不服を申し立てることができない」と封じている。つまり一発勝負だ。しかも忌避の原因は申立てから三日以内に疎明しなければならない(142条2項)。準備不足のまま撃てば、二度目の弾はない。
法的な位置づけ
特許法143条は、審判官の除斥又は忌避の申立てに対する処理手続を定める規定である。申立てがあった場合、その申立てに係る審判官を除く他の審判官が審判により決定を行い、当該決定は文書をもって理由を付して行われる。決定及びその不作為に対しては不服申立てが認められない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.審判官名簿を受け取り経歴・関与を調査 特許庁から合議体の審判官名簿を受け取ったら、直ちに各人の経歴・過去の事件関与・相手方との利害関係を調査する。かつて自分の出願を拒絶した審査官や相手方企業に縁のある人物がいないか照合する
- 2.除斥事由か忌避事由かを判別 該当者について、139条の法定除斥事由(当然に外れる強い武器)に当たるか、141条の忌避事由(公正を疑う事情の疎明が要る弱い武器)に当たるかを先に切り分ける。取り違えると勝てる申立ても落ちる
- 3.原因を記載した申立書を特許庁長官に提出 除斥・忌避の原因を具体的に記載した書面を特許庁長官に提出する(142条1項)。口頭審理では口頭でもできる。申立てがあると当の審判官を除く他の審判官が決定する(143条1項)
- 4.申立てから3日以内に疎明資料を提出 最重要。忌避・除斥の原因は申立てをした日から3日以内に疎明しなければならない(142条2項)。経歴・利害・過去の関与を示す資料を申立て前に全部揃えてから撃つ。撃ってから探すのでは間に合わない
- 5.手続中止期間に本案準備を並行 申立て後は原則として審判手続が中止される(144条本文)。ただし急速を要する行為は進むため、その間に本案(無効審判・拒絶査定不服審判)の主張・立証も並行して固めておく
よくある質問 AI による整理
Q1特許審判の除斥と忌避の違いは?
除斥は139条の法定事由があれば当然に外れる強い制度、忌避は141条の公正を疑う事情を疎明して外す制度です。まず除斥に当たらないか先に検討するのが定石です。
Q2審判官の忌避は申立てから何日以内に疎明する?
特許法142条2項により、除斥・忌避の原因は申立てをした日から3日以内に疎明しなければなりません。ここで証拠が薄いと却下され、同じ理由で二度は撃てません。
Q3忌避申立書は誰に提出するの?
除斥・忌避の申立ては特許庁長官に対し、原因を記載した書面で行います(142条1項)。ただし口頭審理では口頭ですることもできます。
Q4特許審判の合議体は何名で構成される?
審判は3名または5名の審判官の合議体で行われます(特許法136条)。除斥・忌避の対象となるのはこの合議体を構成する各審判官です。
Q5除斥事由には具体的にどんなものがある?
特許法139条は、審判官が事件の当事者や代理人であった場合、過去にその事件の審査官として査定に関与した場合などを法定の除斥事由として列挙しています。
Q6審決取消訴訟で手続の違法は主張できる?
できます。143条3項が封じるのは即時の不服だけで、不公正な審判官のまま出た審決は審決取消訴訟(178条)で手続違法として争う余地があります。異議は記録に残しておきます。
Q7忌避申立ての決定は誰がする?
申立てに係る審判官を除いた他の審判官が審判により決定します(143条1項)。ただし当の審判官自身も意見を述べることはできます。
Q8忌避申立て中に審判手続は進む?止まる?
原則として決定があるまで手続は中止されます(144条本文)。ただし急速を要する行為は例外的に進みます(同ただし書)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審判官って、こっちの都合で替えてもらえるんですか?
「都合」では替えられないが、法定の除斥事由(139条)や、公正な審判を妨げる事情があれば忌避(141条)で外せる。申立てがあると、当の審判官を除く他の審判官が審判で決定する(143条1項)。実務のポイント:除斥は事由があれば当然に外れる強い武器、忌避は「公正を疑うに足りる事情」の疎明が要る弱い武器。まず除斥に当たらないかを先に検討するのが定石で、ここを取り違えると勝てる申立ても落ちる
Q2決定に不服を言えないなら、もう打つ手なしですか?
その場で決定をひっくり返す不服申立ては143条3項で封じられている。ただし、不公正な審判官のまま進んで出た最終審決は、審決取消訴訟(特許法178条)で手続の違法として争う余地がある。実務のポイント:実務では、忌避が却下されても異議をきちんと記録に残しておく。後の知財高裁での取消訴訟で「手続に瑕疵あり」と主張する布石になり、ここを黙って受け入れた当事者は最終段階で武器を失う
Q3忌避を申し立てたら、審判はその間止まるんですか?
原則止まる。除斥・忌避の申立てがあったときは、その申立てについての決定があるまで審判手続を中止しなければならない(144条本文)。実務のポイント:ただし「急速を要する行為」は例外で進む(144条ただし書)。だからこそ忌避は引き延ばし戦術にも使われるが、相手方は疎明不十分を突いて中止を最小化できる。中止=完全停止と思い込むと足をすくわれる
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば特許審判は「公平な行政の手続」だが、法律の側から見れば、審判官も過去に同じ事件に関与したり利害関係を持ちうる生身の人間だ。この落差を知らないまま不利な審判官を放置すると、結論が出てから後悔する
- 「忌避できるらしい」とぼんやり知っている人は多いが、その深刻さを知らない。原因は申立てから三日以内に疎明しないと失権する(142条2項)。締切を逃した瞬間、どれだけ正当な疑いがあっても申立ては門前払いになる
- 「決定に不服を申し立てられないなら、争う意味がない」という問いの立て方そのものが誤っている。143条3項が封じるのはその場の即時不服だけ。手続の公正を欠いたまま出た最終審決は、審決取消訴訟(178条)で違法として蒸し返す余地がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 143条:除斥・忌避の申立てに対する決定手続 | 142条:申立ての方式と3日以内の疎明義務 144条:申立て中の審判手続の中止 |
| 決定・処理の主体 | 申立てに係る審判官以外の審判官(当人は意見のみ可) | 申立人が長官に書面提出、疎明も申立人の責任 手続は自動的に中止(急速を要する行為は例外) |
| 決定の方式・効力 | 文書で理由を付す。決定・不作為に不服申立て不可(3項) | 書面(口頭審理では口頭)、期限は3日 決定があるまで中止、ただし書で例外あり |
| 覆せる手段 | 審決取消訴訟(178条)で手続違法として主張 | 疎明不十分なら却下、再申立て不可 相手方は疎明不十分を突いて中止を最小化できる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では専利審査・審判の公務員回避は主に行政程序法の回避規定が機能し、専利法に審判官除斥の直接規定は置かれていない
韓国も特許審判における審判官の除斥・忌避及びその決定制度を持ち、日本法と類似の構造を採る
ドイツは連邦特許裁判所(BPatG)で民事訴訟法の除斥・忌避規定を準用し、裁判官の中立性を担保する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが特許無効審判で防御側に立った。合議体の審判官名簿を見ると、一人はかつて相手方企業の知財部に在籍していた経歴がある。公正を疑う十分な事由だ。忌避を申し立てれば、当人を除く審判官が決定する。だがその疎明を三日で固められなければ、却下されたあと同じ理由で蒸し返すことはできない
- 拒絶査定不服審判を起こしたら、合議体の一人が、まさにあなたの出願を拒絶した審査官その人だった。これは法定の除斥事由に近く、外せる可能性が高い。問題はタイミング。審判が実体審理に入る前に動かないと、不利な心証が固まってから外しても遅い
- もし相手方が、敗色濃厚な審判を引き延ばすためだけに、根拠の薄い忌避を連発してきたら? 申立てがあると審判手続は原則中止される(144条)。あなたは決定権を持つ他の審判官に「疎明不十分」と反論し、急速を要する手続は止まらないと主張して、時間稼ぎを封じる側に回る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 審判官名簿を受け取ったら直ちに各人の経歴・過去の関与・相手方との利害関係を調査する。2. 該当者がいれば、原因を記載した書面を特許庁長官に提出する(口頭審理なら口頭でも可、142条1項)。3. 最重要:忌避は申立てから三日以内に疎明資料を提出する(142条2項)。ここで証拠が薄いと却下され、同じ理由で二度は撃てない。4. 申立て後は審判手続が中止される(144条)ので、その間に本案の準備も並行して進める。
訴えられた側:1. 相手の忌避申立てが引き延ばし目的と見たら、決定権を持つ他の審判官に対し「疎明不十分、公正を疑う具体的事由なし」と反論する書面を出す。2. 忌避された審判官自身も意見を述べられる(143条1項ただし書)ので、その意見と主張を整合させる。3. 中止には「急速を要する行為」の例外があり(144条ただし書)、止められない手続は進むと主張して時間稼ぎを封じる。
時効(請求できる期限):忌避・除斥の原因は、申立てをした日から三日以内に疎明しなければならない(特許法142条2項)。決定自体への即時の不服申立ては143条3項により不可。最終的な不服は、審決取消訴訟(特許法178条、出訴期間は審決謄本送達から原則30日)の中で手続の違法として主張する(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:143条の決定を当該審判官以外に委ね、文書・理由付きを要求するのは判断の客観性を担保するためであり、3項の不服不可と142条2項の3日疎明は忌避の濫用による審判遅延を遮断する趣旨と理解されている。手続の公正の瑕疵は審決取消訴訟で争いうる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行特許法(昭和34年法律第121号)の制定時に、審判官の除斥・忌避の申立てに対する決定手続として本条が規定された。
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