要点特許法 134 条の 2 は、特許無効審判の被請求人が指定期間内に限り特許請求の範囲等を訂正請求できると定める。目的は請求項の減縮など四つに限られ、新規事項の追加は禁止される。
Q · 特許を無効審判で攻められたら、もう権利は守れないの?
訂正の請求で請求項を減縮すれば生き延びられる
特許法 134 条の 2 により、特許無効審判の被請求人は指定された期間内に限り、特許請求の範囲等の訂正を請求できます。最もよく使われるのは請求項の減縮で、相手が挙げた先行技術の射程から一歩内側に権利範囲を引き込めば、無効理由が当たらなくなります。ただし訂正の目的は減縮・誤記訂正・釈明・引用関係解消の四つに限られ、新規事項の追加や実質的な権利範囲の拡張は禁止されます(126 条準用)。攻められた請求項だけを狙って減縮し、強い請求項は温存する設計が実務の要です。
競合他社が、あなたの会社のコア特許に対して『この発明は出願前から公知だった』と無効審判を突きつけてきた。何年もの研究開発と数百万円の出願費用が、ゼロになるかもしれない。多くの経営者はここで頭を抱える。だが特許法134条の2は、攻められた特許権者に反撃の手を残している。無効審判の被請求人は、指定された期間内に限り、特許請求の範囲、つまり権利の範囲そのものを書き換える『訂正の請求』ができる。狙いは主に四つ、請求項の減縮(権利範囲を狭める)、誤記誤訳の訂正、不明瞭な記載の釈明、引用関係の解消だ。最も使われるのは減縮。相手が突きつけてきた先行技術文献の射程から、自分の請求項を一歩内側に引き込めば、無効理由が当たらなくなる。しかも請求項が複数あれば、攻められた請求項だけを狭め、強い請求項は広いまま残せる。つまりこれは、城を攻められたときに城壁を引き直して守りを固める、特許権者だけに認められた最後の防衛線である。
特許法 134 条の 2 は、特許無効審判における訂正の請求を定める規定である。被請求人は指定された期間内に限り、明細書・特許請求の範囲・図面について、請求項の減縮、誤記誤訳の訂正、不明瞭記載の釈明、引用関係の解消を目的とする訂正を請求できる。新規事項の追加および実質的な権利範囲の拡張・変更は禁止される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許無効審判の被請求人が、指定された期間内に限り、特許請求の範囲や明細書・図面を訂正できる手続です。請求項の減縮などにより無効理由をかわし、権利を維持することを狙います。
答弁書提出期間(134 条)、訂正拒絶理由通知への意見書提出期間(153 条 2 項)、審決の予告後の指定期間(164 条の 2)など、法が指定した期間内に限られます。逃すと原則できません。
審判長が訂正請求書とその添付書類を受理すると、その副本を無効審判の請求人へ送達します(4 項)。請求人はこれを見て訂正の当否を争うことができます。
他の請求項を引用するなどして技術的にひとまとまりとなる請求項の集合です。訂正はこの一群ごとに行う必要があり(3 項)、バラバラには訂正できません。
できます。審判官が無効になりそうだと心証を示す審決の予告(164 条の 2)を受けた後の指定期間内にも訂正請求が可能で、弱点に合わせた精密な減縮ができます。
補正ができる期間内に限り取り下げられます(7 項)。ただし請求項ごと・一群の請求項ごとに訂正した場合は、その全部を取り下げなければなりません。
訂正が認められると、その効果は出願時に遡って生じます(128 条準用)。訂正前の広い請求項を信頼していた第三者との関係が問題になることがあります。
その場合は請求項ごとに訂正の請求をしなければなりません(2 項ただし書)。攻められた請求項だけを狙って訂正し、他の請求項は温存する設計が可能です。
訂正審判(特許法126条)は無効審判とは別に独立して権利範囲を訂正する手続で、いつでも請求できるのが原則です。一方、本条の訂正の請求は無効審判が係属している中で、指定された期間内だけ使えるものです。業界裏話ヒント:無効審判が係属している間は独立の訂正審判は原則として使えず、訂正は無効審判の中の訂正請求で行うのが実務の鉄則。ここを取り違えると訂正の機会そのものを逃します
無制限ではありません。126条5項以下が準用され、願書に最初からない新規事項の追加や、実質的な権利範囲の拡張・変更は禁止されます。業界裏話ヒント:減縮は『先行技術はかわすが、自社製品はカバーし続ける』という針の穴を通す作業です。逃げることだけ考えて狭めすぎると、無効は回避できても自社製品すら権利範囲から外れ、特許が実質無意味になる。攻守の両方を同時に睨んで線を引けるかが勝負
攻められた請求項だけを減縮し、攻撃されていない強い請求項は広いまま温存できます(2項)。ただし引用関係でつながった一群の請求項は束で訂正する必要があり(3項)、請求項ごとに無効審判が請求された場合は請求項ごとに訂正しなければなりません。業界裏話ヒント:一律に全請求項を縮めて、本来守れた広い権利まで自ら手放すのは素人がやりがちなミス。どの請求項を切り、どれを残すかの設計次第で、訂正後に手元へ残る特許の価値が大きく変わります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の位置づけ | 134 条の 2:無効審判の中で行う訂正の請求 | — |
| 使える時期 | 答弁書提出期間・訂正拒絶理由通知後・審決の予告後など指定期間内のみ | — |
| 目的の制限 | 減縮・誤記訂正・釈明・引用関係解消の四つに限定 | — |
| 訂正の単位 | 請求項ごと・一群の請求項ごとに訂正(2 項・3 項) | — |
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