願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正をすべき旨の審決が確定したときは、その訂正後における明細書、特許請求の範囲又は図面により特許出願、出願公開、特許をすべき旨の査定又は審決及び特許権の設定の登録がされたものとみなす。
要点特許法 128 条は、訂正審決が確定すると訂正後の内容で出願・登録がされたとみなす遡及効を定める。訂正は原則減縮のため、権利範囲はむしろ狭まる。
Q · 特許が無効だと攻撃されたとき、後から訂正して「最初から範囲が狭かった」ことにできるって本当?
本当です。訂正審決が確定すれば遡及効が働きます
特許法 128 条により、明細書・特許請求の範囲・図面を訂正する審決が確定すると、訂正後の内容で出願や特許権の設定登録がされたものとみなされ、効力が出願時まで遡ります。ただし訂正でできるのは原則として請求の範囲の減縮であり(126 条)、範囲を広げることはできません。したがって遡及効が働いても範囲はむしろ狭まり、訂正で範囲外に出た製品は侵害を免れる方向に働きます。無効審判が係属中は訂正審判ではなく訂正請求(134 条の 2)によります。
自社の看板特許を武器に競合を提訴した。ところが相手は反撃してきた。「その特許は無効だ、出願前に同じ技術がすでに公開されていた」と。これで権利は紙くずか、と思うのはまだ早い。特許法には時間を巻き戻すカードがある。請求の範囲を訂正して、問題となった部分を狭め、先行技術に引っかからない形に作り直す。そして訂正審判の審決が確定した瞬間、128条が発動する。訂正後の明細書・特許請求の範囲・図面で、出願も、出願公開も、特許査定も、特許権の設定登録も「最初からそうだった」とみなされる。つまり遡及効である。あなたが知っておくべきは二点。第一に、訂正でできるのは原則「減縮」、狭めることであって広げることではない。第二に、この遡及効は諸刃の剣で、あなたが特許権者なら救済装置だが、その特許を信じて回避設計をした第三者から見れば、範囲が遡って変わる不意打ちになる。立つ位置で意味が反転する条文だ。
特許法 128 条は訂正の遡及効を定める規定であり、明細書・特許請求の範囲・図面を訂正すべき旨の審決が確定した場合に、訂正後の内容によって特許出願・出願公開・特許査定・特許権の設定登録がされたものとみなす。訂正は原則として減縮に限られるため、遡及の効果は権利範囲を狭める方向に生じる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許権者が特許請求の範囲や明細書の誤りを正し、範囲を減縮するために特許庁へ請求する審判です(特許法 126 条)。無効理由を自ら取り除く守りの手続として使われます。
訂正審決が確定すると、訂正後の内容で出願や特許権の設定登録が最初からされたものとみなす効果です(128 条)。権利範囲が出願時に遡って作り直されます。
無効審判が係属していないときは訂正審判(126 条)、無効審判の係属中はその中で行う訂正請求(134 条の 2)を使います。使える手続はタイミングで変わります。
訂正審判に一律の出訴期間はありませんが、無効審判係属中は訂正審判を請求できず、特許権消滅後の訂正にも別途制限があります。侵害訴訟では機会を逃すと対抗できません。
特許庁への手数料に加え、弁理士への代理報酬がかかります。金額は請求項数や事案の複雑さで変わるため、最新の料金は特許庁の案内と弁理士に確認してください。
できます。実用新案法 14 条の 2 が特許とほぼ同様の訂正と遡及効を定めています。特許だけ見て実用新案を見落とすと、権利地図を読み違えます。
回数の一律制限はありませんが、同じ無効理由への対応は一度で詰めるのが実務です。訂正の幅をどこで切るかが、無効回避と侵害維持の分かれ目になります。
請求の範囲の減縮、誤記・誤訳の訂正、明瞭でない記載の釈明などに限られ、新規事項の追加や範囲の拡張はできません(126 条)。独立特許要件を満たす必要もあります。
できません。訂正で認められるのは原則として特許請求の範囲の減縮、誤記・誤訳の訂正、明瞭でない記載の釈明などに限られます(特許法126条)。範囲を広げる訂正や新規事項の追加は不可です。業界裏話ヒント:だからこそ訂正は「攻め」ではなく「無効攻撃を生き延びる守り」の道具。実務では、無効資料を外しつつ相手製品はなお範囲に残す、その一点だけを狙って減縮幅を決める。広く残したい欲を捨てられるかが分かれ目になる
後手に回ると訂正の機会自体を失います。無効審判が特許庁に係属すると訂正審判は使えず(特許法126条2項)、無効審判の中の訂正請求(134条の2)に切り替わり、答弁の機会など限られたタイミングしか与えられません。業界裏話ヒント:強い特許を持つ企業ほど、無効審判を起こされる前に自ら弱点を訂正審判で潰しておく。攻撃の的を先に消すこの先手は、訴訟になってから慌てる相手と決定的な差を生む
128条により訂正後の範囲で出願・登録などがされたものとみなされ、原則として遡及効が働きます。ただし訂正は減縮なので範囲はむしろ狭まり、訂正で範囲外に出た製品は侵害を免れる方向です(特許法128条、104条の3)。業界裏話ヒント:遡及効は権利者の味方にも敵にもなる。回避設計していた第三者にとっては、範囲が遡って動くこと自体がリスク。安全だと思った設計ほど、相手の訂正可能性まで読んでおく必要がある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 128 条:訂正確定後の効力(遡及効)を定める規定 | — |
| 使う場面 | 訂正審決が確定した後の効力発生局面 | — |
| できる訂正の範囲 | 訂正後の内容が出願時に遡って効力 | — |
| 第三者への影響 | 遡及効により範囲が遡って変動しうる | — |
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