特許権者は、専用実施権者又は質権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り、訂正審判を請求することができる。
要点特許法127条は、特許権者が専用実施権者または質権者を有する場合、これらの者の承諾を得たときに限り訂正審判を請求できると定める。承諾がなければ請求は不適法となる。
Q · 特許は自分のものなのに、訂正するのに他人の承諾が必要なの?
専用実施権者と質権者がいれば、その承諾が必要です
特許法127条により、特許権者は専用実施権者または質権者があるときは、これらの者の承諾を得た場合に限り訂正審判を請求できます。訂正は特許請求の範囲を変動させ、独占ライセンスの事業前提や担保価値を直接左右するためです。承諾なしに請求した訂正審判は不適法として却下されるリスクがあります。実務では、専用実施権や質権の設定契約に訂正への事前承諾条項を入れておくのが定石です。
自分の特許なのだから、書き方を直すのも自由だ。そう思っていると足をすくわれる。特許法127条は、専用実施権者(その特許を独占的に使う契約を結んだ相手)または質権者(その特許を担保に取った債権者)がいる場合、これらの者の承諾を得たときに限り訂正審判(特許請求の範囲や明細書の記載を後から訂正する手続)を請求できると定める。なぜか。訂正は特許の権利範囲を動かす。範囲が狭まれば、独占ライセンスを受けた相手の事業前提が崩れ、担保価値も目減りする。つまりあなたが「誤記を直すだけ」と思っている一手が、相手の経営計画や融資の担保を直撃する。だから法律は、あなた一人の判断では動かせないようロックをかけた。特許を担保に金を借りた瞬間、あなたは自分の特許の文言を自由に書き換える権利を、静かに手放している。
特許法127条は訂正審判の請求要件を定める規定であり、特許権者が専用実施権者または質権者を有する場合、これらの者の承諾を得たときに限り訂正審判を請求できる旨を規定する。訂正による権利範囲の変動が独占的利用権および担保価値に及ぼす影響を調整する趣旨に基づく。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許登録後に、特許請求の範囲や明細書の記載を訂正するための審判手続です(特許法126条)。無効理由を解消したり誤記を直したりする目的で使われ、権利範囲の縮小はできても拡張はできません。
原則いつでも請求できますが、無効審判が特許庁に係属している間は訂正審判を請求できず、無効審判内の訂正請求(特許法134条の2)によります。特許権消滅後も一定の場合に限り請求できます(特許法126条8項)。
専用実施権者・質権者の承諾を欠く訂正審判の請求は、要件を満たさず不適法として却下されるリスクがあります。防御手段として使うはずの訂正が、承諾漏れで空振りに終わります。
訂正審判(126条)は独立した審判として単独で請求します。訂正請求(134条の2)は無効審判が係属中の場合に、その手続の中で行う訂正です。無効審判中は訂正審判ではなく訂正請求によります。
質権を設定すると、以後は質権者の承諾なしに訂正審判を請求できなくなります(特許法127条)。誤記訂正のような軽微な訂正でも承諾が要るため、資金調達と引き換えに知財戦略の自由度が下がります。
訂正は特許請求の範囲の減縮、誤記・誤訳の訂正、明瞭でない記載の釈明に限られ、範囲の実質的拡張や変更はできません。訂正で範囲が狭まると、独占ライセンスの射程や担保価値も連動して縮みます。
事実上止められます。専用実施権者の承諾なしには訂正審判を請求できないため、承諾を出さない限り特許権者は訂正できません。専用実施権者は本条によって強力な交渉カード(事実上の拒否権)を握ります。
口頭でも承諾自体は有効になり得ますが、後日の争いを避けるため実務では書面で取得します。承諾の範囲を「この訂正案に限る」と限定し、将来の別の訂正まで包括同意しないのが安全です。
はい、質権者がいれば訂正審判には質権者の承諾が必要です(特許法127条)。誤記訂正のような軽微な訂正でも、条文上は承諾が要ります。業界裏話ヒント:実務では質権設定契約の中に「軽微な訂正は事前に承諾したものとみなす」条項を入れておくのが定石です。これを入れ忘れると、誤記一つ直すのに毎回承諾書を取りに行く羽目になる
専用実施権者の承諾が得られなければ訂正審判は請求できません(特許法127条)。承諾を一般的に強制する規定はなく、最終的には設定契約上の協力義務や信義則で争うことになります。業界裏話ヒント:だからこそ専用実施権の設定契約に「訂正への協力義務」「不当に承諾を拒まない」条項を入れるかどうかが、後の紛争の分かれ目。契約段階で勝負は半分ついている
現在は不要です。2011年(平成23年)改正で、通常実施権者の承諾要件は削除されました。今承諾が必要なのは専用実施権者と質権者だけです(特許法127条)。業界裏話ヒント:古い解説書や2011年より前の判例解説には「通常実施権者の承諾が必要」と書かれたものが残っています。ネットで古い情報を拾うと誤るので、必ず改正後の条文を確認する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 手続の位置づけ | 127条:訂正審判の請求要件(承諾要件) | — |
| 承諾権者 | 専用実施権者・質権者(現行では通常実施権者は不要) | — |
| 使う場面 | 訂正審判・訂正請求の前提として承諾を要する | — |
| 承諾を欠いた場合 | 請求が不適法として却下されるリスク | — |
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