要点特許法 125 条の 3 は、承認による特許権存続期間の延長登録を 5 つの無効事由で争う延長登録無効審判を定める。実施不能期間を超えた延長分だけを部分的に無効にすることもできる。
Q · 先発品の特許延長って、後から崩せるの?
特許法 125 条の 3 の延長登録無効審判で崩せる
特許法 125 条の 3 は、承認(政令で定める処分)による存続期間延長の登録を、5 つの無効事由により争う延長登録無効審判を定めます。延長全体を無効にできるほか、1 項 3 号と 3 項ただし書により、実施できなかった期間を超えた延長分だけを部分的に削ることもできます。無効審決が確定すると延長は初めからされなかったものとみなされ(3 項)、その期間の他社実施の侵害判断も遡って覆ります。
ある製薬企業が、年商数百億円のブロックバスター医薬品の特許を、本来の20年に加えて最大5年延長した。その延長登録の1日は、製品によっては数億円の価値を持つ。あなたがジェネリック医薬品メーカーの立場なら、この延長を崩せれば市場に何か月も、ときに何年も早く参入できる。その入口が特許法125条の3、承認(政令で定める処分)による存続期間延長登録の無効審判だ。崩せる亀裂は5つ。承認が特許発明の実施に本当に必要だったか、特許権者や実施権者が実際にその承認を受けたのか、延長された期間が現実に実施できなかった期間を超えていないか、出願人が真の特許権者か、願書の記載要件を満たしているか。注目すべきは第1項3号と第3項ただし書だ。延長を丸ごと無効にできなくても、過剰に延ばされた期間だけを削り落とせる。全部か無かではない、時計を部分的に巻き戻せる。これが医薬品特許戦争の最前線にある条文だ。
特許法 125 条の 3 は延長登録無効審判を定める規定であり、承認(政令で定める処分)による特許権存続期間の延長登録が 5 つの無効事由のいずれかに該当する場合、利害関係人がその延長登録の無効を求めて審判を請求できる旨を規定する。無効審決の確定により延長は遡及的に消滅する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
承認による特許権存続期間の延長登録を、5 つの無効事由(特許法 125 条の 3 第 1 項各号)により無効にするための審判制度です。利害関係人が請求できます。
医薬品等の承認手続で特許発明を実施できなかった期間を補うもので、最長 5 年まで延長されます。延長された 1 日が数億円の価値を持つ製品もあります。
特定の請求期間の制限はなく、延長登録後、存続期間中であればいつでも請求できます。無効審決が確定した時点で延長は遡及的に消滅します。
できます。1 項 3 号(期間超過)に該当する場合、3 項ただし書により、実施できなかった期間を超えた延長分だけが無効になります。全部か無かではありません。
特許無効審判(123 条)は特許権そのものの有効性を争い、延長登録無効審判(125 条の 3)は延長登録の有効性だけを争います。対象が異なります。
延長が無効・部分無効になれば、その分だけ存続期間が短縮され、ジェネリックの参入時期が前倒しになります。薬価収載スケジュールと審決時期の調整が実務上の鍵です。
使えます。存続期間延長制度は医薬品だけでなく農薬(農薬取締法の登録)にも及ぶため、農薬特許の延長も同じ枠組みで争えます。
審決取消訴訟を知的財産高等裁判所に提起できます。特許庁の審判段階と裁判段階の二段階で延長登録の有効性が判断されます。
125条の3第3項により、無効審決が確定すると延長は初めからされなかったものとみなされます。つまり延長期間中の他社の実施は、遡って特許権の効力外だったことになり、侵害責任の前提が崩れます。業界裏話ヒント:先発メーカーが延長期間中に侵害警告を送っていても、後に延長が無効になれば、その警告自体が根拠を失う。だからジェネリック側は警告を受けても即撤退せず、まず延長の有効性を精査する。撤退するか戦うかの分岐点がここにある
125条の3第1項3号と第3項ただし書の組み合わせです。実施できなかった期間を超える延長は、その超過分だけが無効になり、延長全体ではなくはみ出した期間だけを削れます。業界裏話ヒント:『実施できなかった期間』の計算は、承認申請から承認取得までの期間など細かい論点が多く、先発側が長めに見積もっているケースがある。延長日数の計算根拠を取り寄せて検算するだけで、数か月の延長を削れることがある
125条の3第2項が125条の2第2項を準用しており、原則として利害関係人に限られます。ジェネリックメーカーや同分野の競合など、その延長で不利益を受ける立場が必要です。業界裏話ヒント:『利害関係』をどこまで広く認めるかは実務上、解釈が分かれている論点です。まだ製品を出していない参入予定企業でも、具体的な参入計画があれば利害関係を認められる余地がある。請求適格の段階で争われることもあるので、参入準備の記録を残しておくことが効いてくる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 争う対象 | 125 条の 3:処分(承認)による延長登録の有効性 | — |
| 無効事由の数 | 5 事由(1 項 1〜5 号) | — |
| 部分無効の可否 | 可(1 項 3 号 + 3 項ただし書で超過期間のみ) | — |
| 確定の効果 | 延長は初めからされなかったものとみなす(3 項、遡及) | — |
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