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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

特許法 第87条(裁定の謄本の送達)

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  1. 特許庁長官は、第八十三条第二項の裁定をしたときは、裁定の謄本を当事者、当事者以外の者であつてその特許に関し登録した権利を有するもの及び第八十四条の二の規定により意見を述べた通常実施権者に送達しなければならない。
  2. 2.当事者に対し前項の規定により通常実施権を設定すべき旨の裁定の謄本の送達があつたときは、裁定で定めるところにより、当事者間に協議が成立したものとみなす。

この条文の基本情報

裁定の謄本の送達とは何ですか?

定義裁定の謄本の送達とは、特許法第87条に定められた規定で、「特許庁長官は、第八十三条第二項の裁定をしたときは、裁定の謄本を当事者、当事者以外の者であつてその特許に関し登録した権利を有するもの及び第八十四条の二の規定により…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 特許法第87条(裁定の謄本の送達)は、日本の特許法に含まれる条文です。
  2. 特許法第87条の条文原文は「特許庁長官は、第八十三条第二項の裁定をしたときは、裁定の謄本を当事者、当事者以外の者であつてその特許に関し登録した権利を有するもの及び第八十四条の二の規定により…」で始まります。
  3. 特許法第87条は第一節に置かれています。
  4. 特許法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 特許法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 特許法第87条の前の条は特許法第86条です。
  7. 特許法第87条の次の条は特許法第88条です。
  8. 特許法第87条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第87条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000121
  • 本サイト収録特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第87条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000121/87

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点特許法87条は、特許庁長官が不実施の裁定をしたとき裁定の謄本を当事者らに送達すべきことを定める。当事者に謄本が送達されると、裁定の内容どおり協議が成立したものとみなされる。

Q · 特許庁から裁定の謄本が届いたら、もうライセンスを拒否できないの?

同意がなくても、謄本の送達で協議成立とみなされます

特許法87条2項により、当事者に通常実施権設定の裁定謄本が送達された時点で、裁定で定めた内容どおり当事者間に協議が成立したものとみなされます。あなたのサインや同意の意思表示は不要です。ライセンスの存在そのものは争えず、争えるのは対価の額であり、しかも送達日から6か月以内に訴えを起こす必要があります(特許法183条・184条)。

解説

あなたの会社が長年使わずに塩漬けにしてきた特許がある。ある日、競合がその特許を「3年以上使われていない」として特許庁長官に裁定を請求し、長官が通常実施権を設定する裁定(役所が下す行政上の決定)を出した。87条は、その裁定の謄本(正式な写し)が誰にどう届くかを定める地味な条文に見える。だが本当の爆発力は2項にある。当事者に謄本が送達された瞬間、裁定で定めた内容どおりに「当事者間で協議が成立したものとみなす」のだ。つまり、あなたが一度も合意した覚えのないライセンス契約が、書類が届いた事実だけで成立扱いになる。さらにこの送達日が、対価の額に不服を申し立てる出訴期間6か月(特許法184条)の起算点になる。郵便受けに入った一通の謄本が、あなたの特許の運命と、反論できる残り時間の両方を同時に動かし始める。

法的な位置づけ

特許法87条は、特許庁長官が不実施を理由とする通常実施権設定の裁定をした際の、裁定謄本の送達手続と、その送達による協議成立の擬制を定める規定である。第1項は当事者・登録権利者・意見を述べた通常実施権者への送達を、第2項は送達による当事者間の協議成立の擬制を規律する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.裁定謄本の送達日を確定して記録する 届いた謄本の内容を読む前に、まず送達日を確定し記録する。この日が協議成立擬制の発生日であり、対価を争う6か月の起算点でもある。すべての期限計算の起点になる
  2. 2.対価の額を精査し不服の有無を判断する 裁定で定められた対価が実施の範囲・期間・市場価値に照らして妥当かを弁理士・弁護士と検討する。不当に低い、または過大と判断したら次のステップへ
  3. 3.送達日から6か月以内に対価の額の訴えを提起する 対価に不服があれば、送達日から6か月以内に対価の額の増減を求める訴えを提起する(特許法183条・184条)。期間を過ぎると金額是正の道が永久に閉じる
  4. 4.供託義務の履行期限を確認する(実施権者側) 通常実施権の設定を受けた側は、特許法88条により対価の支払または供託を行わなければ実施できない。履行期限を確認し、未履行による実施不能を避ける

よくある質問 AI による整理

Q1特許の裁定謄本が届いたらライセンスを拒否できますか?

原則拒否できません。特許法87条2項により、謄本が送達された時点で裁定の内容どおり協議が成立したものとみなされ、同意の意思表示は不要だからです。

Q2強制実施権とは何ですか?

特許権者が実施を拒む場合などに、第三者が特許庁長官の裁定により通常実施権の設定を受けられる制度です。特許法83条以下が根拠で、87条が送達と成立擬制を定めます。

Q3裁定の対価に不服がある場合はどうすればいいですか?

裁定謄本の送達日から6か月以内に、対価の額の増減を求める訴えを提起できます(特許法183条・184条)。期間を過ぎると金額を争えなくなります。

Q4裁定の対価はいつまでに供託しなければなりませんか?

裁定で通常実施権の設定を受けた者は、特許法88条により対価を支払うか供託しなければ実施できません。裁定で定めた期限までの履行が必要です。

Q5特許を使っていないと本当に強制的に貸すことになりますか?

3年以上適当に実施されていない特許は裁定請求の対象になり得ます(特許法83条)。ただし実務上、不実施を理由に裁定が下された例は日本でほぼありません。

Q6裁定の謄本は誰に送達されますか?

当事者のほか、その特許に関し登録した権利を有する者(質権者など)、特許法84条の2により意見を述べた通常実施権者にも送達されます(87条1項)。

Q7裁定謄本の送達日はなぜ重要ですか?

送達日が協議成立擬制の発生時点であり、同時に対価の額を争う出訴期間6か月の起算点になります(87条・184条)。すべての時計の起点です。

Q8裁定そのものの取消しを求めることはできますか?

手続違反や要件欠缺があれば行政事件訴訟による取消しを検討できます。ただし対価の額は特許法183条の専用の訴えで争う仕組みです。

この条文についての質問 AI による整理

Q1特許庁から裁定の謄本が届いたら、もうライセンスを拒否できないんですか?

原則として拒否できません。特許法87条2項により、当事者に謄本が送達された時点で、裁定で定めた内容どおり当事者間に協議が成立したものとみなされます。あなたの同意は要件ではありません。争えるのはライセンスの存在ではなく対価の額です。実務のポイント:拒否を考えるより、対価の額の訴え(183条、184条)の6か月の期限を真っ先にカレンダーに入れること。多くの権利者は「不当だ」と憤って動かないまま6か月を空費し、是正の道を自分で閉じてしまう

Q2うちの特許、使ってないだけで本当に強制的に貸せと言われるんですか?

理論上はそうです。3年以上適当に実施されていない特許は、実施希望者が協議を求め、不調なら特許庁長官の裁定を請求できます(特許法83条)。ただし実務上、不実施を理由とする裁定が実際に下された例は日本でほぼありません。実務のポイント:制度は抜き身の刀というより抑止力として機能しています。相手がこの制度を持ち出してきても直ちに焦る必要はなく、まず協議でどこまで妥協を引き出せるかが本当の勝負どころ。発動の威嚇と実際の発動は別物だと知っているだけで、交渉での冷静さが違う

間違えやすい点 AI による整理

  • 「裁定が出ても、最後に自分がサインしなければライセンスは成立しない」と思っている特許権者は多い。しかし87条2項は、謄本の送達があった時点で裁定の内容どおり協議が成立したものとみなす。あなたのサインも同意の意思表示も不要で、書類が届いた事実だけで契約効果が発生する
  • 強制実施権の制度を知っている人でも、その怖さの本体を見落としている。本当に怖いのは裁定そのものではなく、送達日から走り出す6か月の出訴期間(特許法184条)だ。対価が不当に低くても、この6か月を過ぎれば金額を争う道(同183条)が永久に閉じる。知っているだけでは足りず、いつ時計が動き出すかを知らないと致命傷になる
  • 「不実施の裁定なんて頻繁に飛んでくる」と身構える必要はない。実務上、特許法83条の不実施を理由とする裁定が実際に下された例は日本でほぼ存在しない。本条の真価は、滅多に発動されないこのカードが交渉の場で持つ抑止力にある。発動の威嚇と実際の発動は、まったく別の戦場だ
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割87条:裁定謄本の送達と協議成立の擬制83条:不実施を理由とする裁定請求の根拠
184条:対価の額の訴えの出訴期間
作動する場面裁定が下され、謄本が送達された時点特許が3年以上不実施で協議が不調のとき
裁定の対価に不服があるとき
主な効果送達により協議成立を擬制、時計が起動特許庁長官への裁定請求が可能に
送達日から6か月で金額是正の道が閉じる

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
台湾専利法 第87条・第88条

台湾も特許庁(智慧財産局)の処分により強制授権を認める。授権処分と対価は同様に不服申立ての対象となる

韓国
대한민국 특허법 제107조

韓国は特許庁長による通常実施権設定の裁定を定め、不実施等を要件とする点で日本と近似する

ドイツ
PatG § 24

ドイツは連邦特許裁判所による強制実施権を定め、公共の利益や不実施を要件とする。裁判所主導である点が日本の行政裁定と異なる

アメリカ
35 U.S.C. § 203 (Bayh-Dole Act march-in rights)

米国には一般的な特許の強制実施制度はなく、政府資金研究の成果に限定した march-in rights 等の限定的介入に留まる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 塩漬け特許を持つメーカーのあなたのもとに、競合からの裁定請求を受けて特許庁長官の裁定謄本が届く。読んだ瞬間、あなたは「合意した覚えがない」と思うが、87条2項により協議成立とみなされている。拒否の意思表示は手遅れで、争えるのは対価の額だけ。残り時間は送達日から6か月
  • もし、あなたがその特許に質権を設定して融資を受けていた銀行の立場だったら? あなたは当事者ではないが、特許に関し登録した権利を持つ者として87条1項で謄本が送達される。担保価値が一方的に毀損される事態を、通知という形で初めて知ることになる
  • 通常実施権者として、あなたは裁定手続で意見を述べた(84条の2)。その結果がどうなったかは、87条1項であなたにも謄本が送られて初めて分かる。蚊帳の外ではない
  • ライセンス交渉が決裂しかけている。あなたは相手に「使わないなら裁定請求もありうる」とほのめかす。相手の態度が一変する。なぜなら、裁定が出れば謄本送達だけで強制ライセンスが成立してしまう仕組みを、相手も知っているからだ

取るべき行動

被害を受けた側:特許権者として不本意な裁定謄本を受け取った場合:1. まず謄本の送達日を確定し記録する、これがすべての時計の起点2. 設定された対価の額に不服があれば、送達日から6か月以内に対価の額の増減を求める訴え(特許法183条、184条)を提起する、この期間を逃すと金額是正は不可能3. 裁定自体の手続違反や要件欠缺があれば、審決取消訴訟ではなく行政事件訴訟による取消しの可否を弁理士・弁護士と検討4. 87条2項で協議成立が擬制されているため、ライセンスの存在自体は争えないことを前提に戦略を組む

訴えられた側:通常実施権の設定を受けた側(裁定請求者)として:1. 謄本送達で協議成立が擬制されたら、定められた対価の供託義務(特許法88条)の履行期限を確認、不履行だと実施できない2. 対価が過大と考えるなら、特許権者と同じく送達日から6か月以内に対価の額の訴え(183条、184条)を提起できる3. 裁定で定められた実施の範囲・期間・条件を逸脱しないよう実施計画を組む、逸脱は別途の侵害リスク4. 登録した権利者や意見を述べた既存の通常実施権者との関係も整理する

時効(請求できる期限):対価の額を争う訴えは、裁定の謄本の送達があった日から6か月を経過すると提起できない(特許法184条、起算点は87条1項による送達日)。協議成立の擬制効果(87条2項)は送達時に直ちに発生する(最新の改正状況をご確認ください)

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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