要点特許法 86 条は、不実施特許の裁定を文書かつ理由付きで行うことを求め、通常実施権を設定する裁定では実施権の範囲・対価の額・支払方法及び時期を明記しなければならないと定める。
Q · 特許の裁定って、どんな形で出されるの?内容に文句は言える?
文書で理由を付け、範囲・対価・支払方法を明記して出されます
特許法 86 条により、第 83 条 2 項の裁定は文書で行い、必ず理由を附さなければなりません。通常実施権を設定する裁定では、実施できる範囲、対価の額、その支払の方法と時期を明記します。理由のない裁定や範囲が曖昧な裁定は、後に争える穴を抱えます。対価の額に不服があれば、実施権の設定は維持したまま対価部分だけを訴訟で争えます(特許法 183 条)。
あなたの会社が事業化したい技術がある。だがその基本特許を握る大企業は、3年以上それを一切製品化せず、ライセンス交渉にも『売る気はない』の一点張り。八方塞がりに見えるが、日本の特許制度には風穴がある。特許法83条は、不実施が続く特許について経済産業大臣に『裁定』を申し立て、強制的に通常実施権を設定してもらう道を用意している。そして86条は、その裁定という許可証の書式を定める条文だ。裁定は必ず文書で行い、理由を付さなければならない。さらに、実施できる範囲、対価の額、その支払方法と時期まで明記される。なぜこれが効くのか。理由のない裁定、範囲が曖昧な裁定は、後で争える穴を抱えているからだ。特許権者にとっても申立人にとっても、この一条が勝負の土俵を決める。
特許法 86 条は、第 83 条 2 項の裁定(不実施特許に対する通常実施権設定の裁定)の方式を定める規定である。裁定は文書により行い、かつ理由を附すことを要する。通常実施権を設定すべき裁定においては、その範囲、対価の額並びに支払の方法及び時期を定めなければならない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
不実施などを理由に経済産業大臣が通常実施権を強制的に設定する行政処分です。特許法 83 条が根拠で、その方式を 86 条が定めます。
裁定を文書かつ理由付きで行うこと、通常実施権を設定する裁定では実施権の範囲・対価の額・支払方法及び時期を明記することを定めています。
86 条 1 項は理由の附記を義務付けます。理由不備の裁定は取消しを求める行政訴訟の足場になり、手続のやり直しを迫れます。
特許法 83 条により、原則として継続して 3 年以上実施されていない場合に、協議不成立を経て裁定を請求できます。
対価の供託(88 条)や、不払いによる裁定の失効(89 条)の手続が進みます。単なる紙ではなく執行可能な決定です。
裁定は謄本が当事者に送達されます(特許法 87 条)。送達を受けた日が対価不服の訴えの出訴期間の起算点になります。
まず 83 条の協議を書面で申し入れ、不成立を記録化した上で、経済産業大臣に希望する範囲と対価案を明記して裁定を請求します。
行政手続法 14 条が不利益処分の理由提示の一般法で、特許法 86 条はその特則として裁定特有の記載事項を上乗せします。
『勝手に』ではありません。3年以上の不実施があり、協議が不成立で、経済産業大臣の裁定が下りて初めて通常実施権が設定されます(特許法83条、86条)。対価も支払われます。業界裏話ヒント:実は日本でこの裁定が実際に下りた例は極めて少なく、ほとんどは申立てをちらつかせること自体が交渉カードとして機能します。制度の存在を知っているだけで、ライセンス交渉のテーブルの空気が変わる
いいえ。対価の額に不服がある者は、裁定による実施権の設定そのものは維持したまま、対価の部分だけを訴訟で争えます(特許法183条)。裁判所が相当な額を定め直します。業界裏話ヒント:実施権の設定と対価は切り離して争えるのが肝です。全部不服だから全面戦争、ではなく、確定させる部分と争う部分を分ける方が時間も費用も節約できる。この分離発想を知らないと、無駄に総力戦を仕掛けてしまう
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|---|---|---|
| 条文の役割 | 86 条:裁定の方式(文書性・理由・記載事項) | — |
| 当事者が確認する点 | 文書性・理由の記載・実施権の範囲・対価の額と支払方法及び時期 | — |
| 争い方 | 形式・理由不備を突いて裁定の取消しを争う(行政訴訟) | — |
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