特許庁長官は、前条第二項の裁定の請求があつたときは、請求書の副本をその請求に係る特許権者又は専用実施権者その他その特許に関し登録した権利を有する者に送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。
要点特許法 84 条は、通常実施権の裁定請求があったとき、特許庁長官が請求書の副本を特許権者に送達し、相当の期間を指定して答弁書を提出する機会を与えなければならないと定める。
Q · 特許を 3 年使っていないと、他人に「裁定で使わせろ」と請求されたとき、こちらは何もできないの?
相当の期間内に答弁書で反論できます
できます。特許法 84 条により、通常実施権設定の裁定請求(83 条)があったとき、特許庁長官は請求書の副本を特許権者等に送達し、相当の期間を指定して答弁書を提出する機会を必ず与えなければなりません。この答弁書で「現に実施の準備をしている」「ライセンス協議に応じる用意がある」と具体的に主張できれば、裁定は協議不成立が前提であるため、請求の前提そのものを崩せます。ただし相当の期間は特許庁長官が職権で指定するもので、徒過すれば弁明の機会自体を失います。
あなたが特許を取得して、まだ事業化できずに棚に置いているとする。ある日、特許庁から一通の封筒が届く。誰かがあなたの特許について「通常実施権を設定せよ」と裁定を請求した、その請求書の副本だ。背景にあるのは特許法83条の不実施裁定、つまり正当な理由なく3年以上使われていない特許を、第三者が国の力で強制的に使わせろと申し立てる制度である。84条が保障するのは、まさにその瞬間のあなたの反撃機会だ。特許庁長官は請求書の副本をあなたに送達し、相当の期間を指定して答弁書を提出する機会を与えなければならない。ここで答弁書を出すか、何を書くかが、あなたの独占を守れるかどうかの分水嶺になる。実施の準備をしている、ライセンス協議を続けていると具体的に示せれば、裁定請求の前提は崩れる。沈黙すれば、あなたの言い分が記録に残らないまま審議が進む。
特許法第 84 条は、通常実施権設定の裁定請求があった場合の答弁手続を定める規定である。特許庁長官は、裁定請求書の副本を特許権者・専用実施権者その他登録した権利を有する者に送達し、相当の期間を指定して答弁書を提出する機会を与える義務を負う。不実施特許の強制開放手続における弁明権を手続的に保障する条文である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許権者が正当な理由なく 3 年以上不実施の場合に、実施希望者が特許庁長官の裁定で得られる通常実施権です。特許法 83 条が根拠で、協議不成立が前提となります。
特許法 84 条に固定の法定期間はなく、特許庁長官が事案ごとに職権で指定します。請求書の副本に記載された指定期限を必ず確認する必要があります。
不実施の正当な理由(実施準備中・許認可待ち・不可抗力等)と、請求者が協議を尽くしていない事実を具体的に主張します。抽象論は避けるのが実務です。
正当な理由なく継続して 3 年以上不実施だと、実施希望者が特許法 83 条で裁定を請求できます。84 条で答弁の機会は与えられますが、独占が揺らぐ入口になります。
請求書副本に記載された答弁書の提出期限をまず確認します。並行して請求者と直接ライセンス交渉に入れば、強制的な裁定を回避できる場合があります。
専用実施権は特許権者との契約で設定する独占的権利、裁定実施権は不実施等を理由に特許庁長官の裁定で強制的に設定される非独占の通常実施権です。
裁定は行政処分であり、対価等に不服があれば所定の不服申立てや訴訟で争えます。事情変更があれば裁定取消し(特許法 90 条)の余地もあります。
なります。正当な理由なく 3 年以上実施していない特許は、大学や企業が塩漬けにしているものでも、第三者からの裁定請求の対象になり得ます。
あります。特許法83条は、特許権者が正当な理由なく継続して3年以上その特許発明を実施していない場合、実施を希望する者が特許庁長官に通常実施権設定の裁定を請求できると定めます。84条は、その請求があったとき長官が必ず特許権者に答弁の機会を与えると保障する条文です。業界裏話ヒント:日本で実際に裁定が成立した例は極めて少なく、制度の存在自体が「使わないなら貸せ」という交渉圧力として機能している。請求されること自体が、事実上ライセンス交渉のテーブルへの招待状になっている
自動的に裁定が下るわけではありません。84条は機会の保障であって、提出自体は義務ではない。ただし答弁しなければ、あなたの不実施の理由や実施準備の事実が手続に反映されず、審議会等(85条)の判断材料が請求者側の主張に偏ります。業界裏話ヒント:答弁書は単なる反論ではなく、後の対価算定や裁定取消し(90条)の場面まで効いてくる記録になる。出すなら本気で出し、出さないなら任意のライセンス交渉で決着をつける、その二択を期限内に決めるのが実務だ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 特許法 84 条:答弁書提出の機会保障(弁明権) | — |
| 主体 | 特許庁長官が副本を送達し機会を与える | — |
| 手続上の位置 | 裁定請求から裁定までの中間の防御段階 | — |
| 権利者の関心事 | 指定期間内に答弁して独占を守る | — |
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