要点実用新案法 24 条は、通常実施権を原則として自由に移転できないと定め、実施の事業とともにする場合、権利者の承諾がある場合、相続等の一般承継の場合の三つに限り移転を認める。
Q · 実用新案のライセンス、自分が買った権利だから自由に他社へ売れますよね?
原則は売れない。移転できる道は三つだけ
実用新案法 24 条により、通常実施権は原則として自由に移転できません。移転が認められるのは、実施の事業とともにする場合、実用新案権者(専用実施権についての通常実施権では専用実施権者も)の承諾を得た場合、相続その他の一般承継の場合の三つに限られます。それ以外の単独譲渡は無効です。さらに通常実施権に質権を設定するにも権利者の承諾が必要で、裁定による通常実施権はもっと縛りが強く、元の権利から切り離して動かすことはできません。
中小企業のあなたが、ある製品を作るために他社の実用新案について通常実施権(独占ではない、使ってよいという許可)を得たとする。事業が軌道に乗り、その事業を別会社へ売却する、あるいは資金繰りのためにライセンスだけを第三者へ譲ろうとする。ここで多くの経営者が踏み外す。本条が定めるのは、通常実施権は原則として勝手には移転できないという事実だ。移転が許されるのは三つの場合に限られる。実施の事業とともに移転する場合、実用新案権者(と専用実施権者)の承諾を得た場合、そして相続・合併などの一般承継の場合。それ以外の単独譲渡は無効になる。なぜか。通常実施権は、誰に使わせるかという信頼関係の上に成り立つ権利だからだ。さらに、その権利に質権(借金の担保)を設定するにも承諾が要る。役所が強制的に与えた裁定ライセンスに至っては、もっと縛りがきつく、元の権利から切り離して動かすことはできない。
実用新案法 24 条は通常実施権の移転と質権設定を規律する規定であり、通常実施権は実施の事業とともにする場合、実用新案権者等の承諾を得た場合、相続その他の一般承継の場合に限って移転でき、それ以外の単独譲渡を認めない。質権の設定にも承諾を要し、裁定による通常実施権は元の権利との連動など更に厳格な制約に服する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
実用新案を独占的にではなく「使ってよい」と許される権利です。専用実施権と異なり同じ発明を複数人が並行して実施でき、実用新案法 24 条が移転を制限します。
原則として自由には譲渡できません。実用新案法 24 条 1 項により、実施の事業とともにする場合、権利者の承諾を得た場合、相続その他の一般承継の場合の三つに限られます。
事業とともに移す場合と一般承継の場合は承諾不要ですが、それ以外の単独譲渡には実用新案権者(専用実施権者がいればその者も)の承諾が必要で、なければ移転は無効です。
専用実施権は登録された排他的権利で権利者すら実施できなくなりますが、通常実施権は非排他的な使用許可で、移転や質権設定が 24 条により強く制限されます。
実用新案法 24 条 2 項により、実用新案権者(専用実施権者がいればその者も)の承諾を得た場合に限って質権を設定できます。承諾のない質権設定は無効です。
裁定による通常実施権は自由に移転できません。実施の事業とともにのみ移転できるもの、元の権利に従って動くもの、権利が消えれば消滅するものに 24 条 3〜5 項で分かれます。
通常実施権を担保(質権)にするには権利者の承諾が必要です(24 条 2 項)。承諾が取れなければ銀行は担保価値ゼロと評価し、無断設定の質権は無効になります。
実施の事業とともに移転する場合は承諾なしで移転します(24 条 1 項)。ただし事業の範囲が曖昧でライセンスが事業に含まれると特定できないと、移転の有無で争いになります。
株式を買う場合は会社が当事者のまま残るので、ライセンスもそのまま残ります。問題は事業譲渡(会社の一部を切り出して買う)の場合で、本条 1 項の「実施の事業とともにする場合」に当たれば承諾なしで移転しますが、事業の範囲が曖昧だと移転の有無で争いになります。業界裏話ヒント:株式譲渡なら一見安全に見えますが、ライセンス契約に支配権の変更(チェンジ・オブ・コントロール)条項が入っていると、買収そのものが解除事由になることがある。契約書のその一条を、買う前に必ず確認する
口頭でも法律上は承諾として有効ですが、後で「承諾していない」と争われたら立証できず、移転が無効と判断されるリスクがあります。本条 1 項の承諾は書面で残すのが鉄則です。業界裏話ヒント:実務では、ライセンス契約の締結時点で「将来の特定の譲渡先への移転をあらかじめ承諾する」と書き込んでおく手がある。出口の M&A が見えてから承諾を求めると、権利者に足元を見られて追加のロイヤリティを要求される
裁定による通常実施権(特許法 92 条 3 項等の強制ライセンス)は自由に売買できません。本条 3 項から 5 項で、事業とともにのみ移転できるもの、元の権利に従って動くもの、権利が消えれば一緒に消えるものに分かれます。業界裏話ヒント:裁定ライセンスは「自分の権利のための付随的な許可」という性質なので、それ単独を資産として売ろうとしても買い手は権利を得られない。クロスライセンスや利用関係の整理では、この付随性を見落とすと交渉の前提が崩れる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 排他性 | 通常実施権(24 条):非排他的、複数人が並行実施可能 | — |
| 移転の自由度 | 原則制限。事業とともに/承諾/一般承継の三つに限る | — |
| 質権設定 | 権利者の承諾を得た場合に限り可(24 条 2 項) | — |
| 無断処分の効果 | 三つの枠外の単独譲渡・承諾なし質権は無効 | — |
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