実用新案法 第24条(通常実施権の移転等)
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- 通常実施権は、第二十一条第二項、第二十二条第三項若しくは第四項若しくは前条第二項、特許法第九十二条第三項又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権を除き、実施の事業とともにする場合、実用新案権者(専用実施権についての通常実施権にあつては、実用新案権者及び専用実施権者)の承諾を得た場合及び相続その他の一般承継の場合に限り、移転することができる。
- 2.通常実施権者は、第二十一条第二項、第二十二条第三項若しくは第四項若しくは前条第二項、特許法第九十二条第三項又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権を除き、実用新案権者(専用実施権についての通常実施権にあつては、実用新案権者及び専用実施権者)の承諾を得た場合に限り、その通常実施権について質権を設定することができる。
- 3.第二十一条第二項又は前条第二項の裁定による通常実施権は、実施の事業とともにする場合に限り、移転することができる。
- 4.第二十二条第三項、特許法第九十二条第三項又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権は、その通常実施権者の当該実用新案権、特許権又は意匠権が実施の事業とともに移転したときはこれらに従つて移転し、その実用新案権、特許権又は意匠権が実施の事業と分離して移転したとき、又は消滅したときは消滅する。
- 5.第二十二条第四項の裁定による通常実施権は、その通常実施権者の当該実用新案権、特許権又は意匠権に従つて移転し、その実用新案権、特許権又は意匠権が消滅したときは消滅する。
この条文の基本情報
通常実施権の移転等とは何ですか?
定義通常実施権の移転等とは、実用新案法第24条に定められた規定で、「通常実施権は、第二十一条第二項、第二十二条第三項若しくは第四項若しくは前条第二項、特許法第九十二条第三項又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権を除き、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 実用新案法第24条(通常実施権の移転等)は、日本の実用新案法に含まれる条文です。
- 実用新案法第24条の条文原文は「通常実施権は、第二十一条第二項、第二十二条第三項若しくは第四項若しくは前条第二項、特許法第九十二条第三項又は意匠法第三十三条第三項の裁定による通常実施権を除き、…」で始まります。
- 実用新案法第24条は第一節 実用新案権に置かれています。
- 実用新案法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 実用新案法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 実用新案法第24条の前の条は実用新案法第23条です。
- 実用新案法第24条の次の条は実用新案法第25条です。
- 実用新案法第24条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第24条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000123 - 本サイト収録
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第24条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000123/24
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点実用新案法24条は、通常実施権を原則として自由に移転できないと定め、実施の事業とともにする場合、権利者の承諾がある場合、相続等の一般承継の場合の三つに限り移転を認める。
Q · 実用新案のライセンス、自分が買った権利だから自由に他社へ売れますよね?
原則は売れない。移転できる道は三つだけ
実用新案法24条により、通常実施権は原則として自由に移転できません。移転が認められるのは、実施の事業とともにする場合、実用新案権者(専用実施権についての通常実施権では専用実施権者も)の承諾を得た場合、相続その他の一般承継の場合の三つに限られます。それ以外の単独譲渡は無効です。さらに通常実施権に質権を設定するにも権利者の承諾が必要で、裁定による通常実施権はもっと縛りが強く、元の権利から切り離して動かすことはできません。
解説
中小企業のあなたが、ある製品を作るために他社の実用新案について通常実施権(独占ではない、使ってよいという許可)を得たとする。事業が軌道に乗り、その事業を別会社へ売却する、あるいは資金繰りのためにライセンスだけを第三者へ譲ろうとする。ここで多くの経営者が踏み外す。本条が定めるのは、通常実施権は原則として勝手には移転できないという事実だ。移転が許されるのは三つの場合に限られる。実施の事業とともに移転する場合、実用新案権者(と専用実施権者)の承諾を得た場合、そして相続・合併などの一般承継の場合。それ以外の単独譲渡は無効になる。なぜか。通常実施権は、誰に使わせるかという信頼関係の上に成り立つ権利だからだ。さらに、その権利に質権(借金の担保)を設定するにも承諾が要る。役所が強制的に与えた裁定ライセンスに至っては、もっと縛りがきつく、元の権利から切り離して動かすことはできない。
法的な位置づけ
実用新案法24条は通常実施権の移転と質権設定を規律する規定であり、通常実施権は実施の事業とともにする場合、実用新案権者等の承諾を得た場合、相続その他の一般承継の場合に限って移転でき、それ以外の単独譲渡を認めない。質権の設定にも承諾を要し、裁定による通常実施権は元の権利との連動など更に厳格な制約に服する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.移転の根拠が三つの枠のどれかを確認 通常実施権を取得・移転するなら、まず根拠が「実施の事業とともに」「権利者の承諾」「相続その他の一般承継」のいずれに当てはまるか確認する。三つの外に出た単独譲渡は無効になる
- 2.事業譲渡なら契約書でライセンスを特定 事業譲渡で移す場合、対象の通常実施権が事業の一部として契約書に明確に特定されているか点検する。範囲が曖昧だと「実施の事業とともに」に当たるか争われる
- 3.単独譲渡なら書面の承諾を取得 事業と切り離して譲り受けるなら、実用新案権者(専用実施権者がいればその者も)の承諾を必ず書面で取得する。口頭承諾は後で覆され、移転が無効と判断されるリスクがある
- 4.質権設定にも承諾を取り付ける 通常実施権を担保にする場合は、質権設定について権利者の承諾を取得する(24条2項)。承諾なしの質権は無効なので、融資交渉と並行して早めに着手する
- 5.裁定ライセンスは連動性を確認 裁定による通常実施権は単独移転が原則できない。自分の実用新案権・特許権・意匠権との連動関係(24条3〜5項)を確認し、権利を切り離して移転すると消滅する点を前提に取引設計する
よくある質問 AI による整理
Q1通常実施権とは何ですか?
実用新案を独占的にではなく「使ってよい」と許される権利です。専用実施権と異なり同じ発明を複数人が並行して実施でき、実用新案法24条が移転を制限します。
Q2通常実施権は譲渡できますか?
原則として自由には譲渡できません。実用新案法24条1項により、実施の事業とともにする場合、権利者の承諾を得た場合、相続その他の一般承継の場合の三つに限られます。
Q3通常実施権の移転に承諾は必要ですか?
事業とともに移す場合と一般承継の場合は承諾不要ですが、それ以外の単独譲渡には実用新案権者(専用実施権者がいればその者も)の承諾が必要で、なければ移転は無効です。
Q4専用実施権と通常実施権の違いは何ですか?
専用実施権は登録された排他的権利で権利者すら実施できなくなりますが、通常実施権は非排他的な使用許可で、移転や質権設定が24条により強く制限されます。
Q5通常実施権に質権を設定できますか?
実用新案法24条2項により、実用新案権者(専用実施権者がいればその者も)の承諾を得た場合に限って質権を設定できます。承諾のない質権設定は無効です。
Q6裁定による通常実施権は移転できますか?
裁定による通常実施権は自由に移転できません。実施の事業とともにのみ移転できるもの、元の権利に従って動くもの、権利が消えれば消滅するものに24条3〜5項で分かれます。
Q7ライセンスを担保に融資を受けられますか?
通常実施権を担保(質権)にするには権利者の承諾が必要です(24条2項)。承諾が取れなければ銀行は担保価値ゼロと評価し、無断設定の質権は無効になります。
Q8事業譲渡で通常実施権は自動的に移転しますか?
実施の事業とともに移転する場合は承諾なしで移転します(24条1項)。ただし事業の範囲が曖昧でライセンスが事業に含まれると特定できないと、移転の有無で争いになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ライセンスを持ってる会社を買えば、ライセンスもついてきますよね?
株式を買う場合は会社が当事者のまま残るので、ライセンスもそのまま残ります。問題は事業譲渡(会社の一部を切り出して買う)の場合で、本条1項の「実施の事業とともにする場合」に当たれば承諾なしで移転しますが、事業の範囲が曖昧だと移転の有無で争いになります。実務のポイント:株式譲渡なら一見安全に見えますが、ライセンス契約に支配権の変更(チェンジ・オブ・コントロール)条項が入っていると、買収そのものが解除事由になることがある。契約書のその一条を、買う前に必ず確認する
Q2実用新案権者の承諾って、口約束でもいいんですか?
口頭でも法律上は承諾として有効ですが、後で「承諾していない」と争われたら立証できず、移転が無効と判断されるリスクがあります。本条1項の承諾は書面で残すのが鉄則です。実務のポイント:実務では、ライセンス契約の締結時点で「将来の特定の譲渡先への移転をあらかじめ承諾する」と書き込んでおく手がある。出口の M&A が見えてから承諾を求めると、権利者に足元を見られて追加のロイヤリティを要求される
Q3裁定でもらったライセンスは、普通のライセンスと何が違うんですか?
裁定による通常実施権(特許法92条3項等の強制ライセンス)は自由に売買できません。本条3項から5項で、事業とともにのみ移転できるもの、元の権利に従って動くもの、権利が消えれば一緒に消えるものに分かれます。実務のポイント:裁定ライセンスは「自分の権利のための付随的な許可」という性質なので、それ単独を資産として売ろうとしても買い手は権利を得られない。クロスライセンスや利用関係の整理では、この付随性を見落とすと交渉の前提が崩れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「ライセンスは自分が買った財産だから自由に売れる」と思いがちだが、通常実施権は信頼関係に基づく権利で、原則として権利者の承諾なしには移転できない。事業とともに移すか、承諾を得るか、相続によるか、その三つの通路の外に出た譲渡は効力を持たない
- 承諾が必要なことは知っていても、承諾なしの譲渡が「単なる手続き違反で後から追認すればよい」程度のものだと誤解している人が多い。実際は最初から無効で、譲受人は何も取得していないことになる。対価だけ支払って権利はゼロという最悪の結末があり得る
- あなたから見れば「ライセンスを買った」つもりでも、法律から見れば事業も承諾も伴わない単独譲渡は存在しないに等しい。この認識の落差が、買収直後に「製品を作る権利がなかった」という形で事業を止める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 排他性 | 通常実施権(24条):非排他的、複数人が並行実施可能 | 専用実施権(18条):排他的、権利者すら実施不可 実用新案権(19条が定める通常実施権の発生根拠):原始的な独占権 |
| 移転の自由度 | 原則制限。事業とともに/承諾/一般承継の三つに限る | 専用実施権は登録が対抗要件、移転にも権利者の承諾が必要 実用新案権自体は財産権として移転可能 |
| 質権設定 | 権利者の承諾を得た場合に限り可(24条2項) | 専用実施権への質権設定も承諾・登録が問題になる 実用新案権への質権設定は登録が効力要件 |
| 無断処分の効果 | 三つの枠外の単独譲渡・承諾なし質権は無効 | 未登録の移転は第三者に対抗できない 対抗要件を欠くと二重譲渡で劣後しうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の新型専利(実用新案に相当)も同一の専利法でライセンスを規律し、授権登記・再授権の制限を置く点で日本の移転制限と発想が近い
韓国は実用新案法が特許法の通常実施権規定を準用し、移転を事業承継・承諾・一般承継に限る点で日本とほぼ同構造
実用新案制度の母国ドイツも、特許法のライセンス規定を準用してライセンスの譲渡可能性と質権設定を規律する
米国には実用新案制度はないが、非独占ライセンスは譲受人の同意なく移転できないという personal license の法理があり、移転制限の発想は共通する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社が他社の実用新案の通常実施権を持っていて、その製造事業ごと別会社に売却する。これは「実施の事業とともにする場合」に当たり、権利者の承諾なしに移転できる。逆に事業を切り離してライセンスだけ売れば無効だ。M&A のデューデリでこの一点を見落とすと、買収後に「使う権利が付いてこなかった」と発覚する
- あなたが実用新案権者で、ある町工場に通常実施権を許諾した。その町工場が経営難で、ライバル企業にライセンスを横流ししようとしている。あなたの承諾がなければ、その譲渡は無効だ。誰に使わせるかを決める拒否権が、あなたの手元には残っている
- もし、ライセンスを受けた相手が倒産したら、その通常実施権は破産管財人が勝手に売れるのか。原則として、承諾か事業譲渡の枠組みを通らなければ動かせない。担保にもならない
- 資金繰りが詰まり、保有する通常実施権を担保に融資を受けようとする。だが質権の設定には権利者の承諾が要る(本条2項)。承諾を取り付ける交渉に数週間、その間に資金ショートのリミットが迫る。承諾なしの質権は無効、銀行は担保価値ゼロと判断する
- あなたが利用関係の裁定(特許法92条3項等)で強制的に得た通常実施権は、自分の実用新案権や特許権が事業ごと移転すれば一緒に動くが、権利を切り離して移転すれば消滅する(本条4項)。裁定ライセンスは「自分の権利の影」のような存在で、単独では生きられない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通常実施権を取得・移転したいなら、まず移転の根拠が三つの枠(事業とともに/承諾/一般承継)のどれに当てはまるか確認2. 事業譲渡なら、ライセンスが事業の一部として契約書に明確に特定されているか点検3. 単独で譲り受けるなら、権利者の書面による承諾を必ず取得、口頭は後で覆る4. 裁定ライセンスは原則として単独移転不可、元の権利との連動を確認。承諾や事業性が曖昧なら、移転が無効と判断されるリスクを前提に対価を交渉する
訴えられた側:1. あなたが許諾した通常実施権が無断で第三者へ移転されそうなら、本条を根拠に「承諾していない移転は無効」と通告2. 許諾契約に「移転には書面承諾を要する」と明記し、抜け道を塞ぐ3. 質権設定にも承諾が必要なので、ライセンシーの資金調達に勝手に巻き込まれない4. 望ましい相手にだけ流れるよう、承諾を与える条件をあらかじめ設計しておく
時効(請求できる期限):本条の移転可否それ自体に特定の出訴期間や時効はない。ただし無効な移転を前提に支払った対価の返還は、不当利得(民法703条、704条)または契約に基づく請求として、一般の消滅時効(民法166条、債権は権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10年)に服する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:通常実施権は権利者との人的信頼関係に基づく許諾権であり、その自由な流通を認めれば権利者の意図しない競合へライセンスが渡る。そこで本条は移転を事業承継・承諾・一般承継の三類型に限定し、財産としての活用と権利者の人的信頼保護を両立させたと理解される。
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