実用新案法 第48条(対価の額についての訴え)
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- 第二十一条第二項、第二十二条第三項若しくは第四項又は第二十三条第二項の裁定を受けた者は、その裁定で定める対価の額について不服があるときは、訴えを提起してその額の増減を求めることができる。
- 2.特許法第百八十三条第二項(出訴期間)及び第百八十四条(被告適格)の規定は、前項の訴えに準用する。
この条文の基本情報
対価の額についての訴えとは何ですか?
定義対価の額についての訴えとは、実用新案法第48条に定められた規定で、「第二十一条第二項、第二十二条第三項若しくは第四項又は第二十三条第二項の裁定を受けた者は、その裁定で定める対価の額について不服があるときは、訴えを提起してその額の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 実用新案法第48条(対価の額についての訴え)は、日本の実用新案法に含まれる条文です。
- 実用新案法第48条の条文原文は「第二十一条第二項、第二十二条第三項若しくは第四項又は第二十三条第二項の裁定を受けた者は、その裁定で定める対価の額について不服があるときは、訴えを提起してその額の…」で始まります。
- 実用新案法第48条は第六章 再審及び訴訟に置かれています。
- 実用新案法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 実用新案法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 実用新案法第48条の前の条は実用新案法第47条です。
- 実用新案法第48条の次の条は実用新案法第48条の2です。
- 実用新案法第48条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第48条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000123 - 本サイト収録
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第48条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000123/48
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点実用新案法48条は、強制実施権の裁定で定まった対価の額に不服がある者が、額の増減を求めて訴えを提起できると定める。被告は国ではなく取引の相手方である。
Q · 特許庁の裁定で決まった実施料が高すぎる。国を訴えればいいの?
いいえ、被告は国ではなく取引の相手方です。
実用新案法48条1項により、第21条・22条・23条の裁定で定められた対価の額に不服があるときは、訴えを提起して額の増減を求めることができます。これは形式的当事者訴訟で、被告は国ではなく対価を支払う側または受け取る側、つまり取引の相手方です(特許法184条準用)。出訴期間は特許法183条2項を準用し、裁定の謄本の送達があった日から起算します。期間を過ぎると額が確定し、二度と争えません。
解説
あなたの会社の特許が、他社の登録実用新案を使わなければ実施できない。そこで通常実施権の設定を求め、特許庁長官が裁定で対価の額を決めた。ところがその額が高すぎる。さて、誰を相手に争うか。多くの人は「金額を決めたのは特許庁だから、国を訴える」と考える。それが落とし穴だ。実用新案法48条が用意するのは、相手方(対価を受け取る側)を被告とする特別な訴えである。行政が決めた金額なのに、争う相手は民間の取引相手。これを形式的当事者訴訟と呼ぶ(行政庁が決めた額をめぐる争いを、当事者同士の民事訴訟の形で行う仕組み)。さらに、裁定そのもの(実施権を認めるか否か)への不服とは扱いが分かれ、対価の額だけがこの訴えのレールに乗る。出訴期間も特許法を準用して厳格に区切られている。どのレールに乗るかを間違えると、中身を争う前に入口で弾かれる。
法的な位置づけ
実用新案法48条は、強制実施権の裁定で定められた対価の額に不服がある当事者が、その額の増減を求めて提起する訴えを定める規定である。被告を取引の相手方とする形式的当事者訴訟であり、出訴期間および被告適格について特許法183条・184条を準用する。裁定処分そのものへの不服とは手続が分かれる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.裁定の謄本の送達日を確認しカレンダーへ記入 裁定書が届いたら、まず謄本の送達日を確認し、特許法183条2項を準用する出訴期間を真っ先にカレンダーへ記入する。期間を一日でも過ぎると対価の額が確定し、二度と争えなくなる
- 2.不服が「額」か「裁定本体」かを仕分ける 自分の不満が対価の額なのか、実施権を認めた判断そのものなのかを仕分ける。額なら48条の増減訴訟、裁定処分そのものなら行政事件訴訟法の取消訴訟と、進むレールが二本に分かれる
- 3.被告を確定する(国ではなく相手方) 対価を支払う側なら受け取る側を、受け取る側なら支払う側を被告に据える(特許法184条準用)。国を被告に書くと不適法として却下されるため、訴状の被告欄を書く前に必ず184条の準用を確認する
- 4.適正な対価の根拠資料を集めて増減主張を組む 業界の実施料率相場、類似ライセンスの条件、実施の実態などを集め、裁定額が高すぎる(または安すぎる)ことの根拠を組み立てる。裁定申請時に積み上げた資料がそのまま増減主張の武器になる
よくある質問 AI による整理
Q1対価の額についての訴えとは何ですか?
強制実施権の裁定で特許庁が定めた対価の額に不服があるとき、その増減を求めて提起する訴えです。実用新案法48条が根拠で、被告は取引の相手方になります。
Q2対価額の訴えの被告は誰になりますか?
国ではなく取引の相手方です。対価を支払う側なら受け取る側を、受け取る側なら支払う側を被告とします(特許法184条準用)。国を被告にすると却下されます。
Q3形式的当事者訴訟とはどういう意味ですか?
行政庁が決めた金額をめぐる争いを、当事者同士の民事訴訟の形で行う仕組みです。額は行政が決めるのに、争う相手は民間の取引相手になります。
Q4対価額の訴えの出訴期間はいつまでですか?
特許法183条2項を準用し、裁定の謄本の送達があった日から起算する一定期間に限られます。期間を過ぎると対価の額が確定し増減を求められません。
Q5裁定で実施権を認めた判断自体に不満な場合はどうしますか?
それは48条の対象外で、行政事件訴訟法に基づく取消訴訟になります。額の争いは形式的当事者訴訟、裁定本体の争いは行政訴訟と入口が分かれます。
Q6強制実施権の裁定は誰が出すのですか?
通常実施権の設定の裁定は特許庁長官が、公共の利益のための裁定は経済産業大臣が出します。実用新案法21条・22条・23条がそれぞれの根拠です。
Q7対価額を争う前に準備しておくべきことは?
適正な実施料率の根拠資料、つまり業界相場や類似ライセンス契約の条件を裁定申請の段階から固めておくことです。訴えで増減主張の武器になります。
Q8特許法にも同じ訴えの規定はありますか?
あります。特許法183条が同じ構造の対価額の訴えを定め、意匠法・商標法にも横並びで存在します。四法を貫く同一のレールです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁定の金額に不満なんですが、特許庁を訴えればいいんですよね?
いいえ。実用新案法48条1項の訴えは形式的当事者訴訟で、被告は国ではなく取引の相手方です(特許法184条準用)。国を被告にすると不適法として却下されます。実務のポイント:行政が決めた金額なのに民間人を被告にする、というこの捻れた構造を知らずに国を相手取って提訴し、入口の被告適格で終わってしまう例が実際にあります。訴状の被告欄を書く前に、まず184条の準用を確認する
Q2対価の額以外、たとえば実施権を認めた判断そのものに不満な場合はどうなりますか?
それは別ルートです。対価の額だけがこの48条の増減訴訟のレールに乗り、裁定処分そのものへの不服は行政事件訴訟法に基づく取消訴訟になります(裁定は行政処分にあたる)。実務のポイント:一通の裁定書から不服ルートが二本出ます。額にも本体にも不満があるなら両方を別々に起こす必要があり、片方の期間だけ気にして他方を徒過する失敗が多い。受け取ったらまず「不満は額か、判断そのものか」を仕分けする
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「国が決めた金額」だが、法律から見れば「当事者間の対価をめぐる民事紛争」だ。この落差を見誤り、国を被告にして提訴すると不適法として却下される。被告は対価を支払う側か受け取る側、つまり取引の相手方になる(特許法184条準用)
- 「裁定に不満があるなら、裁定全体をまとめて一つの裁判で争えばいい」という問いの立て方そのものが誤っている。額の増減はこの形式的当事者訴訟、実施権を認めた処分の当否は行政事件訴訟法の取消訴訟、と入口から二つに分かれている
- 出訴期間があること自体は多くの人が知っている。だが、その起算点が「裁定の謄本の送達があった日」で、しかも徒過すれば額が確定して二度と争えなくなる、という深刻さを軽く見ている。送達日は争いの命綱だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 争う対象 | 実用新案法48条:裁定で定まった対価の「額」 | 行政事件訴訟法4条/取消訴訟:実施権を認めた「裁定処分」そのもの 実用新案法21〜23条:裁定の発令(争いの前提となる行政処分) |
| 訴訟類型 | 形式的当事者訴訟(民事訴訟の形) | 抗告訴訟(取消訴訟) —(行政手続) |
| 被告 | 取引の相手方(特許法184条準用) | 処分庁が属する国 — |
| 出訴期間の根拠 | 特許法183条2項準用(謄本送達日から起算) | 行政事件訴訟法14条(処分を知った日から起算) — |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も強制授権(強制実施権)の補償金について専利専責機関が核定し、不服がある場合の救済を定める。新型専利(実用新案)も専利法が一体で規律する点が日本と近い。
ドイツの強制実施権は連邦特許裁判所(Bundespatentgericht)が判断し、補償もそこで定める。実用新案制度(Gebrauchsmuster)の母法であり、日本の継受元にあたる。
米国には一般的な強制実施権制度がなく、政府が特許を使用した場合の合理的補償を裁判で求める制度が最も近い対応物となる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社の新技術が、他社の登録実用新案を利用しないと製品化できない(利用関係)。実施権設定の裁定を申請したら、特許庁長官が対価の額を決めた。だがその額は実施料率の相場より明らかに高い。この訴えで減額を求めるが、被告に書くのは国ではなく実用新案権者だ。誰を被告に据えるかを間違えると、主張の中身に入る前に却下される
- もし、公共の利益のために経済産業大臣が裁定で他社にあなたの実用新案を使わせ、その対価が相場より大幅に安かったとしたら? あなたは対価を受け取る側として、増額を求めてこの訴えを起こせる。相手は国ではなく、あなたの実用新案を使う事業者である
- 裁定の謄本が今日届いた。額に納得がいかない。だが出訴期間は送達日から起算して刻一刻と減っていく。期間を過ぎれば、どれほど不当な額でも確定する。今夜カレンダーに送達日を書き込まなければ間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 裁定の謄本の送達日を確認し、出訴期間(特許法183条2項準用)を真っ先にカレンダーへ記入する2. 被告を確定する。対価を支払う側なら受け取る側を、受け取る側なら支払う側を被告にする(特許法184条準用)、国ではない3. 適正な対価の根拠資料(業界の実施料率相場、類似ライセンスの条件)を集めて増減の主張を組む4. 裁定本体(実施権を認めた判断)への不服は別ルートの行政訴訟になるので、額の争いと混同しない
訴えられた側:1. 訴状の被告が自分になっているか、相手の提訴が出訴期間内かを確認する2. 裁定で定まった額が妥当であることを立証する資料(自社が示した相場、実施の実態)を固める3. 相手が主張する実施料率の前提を切り崩す4. 裁定本体は争いの対象外で確定しているので、争点は「額」だけだと整理し、無関係な反論に労力を割かない
時効(請求できる期限):出訴期間は特許法183条2項を準用し、裁定の謄本の送達があった日から起算する一定期間に限られる(具体的な日数は最新の改正状況をご確認ください)。この期間を過ぎると対価の額が確定し、増減を求める道は閉ざされる
学説
通説:実用新案法48条の対価額の訴えは行政事件訴訟法4条の形式的当事者訴訟であり、裁定で定まった額の当否のみを争点とする。実施権設定の可否(裁定処分そのもの)は取消訴訟で争うべきものとして手続が分離される、と解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 改正:実用新案法全部改正(昭和34年法律第123号)。強制実施権の裁定で定まった対価額の増減を求める訴えと、特許法183条・184条の準用を整備した。
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