要点実用新案法 60 条の 2 は、訴訟で開示された営業秘密に関する秘密保持命令に違反した者を 5 年以下の拘禁刑または 500 万円以下の罰金に処す。親告罪であり、国外犯にも適用される。
Q · 実用新案の裁判で見た相手の図面、うっかり外で話したら本当に刑罰になるの?
なる。秘密保持命令違反は拘禁刑 5 年の対象
実用新案法 60 条の 2 は、同法 30 条が準用する特許法 105 条の 4 第 1 項の秘密保持命令に違反した者を、5 年以下の拘禁刑または 500 万円以下の罰金(併科あり)で処罰します。対象者は当事者だけでなく、訴訟代理人、技術説明で同席した従業員、鑑定人にも及びます。さらに 3 項により日本国外で犯した者にも適用されるため、海外子会社に転送すれば安全という発想は通用しません。ただし 2 項により親告罪であり、被害者である秘密保有者の告訴がなければ起訴できません。
あなたが町工場の開発担当だとする。自社製品が実用新案権を侵害したと訴えられ、相手の製造図面を法廷で見せられた。ただし「秘密保持命令」付きで。多くの人はこれを訴訟手続上の紙切れだと思い、見終わったあと取引先との雑談で「あの会社、こんな作り方してたよ」と口を滑らせる。その一言が拘禁刑五年の対象になる。本条は、実用新案法三十条が準用する特許法百五条の四第一項の秘密保持命令、つまり訴訟で開示された営業秘密を外に漏らすなという裁判所の命令、これに違反した者を五年以下の拘禁刑または五百万円以下の罰金、あるいはその併科で処罰する。さらに恐ろしいのは三項だ。日本国外でこの罪を犯した者にも適用される。海外子会社に転送すれば安全、という発想は通用しない。あなたが知るべきは、命令の対象者は当事者だけでなく、代理人、技術説明で同席した従業員、鑑定人にまで及ぶという点だ。「見た側」になった瞬間、立場に関係なく義務者になる。
実用新案法 60 条の 2 は秘密保持命令違反の罪を定める罰則規定であり、同法 30 条が準用する特許法 105 条の 4 第 1 項に基づき裁判所が発した秘密保持命令、すなわち訴訟で開示された営業秘密の目的外使用・第三者開示を禁ずる命令に違反した者を処罰の対象とする。本罪は親告罪であり、かつ国外犯処罰規定を備える。
知財訴訟で開示される営業秘密について、裁判所が当事者や関係者に対し目的外使用・第三者開示を禁ずる命令です。実用新案法では 30 条が準用する特許法 105 条の 4 が根拠になります。
実用新案法 60 条の 2 第 1 項により、5 年以下の拘禁刑または 500 万円以下の罰金、もしくはその併科です。行政罰の過料ではなく刑事罰なので、有罪なら前科がつきます。
訴訟の当事者本人だけでなく、訴訟代理人、補佐人、技術説明のため同席した従業員、鑑定人にも及びます。命令対象の情報を「見た側」であれば立場に関係なく義務者になります。
親告罪です。60 条の 2 第 2 項により、被害者である秘密保有者の告訴がなければ公訴を提起できません。逆に言えば示談で告訴を断念してもらえれば刑事手続は動きません。
公訴時効は 5 年です(長期 10 年未満の拘禁刑にあたる罪、刑訴 250 条 2 項)。別に親告罪のため告訴は犯人を知った日から 6 か月以内に行う必要があります(刑訴 235 条 1 項)。
及びます。60 条の 2 第 3 項が国外犯処罰を明記しており、日本国外で犯した者にも適用されます。海外子会社や海外サーバー経由なら逃げ切れるという前提は通用しません。
ほぼ同等です。特許法 200 条の 2 が特許訴訟での違反を、実用新案法 60 条の 2 が実用新案訴訟での違反を、いずれも 5 年以下の拘禁刑または 500 万円以下の罰金で処罰します。
理論上は刑事事件として捜査・逮捕の対象になり得ますが、親告罪のため告訴が前提です。実務では民事の差止め・損害賠償と並行し、告訴の有無が刑事手続の起点になります。
その資料が秘密保持命令の対象で、相手が命令で認められた開示先でなければ違反になりうる。本条一項は違反者を拘禁刑五年または罰金五百万円で処罰する。業界裏話ヒント:誰に開示してよいかは命令書に列挙されている。まず自分がその列挙の中に入っているか、社内共有が許される範囲かを最初に確認すること。ここを読まずに「身内だから大丈夫」と判断するのが一番危ない
二項により、被害者である秘密保有者の告訴がなければ起訴できない。つまり相手と示談し告訴を断念してもらえれば、刑事手続自体が動かない。業界裏話ヒント:不正競争防止法の営業秘密侵害罪(二一条)の一部とは違い、これは純粋な親告罪。被害回復と謝罪で相手を納得させられれば前科を回避できる余地が大きい。告訴期間の六か月が、示談交渉のタイムリミットになる
及ぶ。三項が「日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する」と明記しており、国外犯処罰の規定がある。業界裏話ヒント:すべての犯罪に国外犯規定があるわけではなく、IP関連の秘密保持命令違反はこれが付いている数少ない類型。海外子会社や海外サーバー経由なら逃げ切れるという発想は、この一文で封じられている
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|---|---|---|
| 根拠条文と対象訴訟 | 実用新案法 60 条の 2:実用新案侵害訴訟での秘密保持命令違反 | — |
| 法定刑 | 5 年以下の拘禁刑または 500 万円以下の罰金(併科あり) | — |
| 親告罪か | 親告罪(2 項、告訴がなければ起訴不可) | — |
| 国外犯適用 | あり(3 項、日本国外で犯した者にも適用) | — |
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