意匠法 第60条の9(秘密意匠の特例)
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国際意匠登録出願の出願人については、第十四条の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
秘密意匠の特例とは何ですか?
定義秘密意匠の特例とは、意匠法第60条の9に定められた規定で、「国際意匠登録出願の出願人については、第十四条の規定は、適用しない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第60条の9(秘密意匠の特例)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第60条の9の条文原文は「国際意匠登録出願の出願人については、第十四条の規定は、適用しない。」で始まります。
- 意匠法第60条の9は第二節に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第60条の9の前の条は意匠法第60条の8です。
- 意匠法第60条の9の次の条は意匠法第60条の10です。
- 意匠法第60条の9には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第60条の9 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第60条の9(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/60_9
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法60条の9は、ハーグ協定に基づく国際意匠登録出願には秘密意匠(14条)を適用しないと定める。国際登録はWIPOが国際公表するため、日本だけで意匠を秘密にできない。
Q · デザインを海外へ一括出願したいけど、発売前だから中身は秘密にできますか?
国際出願を選ぶと秘密意匠は使えず国際公表される
意匠法60条の9により、ハーグ協定に基づく国際意匠登録出願の出願人には、秘密意匠を定める意匠法14条が適用されません。国際意匠登録はWIPO(世界知的所有権機関)が国際公表するため、日本国内でのみ意匠を非公開にする秘密意匠を併用できないからです。発売前のデザインを秘密に保ちたい場合は、国際一括出願ではなく、国内出願で秘密意匠を確保してから海外展開を設計する必要があります。
解説
新製品のデザインを特許庁に登録するとき、日本には「秘密意匠」という制度がある(意匠法14条)。登録から最長3年間、その意匠の中身を意匠公報に載せず秘密にできる仕組みだ。発売前のデザインをライバルに見せずに権利だけ先に確保する、攻めの一手である。ところが、ハーグ協定を使って一度に複数国へ意匠を出願する「国際意匠登録出願」を選んだ瞬間、この秘密意匠は使えなくなる。それを定めるのが60条の9だ。理由は単純で、国際登録はWIPO(世界知的所有権機関、各国の知的財産を国際的に管理する国連の専門機関)が国際公表してしまうから、日本だけ秘密にしても意味がない。つまりあなたが海外展開を急いで国際ルートを選ぶと、まだ店頭に並んでいないデザインが世界中のデータベースで丸見えになる。国内ルートなら隠せたものが、だ。便利な国際出願の裏に、こういう代償が隠れている。
法的な位置づけ
意匠法60条の9は、ハーグ協定に基づく国際意匠登録出願について、秘密意匠制度(意匠法14条)の適用を除外する規定である。国際意匠登録はWIPOによる国際公表を前提とするため、日本国内でのみ意匠内容を非公開とする秘密意匠を併用することができない旨を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1秘密意匠とは何ですか?
登録から最長3年間、意匠の内容を意匠公報に掲載せず秘密に保てる制度です(意匠法14条)。発売前のデザインを競合に見せずに権利だけ先取りできます。
Q2国際意匠登録出願とは?
ハーグ協定を使い、WIPOへの一件の手続で複数国に同時に意匠を出願できる制度です。各国個別出願より速く広く権利を取得できます。
Q3秘密意匠と国際出願は併用できますか?
できません。意匠法60条の9により、国際意匠登録出願の出願人には秘密意匠(14条)が適用されません。両立させたいなら国内出願を選ぶ必要があります。
Q4国際意匠登録はいつ公開されますか?
WIPOによる国際公表で公開されます。日本国内でのみ非公開にはできないため、発売前のデザインでも出願後にデータベースで閲覧可能になります。
Q5デザインを海外で秘密にしたまま守れますか?
国際ルートでは秘密にできません。日本は国内出願+秘密意匠で秘匿を確保し、他国は個別に出願する分け方なら秘匿と海外保護を両立できます。
Q6秘密意匠の期間は何年ですか?
登録日から最長3年間です(意匠法14条)。出願と同時、または第一年分の登録料納付と同時に請求する必要があります。
Q7ハーグ協定の国際出願にデメリットはありますか?
秘密意匠が使えない点が代表的です(60条の9)。速さと広さの代わりに、国内なら確保できた最長3年の秘匿期間を失います。
Q8国内出願と国際出願の違いは何ですか?
国内出願は秘密意匠で最長3年秘匿できますが日本のみ。国際出願は複数国を一括で守れますがWIPOが国際公表し秘密にできません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外にもデザインを出願したいけど、発売前なので内容は隠したいんです。両立できますか?
残念ながら、国際意匠登録出願(ハーグ協定ルート)を選ぶと秘密意匠(意匠法14条)は使えません(60条の9)。両立させたいなら、日本は国内出願+秘密意匠で秘匿を確保し、他国はそれぞれ個別に出願する、という分け方になります。実務のポイント:弁理士は『一括で速い国際出願』を勧めがちですが、秘匿性が事業の鍵になる意匠では、あえて手間のかかる国別個別出願を選ぶ判断がある。コストと秘匿性のどちらを優先するかは、出願前に必ず自分で線引きする
Q2なんで国際出願だと秘密にできないんですか?日本の制度なのに。
国際意匠登録はWIPO(世界知的所有権機関)が国際公表する仕組みで、日本だけ非公開にしても情報は世界に出てしまうからです。制度の整合性として秘密意匠の適用を外したのが60条の9です。実務のポイント:ハーグ協定には出願人が公表を一定期間繰り延べる『公表の延期』制度が条約上あり、指定国によっては数十か月遅らせられる。ただし日本を含め延期を認めない、または期間を限定する国があるので、各国の対応を出願前に確認すると秘匿の余地が見つかることがある(最新の制度運用をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「国際出願は国内出願の上位互換で、デメリットはない」と思い込んでいる人が多い。だが秘密意匠が使えなくなる(60条の9)という明確な穴がある。複数国を一括でカバーできる速さと引き換えに、日本国内なら確保できた最長3年の秘匿期間を失う
- 「秘密意匠が使えないなら、出願自体を発売直前まで遅らせればいい」という発想そのものが危うい。意匠は新規性が命で、自社が先に発表・販売すると自分の意匠で新規性を失う恐れがある(新規性喪失の例外規定はあるが期限と手続が厳格)。問うべきは「いつ出すか」ではなく、「秘匿が要る意匠かどうかで国内ルートと国際ルートを使い分ける」ことだ
- 秘密意匠が使えないことは知っていても、その影響の深刻さを見落としている。国際公表は単に「見られる」だけでなく、競合に設計回避・先回り出願・並行開発のきっかけを与える。発売前の数か月の情報差が、市場投入のタイミング勝負を左右する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 秘密意匠の可否 | 60条の9:適用除外(秘密にできない) | 14条:最長3年間、意匠を秘密にできる 20条:設定登録で意匠公報に掲載 |
| 公表の主体・時期 | WIPOが国際公表する | 秘密期間経過後に特許庁が公報掲載 設定登録時に特許庁が意匠公報掲載 |
| 対象国 | ハーグ協定加盟国を一括指定できる | 日本国内のみ 日本国内のみ |
| 適した意匠 | 早期の多国展開を優先する意匠 | 発売前で秘匿が必要な主力・フラッグシップ意匠 公開してよい国内向け意匠 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はハーグ協定非加盟で国際意匠登録制度がなく、設計専利は査定公告により公開される。秘密意匠に相当する非公開制度もない
韓国はハーグ協定加盟国で、비밀디자인(秘密意匠)と国際디자인등록출원の双方の制度を有し、国際出願との調整規定が置かれている
ドイツはEU経由でハーグ協定に加盟。国際登録はWIPOが公表し、国内の意匠登録とは別枠で運用される
米国は2015年にハーグ協定へ加盟。design patent には日本の秘密意匠のような非公開期間制度はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの会社が来春発表予定の新型家電のデザインを、欧州・米国・中国へ一気に守ろうとハーグ協定で国際出願したら、どうなる? 出願から数か月後、その意匠はWIPOのデータベースで国際公表される。まだ世に出していない製品の形が、競合に先回りして見られることになる
- あなたが競合他社のデザイン動向を追う立場なら、WIPOの国際意匠データベースは宝の山だ。日本国内出願なら秘密意匠で隠されていたはずの未発表デザインが、国際ルートを選んだ会社の分だけ丸見えになる。相手の次の一手を発売前に読める
- 国内なら秘密にできた。国際を選んだら公開された。この一行の制度差を知らずに出願ルートを決めた担当者は、決して少なくない
- 海外見本市まであと60日、各国でデザインを守りたい。国際出願なら一括で速い。だが秘密意匠が効かないこの選択を、見本市前の早期公表リスクと天秤にかける時間は、もう残り少ない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 守りたい意匠を『発売前で秘匿が要るもの』と『すでに公開済み・公開してよいもの』に仕分けする2. 秘匿が要る主力意匠は、まず国内出願で秘密意匠(意匠法14条、最長3年)を確保してから海外展開を設計する3. 速さ優先で国際出願を選ぶ意匠は、出願時点で国際公表される前提でPR・発売計画を組む4. 迷う段階で弁理士に『国内+秘密意匠と国際一括の比較表』を依頼し、意匠ごとにルートを決める
訴えられた側:1. 競合の未発表デザインを把握したいなら、WIPOの国際意匠登録データベース(Hague Express)を定期監視する2. 国際出願を選んだ相手の意匠は国際公表で先に見えるため、自社の設計回避や代替デザインを早期に検討できる3. ただし公表された他社意匠を模倣すれば侵害になる、見るのは合法だが真似は別問題4. 自社が逆の立場で晒されないよう、自社の秘匿意匠は国内+秘密意匠で守る
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。ただし秘密意匠を選ぶなら、意匠登録出願と同時、または第一年分の登録料納付と同時に請求が必要(意匠法14条2項)。国際出願を選んだ後で『やはり秘密に』と切り替えることはできないため、ルート選択の時点が事実上の分岐点となる
学説
通説:国際意匠登録はWIPOによる国際公表を前提として成り立つため、日本国内でのみ意匠を非公開にする秘密意匠を併存させれば、公示制度に矛盾が生じる。本条はこの矛盾を避けるための調整規定であり、秘匿を望む出願人には国内ルートを残すことで両価値のバランスを図ったと解される。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正、平成27年(2015年5月13日)施行 日本が意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定に加入したことに伴い新設。国際意匠登録出願には秘密意匠(14条)を適用しないことを明文化した
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定への加入に伴い新設(平成27年〔2015年5月13日〕施行)。国際意匠登録出願には秘密意匠(14条)を適用しない旨を明文化した
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