意匠法 第14条(秘密意匠)
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- 意匠登録出願人は、意匠権の設定の登録の日から三年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる。
- 2.前項の規定による請求をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した書面を意匠登録出願と同時に、又は第四十二条第一項の規定による第一年分の登録料の納付と同時に特許庁長官に提出しなければならない。
- 一意匠登録出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
- 二秘密にすることを請求する期間
- 3.意匠登録出願人又は意匠権者は、第一項の規定により秘密にすることを請求した期間を延長し又は短縮することを請求することができる。
- 4.特許庁長官は、次の各号の一に該当するときは、第一項の規定により秘密にすることを請求した意匠を意匠権者以外の者に示さなければならない。
- 一意匠権者の承諾を得たとき。
- 二その意匠又はその意匠と同一若しくは類似の意匠に関する審査、審判、再審又は訴訟の当事者又は参加人から請求があつたとき。
- 三裁判所から請求があつたとき。
- 四利害関係人が意匠権者の氏名又は名称及び登録番号を記載した書面その他経済産業省令で定める書面を特許庁長官に提出して請求したとき。
この条文の基本情報
秘密意匠とは何ですか?
定義秘密意匠とは、意匠法第14条に定められた規定で、「意匠登録出願人は、意匠権の設定の登録の日から三年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第14条(秘密意匠)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第14条の条文原文は「意匠登録出願人は、意匠権の設定の登録の日から三年以内の期間を指定して、その期間その意匠を秘密にすることを請求することができる。」で始まります。
- 意匠法第14条は第二章 意匠登録及び意匠登録出願に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第14条の前の条は意匠法第13条の2です。
- 意匠法第14条の次の条は意匠法第15条です。
- 意匠法第14条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第14条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第14条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法14条は、意匠登録出願人が設定登録の日から3年以内の期間を指定し、その意匠を秘密にすることを請求できると定める。請求できるのは出願時か第一年分の登録料納付時のみである。
Q · 意匠登録すると公報で図面が公開されてしまう。発売前の新製品のデザインを隠す方法はある?
秘密意匠を請求すれば最大3年間図面を隠せる
意匠法14条の秘密意匠を請求すれば、設定登録の日から3年以内の指定期間、意匠公報での図面公開を止められます。登録による独占権は今すぐ確保しつつ、競合に手の内を見せずに済みます。ただし請求は出願と同時か第一年分の登録料納付と同時の二択のみ(14条2項)。代償として、差止請求には特許庁長官の証明を受けた書面を提示した警告が前置され(37条3項)、損害賠償の過失推定(40条本文)も及びません。
解説
新しいスマート家電を半年後に発売する。意匠登録はしておきたいが、登録すれば意匠公報に図面が載り、競合は発売前に形状を丸ごと見られてしまう。この矛盾を解くのが秘密意匠だ。意匠法14条は、設定登録の日から3年以内の期間を指定し、その間その意匠を秘密にすることを請求できると定める。登録による独占権はすぐ確保しつつ、図面の公開だけを最大3年間止められる。ただし請求のタイミングは厳格で、出願と同時か、第一年分の登録料の納付と同時の二択しかない。この二つの瞬間を逃すと、もう秘密にはできない。発売スケジュールと出願戦略を最初から噛み合わせておかないと、せっかくの隠し玉が使えないまま図面が世に出る。
法的な位置づけ
意匠法14条にいう秘密意匠とは、意匠登録出願人が設定登録の日から3年以内の期間を指定し、その期間その意匠を秘密にすることを請求できる制度をいう。意匠権の発生時点は設定登録のままで変わらず、秘密にできるのは意匠公報での図面公開のみである点が特徴であり、存続期間そのものの延長ではない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.発売予定日から請求時期を逆算する 新製品の発売予定日を起点に、出願と同時に請求するか、第一年分の登録料納付と同時に請求するかを決める。秘密意匠の請求はこの二つの瞬間のみで、逃すと永遠に公開意匠になる(14条2項)
- 2.秘密期間を指定して請求書を提出する 出願人の氏名・名称・住所と、秘密にする期間(最大3年)を記載した書面を特許庁長官に提出する。発売後すぐ公開でよいなら短め、模倣リスクが長引くなら3年フルで指定する
- 3.発売延期時は期間内に延長を請求する 発売が延期になり秘密期間の満了が発売日より前に来そうな場合、秘密期間が満了する前に14条3項で延長を請求する。満了後では公報に図面が公開され模倣防止の意味が消える
- 4.競合の模倣を疑うときは秘密意匠を確認する 競合製品が酷似していると感じたら、利害関係人として相手の氏名・名称と登録番号を記載した書面を特許庁長官に提出し、相手の秘密意匠の内容を確認する(14条4項4号)。推測を証拠に変える
よくある質問 AI による整理
Q1秘密意匠とは何ですか?
設定登録の日から3年以内の指定期間、意匠公報での図面公開を止められる制度です(意匠法14条)。独占権は登録で発生し、隠せるのは公開だけです。
Q2秘密意匠の請求はいつまでにすればいいですか?
出願と同時か、第一年分の登録料の納付と同時の二択のみです(14条2項)。この二つの瞬間を逃すと請求権は消え、公開意匠に確定します。
Q3秘密意匠の期間は最長何年ですか?
設定登録の日から最長3年です(14条1項)。指定した期間は14条3項により期間内であれば延長または短縮を請求できます。
Q4秘密にした意匠を競合は見ることができますか?
利害関係人が意匠権者の氏名・名称と登録番号を記した書面を特許庁長官に提出して請求すれば、その秘密意匠を示してもらえます(14条4項4号)。
Q5秘密意匠の請求を忘れたらどうなりますか?
出願時と登録料納付時という二つの機会を過ぎると請求できなくなり、その意匠は通常どおり意匠公報に図面が公開されます。後から秘密にはできません。
Q6秘密意匠にすると意匠公報には何が載りますか?
秘密期間中は書誌的事項のみが掲載され、肝心の意匠の図面は掲載されません。期間満了後に図面を含む内容が改めて公報に掲載されます。
Q7秘密意匠の延長や短縮はできますか?
できます。出願人または意匠権者は、秘密にすると請求した期間を延長または短縮することを請求できます(14条3項)。発売延期時は期間内の延長が要です。
Q8秘密意匠と不正競争防止法の形態模倣規制はどう違いますか?
秘密意匠は意匠登録が前提で最大3年公開を遅らせる制度、不正競争防止法2条1項3号は登録不要で商品形態を発売から3年保護する制度で、戦場は同じでも入口が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1秘密意匠にすると、権利が使える期間も延びるんですか?
延びません。秘密期間と存続期間は別物です。存続期間は出願日から25年(令和元年改正後の出願、最新の改正状況をご確認ください)で、秘密にしてもこの年数は変わりません。秘密にできるのは、公報での図面公開を最大3年止めることだけです(14条1項)。実務のポイント:秘密期間を3年フルに取っても、その3年が存続期間に上乗せされるわけではない。秘密期間中は事実上、権利の中身を相手に示しにくく行使しづらいので、長く秘密にすればするほど「権利はあるのに振るえない」状態が続く。秘密期間の長さは保護期間の延長ではなく、行使の自制と引き換えだと理解しておく
Q2中身を秘密にしているのに、なぜ侵害で勝てるんですか? 相手は知りようがないのでは?
勝てますが、手順が縛られます。秘密意匠の意匠権者は、特許庁長官の証明を受けた書面を提示して警告した後でなければ差止請求ができません(37条3項)。さらに損害賠償でも、通常は働く過失の推定(40条本文)が秘密意匠には及びません(同条ただし書)。実務のポイント:この二つの制限は「相手は秘密の中身を知りようがなかった」という不意打ち防止のためにある。だから秘密意匠で攻めるなら、まず証明書付き警告を出した日を境界線として、それ以降の侵害を狙うのが定石。警告前の期間は損害立証が一気に難しくなる
Q3迷っているなら、とりあえず全部秘密意匠にしておけばいいですよね?
そうとは限りません。その発想自体が落とし穴になることがあります。公開意匠は公報に載ることで競合への牽制になり、模倣を思いとどまらせる効果があります。秘密にすると、競合が他人の権利を知らないまま似た製品を開発し、発売直前に正面衝突する事故も起きます。さらに差止に警告が前置され(37条3項)、過失推定も外れる(40条ただし書)。実務のポイント:実務では「短期間に模倣が集中する製品(玩具、季節商品、デザイン家電)は秘密、長期で市場に居続け牽制効果が効く製品は公開」と使い分ける。常に秘密が有利という思い込みが、一番危ない
間違えやすい点 AI による整理
- 秘密意匠は「公開を3年止められる」とは知っていても、その代償の深刻さを知らない人が多い。秘密にすると差止請求に特許庁長官の証明を受けた書面を提示した警告が前置として必要になり(37条3項)、しかも損害賠償の過失推定(40条ただし書)も及ばなくなる。守りを固めたつもりが、攻めの武器を一本失っている
- 「秘密意匠にすれば独占権の発生そのものも遅らせられる」という問いの立て方自体が誤っている。意匠権は設定登録で即発生する。秘密にできるのは公報での図面公開だけで、権利は最初から動いている。あなたが止めているのは権利ではなく、競合の目だ
- 「迷ったら全部秘密にすればいい」と思いがちだが、逆効果のことがある。公開意匠は競合への牽制になり、模倣を思いとどまらせる。秘密にした結果、競合が他人の権利を知らないまま似た製品を開発し、発売直前に衝突する事故も起きる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 止める・守る対象 | 14条:意匠公報での図面公開を最大3年間遅らせる | 21条:意匠権の存続そのもの(出願から25年) 20条:設定登録による意匠権の発生 |
| 期間と起算点 | 登録日から最大3年(14条1項)、期間内に延長・短縮可(14条3項) | 出願日から25年(令和元年改正後の出願、最新の改正状況をご確認ください) 登録の日に権利が発生(起算点そのもの) |
| 効果・代償 | 図面非公開。代償として差止に証明書付き警告前置(37条3項)、過失推定が及ばない(40条ただし書) | 独占排他権の存続。秘密かどうかで年数は変わらない 権利の創設。秘密期間の起算点にもなる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は設計を專利法の『設計專利』として保護する。日本の秘密意匠のように公報公開を一律3年遅らせる制度は明示されておらず、保護の枠組みが異なる
韓国は비밀디자인として、設定登録日から指定期間その意匠を秘密にできる制度を持ち、日本の秘密意匠と発想が近い
ドイツは登録意匠の公表を最長30か月延期できる『公表の延期』を認める。延期可能期間や手続は異なるが、発売前の公開回避という目的は共通
米国の意匠特許は出願が登録まで非公開で、登録時に公開される。日本のように登録後さらに3年公開を遅らせる秘密意匠に相当する制度は存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 半年後に発売予定のワイヤレスイヤホン。形状そのものが売りなのに、意匠登録すれば公報で競合に図面を見られる。秘密意匠を出願と同時に請求しておけば、登録による独占権は今すぐ確保し、図面の公開は発売タイミングまで止められる。発売前の数か月で海外の模倣業者にコピーされる最悪のシナリオを、ここで封じる
- もし、第一年分の登録料をすでに納めた後で秘密意匠にしたいと気づいたら、どうなる? 答えは残酷だ。秘密意匠の請求は出願と同時か登録料納付と同時の二択しかなく、その二つの瞬間を過ぎれば永遠に公開意匠になる。気づいた時には扉は閉じている
- 競合の新製品が自社デザインに酷似していると感じたが、相手の意匠は秘密意匠で公報に載っていない。あなたは利害関係人として、相手の氏名又は名称と登録番号を記した書面を特許庁長官に提出すれば、その秘密意匠を見せてもらえる(14条4項4号)。模倣の疑いを、推測から証拠へ変える手続がここにある
- ライバル社から意匠権侵害だと警告書が届いた。だがその意匠は秘密のまま、あなたは中身を見たことがない。差止請求には特許庁長官の証明を受けた書面を提示した警告が前提だ(37条3項)。それが来るまで、慌てて製品を引っ込める必要はない
- 発売を1か月延期することになった。秘密期間の終わりが発売日より前に来てしまう。あと数週間のうちに14条3項で秘密期間の延長を請求しないと、発売前に図面が公開され、模倣防止の意味そのものが消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 発売予定日を起点に逆算し、出願と同時か第一年分の登録料納付と同時のどちらで秘密請求するかを決める。この二つの瞬間を逃すと請求権は消える2. 秘密期間は最大3年、発売後すぐ公開でよいなら短め、模倣リスクが長引くなら3年フルで指定3. 競合の模倣を疑うなら、利害関係人として登録番号等を記した書面を特許庁長官に提出し、相手の秘密意匠を確認(14条4項4号) 4. 侵害が固まったら、差止の前に特許庁長官の証明を受けた書面を提示した警告を準備(37条3項)
訴えられた側:1. 警告書が来ても、相手が秘密意匠なら特許庁長官の証明を受けた書面の提示があるか確認、なければ差止の前提を欠く(37条3項) 2. 秘密意匠では過失推定が及ばない(40条ただし書)ので、損害賠償でも相手が過失を立証する負担を負う3. 自社が相手の登録前から独自に実施していた証拠(図面、開発記録、発売日)を保全し、先使用権(29条)の主張余地を探る4. 14条4項経由で相手意匠の内容を確認し、類似範囲を冷静に分析する
時効(請求できる期限):秘密意匠の請求は出願と同時か第一年分の登録料納付と同時のみ(14条2項)、この時期を逃すと請求不可。秘密期間は登録日から最大3年、延長・短縮は期間内に請求(14条3項)。意匠権侵害の損害賠償請求権は被害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(民法724条)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:秘密意匠で隠せるのは意匠公報での図面公開のみであり、意匠権の発生時点や存続期間は通常の意匠と変わらないと解される。秘密期間は保護期間の延長ではなく、内容を知らない第三者保護のための権利行使制限(37条3項・40条ただし書)と引き換えに与えられる制度と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行意匠法(昭和34年法律第125号)の制定に伴い、出願人が一定期間意匠を秘密にすることを請求できる秘密意匠制度が設けられた。
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