他人の意匠権又は専用実施権を侵害した者は、その侵害の行為について過失があつたものと推定する。
要点意匠法 40 条は、意匠権を侵害した者に過失があったと推定する規定。意匠は意匠公報で公開されるため「知らなかった」は通らず、秘密意匠の場合のみ推定が外れる。
Q · デザインを真似された側が、相手の落ち度を証明しないといけないんですか?
逆です。無過失の証明責任は真似た側にあります
意匠法 40 条により、意匠権を侵害した者には過失があったものと推定されます。つまり真似された権利者が相手の故意・過失を立証する必要はなく、侵害者の側が「自分は無過失だった」と証明できなければ過失が認定されます。登録意匠は意匠公報で公開されているため「調べていなかった」はむしろ注意義務違反を裏づけ、無過失の立証は極めて困難です。例外は第 14 条で公報非公開を請求した秘密意匠で、この場合のみ推定は働きません。
競合他社が、あなたが苦労して登録した製品デザインをそっくり真似て売り出した。普通の損害賠償なら、あなたが相手の「故意か過失」を立証しなければならない。だが意匠法 40 条は、その重荷を丸ごと相手側にひっくり返す。意匠権を侵害した者は、過失があったと推定される。つまり相手が「自分は知らなかった、注意も尽くしていた」と証明できない限り、過失は自動的に認定される。なぜこんな強力な武器があるのか。登録された意匠は意匠公報で公開されるため、世の中の誰もが調べられる状態に置かれる。だから「気づかなかった」という言い訳は原則通らない。ただし例外が一つ。第 14 条で秘密にすることを請求した秘密意匠は公報に載らないため、この推定は働かない。あなたが持つ武器が、いつ効いて、いつ効かないかを分ける一行がそこにある。
意匠法 40 条は、意匠権侵害における過失の推定を定める規定であり、他人の意匠権または専用実施権を侵害した者は、その侵害行為について過失があったものと推定される。登録意匠が意匠公報で公開され調査可能であることを根拠に立証責任を侵害者へ転換するが、第 14 条の秘密意匠に係る侵害については推定が及ばない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
本来は権利者が証明すべき相手の過失を、法律があらかじめ「あったもの」と扱う制度です。意匠法 40 条では、侵害者が無過失を立証しない限り過失ありとされます。
意匠法 39 条の損害額推定規定により、侵害品の譲渡数量や侵害者の利益額、ライセンス料相当額を基礎に算定されます。立証負担が軽減され、権利者に有利な算定が可能です。
特許庁の特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で登録意匠を検索・閲覧できます。公報掲載により第三者は調査可能とされ、過失推定の根拠になります。
2020 年 4 月 1 日以降の出願は、出願日から 25 年です。存続期間が満了すると意匠権は消滅し、過失推定を含む権利行使はできなくなります。
まず相手の意匠登録が有効か、自社製品が要部で類似するかを確認します。過失は推定されるため、販売停止で損害拡大を止めつつ、無効審判や非類似の主張を検討します。
理論上は無過失の立証で覆せますが、公報で公開されている以上、実務で認められるのはごく例外的な場面に限られます。侵害者側は無効審判で意匠権自体を争うことが多いです。
守られません。40 条の推定は登録意匠権・専用実施権に対する侵害が前提です。未登録デザインは原則として不正競争防止法や民法 709 条で別途争うことになります。
あります。意匠法は侵害罪を定め、10 年以下の拘禁刑または 1000 万円以下の罰金等が科され得ます。ただし 40 条の過失推定は民事の損害賠償に関する規定です。
原則逃げられません。意匠法 40 条で過失が推定され、しかも登録意匠は意匠公報で公開されているため、「調べれば分かったはず」と評価されます。無過失を証明する責任は相手側にあり、それは極めて困難です。業界裏話ヒント:実務で無過失が認められるのはごく例外的な場面(相手の意匠登録が後に無効になった、完璧な独自開発の証拠があるなど)に限られる。だから侵害者側の弁護士は、過失を争うより無効審判(意匠法 48 条)で意匠権そのものを潰しにくる。攻める側は自分の意匠権の有効性を先に固めておくべき
秘密意匠は意匠法 14 条に基づき、登録後最長 3 年間その内容を意匠公報で公開しないよう請求できる制度です。公開されないため第三者は知りようがなく、40 条但書で過失推定が外れます。業界裏話ヒント:秘密意匠は手の内を隠せる反面、過失推定という強力な武器を自ら手放すトレードオフがある。実務では「公開してでも過失推定を取りに行く」か「秘密にして模倣の的になるのを避ける」かを、製品ライフサイクルと模倣リスクで判断する。両取りはできない
はい。特許法 103 条にほぼ同じ過失推定の規定があり、商標法も準用しています。登録され公開される産業財産権に共通する考え方です。ただし著作権には過失推定の規定がなく、原則どおり民法 709 条で権利者が相手の故意過失を立証します。業界裏話ヒント:同じ「パクられた」でも、意匠・特許・商標で訴えれば過失推定の追い風があるが、著作権だけで攻めると立証の重荷が自分に残る。デザインの保護を著作権だけに頼らず意匠登録しておく実益はここにある
負う可能性が高いです。意匠権侵害は製造行為も対象で、製造した側も 40 条で過失が推定されます。「発注元の指示に従っただけ」という事情だけでは推定を覆せません。業界裏話ヒント:実務では OEM 契約に「第三者の知的財産権を侵害しないことを発注元が保証し、紛争時は発注元が責任を負う」という補償条項(インデムニティ)を入れて、リスクを発注元に戻すのが定石。この一文の有無で、製造側が賠償を肩代わりさせられるか、発注元に求償できるかが変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 過失の立証責任 | 意匠法 40 条:侵害者に過失を推定(立証責任を侵害者へ転換) | — |
| 推定の根拠 | 登録意匠が意匠公報で公開され調査可能 | — |
| 推定が外れる場合 | 第 14 条の秘密意匠(公報非公開)に係る侵害 | — |
| 併用する救済 | 差止請求(意匠法 37 条)・損害額推定(意匠法 39 条) | — |
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