要点意匠法 38 条は、登録意匠の製造にのみ用いる専用品の製造等を主観を問わず侵害とみなし、美感の創出に不可欠な部品を登録意匠と知りながら扱う行為も間接侵害とする規定である。
Q · 完成品を売っていなくても、部品や金型を作っただけで意匠権を侵害するの?
部品や金型の製造だけでも間接侵害になりえます
意匠法 38 条は間接侵害(みなし侵害)を定めます。登録意匠の物品の製造に「のみ用いる」専用品の製造等は、行為者の認識を問わず侵害とみなされます(専用品型・1 号)。さらに 2006 年改正で、美感の創出に不可欠な部品を「登録意匠だと知りながら」「日本国内で広く一般に流通していない」状態で扱う多機能型(2 号)が加わりました。2019 年改正で対象は物品だけでなく建築物・画像(画像意匠)にも拡大。輸出のための所持だけでも侵害とみなされます。完成品を組み立てていなくても、サプライチェーンの上流にいれば被告席に座る可能性があります。
金型工場を営むあなたが、顧客から「この形の樹脂カバーを量産してくれ」と頼まれて部品を納めた。完成品を市場で売るのは顧客であって、あなたではない。それでも意匠権を侵害したとみなされ、差止めと損害賠償の被告席に座ることがある。意匠法 38 条は、登録意匠の物品を作るのに「のみ」使う部品や金型を業として作る行為(専用品型)を、それ自体で侵害扱いにする。さらに 2019 年の改正で、その部品が他の用途にも使えても、「登録意匠だと知りながら」「美感の創出に不可欠」で「市場に広く出回っていない」なら、やはり侵害とみなされる多機能型が加わった。守備範囲は物品だけではなく、建築物のデザインやアプリの画面(画像意匠)にまで広がっている。あなたが作っているのが完成品でなくても、サプライチェーンのどこにいても、巻き込まれる。
意匠法 38 条は間接侵害(みなし侵害)を定める規定であり、登録意匠の実施に直接当たらない予備的・幇助的行為を侵害とみなす。専用品の製造等を主観的要件なく侵害とする専用品型と、美感創出に不可欠な物品を登録意匠と知りながら扱う多機能型に大別され、物品・建築物・画像の各類型および輸出等のための所持に及ぶ。
AI 輔助整理,以條文原文為準
登録意匠を直接実施していなくても、その製造に使う専用品や不可欠な部品を業として作る等の行為を侵害とみなす制度です。意匠法 38 条が根拠で、専用品型と多機能型の二類型があります。
専用品型(1 号)は「のみ用いる」物品が対象で主観的要件がなく、知らなくても成立します。多機能型(2 号等)は他用途もある物品が対象で、登録意匠だと知りながら、美感創出に不可欠、広く流通していない、の三要件が必要です。
なります。意匠法 38 条は譲渡・貸渡し・輸出のための所持自体をみなし侵害とします。まだ一個も販売していなくても、倉庫に積んだ段階で差止めや税関差止めの対象になりえます。
対象です。2019 年改正で画像意匠が保護対象となり、登録された UI に係る画像の作成に用いるプログラム等を保有・提供する行為も間接侵害類型に含まれました。コードの納品だけでも安全圏ではありません。
多機能型は「知りながら」が要件なので、登録番号を明記した警告書が届いた時点から「知らなかった」と言えなくなります。警告書の到達日が責任の起算点となり、その後の出荷は損害賠償が拡大します。
意匠権者は差止請求(意匠法 37 条)と損害賠償請求ができます。損害額は意匠法 39 条の推定規定、過失は 40 条の推定規定で立証負担が軽減されます。供給の蛇口を止める差止めが実務上の最優先手段です。
特許庁の J-PlatPat(無料の検索サービス)で意匠を画像・分類から検索できます。新規部品の量産前に発注元へ登録の有無を確認させ、書面で記録に残すのが実務上の防御です。
損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から 3 年、不法行為時から 20 年で消滅します(民法 724 条)。差止請求は意匠権が存続する限り時期の制限なく可能です。
38 条 1 号の専用品型は、その部品が登録意匠の物品の製造に「のみ」使われるなら、あなたの認識を問わず侵害とみなすからです。誰の指示かは成立要件に関係ありません。業界裏話ヒント:実務では、発注元との契約に「第三者の権利侵害は発注元が責任を負う」という補償条項を入れておくかどうかで、賠償後の求償が天と地ほど違う。指示で作る下請けほど、この一条を契約に仕込んでおくべきです
「のみ用いる」専用品型(1 号)からは外れますが、多機能型(2 号)に注意が必要です。登録意匠だと知りながら、その美感の創出に不可欠で、かつ日本国内で広く一般に流通していない部品なら、汎用性があってもみなし侵害が成立します。業界裏話ヒント:弁護士はまず「広く一般に流通」かどうかで線を引く。ホームセンターで誰でも買える規格品なら強い反論になるが、その意匠のために特注した部品は、汎用に見えても「不可欠」と認定されやすい
特許庁の J-PlatPat(無料の検索サービス)で意匠を画像・分類から検索できます。新規部品の量産前に発注元へ登録の有無を確認させ、書面で残すのが実務上の防御です。業界裏話ヒント:多機能型は「知りながら」が要件なので、登録を確認しないまま作っている限り主観要件は満たしにくい。ただし警告書が届いた後は別。届いた瞬間から「知った」状態になるので、警告後の出荷判断こそが分水嶺になります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 侵害の性質 | 意匠法 38 条:間接侵害(みなし侵害) | — |
| 主観的要件 | 専用品型は不要、多機能型は『知りながら』が必要 | — |
| 対象行為 | 専用品・不可欠部品の製造等、輸出等のための所持 | — |
| 救済 | 差止(37 条)+ 損害賠償(39 条推定) | — |
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