要点意匠法 15 条は特許法の共同出願・パリ条約優先権・職務発明の規定を意匠に準用する。職務意匠は規程があれば原則会社に帰属し、創作者は相当の利益を請求できる。
Q · 会社で作ったデザインの意匠権って、結局だれのものになるの?
原則として職務意匠は会社に帰属し、創作者は相当の利益を請求できます
意匠法 15 条 3 項が特許法 35 条(職務発明)を準用するため、職務意匠については就業規則や契約に承継の定めがあれば、原則として会社が意匠登録を受ける権利を取得します。2015 年改正後は規程次第で会社が創作の瞬間から原始取得する設計も可能です。創作者の名前は残り、財産的な見返りとして「相当の利益」を請求できますが、その額は会社の職務発明規程の算定式で事実上決まる点に注意が必要です。また 1 項はパリ条約優先権の証明書提出を出願日から 3 月以内と特許より短く設定しています。
意匠法 15 条は、一見すると「特許法のあの条文も意匠に使うよ」という事務的な橋渡しに見える。だが、この橋を渡った先に、会社員デザイナーの人生を左右する三つの仕掛けが隠れている。最大のものが 3 項、職務発明の規定(特許法 35 条)をデザインの創作に準用する部分だ。あなたが会社の業務として生み出したデザインは、勤務規則や契約に承継の定めがあれば、原則として会社のものになる。そのかわり、あなたには「相当の利益」(2015 年改正前は「相当の対価」)を受ける権利が残る。ただし、これは黙っていれば自動で振り込まれる賞与ではない。会社の職務発明規程がどう書かれているかで、あなたの取り分は十倍違う。さらに 1 項は、パリ条約の優先権を主張するときの書類提出を「出願日から 3 月以内」と、特許より極端に短く設定している。この 3 月を一日でも過ぎれば、海外で先に出した日付の利益は永久に消える。
意匠法 15 条は、意匠登録出願および意匠登録を受ける権利について特許法の関連規定を準用する条文である。共同出願(特許法 38 条)、パリ条約優先権の手続(同 43 条以下)、職務発明(同 35 条)を準用対象とし、職務意匠の権利帰属、相当の利益、共同出願義務、優先権書類の提出期限を一括して規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
従業者・役員・公務員が職務として行った意匠の創作を指します。意匠法 15 条 3 項が特許法 35 条を準用し、規程があれば権利は原則会社に帰属し、創作者は相当の利益を請求できます。
意匠登録を受ける権利が共有の場合、全員で出願しないと拒絶されます。登録後も無効審判の理由になります(意匠法 15 条 1 項が準用する特許法 38 条、意匠法 48 条)。
優先権の主張は意匠登録出願と同時、優先権証明書の提出は出願日から 3 月以内です。特許より大幅に短いため期限管理が重要です(意匠法 15 条 1 項)。
なります。意匠法 15 条 3 項は国家公務員・地方公務員がした意匠の創作も準用対象とします。県庁のロゴやキャラクター制作も職務意匠のルールが及びます。
譲渡できます。意匠法 15 条 2 項が特許法 33 条・34 条を準用し、出願前の移転や承継の手続を定めています。職務意匠の予約承継もこの枠組みに基づきます。
特別な時効規定はなく、民法 166 条の一般消滅時効(知った時から 5 年または行使できる時から 10 年)が適用されます。起算点は規程上の支払時期等によります。
規程が「特許」しか定めていないと、職務意匠への自動承継が及ばずデザイナー側に交渉余地が残る場合があります。まず規程に「意匠」の文字があるか確認が必要です。
特許法の条文を意匠にも当てはめて適用することです。意匠法 15 条は、共同出願や優先権、職務発明の規定を一部読み替えたうえで意匠登録出願に流用しています。
職務意匠に当たり、就業規則や契約に承継の定めがあれば、原則として会社が権利を取得します(意匠法 15 条 3 項が特許法 35 条を準用)。2015 年改正後は、規程次第で創作の瞬間から会社が原始取得する設計も可能です。業界裏話ヒント:多くの会社の職務発明規程は「特許」しか書いておらず、意匠を明記していないことがある。その場合、職務意匠への自動承継が及ばず、デザイナー側に交渉余地が残るケースがある。まず規程に「意匠」の文字があるか確認を
金額は会社の職務発明規程の算定式で決まり、一律の相場はありません(特許法 35 条準用)。実施料、売上貢献、他の創作者との配分などで変動します。業界裏話ヒント:2015 年改正で、対価決定の手続(協議、開示、意見聴取)が合理的なら、裁判所はその金額を尊重する方向に変わった。つまり規程ができる前の「意見聴取」で発言したかどうかが後の取り分を左右する。手続段階での沈黙が一番もったいない
パリ条約の優先権を主張できます(意匠法 15 条 1 項が特許法 43 条等を準用)。ただし主張は意匠登録出願と同時、優先権証明書の提出は出願日から 3 月以内と、特許より大幅に短い点に注意。業界裏話ヒント:特許の感覚で「あとで出せばいい」と構えると、意匠ではこの 3 月を過ぎて優先日を失う事故が起きる。出願実務ではこの期限を最初にカレンダー登録するのが定石。最新の改正状況をご確認ください
職務意匠として会社に承継されていれば、退職しても権利は会社に残り、持ち出せません(意匠法 15 条 3 項)。残るのはあなたが創作者であるという事実と、相当の利益の請求権です。業界裏話ヒント:転職先で前職時代のデザインに似たものを使うと、前の会社の意匠権侵害になりかねない。退職時に、自分の関与した登録意匠の権利者と範囲を控えておくと後の地雷を避けられる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 職務意匠:意匠法 15 条 3 項(特許法 35 条準用) | — |
| 権利の帰属 | 規程・契約があれば原則会社(予約承継または原始取得) | — |
| 創作者への見返り | 相当の利益を請求できる | — |
| 創作者名の扱い | 創作者として記録は残る | — |
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