要点意匠法 35 条は、意匠権を目的とする質権では、質権者は別段の定めがない限り登録意匠を実施できず、意匠権への質権は登録が効力発生要件となると定める。
Q · 意匠権を担保にお金を借りたら、もう自分でその製品を作れなくなるの?
作れます。使えなくなるのは質権者の方です
作れます。意匠法 35 条 1 項により、質権者は契約で別段の定めをしない限り登録意匠やその類似意匠を実施できず、逆に設定者である権利者本人は従来どおり実施を続けられます。動産質と違い担保物を引き渡す必要もありません。ただし貸す側は要注意で、3 項が準用する特許法 98 条により意匠権・専用実施権への質権は登録して初めて効力が生じます。契約書だけで登録を怠ると、相手が倒産したとき一般債権者と同じ扱いになり回収ゼロもありえます。
腕時計を質屋に入れれば、その時計は質屋の手に渡り、あなたは使えなくなる。ところが意匠権を担保に資金を借りても、その登録意匠を使い続けるのは、債権者ではなくあなた自身だ。意匠法 35 条 1 項は、質権者は契約で別段の定めをしない限り、当該登録意匠やこれに類似する意匠を実施できないと定める。つまり知財を担保に差し出しても、あなたは事業を止めずに製品を作り、売り続けられる。これが知財質権の逆転構造だ。さらに 2 項は物上代位を準用し、あなたがその意匠のライセンス料や侵害賠償金を受け取る前に、質権者がそれを差し押さえられる。3 項は登録の効果を準用し、意匠権や専用実施権への質権は、契約だけでは発生せず、登録して初めて効力を持つ。契約書にサインしただけで安心していると、質権者は無担保の一般債権者に転落する。
意匠法 35 条は、意匠権・専用実施権・通常実施権を目的とする質権について定める規定である。質権者は契約で別段の定めをしない限り登録意匠を実施できず、物上代位が準用され、意匠権および専用実施権への質権は登録が効力発生要件となる。
意匠権・専用実施権・通常実施権を担保として設定する権利質のことです。意匠法 35 条が根拠で、質権者は別段の定めがない限り登録意匠を実施できず、意匠権への質権は登録が効力発生要件となります。
特許庁に質権設定登録を申請します。意匠法 35 条 3 項が準用する特許法 98 条により、意匠権・専用実施権への質権は登録して初めて効力が生じるため、融資実行と同時に申請するのが実務の鉄則です。
原則使えません。意匠法 35 条 1 項により、質権者は契約で別段の定めをしない限り登録意匠およびその類似意匠を実施できません。使い続けるのは設定者である権利者本人です。
35 条 2 項が特許法 96 条を準用し、意匠のライセンス料や侵害による損害賠償金にも質権の効力が及ぶ仕組みです。ただし設定者に払い渡される前に差し押さえる必要があります。
できます。意匠法 35 条は意匠権・専用実施権・通常実施権のいずれも質権の目的になると定めます。ただし登録が効力発生要件となるのは意匠権と専用実施権への質権で、通常実施権は 3 項の対象外です。
被担保債権が弁済や消滅時効で消滅すれば、付従性により質権も消滅します。消滅後は速やかに質権抹消登録を行い、意匠権を完全な状態に戻すのが実務上の手当てです。
35 条 1 項但書のことで、契約で特約を設ければ質権者も登録意匠を実施できます。債務不履行時に質権者が自ら意匠を実施して回収する道を確保するため、交渉段階で仕込む条項です。
基本構造は同じです。意匠法 35 条は物上代位(特許法 96 条)と登録の効果(特許法 98 条)を準用しており、特許権の質権と同様のルールが適用されます。母法は特許法 95 条です。
売れます。35 条 1 項により、質権者は別段の定めがない限り登録意匠を実施できず、逆に設定者であるあなたは従来どおり実施を続けられます。動産質と違い、担保物を引き渡す必要もありません。業界裏話ヒント:金融機関側は「別段の定め」で債務不履行時に自ら実施できる特約を入れたがります。契約交渉でこの特約の発動条件と範囲を狭めておくと、万一のときも事業継続の余地が残ります
いいえ。3 項が準用する特許法 98 条により、意匠権や専用実施権への質権は登録して初めて効力が生じます(効力発生要件)。契約書だけでは質権は存在せず、債務者が倒産すれば一般債権者と同じ扱いです。業界裏話ヒント:意匠権の質権は登録が完了するまで「ない」のと同じです。融資実行と登録申請は同時並行で進めるのが鉄則で、登録の遅れがそのまま回収不能に直結します
物上代位(2 項、特許法 96 条準用)により、ライセンス料や侵害による損害賠償金にも質権の効力が及びます。ただし設定者に払い渡される前に差し押さえる必要があります。業界裏話ヒント:払渡し後では物上代位できません。ライセンス契約があるなら、質権設定の段階で支払口座や支払時期を把握しておき、差押えのタイミングを逃さない準備が回収率を分けます
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権利の性質 | 担保物権(権利質) | — |
| 登録の効果 | 意匠権・専用実施権への質権は登録が効力発生要件(35 条 3 項) | — |
| 設定者・権利者の実施 | 原則として設定者が実施を継続(35 条 1 項) | — |
| 質権の目的となるか | 質権そのものを規律 | — |
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