特許法第六十九条第一項及び第二項(特許権の効力が及ばない範囲)、第七十三条(共有)、第七十六条(相続人がない場合の特許権の消滅)、第九十七条第一項(放棄)並びに第九十八条第一項第一号及び第二項(登録の効果)の規定は、意匠権に準用する。
要点意匠法 36 条は、特許法の効力の限界(69 条)、共有(73 条)、放棄(97 条)、登録の効果(98 条)などを意匠権に準用する規定。意匠権のルールの半分は特許法にある。
Q · 意匠登録すれば、意匠法だけ読めば自分の権利は全部わかるの?
いいえ。効力の限界や共有・登録のルールは特許法から準用されます
意匠法 36 条により、意匠権には特許法の 6 つの規定が準用されます。効力が及ばない範囲(69 条 1 項・2 項)、共有(73 条)、相続人不存在時の消滅(76 条)、放棄(97 条 1 項)、登録の効果(98 条 1 項 1 号・2 項)です。つまり、試験・研究のための実施には意匠権が及ばないこと、共有意匠権は他の共有者全員の同意がなければライセンスできないこと、意匠権の移転は登録しなければ効力が生じないことなど、権利の根幹ルールは意匠法ではなく特許法に書かれています。
意匠登録証が届いたとき、多くの人は「これでデザインは守られた」と安心する。だが意匠法を最後まで読んでも、その権利がどこまで及び、どこで止まるのかは半分しか書いていない。残りの半分は特許法の中にある。意匠法36条は、特許法の六つの規定、効力の限界(69条)、共有(73条)、相続人がいない場合の消滅(76条)、放棄(97条)、登録の効果(98条)を、まるごと意匠権に借りてくる「準用」の一覧表だ。なぜこんな作りなのか。同じルールを二度書く無駄を省くためである。だがその代償として、あなたが自分の意匠権を本当に理解するには、二冊の法律を同時に開かなければならない。たとえば競合があなたの登録意匠を「研究のため」に試作しても、特許法69条が準用される結果、侵害にならない場合がある。この一行の準用を知らないまま、意匠法だけを根拠に相手を訴えると、入口で足をすくわれる。
意匠法 36 条は準用規定であり、特許法の効力が及ばない範囲(69 条 1 項・2 項)、共有(73 条)、相続人不存在時の権利消滅(76 条)、放棄(97 条 1 項)、登録の効果(98 条 1 項 1 号・2 項)の各規定を、意匠権に読み替えて適用する旨を定める。意匠権固有の限界や移転の効力要件を特許法本体に依拠させる、立法技術上の橋渡し条文である。
意匠法が特許法と共通するルールを二度書かず、36 条で特許法の規定を借りて意匠権に当てはめる立法技術です。効力の限界や共有、登録の効果などが対象になります。
特許法 69 条 1 項・2 項(効力の限界)、73 条(共有)、76 条(相続人不存在の消滅)、97 条 1 項(放棄)、98 条 1 項 1 号・2 項(登録の効果)の 6 規定です。
あります。特許法 69 条 1 項が準用され、試験または研究のためにする意匠の実施には意匠権の効力が及びません。ただし販売準備に移れば例外は使えません。
持分の譲渡や第三者へのライセンスには他の共有者全員の同意が必要です(特許法 73 条準用)。自己実施は単独でできますが、処分には制約があります。
相続などの一般承継を除き、意匠権の移転は登録しなければ効力が生じません(特許法 98 条 1 項 1 号準用)。契約だけでは権利は動かず、二重譲渡のリスクがあります。
特許法 76 条の準用により意匠権は消滅し、国庫に帰属せず誰でも自由に使えるデザインになります。承継を前提にした事業計画は見直しが必要です。
特許法 97 条 1 項の準用により放棄できますが、専用実施権者や質権者など利害関係者があるときはその承諾が必要です。放棄も登録して効力が生じます。
意匠法本体ではなく、36 条が準用する特許法 69 条に定められています。試験・研究のための実施などが対象で、意匠法だけを見ても見つかりません。
意匠法は条文を節約するため、特許法とルールが共通する部分は36条で「準用」という形で借りてくる構造を取っているからです。効力の限界(特許法69条)、共有(73条)、放棄(97条)、登録の効果(98条)などはすべて特許法本体に書かれています。業界裏話ヒント:知財の実務家は意匠紛争を扱うとき、意匠法と特許法を必ずセットで机に並べます。意匠法だけを引用して相手に通知書を送ると、相手側の弁理士に「準用条文を読んでいない」と見抜かれ、交渉で一気に主導権を失います
できません。特許法73条が準用される結果、共有の意匠権は、他の共有者全員の同意がなければ第三者に実施許諾(ライセンス)できません。自己実施は単独でできますが、ライセンスや持分譲渡には同意が必要です。業界裏話ヒント:共同制作で意匠登録するときは、登録の前に「持分割合」「ライセンス時の取り分」「一方が抜けるときの扱い」を共有契約で決めておくのが鉄則。後から揉めると、せっかくの権利を誰も活用できないデッドロックに陥ります
純粋に試験・研究のためにする実施であれば、特許法69条1項の準用により意匠権の効力が及ばず、侵害になりません。ただし「研究」を装って実際は販売準備に入っている場合は別で、その目的の認定が争点になります。業界裏話ヒント:この例外があるため、相手の行為が研究段階か販売準備段階かの「証拠」が勝負を分けます。相手が展示会に出品した、量産の見積もりを取った、といった販売準備の痕跡を押さえられるかどうかで、侵害の成否がひっくり返ります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 効力が及ばない範囲 | 36 条 → 特許法 69 条を準用(試験・研究の実施等) | — |
| 共有のルール | 36 条 → 特許法 73 条を準用(持分譲渡・許諾に全員同意) | — |
| 移転・登録の効果 | 36 条 → 特許法 98 条を準用(移転は登録が効力発生要件) | — |
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