意匠法 第69条(侵害の罪)
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意匠権又は専用実施権を侵害した者(第三十八条の規定により意匠権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)は、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
この条文の基本情報
侵害の罪とは何ですか?
定義侵害の罪とは、意匠法第69条に定められた規定で、「意匠権又は専用実施権を侵害した者(第三十八条の規定により意匠権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第69条(侵害の罪)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第69条の条文原文は「意匠権又は専用実施権を侵害した者(第三十八条の規定により意匠権又は専用実施権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。」で始まります。
- 意匠法第69条は第八章に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第69条の前の条は意匠法第68条です。
- 意匠法第69条の次の条は意匠法第69条の2です。
- 意匠法第69条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第69条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第69条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/69
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法69条は、意匠権または専用実施権を直接侵害した者を10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金に処す刑事罰規定。間接侵害は除かれ69条の2で処理される。
Q · 他社と似たデザインの製品を作って売ったら、逮捕されることもあるの?
はい、意匠権侵害は最長10年の拘禁刑がある刑事犯罪です
意匠法69条により、他社の登録意匠またはその類似範囲のデザインを侵害して製品を製造・販売すると、10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金、あるいはその併科という刑事罰の対象になります。損害賠償で済む民事問題とは別軌道です。会社ぐるみなら両罰規定(74条)で法人にも最大3億円の罰金。ただし故意犯なので、意匠登録番号を示した警告書を受け取った後も販売を続けた時点から故意が認定される点が分水嶺です。
解説
Amazonで爆売れしている家電を見て、同じ見た目の製品を海外工場でOEM生産し、自社ブランドで売り出す。ありふれたビジネスの一手だ。だがその製品の形状やデザインが他社の登録意匠とそっくりなら、あなたがやったのは賠償金で片がつく民事の話ではなく、最長10年の拘禁刑、もしくは1000万円以下の罰金が科されうる刑事犯罪だ。意匠法69条は、意匠権または専用実施権の侵害を犯罪と定める。多くの経営者は「特許や商標は調べるが、意匠は気にしたことがない」と言う。だが製品の見た目こそ意匠権の領域であり、登録されていれば模倣は刑事罰の射程に入る。会社ぐるみなら両罰規定(74条)で法人に最大3億円の罰金。さらに注意すべきは、間接侵害(38条のみなし侵害)はこの条文から除かれ、より軽い69条の2で処理される点だ。直接作って売ったあなた本人こそが、最も重い刑の正面に立つ。
法的な位置づけ
意匠法69条は、意匠権または専用実施権の直接侵害を犯罪とする刑事罰規定である。侵害者には10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金、もしくはその併科が科される。第38条のみなし侵害を行った者は本条の対象から除外され、より軽い69条の2が適用される。両罰規定(74条)により法人にも罰金が及ぶ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.製品開発の前にJ-PlatPatで登録意匠を検索 新製品の設計を固める前に、特許庁のJ-PlatPat(無料)で類似の登録意匠を意匠検索する。特許と商標だけでなく意匠も必ず確認し、類似範囲に触れそうならデザインを設計段階で回避する
- 2.警告書を受け取ったら直ちに販売を停止 意匠登録番号を示した警告書を受領したら、まず在庫の販売を停止する。「売り切ってから対応」は最悪手で、警告後の販売継続はその時点からの故意の証拠になり、刑事リスクを自ら引き上げる
- 3.弁理士に意匠の類似範囲を鑑定させる 自社製品が本当に登録意匠の類似範囲に入るか、弁理士に鑑定書を依頼する。類似判断は需要者の視覚を通じた美感が基準で専門家でも割れるため、鑑定書は後で故意を否定する最強の防御になる
- 4.反論または早期和解・ライセンス交渉に動く 非類似なら鑑定書を根拠に堂々と反論する。侵害が明白なら早期の和解・ライセンス交渉が刑事回避の最善手。法人なら両罰規定(74条)で会社にも罰金が及ぶ点を経営判断に入れる
よくある質問 AI による整理
Q1意匠権侵害罪とは何ですか?
登録された意匠(製品のデザイン)またはその類似範囲を無断で製造・販売する行為を処罰する刑事犯罪です。意匠法69条が根拠で、直接侵害が対象。特許や商標とは別に、形そのものを保護します。
Q2意匠権侵害の刑罰はどのくらいですか?
個人は10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金、あるいはその併科です(意匠法69条)。会社ぐるみなら両罰規定(74条)で法人に最大3億円の罰金が加わります。
Q3意匠権侵害は親告罪ですか?
非親告罪です。被害者の告訴がなくても捜査・起訴が可能です。ただし実務上は被害企業の告訴があると捜査機関が動きやすくなります。
Q4意匠権と特許権・商標権の違いは何ですか?
特許は技術的アイデア、商標はブランド名やロゴ、意匠は製品の形状・模様・色彩といった見た目そのものを保護します。模倣調査で意匠が見落とされやすいのが盲点です。
Q5意匠が登録されているか調べる方法はありますか?
特許庁のJ-PlatPat(無料)で意匠検索ができます。製品開発の前に登録意匠を検索しておくと、意図せぬ侵害と刑事リスクを避けられます。
Q6意匠権侵害の時効はどのくらいですか?
刑事の公訴時効は7年です(長期10年の拘禁刑にあたる罪)。継続的な販売の場合は最後の販売時から進行します。民事の損害賠償請求権は損害と加害者を知った時から3年で消滅時効にかかります。
Q7意匠権侵害の警告書が届いたらどうすればよいですか?
まず販売を直ちに停止します。継続は故意の証拠になり刑事リスクを自ら高めます。次に弁理士に類似範囲の鑑定を依頼し、非類似なら反論、侵害が明白なら早期の和解・ライセンス交渉が刑事回避の最善手です。
Q8間接侵害(みなし侵害)と直接侵害の違いは何ですか?
自ら侵害品を製造・販売するのが直接侵害で69条(10年以下)の対象です。侵害の準備行為など38条のみなし侵害は本条から除かれ、より軽い69条の2で処理されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1他社の製品をちょっとだけデザインを変えて売れば、意匠権侵害にならないんですよね?
残念ながら、それは危険な思い込みだ。意匠権は同一の意匠だけでなく類似の意匠にも及ぶ(意匠法23条)。色やサイズ、細部の変更程度では「類似」と判断され侵害になることが多い。実務のポイント:類似かどうかは需要者(一般消費者)が見て混同するかが基準で、専門家でも判断が割れる。だからこそ自己判断せず弁理士の鑑定書を取ることが、後で刑事の故意を否定する最強の防御になる
Q2知らずにコピー品を仕入れて売っていた場合でも逮捕されますか?
意匠権侵害罪は故意犯なので、本当に知らなければ刑事責任は問われない。ただし問題は警告を受けた後だ。意匠登録番号を明示した警告書を受け取った後も販売を続ければ、その時点から故意が認定される(意匠法69条)。実務のポイント:仕入れ先との契約書に「権利侵害がないことの保証」条項を入れておくと、万一のとき仕入れ先に責任を転嫁でき、自分の故意も否定しやすくなる。これを入れている小売は驚くほど少ない
Q3会社でやったことなら、社長個人は罪に問われないですよね?
逆だ。実際に侵害行為を指示・実行した個人が69条で処罰され、さらに両罰規定(意匠法74条)で法人にも最大3億円の罰金が科される。つまり社長個人と会社の両方が処罰されうる。実務のポイント:両罰規定は法人の罰金額が個人よりはるかに高く設定されている。捜査機関は資力のある法人を狙う傾向があり、「会社の判断だった」という説明はむしろ法人処罰の根拠を補強してしまう。経営者は個人と法人の二重リスクを前提に動くべきだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「デザインを真似ても、せいぜい損害賠償を払えば済む」と思われているが、意匠法69条は最長10年の拘禁刑を定める立派な刑事犯罪だ。問題はいくら払うかではなく、前科がつくかどうかにある
- 意匠権の存在は知っていても、その射程の広さを甘く見ている人が多い。意匠権は「全く同じ」だけでなく「類似」の範囲まで及ぶ(意匠法23条)。色違い、サイズ違い、細部を少しいじっただけでは逃れられない。「ちょっと変えたから大丈夫」という自己判断こそ最も危ない
- 「知らずに売っただけだから罪にならない」と考えるが、法律から見ると焦点は警告を受けた後の行動だ。あなたから見れば善意の販売でも、意匠登録番号を示された警告書を受け取った後も売り続ければ、その時点から故意の侵害になる。善意と悪意の分かれ目は、最初の仕入れではなく警告の瞬間にある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象行為 | 69条:意匠権・専用実施権の直接侵害(自ら製造・販売) | 69条の2:38条のみなし侵害(間接侵害) 37条:侵害に対する差止請求(民事救済) |
| 性質と重さ | 刑事罰・10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金 | 刑事罰だがより軽い(5年以下の拘禁刑等) 民事・刑罰なし(販売停止・廃棄の請求) |
| 併用の可否 | 民事の差止(37条)・賠償(39条)と同時進行が可能 | 直接侵害に至らない準備行為等を捕捉 刑事告訴と別軌道で並行して行使できる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は製品デザインを設計専利として専利法で保護するが、専利権侵害の刑事罰は2003年に廃止され、現在は民事救済(差止・損害賠償)のみ。刑事罰がある日本と根本的に異なる
韓国はデザイン保護法に独立の侵害罪を置き、刑事罰を科す点で日本に近い。故意侵害を処罰する構造も類似する
ドイツも意匠法に刑事罰規定を持ち、故意の侵害に自由刑または罰金を科す。EUの共同体意匠制度と併存する二層構造が特徴
米国はデザインをdesign patentで保護するが、特許侵害に刑事罰はなく民事救済のみ。§289は侵害者の総利益の吐き出しという独特の救済を認める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 海外の展示会で見たおしゃれな雑貨を、ほぼ同じ形で自社製品化し全国の小売店に卸した。半年後、元のメーカーから警告書が届く。彼らはその形状を意匠登録していた。あなたは侵害の行為者であり、損害賠償請求だけでなく刑事告訴のリスクも背負う。卸した数量が多いほど、検察が動く可能性は上がる
- もし、あなたが仕入れた商品が実は他社の登録意匠を侵害したコピー品だったとしたら? 知らずに売っていた段階では故意がないが、意匠権侵害罪は故意犯なので、警告を受けて侵害を知った後も売り続ければ、その時点から故意が認定されうる。警告書を受け取った瞬間が、あなたの故意の起点になる
- 競合がうちの看板商品をそっくり真似て安売りしている。これは民事の差止(37条)だけでなく、意匠法69条による刑事告訴も選択肢に入る。刑事と民事は別軌道で同時に走らせられる
- 警告書に「7日以内に販売を停止し回答せよ」とある。残された時間は一週間。在庫を売り切ってしまえばいいと考えるのは最悪手だ。警告後の販売継続は故意の証拠になり、自分の手で刑事リスクを引き上げることになる。今夜のうちに販売停止と弁理士相談に動くかどうかが分水嶺だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 侵害品を発見したら購入して証拠保全。製品・パッケージ・販売ページのスクショ・購入日を記録2. 自社の意匠登録番号と侵害品を対比し、弁理士に類似性の鑑定を依頼3. 内容証明郵便で意匠登録番号を明示し販売停止を要求、相手の故意を立証する土台を作る4. 民事は差止請求(意匠法37条)と損害賠償(同39条の損害額推定)、刑事は警察・検察への告訴。意匠権侵害は非親告罪なので告訴がなくても捜査は可能だが、告訴があれば動きやすい
訴えられた側:1. 警告書を受け取ったら、まず販売を停止する。継続は故意の証拠になり刑事リスクを自ら高める2. 弁理士に意匠の類似範囲を鑑定させ、本当に侵害かを確認、非類似なら反論の余地がある3. 自社の行為が間接侵害(意匠法38条のみなし侵害)に当たる場合は、より軽い69条の2の射程であり、69条本体ではない4. 侵害が明白なら早期の和解・ライセンス交渉が刑事回避の最善手。法人なら両罰規定(同74条)で会社にも罰金が及ぶ点を経営判断に入れる
時効(請求できる期限):公訴時効は7年(刑事訴訟法250条2項、長期10年の拘禁刑にあたる罪)。起算点は犯罪行為が終わった時(同253条)、継続的な販売の場合は最後の販売時から進行する。民事の損害賠償請求権の消滅時効は別途、損害および加害者を知った時から3年(民法724条)
学説
通説:意匠権侵害罪は故意犯であり、侵害の認識が必要とされる。類似の判断は需要者の視覚を通じた美感を基準とし、意匠の要部(看者の注意を最も惹く部分)を中心に全体観察して混同のおそれを問う。間接侵害(38条みなし侵害)は本条から除かれ69条の2で処理される点に注意が必要である。
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年) 知的財産権の保護強化に伴う罰則強化。意匠権侵害罪の拘禁刑(当時は懲役)の上限と罰金額を引き上げ、拘禁刑と罰金の併科を可能とした
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 「懲役」を「拘禁刑」に変更。懲役と禁錮を統合する刑法改正に連動した文言改正
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 改正:知的財産権保護強化に伴う罰則強化。意匠権侵害罪の自由刑の上限と罰金額を引き上げ、自由刑と罰金の併科を可能とした
- 2.令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 改正:刑法改正で懲役と禁錮を統合し「拘禁刑」を新設したことに連動し、本条の「懲役」を「拘禁刑」に文言変更
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