意匠法 第73条の2(秘密保持命令違反の罪)
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- 第四十一条において準用する特許法第百五条の四第一項(第六十条の十二第二項において読み替えて準用する同法第六十五条第六項において準用する場合を含む。)の規定による命令に違反した者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 2.前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
- 3.第一項の罪は、日本国外において同項の罪を犯した者にも適用する。
この条文の基本情報
秘密保持命令違反の罪とは何ですか?
定義秘密保持命令違反の罪とは、意匠法第73条の2に定められた規定で、「第四十一条において準用する特許法第百五条の四第一項(第六十条の十二第二項において読み替えて準用する同法第六十五条第六項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 意匠法第73条の2(秘密保持命令違反の罪)は、日本の意匠法に含まれる条文です。
- 意匠法第73条の2の条文原文は「第四十一条において準用する特許法第百五条の四第一項(第六十条の十二第二項において読み替えて準用する同法第六十五条第六項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 意匠法第73条の2は第八章に置かれています。
- 意匠法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 意匠法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 意匠法第73条の2の前の条は意匠法第73条です。
- 意匠法第73条の2の次の条は意匠法第74条です。
- 意匠法第73条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第73条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000125 - 本サイト収録
意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第73条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000125/73_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点意匠法73条の2は、秘密保持命令に違反した者を5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に処すと定める。本罪は親告罪で、日本国外で犯した者にも適用される。
Q · 意匠の裁判で相手の秘密を見たあと、うっかり社内で話したら罪になるの?
なりえます。命令の名宛人本人が最大5年の拘禁刑です
意匠法73条の2により、同法41条が準用する特許法105条の4の秘密保持命令に違反した者は、5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に処せられ、両者を併科される場合もあります。処罰されるのは命令の名宛人本人であり、会社の指示で行った社員個人も対象です。本罪は親告罪(告訴がなければ起訴不可)ですが、第3項により日本国外で漏らした者にも適用されるため、海外の親会社へのメール送信も射程に入ります。
解説
意匠をめぐる訴訟で、相手方の図面や製造ノウハウを法廷で見る立場になったとする。裁判所はその瞬間、あなたに「秘密保持命令」を出せる。意匠法41条が特許法105条の4を準用する仕組みで、命令を受けた者は、訴訟で知った営業秘密を訴訟目的以外に使ったり、第三者に漏らしたりしてはならない。問題は違反したときの重さだ。5年以下の拘禁刑(前科がつく刑事罰、刑務所行き)、または500万円以下の罰金、しかも両方を科される場合がある。さらに見落としがちなのが第3項。日本国外で漏らしても適用される。海外の親会社に「参考までに」とメールした瞬間、あなた個人が国外犯として処罰対象になる。会社ではなく、命令を受けたあなた個人が、だ。
法的な位置づけ
意匠法73条の2は、意匠訴訟で発令された秘密保持命令(同法41条が準用する特許法105条の4)に違反した者に対する罰則を定める規定である。法定刑は5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金で、両者の併科も認められる。本罪は親告罪であり、かつ日本国外で犯した者にも適用される。
よくある質問 AI による整理
Q1秘密保持命令とは何ですか?
裁判所が訴訟で開示された営業秘密を保護するため、知り得た者に対し訴訟目的外の使用と第三者への開示を禁じる命令です。意匠訴訟では意匠法41条が特許法105条の4を準用します。
Q2秘密保持命令違反の罰則は?
意匠法73条の2により、5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金、もしくはその併科です。前科のつく刑事罰で、命令の名宛人本人が処罰対象になります。
Q3秘密保持命令違反は親告罪ですか?
親告罪です。意匠法73条の2第2項により、告訴がなければ公訴を提起できません。被害者が告訴しない限り刑事手続は始まりません。
Q4誰が秘密保持命令の名宛人になりますか?
訴訟の当事者だけでなく、その従業員、訴訟代理人、補佐人、専門委員など命令を受けた者すべてです。書類を閲覧した一社員も射程に入ります。
Q5秘密保持命令は訴訟が終わると消えますか?
自動的には消えません。特許法105条の5を準用する取消しの裁判を経ない限り効力が続くため、終結後に流用すれば違反が成立しうります。
Q6海外で漏らしても処罰されますか?
されます。意匠法73条の2第3項が国外犯規定を置いており、日本国外で漏らした者にも適用されます。海外の親会社への送信も対象です。
Q7秘密保持命令違反の公訴時効は?
法定刑(拘禁刑5年以下)に対応し、犯罪行為終了時から5年とされます(刑事訴訟法250条、最新の改正状況をご確認ください)。
Q8意匠法と特許法の秘密保持命令違反は同じですか?
罰則の構造はほぼ同一です。意匠法73条の2と特許法200条の2が対応し、いずれも5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金、親告罪・国外犯規定を備えます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社の指示で漏らした場合でも、社員個人が罰せられるんですか?
はい。秘密保持命令の名宛人になった個人が直接の処罰対象です。命令を受けた本人の刑事責任が問われ、上司の指示は犯罪不成立の理由にはなりにくいです。実務のポイント:会社は罰金を実質的に負担できても、拘禁刑は肩代わりできません。命令を受けたら、たとえ業務命令でも、対象情報の社外共有は自分の名前で拒否した記録を残しておくべきです。それが後に故意の不存在や責任減免を主張する材料になります。
Q2訴訟が終わったら、見た情報を自由に使っていいんですよね?
いいえ。秘密保持命令は訴訟の終結で自動的には消えません。取消しの裁判(特許法105条の5の準用)を経ない限り効力が続くため、終結後に使えば違反が成立しうります。実務のポイント:実務では、相手が訴訟記録の閲覧制限解除を申し立て、それを知った側が取消しを請求する流れがあります。終わったから大丈夫と思い込んで開発へ流用するのが最も典型的な事故です。終結イコール解禁ではない、と覚えておいてください。
Q3海外の本社に報告しただけでも罪になるんですか?
なりえます。第3項が国外犯を明文で定めており、日本国外で漏らした者にも適用されます。海外の親会社へのメール送信も、保護対象情報を含めば処罰対象です。実務のポイント:グローバル企業の知財訴訟で最も見落とされるのがこの点です。海外法務とのレポートライン上で保護対象資料が無意識に共有されがちなので、命令を受けたら社内の海外共有フローを一度止め、何が対象かを切り分ける作業が必須です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「営業秘密を漏らす罪なら不正競争防止法の話で、意匠法は関係ない」と問いを立てがちだが、その前提が間違っている。訴訟の場で出た秘密を守らせるのは各知財法の中の秘密保持命令制度であり、意匠訴訟ならこの意匠法73条の2が直接効く
- 命令違反が犯罪だと知っていても、その深刻度を見誤っている人が多い。これは過料のような行政上のペナルティではなく、5年以下の拘禁刑という前科のつく刑事罰だ。さらに第1項は罰金との併科を認めており、刑務所と500万円の両方が科される設計になっている
- あなたから見れば「会社の業務でやったこと」でも、刑法から見れば命令の名宛人である「あなた個人」の犯罪だ。会社が罰金を肩代わりしても、拘禁刑はあなた自身が負う。この落差を知らずに業務として漏らすと、個人が前科を背負う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 罰する対象 | 意匠法73条の2:秘密保持命令違反 | 意匠法69条:意匠権侵害罪(現行効力を要確認) 特許法200条の2:特許訴訟の秘密保持命令違反 |
| 法定刑 | 5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金、併科あり | 意匠権の侵害に対する刑事罰(条文・現行効力を要確認) 5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金、併科あり |
| 親告罪か | 親告罪(告訴がなければ起訴不可) | 意匠権侵害罪は非親告罪化された部分あり(要確認) 親告罪(告訴がなければ起訴不可) |
| 国外犯 | 適用あり(第3項) | 原則として属地的 適用あり |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も知財訴訟で秘密保持命令を発令でき、違反には刑事罰を科す。日本と同様、訴訟で開示された営業秘密の保護を刑罰で担保する構造
韓国も特許法・デザイン保護法で秘密保持命令と違反罪を整備。日本の制度と近い設計で、訴訟外利用と開示を禁じる
ドイツは営業秘密保護法で裁判手続上の秘密保護を定め、違反に刑事罰を科す。手続的保護と罰則の組み合わせは日本と類似
米国は刑罰ではなく法廷侮辱(contempt of court)で実効性を担保する点が異なる。違反者は制裁金や拘禁の対象になりうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは会社の知財担当として意匠侵害訴訟に関わり、相手方の金型設計図を秘密保持命令付きで閲覧した。後日、開発部の同僚に「あの会社、こういう作り方してたよ」と雑談で漏らした。同僚は命令の名宛人ではない。この一言が違反になりうる
- もし、訴訟が終わったあと、知り得た営業秘密を自社製品の開発に使ったら? 命令の効力は訴訟終結で自動的に消えるわけではない。取消しの手続を経ない限り、使った瞬間に違反が成立しうる
- 専門委員や補佐人として呼ばれ、相手の技術情報を見た。別の会社の顧問業務で、その知見をうっかり活かした。それも射程に入る
- 海外の親会社から「日本の訴訟で何が出た?」と聞かれ、保護対象の資料を添付して送信。あと数日で相手が告訴に動くという情報が入った。第3項の国外犯規定により、海外にいても、海外で送っても、処罰を免れない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏洩の事実と経路を証拠化する。誰が、いつ、どの保護対象情報を、誰に開示したか、メールやアクセスログを確保2. これは親告罪なので、告訴しない限り刑事手続は動かない。告訴するか、それを交渉カードに使うかを戦略的に決める3. 告訴は犯人を知った日から6か月以内(刑事訴訟法235条)。期間を逃すと刑事責任を問えなくなる4. 並行して、命令違反を理由とする損害賠償・差止め等の民事手段も検討する
訴えられた側:1. 自分が本当に命令の名宛人だったか、扱った情報が命令の対象範囲内だったかを精査する。範囲外なら違反は成立しない2. 行為時点で命令が既に取り消されていなかったか確認(特許法105条の5の準用) 3. 故意の有無が争点。命令対象と認識せず扱った場合は故意阻却を主張する余地がある4. 親告罪なので、被害者との示談で告訴の取下げ(第一審判決前まで可能)を目指すのが現実的な出口
時効(請求できる期限):親告罪のため、告訴は犯人を知った日から6か月以内(刑事訴訟法235条)。この期間を過ぎると告訴できず、起訴も不可能になる。公訴時効は法定刑(拘禁刑5年以下)に対応し、犯罪行為終了時から5年(刑事訴訟法250条2項、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本罪の名宛人は訴訟当事者に限られず、その従業員・代理人・補佐人・専門委員など秘密保持命令を受けた者を広く含むと解される。命令が取消し(特許法105条の5準用)を経ずに効力を有する限り、訴訟終結後の利用・開示も違反を構成しうるとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 知的財産訴訟の証拠収集手続強化の一環として、秘密保持命令制度(特許法105条の4等)とその違反に対する罰則が各知財法に新設された。意匠法における本罪もこの流れで整備された(新設の年次・経緯は人的検証が必要)
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正に伴う懲役・禁錮の拘禁刑への統合に合わせ、法定刑の表記が「拘禁刑」に改められた(条文原文に反映済み)
改正の年表
- 1.平成16年(2004年) 新設:知的財産訴訟の証拠収集手続強化の一環として、秘密保持命令制度(特許法105条の4等)とその違反に対する罰則が各知財法に整備され、意匠法における本罪も設けられた(新設の年次・経緯は人的検証が必要)
- 2.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年6月1日)施行 改正:刑法改正に伴う懲役・禁錮の拘禁刑への統合に合わせ、法定刑の表記が「拘禁刑」に改められた(条文原文に反映済み)
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