商標法 第58条
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- 審判の請求人及び被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的をもつて審決をさせたときは、その第三者は、その確定審決に対し再審を請求することができる。
- 2.前項の再審は、その請求人及び被請求人を共同被請求人として請求しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第58条は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第58条の条文原文は「審判の請求人及び被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的をもつて審決をさせたときは、その第三者は、その確定審決に対し再審を請求することができる。」で始まります。
- 商標法第58条は第六章に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第58条の前の条は商標法第57条です。
- 商標法第58条の次の条は商標法第59条です。
- 商標法第58条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第58条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第58条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/58
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法58条は、審判の請求人と被請求人が共謀して第三者を害する目的で審決をさせた場合、その第三者が確定審決に再審を請求できると定める規定である。
Q · 審判の当事者でもない私が、共謀で仕組まれた商標の無効審決をひっくり返せるの?
共謀と加害目的を立証できれば、第三者でも再審を請求できる
商標法58条により、審判の請求人と被請求人が共謀して第三者の権利又は利益を害する目的で確定審決を得たとき、その第三者は再審を請求できます。確定審決は本来当事者しか争えませんが、共謀による加害という例外に限り、蚊帳の外にいた第三者こそが救済の対象になります。ただし「共謀」と「加害目的」を、審判の外にいた請求人自身が立証しなければなりません。再審は共謀した両当事者を共同被請求人として請求する必要があり(同条2項)、片方だけ相手取ると不適法で却下されます。
解説
あなたが苦労して育てたブランドのライセンスを受け、店舗まで構えたとする。ある日、その商標が特許庁の審判で無効になったと知らされる。だが調べてみると、商標権者と無効審判を起こした相手は、もともと裏でつながっていた。あなたのライセンスを消すために、わざと無効審決を取りに行ったのだ。普通なら、審判の当事者ですらないあなたは手も足も出ない。確定した審決は動かせないのが原則だからだ。だが商標法58条は、その例外を一つだけ開けている。審判の請求人と被請求人が共謀して、第三者であるあなたの権利や利益を害する目的で審決をさせたとき、あなたはその確定審決に対して再審を請求できる。蚊帳の外にいたあなたが、確定した行政審判をひっくり返せる、数少ない隠し扉である。ただし条件は厳しい。共謀と加害目的を、外部にいたあなた自身が立証しなければならない。
法的な位置づけ
商標法58条は詐害審決に対する第三者の再審を定める規定である。審判の請求人と被請求人が共謀し、第三者の権利又は利益を害する目的で確定審決を得た場合に限り、審判の当事者でない第三者に再審請求権を認める。再審は共謀した請求人と被請求人を共同被請求人として請求することを要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.共謀を疑ったら証拠保全を最優先 詐害を疑った瞬間に、当事者間のメール、契約、金銭授受、審判記録での不自然な争点放棄を確保する。証拠は審決確定の直後が最も集めやすく、時間が経つほど痕跡が消える
- 2.共謀と加害目的の間接証拠を体系化 再審の核心は「共謀」と「第三者の権利・利益を害する目的」の二点。本来争うべき争点の放棄、当事者間の従前の関係、審決後の利益の偏りを並べ、加害目的を推認させる構成を作る
- 3.請求人・被請求人を共同被請求人として再審請求 再審請求は、共謀した請求人と被請求人の双方を共同被請求人として行う(58条2項)。片方だけ相手取ると中身に入る前に不適法で却下される。請求書の構成を最初に誤らない
- 4.除斥期間が迫る場合は期間内に請求し後補強 再審の理由を知った日から30日、確定審決から3年の期間が迫る場合は、立証準備が完璧でなくても期間内に請求し、後から証拠を補強する戦略を弁護士・弁理士と詰める
よくある質問 AI による整理
Q1詐害審決とは何ですか?
審判の請求人と被請求人が共謀し、第三者の権利又は利益を害する目的でわざと得た確定審決のことです。商標法58条は、その被害者である第三者に再審の道を開いています。
Q2商標法58条の再審はいつまでに請求できますか?
商標法61条が準用する特許法173条により、原則として再審の理由を知った日から30日以内、かつ確定審決の日から3年(除斥期間)です。過ぎると請求できません。
Q3共同被請求人として請求するとはどういう意味ですか?
共謀した請求人と被請求人の双方を、まとめて相手方として再審を起こすことです(58条2項)。片方だけを相手取ると不適法で却下されます。
Q4詐害審決の再審と通常の無効審判はどう違いますか?
無効審判は商標を消す手続きで誰でも当事者になれますが、58条の再審は確定した審決を共謀被害者の第三者が事後に覆す例外的な手続きです。
Q5共謀の証拠はどうやって集めればいいですか?
当事者間のメール、不自然な金銭授受、審判での争点放棄の不自然さなどを並べます。証拠は審決確定直後が最も集めやすく、時間が経つほど消えます。
Q6特許や意匠にも同じ再審制度はありますか?
あります。特許法172条、意匠法53条が同じ詐害審決の再審を定めており、制度の構造は商標法58条とほぼ同一です。
Q7再審で審決が覆ると商標権は復活しますか?
再審で無効審決が取り消されれば商標権は復活し得ます。ただし商標法59条により、回復した商標権の効力には一定の制限がかかります。
Q8ライセンシーでも詐害審決の再審を請求できますか?
ライセンスや共有持分など、審決によって権利・利益を害された第三者であれば請求できます。当事者でなかったことがむしろ救済の資格になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審判の当事者でもない私が、どうして特許庁の審決に再審を起こせるんですか?
商標法58条が、共謀による加害という例外的状況に限って、第三者であるあなたに再審請求権を認めているからだ。通常、確定審決は当事者しか争えない。だが請求人と被請求人が手を組んで、わざとあなたの権利を害したなら、蚊帳の外にいたあなたこそが救済の対象になる。実務のポイント:この再審は、共謀した二人を一緒に被請求人として請求しなければならない(58条2項)。片方だけ狙うと中身に入る前に却下される。最初の請求の組み立てを間違えると、勝てる事件でも門前払いになる
Q2共謀なんて普通は証拠を残さないですよね。どうやって立証するんですか?
直接の自白がなくても、間接証拠の積み重ねで認定されうる。本来争うべき争点をあっさり認めた不自然さ、当事者間の従前の関係、金銭の流れ、審決後に双方が得た利益の偏り、これらを並べて加害目的を推認させる。実務のポイント:共謀立証の勝負は審決確定の直後に決まる。時間が経つほどメールも記憶も消えていく。怪しいと思った瞬間に、弁護士と弁理士の双方へ同時に相談し、証拠保全を先に動かすのが実務の鉄則だ。動き出しの一週間が、三年後の結論を左右する
間違えやすい点 AI による整理
- 「審判の当事者じゃないから、結果に文句は言えない」と思い込んでいる。だが共謀による加害があった場合に限り、当事者でない第三者こそが再審を請求できる唯一の立場になる。蚊帳の外にいたことが、むしろ救済の資格になる
- 再審できると知っていても、その立証ハードルの高さを甘く見ている人が多い。「共謀」と「加害目的」という主観的要件を、審判の外にいたあなたが客観証拠で固めなければならない。相手が不正をやったという心証だけでは、扉は開かない
- 「無効になった商標は、もう価値がない」と問いを立てる人がいるが、問いそのものがずれている。58条の世界で守るべきは商標そのものではなく、その商標に紐づいたあなたの利益、つまりライセンス、共有持分、取引上の地位だ。審決が不正なら、その利益ごと巻き戻る余地がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続きの性質 | 58条:詐害審決に対する第三者の再審 | 57条:再審の請求と民訴再審事由の準用 46条:商標登録の無効審判 |
| 請求できる者 | 共謀により権利・利益を害された第三者 | 原則として審判の当事者 利害関係人(無効審判の請求人) |
| 中心的要件 | 請求人・被請求人の共謀+第三者への加害目的 | 民訴338条の再審事由 商標登録の無効理由の存在 |
| 相手方の構成 | 共謀した請求人・被請求人を共同被請求人とする | 原審決の相手方当事者 商標権者 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾は商標について評定・異議制度を置き、確定した行政審決に対する第三者救済は行政訴訟法の再審規定に依拠する。日本のような商標法内の詐害審決再審の専条は明確でない
韓国は日本法を範としており、特許法179条の詐害審決(사해심결)再審を商標にも準用する。共謀・加害目的を要件とする構造は日本商標法58条と類似する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが独占的ライセンスを受けて全国展開していたブランドの商標が、ある日の無効審決で根こそぎ消えた。商標権者は別の会社が起こした無効審判であっさり負けていたが、その会社は権利者の関連会社だった。あなたのライセンスごと潰すための出来レースだったのだ。58条はこの一手のために存在する。請求人と被請求人を共同被請求人として再審を起こせば、審決そのものを巻き戻せる
- あなたが商標権の共有者だったとする。もう一人の共有者が、邪魔なあなたの持分を実質無力化するため、知人に無効審判を起こさせ、争点をわざと放棄して無効審決を取りに行った。共有者間の信頼を逆手に取った加害行為だが、共謀の痕跡さえ押さえれば、当事者でないあなたが再審で覆せる
- もし、確定した無効審決の裏に共謀があったと気づいたのが、審決確定から2年11か月後だったら? あなたに残された時間はわずか。除斥期間を過ぎれば、どれだけ明白な共謀でも再審の扉は永久に閉じる
- あなたが商標権者で、契約解除に応じないライセンシーを切るために、知人の会社に頼んで形だけの無効審判を起こさせ、わざと負けた。一見うまく片付いたように見えるが、58条がある限りその審決は砂上の楼閣だ。メールや報酬の流れから共謀が露見すれば、再審で全部ひっくり返り、あなたはかえって背任や損害賠償のリスクを背負う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 共謀を疑った瞬間に証拠保全を最優先。当事者間のメール、契約、金銭授受、審判記録での不自然な争点放棄を確保する2. 再審の核心は「共謀」と「あなたの権利・利益を害する目的」の二点。これを推認させる間接証拠を体系的に並べる3. 再審請求は、請求人と被請求人の双方を共同被請求人として行わなければならない(58条2項)。片方だけ相手取ると不適法で却下される4. 除斥期間が迫っている場合は、立証準備が完璧でなくても期間内に請求し、後から補強する戦略を弁護士・弁理士と詰める
訴えられた側:1. まず「共謀」の事実そのものを否認できるか検証。正当な無効理由に基づく審判であれば、結託の不存在を主張する2. 「第三者を害する目的」がなかったこと、審決が客観的に正当な結論であったことを立証する3. 再審請求が再審期間(特許法173条準用)を徒過していれば、期間徒過を理由に却下を求める4. 共同被請求人の構成に瑕疵があれば、その不適法も争点にする。ただし共謀の物証が出ている場合は、再審後の賠償・刑事リスクを見据えた早期対応を検討する
時効(請求できる期限):再審の請求は、商標法61条が準用する特許法173条により、原則として再審の理由を知った日から30日以内、かつ確定審決の日から3年を経過すると請求できない(除斥期間)。詐害審決の第三者は審判の当事者でないため、起算点の解釈に注意を要する(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:商標法58条の詐害審決再審は、確定審決の安定性を貫けば不正の追認になる場面を是正する例外規定と解される。共謀と加害目的という主観的要件を限定的に絞り、かつ再審期間で窓を狭く閉じることで、第三者救済と法的安定性の両立を図ると説明される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行商標法(昭和34年法律第127号)の制定に伴い、特許法172条と同一構造の詐害審決再審規定として整備された。
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