商標法 第65条の4
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- 審査官は、防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録の出願が次の各号の一に該当するときは、その出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
- 一その出願に係る登録防護標章が第六十四条の規定により防護標章登録を受けることができるものでなくなつたとき。
- 二その出願をした者が当該防護標章登録に基づく権利を有する者でないとき。
- 2.審査官は、防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録の出願について拒絶の理由を発見しないときは、更新登録をすべき旨の査定をしなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第65条の4は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第65条の4の条文原文は「審査官は、防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録の出願が次の各号の一に該当するときは、その出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。」で始まります。
- 商標法第65条の4は第七章に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第65条の4の前の条は商標法第65条の3です。
- 商標法第65条の4の次の条は商標法第65条の5です。
- 商標法第65条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第65条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第65条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/65_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法65条の4は、防護標章の更新登録出願について、登録標章が64条の著名性を欠く場合または出願人が権利者でない場合に審査官が拒絶査定をすると定める。
Q · 防護標章は一度登録すれば、ブランド名は永久に守られるの?
いいえ。更新審査で著名性を再評価されます
守られません。防護標章には存続期間があり、更新登録の出願時に審査官が改めて審査します(商標法65条の4)。拒絶理由は二つで、登録防護標章が64条の著名性要件を満たさなくなったとき(1項1号)、または出願人が当該権利者でないとき(1項2号)です。逆に拒絶理由がなければ更新登録の査定がされます(2項)。つまり防護標章は『著名であり続ける限り有効』の条件付き装備であり、ブランドの知名度が落ちれば更新は通りません。
解説
あなたの会社が育てた著名ブランド、その名前を他社が全く別の商品で使うのを防ぐ盾、それが防護標章だ。本来の商標は実際に使っている商品にしか効かないが、防護標章は使っていない分野にまで網を広げて他社の登録を排除する。だが多くの法務担当者が見落とすのは、この盾には10年の期限があり、更新審査を通らなければ静かに消えるという事実。商標法65条の4は、その更新審査で審査官が何を見るかを定めている。拒絶される理由は二つだけ。一つ、ブランドが64条の著名性要件を満たさなくなったとき。二つ、出願した者が権利者でないとき。つまり、いったん防護標章を取っても、ブランドの知名度が落ちれば更新は通らない。盾は「永久保証」ではなく「著名であり続ける限り有効」の条件付き装備なのだ。
法的な位置づけ
商標法65条の4は、防護標章登録に基づく権利の存続期間の更新登録の出願に対する審査官の査定基準を定める規定である。登録防護標章が64条の著名性要件を満たさなくなったとき、または出願人が当該権利を有しないときは拒絶査定をし、拒絶理由がなければ更新登録をすべき旨の査定をしなければならない。著名性の再審査を更新の条件とする点に特徴がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.満了日と著名性資料の棚卸し 防護標章の管理台帳で登録日だけでなく満了日を確認し、満了前6か月から満了日までの出願窓口(商標法65条の3)を逃さないよう逆算する。同時に64条の著名性を示す資料の有無を点検する
- 2.著名性立証資料の体系的蓄積 売上推移、広告費、認知度調査、メディア掲載、市場シェアなど著名性を裏付ける資料を継続的に整理・保管する。更新出願時に審査官が著名性を疑った場合、即座に提出できる体制を整える
- 3.権利者名義の確認・移転登録 M&Aや事業譲渡で防護標章を取得した場合、更新出願の前に移転登録を完了させる。名義が前権利者のままだと65条の4第1項2号で拒絶されるため、登録原簿の名義を正してから出願する
- 4.拒絶理由通知への意見書・補正対応 拒絶理由通知を受けたら1項1号(著名性喪失)か2号(権利者でない)かを特定し、著名性が争点なら売上・広告・市場調査・メディア掲載を総動員して意見書・補正で反論する
- 5.拒絶査定後の不服審判請求 それでも拒絶査定が出たら、謄本送達があった日から3か月以内に商標法44条の拒絶査定不服審判を請求する。この期間内に著名性の追加立証を固められるかが分水嶺になる
よくある質問 AI による整理
Q1防護標章の更新が拒絶される理由は何ですか?
二つだけです。登録防護標章が64条の著名性要件を満たさなくなったとき(65条の4第1項1号)、または出願人が当該権利者でないとき(同2号)です。それ以外の理由では拒絶できません。
Q2防護標章 更新 いつまでですか?
更新登録の出願は存続期間の満了前6か月から満了日までが原則です(商標法65条の3)。満了後の救済は極めて限定的なので、満了日の管理が実務上の要です。
Q3防護標章とは何ですか?
著名な登録商標について、実際に使っていない商品・役務の分野まで他人の登録を排除する盾です(商標法64条)。本来の商標権より広く網を張れる代わりに、著名性の維持が条件になります。
Q4防護標章の更新審査で著名性は再評価されますか?
されます。過去に登録できた事実は更新を保証せず、審査官は更新出願時点で64条の著名性を白紙で判断します。広告縮小や売上減で知名度が落ちると更新が通らない可能性があります。
Q5防護標章の更新が拒絶されたら覆せますか?
覆る余地があります。拒絶査定の謄本送達から3か月以内に拒絶査定不服審判を請求でき(商標法44条)、著名性の追加立証で再評価を求められます。期限経過後は救済が限定されます。
Q6防護標章が失効すると本体の商標権も消えますか?
消えません。失効するのは未使用分野まで広げた防護の網だけで、指定商品・役務に係る本体の商標権はそのまま存続します。守りの範囲が狭まるだけです。
Q7M&Aで防護標章を取得したら更新前に何が必要ですか?
権利の移転登録を済ませることです。登録名義が前権利者のままだと、更新出願時に『出願人が権利者でない』として65条の4第1項2号で拒絶されます。
Q8防護標章 更新 必要書類は何ですか?
更新登録願に加え、著名性を裏付ける資料(売上推移、広告費、認知度調査、メディア掲載等)を備えておくと、審査官が著名性を疑った際に即座に反論できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1防護標章って普通の商標と何が違うんですか?
普通の商標は実際に使っている商品・サービスにしか効きませんが、防護標章は著名なブランドに限り、使っていない分野まで他社の登録を防ぐ網を広げます(商標法64条)。ただし更新審査(65条の4)で著名性が再評価されるのが落とし穴です。実務のポイント:防護標章が登録されている事実は、そのブランドが特許庁に「著名」と認められた証明書として、別の商標紛争でも有利な材料に使える
Q2更新を拒否されたら、もうそのブランドは守れないんですか?
いいえ。拒絶査定が出ても、謄本送達から3か月以内なら商標法44条の拒絶査定不服審判で争えます。著名性の立証が足りなかっただけなら、追加資料で覆る余地があります。実務のポイント:防護標章が失効しても、元の本体商標(指定商品の登録)はそのまま生きています。守りの範囲が狭まるだけなので、更新拒絶を過度に恐れるより、本体商標の維持と著名性証拠の蓄積を優先するのが実務の定石
間違えやすい点 AI による整理
- 「防護標章を登録すれば、ブランド名は永久に守られる」と思っている企業が多いが、防護標章には10年の存続期間があり、更新審査を通らなければ失効する。しかも更新のたびに著名性が再審査されるので、ブランドの勢いが落ちれば盾は更新できない
- あなたから見れば「うちの有名ブランドなんだから当然守られる」だが、審査官から見れば、更新出願の時点で64条の著名性を満たすかを白紙で判断する。過去に登録できた事実そのものは、更新を一切保証しない。この認識のズレが、更新拒絶という不意打ちを生む
- 「防護標章が拒絶されたら、もう打つ手はない」と諦める人がいるが、問いの立て方が違う。拒絶査定に対しては商標法44条で拒絶査定不服審判を請求できる。著名性の立証が足りなかっただけなら、審判で追加資料を出して覆せる余地がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 審査の対象 | 65条の4:防護標章の更新登録出願(著名性の再審査) | 15条:通常の商標登録出願の拒絶査定 64条:防護標章登録の要件(著名性)そのもの |
| 拒絶理由の数 | 二つに限定(著名性喪失/出願人が権利者でない) | 識別力欠如・先願・不登録事由など多数 著名性・出所混同のおそれ等の登録要件 |
| 効力の範囲 | 未使用分野まで他人の登録を排除する網を維持 | 指定商品・役務の範囲で商標権が発生 著名商標を未使用分野でも守る盾を新規に取得 |
| 拒絶への救済 | 44条の拒絶査定不服審判(謄本送達から3か月) | 44条の拒絶査定不服審判(謄本送達から3か月) 出願段階での意見書・補正 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2003年改正で防護商標・聯合商標制度を廃止し、現在は著名商標の希釈化防止(70条)で同種の課題を規律する。更新審査という形式はとらない
韓国は著名商標を登録の絶対的拒絶事由として保護する。日本の防護標章のような独立した更新審査制度とは構造が異なる
ドイツは著名商標(bekannte Marke)の拡張保護を侵害規定で実現し、未使用分野での独占を更新審査で管理する制度はとらない
米国は famous mark の dilution(希釈化)を訴訟ベースで保護し、防護登録の更新審査ではなく裁判での著名性立証が中心となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 防護標章の存続期間満了まであと半年。法務担当のあなたは更新出願を準備するが、この10年でブランドの売上が落ち、広告も縮小した。審査官が64条の著名性を改めて評価したとき、更新が通る保証はもう無い。著名性の立証資料を今から積み直さないと間に合わない
- もし、M&A で防護標章を持つ会社を買収したのに、権利の移転登録を忘れていたら? 更新出願の時点で「出願した者が権利者でない」と判断され、65条の4第1項二号で拒絶される。買収した著名ブランドの守りが、登記漏れ一つで穴だらけになる
- あなたが新ブランド名を商標出願したら拒絶された。理由は他社の防護標章にぶつかったから。だがその防護標章の更新時期を調べると、満了が目前。更新が通らなければ、あなたの出願は生き返る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 拒絶理由通知を受けたら、一号(64条の著名性喪失)か二号(権利者でない)かを特定する2. 著名性が争点なら、売上・広告・市場調査・メディア掲載など著名性を示す資料を総動員して意見書・補正で反論する3. それでも拒絶査定が出たら、謄本送達から3か月以内に商標法44条の拒絶査定不服審判を請求4. 二号が理由なら、移転登録の漏れがないか確認し、登録名義を正してから出願し直す
訴えられた側:1. あなたの商標出願が他社の防護標章を理由に拒絶されたら、その防護標章の存続期間と更新状況を商標登録原簿で確認する2. 更新されていない、または満了が近いなら、失効を待って再出願する戦略がある3. 相手の元の商標がもはや著名でないと考えるなら、64条の著名性を争う余地を検討する4. いずれも弁理士に相談し、相手ブランドの著名性の実態を調べてから動く
時効(請求できる期限):更新登録の出願は存続期間の満了前6か月から満了日までが原則(商標法65条の3)。拒絶査定に対する不服審判は、査定謄本の送達があった日から3か月以内(商標法44条)。期間経過後は救済が極めて限定的になる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:防護標章の更新は、出願時点で64条の著名性要件を改めて満たすことを条件とする。過去に登録された事実は更新を保証せず、著名性が失われれば更新は拒絶される。拒絶事由は65条の4第1項の二号に限定的に列挙されており、審査官はそれ以外の理由で拒絶できないと解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行商標法(昭和34年法律第127号)の制定により、防護標章制度および存続期間の更新に係る審査規定が整備された。
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