商標法 第68条の30(国際登録に基づく商標権の個別手数料)
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- 国際登録に基づく商標権の設定の登録を受けようとする者は、議定書第八条(7)(a)に規定する個別の手数料(以下「個別手数料」という。)として、一件ごとに、六千円を超えない範囲内で政令で定める額に一の区分につき四万七千九百円を超えない範囲内で政令で定める額を加えた額に相当する額を国際登録前に国際事務局に納付しなければならない。
- 2.国際登録に基づく商標権の存続期間の更新をする者は、個別手数料として、一件ごとに、四万三千六百円を超えない範囲内で政令で定める額に区分の数を乗じて得た額に相当する額を国際事務局に納付しなければならない。
- 3.国際商標登録出願及び国際登録に基づく商標権については、第四十条から第四十三条まで及び第七十六条第二項(別表第一号に掲げる部分に限る。)の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
国際登録に基づく商標権の個別手数料とは何ですか?
定義国際登録に基づく商標権の個別手数料とは、商標法第68条の30に定められた規定で、「国際登録に基づく商標権の設定の登録を受けようとする者は、議定書第八条(7)(a)に規定する個別の手数料(以下「個別手数料」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第68条の30(国際登録に基づく商標権の個別手数料)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第68条の30の条文原文は「国際登録に基づく商標権の設定の登録を受けようとする者は、議定書第八条(7)(a)に規定する個別の手数料(以下「個別手数料」という。」で始まります。
- 商標法第68条の30は第二節に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第68条の30の前の条は商標法第68条の29です。
- 商標法第68条の30の次の条は商標法第68条の31です。
- 商標法第68条の30には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の30 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の30(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/68_30
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法68条の30は、マドリッド議定書に基づく国際商標登録の個別手数料を定め、基本額に区分ごとの加算額を加えた額を、国内登録前に国際事務局へ納付させる。
Q · 国際商標登録の手数料って、日本の特許庁にまとめて払えばいいんですか?
いいえ、ジュネーブの国際事務局へ直接納めます
商標法68条の30により、国際登録に基づく商標権の個別手数料は、日本の特許庁ではなくジュネーブの WIPO 国際事務局へ直接納付します。額は「一件ごとの基本額(六千円を超えない政令額)+一区分ごとの加算額(四万七千九百円を超えない政令額)」で決まり、守る区分が増えるほど膨らみます。更新時も区分数に応じた個別手数料が必要です。第3項により国内の登録料・返還規定(40〜43条)は適用されないため、国内商標の感覚で納付先や返還を期待すると手続が狂います。
解説
自社ブランドをアメリカ、EU、中国でも守りたい。普通なら国ごとに弁護士を雇い、国ごとに別々の出願をする。だがマドリッドプロトコルを使えば、日本の特許庁経由で一つの国際出願を出し、指定した国にまとめて効力を及ぼせる。その世界共通ルートの料金体系を定めるのが、この68条の30だ。押さえるべきは三点。第一に、ここで払う「個別手数料」は日本の特許庁にではなく、ジュネーブにあるWIPOの国際事務局へ直接納める。第二に、料金は「一件あたりの基本料金+区分(商品・サービスの分類)ごとの加算額」で決まり、守りたい分野が増えるほど膨らむ。第三に、第3項が効いていて、国内出願なら当然ある登録料の納付や返還の規定(40条から43条)が、この国際ルートには適用されない。国内商標の常識をそのまま持ち込むと、足をすくわれる。
法的な位置づけ
商標法68条の30は、国際登録に基づく商標権の個別手数料を定める規定である。設定登録を受ける者は、一件ごとの基本額に区分数に応じた加算額を加えた額を国際登録前に国際事務局へ納付し、存続期間の更新時にも区分数に応じた更新個別手数料を国際事務局へ納付する。国内の登録料に関する規定は適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.国際出願の前に区分を精査して絞り込む 守りたい商品・役務をニース分類で整理し、使う見込みのない区分を削る。個別手数料は区分ごとに加算されるため、設計段階の絞り込みがそのまま総額を圧縮する
- 2.個別手数料の総額を国際登録前に試算する 基本額+(一区分あたり加算額×区分数)で日本分を試算し、指定国分も合算する。第1項により納付は国際登録「前」なので、出願前に資金を用意する
- 3.国際事務局(WIPO)へ直接納付する 個別手数料は日本の特許庁ではなく、ジュネーブの国際事務局へ納付する。実務上はスイスフラン建てのため、円安局面では早めの納付がコスト削減になる
- 4.更新時に区分を棚卸ししてから納付する 存続期間は10年で、更新のたびに区分数に応じた更新個別手数料がかかる。更新前に使わなくなった区分を落とし、次の10年の固定費を圧縮する
よくある質問 AI による整理
Q1個別手数料とは何ですか?
マドリッド議定書に基づく国際商標登録で、各指定国が定めた額を国際事務局経由で徴収する手数料です。商標法68条の30が日本分の上限を定めます。
Q2国際商標登録の費用はいくらですか?
日本分の個別手数料は、設定登録時に基本額(六千円以内の政令額)+一区分あたり加算額(四万七千九百円以内の政令額)。区分が増えるほど総額が膨らみます。
Q3個別手数料の納付先はどこですか?
日本の特許庁ではなく、ジュネーブにある WIPO 国際事務局へ直接納付します。実務上はスイスフラン建てで扱われます。
Q4国際商標登録の更新費用はいくらですか?
更新時も個別手数料が必要で、一件あたり四万三千六百円を超えない政令額に区分数を乗じた額を国際事務局へ納付します(68条の30第2項)。
Q5国際商標の個別手数料は返ってきますか?
原則戻りません。第3項で国内の登録料返還規定(43条)が適用除外のため、過大に納めても国内商標と同じ返還を期待できません。
Q6商標の区分はどう数えますか?
商品・役務をニース分類に従い区分し、その数が加算額に直結します。使わない区分を一つ削るだけで数万円の節約になります。
Q7セントラルアタックとは何ですか?
国際登録から5年以内に基礎となる日本の商標出願・登録が拒絶や取消になると、国際登録も連動して倒れる仕組みです。
Q8個別手数料はなぜ金額が変わるのですか?
条文は上限のみを定め、実額は政令で決まります。さらに国際事務局への納付はスイスフラン建てのため為替でも体感額が動きます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外でも商標を取りたいけど、国ごとに出すのとマドリッドで出すの、どっちが安いんですか?
目安として、3〜4カ国以上を狙うならマドリッドプロトコル経由が割安になりやすい。本条の個別手数料は一件の国際出願で複数国に効力を及ぼせるからだ(商標法68条の30第1項)。ただし区分が多いと加算が効くので一概には言えない。実務のポイント:マドリッドは「基礎となる日本の商標出願・登録」が前提で、最初の5年は日本側の出願が拒絶・取消になると国際登録も連動して倒れる(セントラルアタック)。だから国内出願の足元が固い案件ほどマドリッド向き、というのが実務の選別基準
Q2個別手数料って円で払うんですか? 上限額が法律に書いてあるのに、金額が変わるのはなぜ?
法律(本条)が定めるのは「〜を超えない範囲内」という上限で、実際の額は政令で決まる(商標法68条の30第1項・第2項)。国際事務局への納付は実務上スイスフラン建てで扱われるため、為替でも体感額が動く。実務のポイント:特許庁サイトに出る個別手数料の円換算額は、WIPOが定める相当額をその時々のレートで示したもの。見積もり時点と納付時点でレートがずれると総額が変わるので、円安局面では早めの納付がそのままコスト削減になる(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「国際出願なら日本の特許庁にまとめて払えばいい」と思いがちだが、この個別手数料は国際事務局(WIPO)へ直接納めるもの。納付先と仕組みを取り違えると手続が前に進まない
- 「区分ごとに加算される」ことは知っていても、その効きの深刻さを見落としている。10カ国に5区分で出すと、区分の加算が指定国の数だけ積み上がる。国を一つ増やすより区分を一つ削る方が、総額への影響が大きい場面すらある
- 「払いすぎたら国内出願と同じく返してもらえるはず」という前提が、そもそも誤り。第3項により、国内の登録料返還規定(43条)はこの国際ルートに適用されない。戻ってくる前提で資金を組むと計算が狂う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 納付先 | 68条の30:ジュネーブの国際事務局(WIPO)へ直接 | 40条:日本の特許庁へ国内登録料を納付 43条:日本の特許庁が既納登録料を返還 |
| 課金構造 | 基本額+一区分あたり加算額×区分数(政令で上限内) | 区分数に応じた国内登録料 過大・誤納分の返還ルール |
| 国際ルートへの適用 | 本条が国際ルートを規律する | 第3項により国際ルートには適用されない 第3項により国際ルートには適用されない(返還を期待できない) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾はマドリッド議定書非加盟のため国際登録ルートを利用できず、各国個別出願による。規費は国内手続として商標専責機関へ納付
韓国もマドリッド議定書加盟国で、個別手数料を宣言。区分数連動の構造は日本と類似
ドイツは EU 商標(EUTM)と並行してマドリッドルートを利用でき、個別手数料を宣言している
米国は2003年にマドリッド議定書に加盟。USPTO への individual fee を宣言し、区分ごとに加算される構造
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、使う見込みのない区分を一つ消し忘れたまま国際出願したら? 個別手数料は区分ごとに加算されるので、余計な分類を一つ指定しただけで、数万円が国際事務局へ流れて戻ってこない。出願ボタンを押す前の区分チェックが、そのまま財布の話になる
- 更新の通知を見落としていた。国際登録の存続期間は10年で、更新のたびにこの個別手数料がかかる。気付いたときには更新期限が目の前だった
- スタートアップとして海外展開を決め、5区分で10カ国に出願した。基本料金は一件分でも、区分ごとの加算が国の数だけ積み上がり、見積もりが想定の倍に膨らんだ。投資家への資金計画に、この手数料構造を最初から織り込んでおく必要があった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 海外展開する国とブランドを確定したら、まず区分を精査。使う見込みのない商品・サービス分類を削り、個別手数料の加算を最小化する2. この個別手数料は国内手続とは別に、国際事務局(WIPO)への納付が必要だと理解する3. 第1項により納付は国際登録「前」。出願前に総額を試算し、資金を用意4. 区分や指定国の後追い追加は別費用が生じるので、最初の設計で固める
訴えられた側:1. 既存の国際登録商標権を持つなら、更新期限を管理する。第2項の更新個別手数料も区分の数で決まる2. 更新前に区分を棚卸しし、もう使っていない分類を落として次の10年の維持費を圧縮3. 国内の登録料規定(40条から43条)はこの国際ルートに適用されない(第3項)ので、国内商標の感覚で返還や分納を期待しない4. 上限は法律、実額は政令で変動するため、最新の政令額を確認する(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):第1項の個別手数料は「国際登録前」に国際事務局へ納付。第2項の更新手数料は存続期間の更新時(国際登録日から10年ごと)に納付。納付がなければ国際登録・更新の効力が生じないため、訴訟のような消滅時効ではなく、手続上の期限管理そのものが決定的
学説
通説:本条の個別手数料は議定書第8条(7)(a)の国内化であり、上限を法律で、実額を政令で定める二段構成が採られる。国内登録料規定(40〜43条)の適用除外(第3項)は、国際ルートの手続を国内手続から切り離す趣旨と解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年) マドリッド協定議定書への加入に伴い、第7章の2(議定書に基づく特例)の一部として新設。日本は平成12年(2000年)3月14日に議定書が発効。なお個別手数料の上限額はその後の改正で変動しており、改正回数・各年の改正内容は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:マドリッド協定議定書加入に伴う商標法改正で、第7章の2の一部として新設。日本は平成12年(2000年)3月14日に議定書が発効。なお上限額はその後の改正で変動しており、各改正の内容・回数は人的検証が必要
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