商標法 第68条の26(商標権の登録の効果の特例)
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- 国際登録に基づく商標権の移転、信託による変更、放棄による消滅又は処分の制限は、登録しなければ、その効力を生じない。
- 2.国際登録に基づく商標権については、第三十五条において読み替えて準用する特許法第九十八条第一項第一号及び第二項の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
商標権の登録の効果の特例とは何ですか?
定義商標権の登録の効果の特例とは、商標法第68条の26に定められた規定で、「国際登録に基づく商標権の移転、信託による変更、放棄による消滅又は処分の制限は、登録しなければ、その効力を生じない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第68条の26(商標権の登録の効果の特例)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第68条の26の条文原文は「国際登録に基づく商標権の移転、信託による変更、放棄による消滅又は処分の制限は、登録しなければ、その効力を生じない。」で始まります。
- 商標法第68条の26は第二節に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第68条の26の前の条は商標法第68条の25です。
- 商標法第68条の26の次の条は商標法第68条の27です。
- 商標法第68条の26には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の26 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の26(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/68_26
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法68条の26は、国際登録に基づく商標権の移転・放棄・処分の制限は国際登録簿への登録がなければ効力を生じないと定め、国内商標権の登録ルールの適用を除外する規定である。
Q · マドプロで国際登録した商標を譲渡契約で売ったら、もう相手のものになる?
いいえ、国際登録簿に記録されるまで効力は生じません
商標法68条の26第1項により、国際登録に基づく商標権の移転・信託による変更・放棄による消滅・処分の制限は、国際登録簿に登録(記録)しなければ効力を生じません。譲渡契約のサインは移転の原因にすぎず、効力発生の要件は WIPO が管理する国際登録簿への記録です。さらに第2項は、通常の国内商標権に適用される登録ルール(35条が準用する特許法98条1項1号・2項)を適用除外とするため、日本の特許庁の原簿で名義変更しても権利は動きません。
解説
海外展開を見据えてマドリッドプロトコル経由で各国に商標を一括登録した。数年後、その事業をM&Aで売却することになり、譲渡契約書にサインした。これで商標権はあなたから買い手に移った、そう思っているなら危ない。商標法68条の26第1項は、国際登録に基づく商標権の移転や放棄などは「登録しなければ、その効力を生じない」と定める。ここでいう登録は、日本の特許庁の原簿ではなく、WIPOが管理する国際登録簿への記録を指す。第2項は、通常の国内商標権に適用される登録ルール(35条が準用する特許法98条)をあえて切り離す。つまり国内登録商標と同じ感覚で日本国内だけ手続を済ませても、国際登録に基づく商標権は動かない。譲渡契約という「紙の合意」と、効力発生の「登録」は別物だ。この一条を知らないと、売ったはずの商標がまだ自分名義のまま、というギャップが生まれる。
法的な位置づけ
商標法68条の26は、国際登録に基づく商標権についての効力要件を定める規定である。移転、信託による変更、放棄による消滅、処分の制限は、WIPO が管理する国際登録簿に登録(記録)されてはじめて効力を生じる。第2項は、国内商標権に適用される登録規定(35条準用特許法98条1項1号・2項)の適用を除外する。
よくある質問 AI による整理
Q1商標法68条の26とは?
国際登録に基づく商標権の移転・信託による変更・放棄・処分の制限について、国際登録簿への登録を効力要件とする規定です。国内商標権の登録ルールは適用除外になります。
Q2国際登録簿とは何ですか?
マドリッドプロトコルに基づき WIPO(世界知的所有権機関)国際事務局が管理する、商標の国際登録に関する原簿です。移転や名義変更はここへの記録で効力が生じます。
Q3マドプロ商標の譲渡はどこに申請する?
日本の特許庁の原簿ではなく、WIPO 国際事務局へ国際登録の移転(名義変更)を申請し、国際登録簿に記録される必要があります。記録されてはじめて移転の効力が生じます。
Q4マドプロ商標を担保にできますか?
処分の制限(質権設定など)も68条の26第1項により国際登録簿への登録が効力要件です。記録されるまで担保設定の効力は生じないため、資金調達の段取りに影響します。
Q5国際商標の放棄はどうすれば効力が生じる?
放棄による消滅も国際登録簿への登録が必要です。国内で放棄の意思表示をしても、国際登録簿に記録されるまで権利は消滅しません。
Q6国内商標と国際登録商標で移転手続きは違う?
違います。国内商標権は特許庁原簿への登録、国際登録に基づく商標権は WIPO 国際登録簿への記録が効力要件です。ポートフォリオに両方ある場合、手続が二系統になります。
Q7処分の制限の登録とは何ですか?
質権の設定や差押えなど、商標権の自由な処分を制限する事項のことです。国際登録に基づく商標権では、これらも国際登録簿への登録がなければ効力を生じません。
Q8マドプロ商標の M&A で注意することは?
対象資産が国際登録に基づくものかを最初に確認し、国内原簿ではなく WIPO 国際登録簿を照会します。クロージング条件に国際登録簿への移転記録の完了を明記するのが安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1海外にもマドプロで商標を登録しているんですが、その権利を子会社に移すには日本の特許庁で名義変更すればいいんですよね?
それでは効力が生じません。国際登録に基づく商標権の移転は、68条の26第1項により国際登録簿への登録(記録)が効力要件で、しかも同条2項で国内特許庁の登録ルール(35条準用特許法98条)は適用除外です。WIPOへの名義変更(国際登録の移転記録)の申請が必要になります。実務のポイント:国内由来の商標権と国際登録に基づく商標権が混在するポートフォリオでは、移転手続が二系統になる。一括で「全部国内で名義変更」と段取りすると、国際登録分だけ効力未発生のまま残る事故が起きやすい。
Q2譲渡契約は結んだのに国際登録簿の記録がまだ。この間に相手が別の会社にも売ったらどうなりますか?
二重譲渡の問題になります。国際登録に基づく商標権の移転は登録(記録)が効力要件なので、契約の先後ではなく国際登録簿への記録の先後で優劣が決まる可能性が高い。後から契約した相手が先に記録すれば、その者が権利を取得しかねません。実務のポイント:だからクロージングと同時に記録申請を出すのが鉄則。契約書のサインで安心して記録を後回しにする実務担当者は意外に多く、そこが奪われる隙になる(最新の手続状況をご確認ください)。
間違えやすい点 AI による整理
- 「譲渡契約書にサインすれば商標権は相手に移る」と思い込んでいるが、国際登録に基づく商標権では契約は移転の原因にすぎない。68条の26第1項により、国際登録簿への登録(記録)がなければ移転の効力そのものが生じない
- 「日本の特許庁の原簿で名義変更すればいい」という前提自体が誤っている。68条の26第2項は通常の国内商標権の登録ルールを適用除外にしており、国際登録に基づく商標権の移転はそもそも国内原簿では動かさない。問うべきは「どこの役所に出すか」ではなく「国際登録簿に記録したか」だ
- 国際登録の名義変更が必要なことは知っていても、その記録に時間がかかること、そして記録完了までの空白期間に二重譲渡や第三者の権利取得というリスクが潜むことまでは見えていない。手続を始めた=安全、ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 効力発生の要件 | 68条の26:国際登録簿(WIPO)への登録(記録) | 35条準用特許法98条:特許庁原簿への移転登録 24条の2:分割移転も国内原簿の登録による |
| 登録する場所 | ジュネーブの WIPO 国際登録簿 | 日本の特許庁の商標原簿 日本の特許庁の商標原簿 |
| 適用関係 | 国内登録ルールを適用除外(68条の26第2項) | 国内商標権一般に適用される母規定 移転一般の規律(国内商標権) |
| 実務上の確認方法 | 国際登録簿(ROMARIN 等)の照会が必須 | 特許庁の登録原簿・J-PlatPat で確認 特許庁の登録原簿で確認 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾はマドリッドプロトコル非加盟だが、商標権の移転は登記を対抗要件とする。本条のような国際登録簿への記録を効力要件とする構成はとらない。
ドイツはマドリッド協定・議定書を国内実施し、国際登録に基づく商標(IR-Marken)について特別規定を置く。EU 商標制度(EUTM)との二系統が併存する点が日本と異なる。
米国は2003年に議定書を実施。国際登録に基づく米国指定(extension of protection)について連邦法で規律し、移転は WIPO 国際登録簿への記録による点で日本と共通する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- M&Aのクロージングまであと10日。買収対象企業の商標ポートフォリオに、マドプロ経由の国際登録に基づく日本の商標権が混じっていたら、あなたはどう確認する? 国内原簿だけ見て「移転済み」と判断すると、効力未発生のまま決済する事故が起きる
- あなたがスタートアップの創業者で、自社ブランドの国際商標を投資家に担保提供しようとした。だが国際登録に基づく商標権の処分の制限も「登録しなければ効力を生じない」。国際登録簿に記録されるまで、その担保設定は効力を持たない
- ブランドを譲渡した。契約書にサインした。だが国際登録簿の名義はまだあなたのまま。法的にはあなたが権利者だ
- ライセンス先が倒産し、その国際商標権を競合他社が買い叩こうとしている。あなたが先に譲渡契約を結んでいても、国際登録簿への記録が後れれば、記録を先にした側が優先されかねない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取得しようとする商標権が国際登録に基づくものかを最初に確認する(国内出願由来か、マドプロ経由かで手続が全く違う) 2. 譲渡契約と同時に、国際登録簿への名義変更(国際登録の移転記録)の申請段取りを組む3. 契約書のクロージング条件に「国際登録簿への記録完了」を効力発生の条件として明記する4. 記録完了までの空白期間に二重譲渡や差押えのリスクがないか、弁理士と確認する
訴えられた側:1. あなたが譲渡人として「もう売った」と主張されても、国際登録簿に記録がなければ移転の効力は生じていない(68条の26第1項)、法的にはまだあなたが権利者だ2. 二重譲渡を疑われる場面では、契約日ではなく国際登録簿への記録の先後を確認する3. 国内特許庁の原簿での名義変更を求められても、それは国際登録に基づく商標権には適用されない(同条2項)と指摘する4. 権利関係が複雑なら弁理士・知財弁護士へ早期相談する
時効(請求できる期限):本条の効力発生に特定の時効はないが、移転・信託変更・放棄・処分の制限は国際登録簿への登録(記録)が完了するまで効力を生じない。記録の遅延が二重譲渡や第三者の権利取得を招くため、契約成立後すみやかに国際登録簿への記録手続を進めることが実務上の分水嶺となる(最新の手続状況をご確認ください)
学説
通説:68条の26第1項の登録は、国内商標権の移転登録(対抗要件構成も含む議論があるもの)とは異なり、移転・信託変更・放棄・処分の制限について効力要件(成立要件)を定めたものと解される。国際登録簿への記録がなければ法律効果そのものが発生しない点で、契約の成立とは明確に区別される。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)改正・平成12年(2000年)施行 日本のマドリッドプロトコル加盟に伴い第7章の2(議定書に基づく特例)が新設され、本条もこのとき新設された。国際登録に基づく商標権の移転等の効力発生を国際登録簿への登録に係らしめ、国内登録ルール(35条準用特許法98条1項1号・2項)を適用除外とした
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:日本のマドリッドプロトコル加盟に伴い第7章の2(議定書に基づく特例)が新設され、本条もこのとき新設された。平成12年(2000年)施行。国際登録に基づく商標権の移転等の効力発生を国際登録簿への登録に係らしめ、35条準用特許法98条1項1号・2項を適用除外とした。
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