商標法 第68条の25(商標権の放棄の特例)
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- 国際登録に基づく商標権者は、その商標権を放棄することができる。
- 2.国際登録に基づく商標権については、第三十四条の二の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
商標権の放棄の特例とは何ですか?
定義商標権の放棄の特例とは、商標法第68条の25に定められた規定で、「国際登録に基づく商標権者は、その商標権を放棄することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第68条の25(商標権の放棄の特例)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第68条の25の条文原文は「国際登録に基づく商標権者は、その商標権を放棄することができる。」で始まります。
- 商標法第68条の25は第二節に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第68条の25の前の条は商標法第68条の24です。
- 商標法第68条の25の次の条は商標法第68条の26です。
- 商標法第68条の25には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の25 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第68条の25(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/68_25
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法68条の25は、国際登録に基づく商標権者がその権利を放棄できると定める。放棄しても国際登録本体や他の指定国の権利は残り、日本の指定部分のみが消滅する。
Q · マドリッドプロトコルで取った商標、日本の分だけ手放せるの?
はい、日本の指定分だけ放棄でき、海外の登録は残ります
商標法68条の25第1項により、国際登録に基づく商標権者はその商標権を放棄できます。放棄の対象は日本という指定国の効力だけで、ジュネーブの国際登録簿に載った登録本体や他の指定国の権利は存続します。ただし専用使用権者や質権者などの利害関係人がいる場合、その承諾を得なければ放棄の効力は生じません(商標法35条が準用する特許法97条1項)。第2項は国内商標権向けの34条の2をこの種の権利に適用しません。
解説
マドリッド協定議定書を使えば、一枚の願書で世界数十カ国に同時に商標を押さえられる。そのうち日本で効力を持つ部分が、国際登録に基づく商標権だ。事業を畳む、日本だけブランドを捨てる、そんなとき日本の権利だけを手放す根拠がこの条文の1項である。注意すべきは、ここで放棄しても国際登録そのものは消えないという点。日本の指定だけが落ち、他国の権利はジュネーブの台帳の上で生き続ける。2項は、国内の商標権に適用される34条の2を、この種の権利には外している。マドリッド経由の権利は、日本の手続だけで完結しない二重台帳の住人だからだ。
法的な位置づけ
商標法第68条の25は、国際登録に基づく商標権の放棄に関する特例を定める規定である。第1項は当該商標権者に放棄の自由を認め、第2項は国内商標権を対象とする第34条の2の適用をこの種の権利について除外する。マドリッド協定議定書に基づく二重台帳構造との整合を図る趣旨による。
よくある質問 AI による整理
Q1国際登録に基づく商標権とは?
マドリッド協定議定書を使い、一枚の願書で複数国に出願した国際登録のうち、日本を指定国とする部分が日本で効力を持つ商標権です。商標法第7章の2の特例で規律されます。
Q2マドプロ商標を日本だけ手放すには?
商標法68条の25第1項に基づき、国際登録に基づく商標権を放棄します。日本の指定だけが消え、国際登録本体や他の指定国の権利は残ります。手続は特許庁に対して行います。
Q3商標権の放棄はいつ効力が生じる?
利害関係人がいなければ放棄の意思表示で効力が生じます。専用使用権者や質権者がいる場合は、その承諾を得るまで効力は生じません(商標法35条準用の特許法97条1項)。
Q4海外企業を買収したら日本の商標指定はどうなる?
引き継いだグローバル商標の日本指定が自社の既存ブランドと衝突することがあります。68条の25で日本の指定だけを放棄すれば、紛争を避けつつ他国の権利価値を守れます。
Q5商標法68条の25はどんな場面で使う条文?
日本だけブランドを刷新する、海外M&Aで重複商標を整理する、維持コストに見合わない日本指定を更新前に切る、といった指定国単位のポートフォリオ調整の場面で使います。
Q6国際登録に基づく商標権に質権は設定できる?
質権設定が可能で、その場合は利害関係人にあたります。権利者が放棄するには質権者の承諾が必要で、承諾を欠いた放棄は効力を生じません。
Q7マドリッドプロトコルの個別手数料はいつ発生する?
国際登録の存続・更新サイクルに連動して指定国ごとの個別手数料が発生し得ます。維持に見合わない日本指定は、更新期限の前に放棄を判断するのが実務上の定石です。
Q8商標権放棄の手続はどこで行う?
日本の指定部分の放棄は日本の特許庁に対して行います。一方で国際登録本体の更新・名義変更などはWIPOの国際登録簿で別途管理する二重台帳構造になっています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1日本の商標権を放棄したら、海外の商標まで全部消えてしまうんですか?
消えません。国際登録に基づく商標権の放棄(本条1項)は、日本という指定国の効力だけを手放すものです。ジュネーブの国際登録簿に載った登録本体や、他の指定国の権利はそのまま生き続けます。実務のポイント:逆に国際登録の本体が中心的攻撃で5年以内に潰れると、日本を含む全指定国が連鎖的に倒れる。放棄は自分の意思で日本だけを切る行為、中心的攻撃は他人の意思で全体が倒れる行為、この二つは全く別物として整理しておく
Q2勝手に放棄して大丈夫ですか? ライセンスを出している相手がいるんですが
勝手にはできません。専用使用権者や質権者がいる場合、その承諾を得なければ放棄できません(商標法35条が準用する特許法97条1項)。承諾なしの放棄は効力を生じません。実務のポイント:ライセンス契約書に放棄禁止や事前通知義務を盛り込んでいないと、ライセンシーは権利者の放棄を止めきれないことがある。商標を借りる側は、契約段階でこの承諾要件を契約上の通知義務に格上げしておくのが定石
Q3放棄と、ただ更新しないで放置するのは何が違うんですか?
結果はどちらも権利の消滅ですが、タイミングと費用が違います。放棄は今すぐ効力を消せるのに対し、放置は更新期限が来るまで権利が残り、その間に個別手数料の支払い義務が発生し得ます。実務のポイント:第三者に「この権利はもう手放した」と明確に示したい局面(並行交渉や和解)では、期限切れを待つ放置より、意思表示としての放棄の方が消滅の時期を自分でコントロールできる。交渉カードとして時点を特定できるのが強みだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「国際登録に基づく商標権を放棄すれば手続が一つ減って楽」と考えるのは、問いの立て方が逆だ。放棄は国際登録という大きな仕組みの中の日本部分を切る局所的な操作にすぎず、本体の管理(更新、名義変更、他国の指定)はジュネーブ側で別途続く。日本だけ見て「終わった」と思うと、海外の維持を取りこぼす
- 放棄に利害関係人の承諾が要ることは知っていても、その承諾を取らずに放棄手続を進めたときの深刻さを軽く見ている人が多い。承諾を欠いた放棄は効力を生じず、消えたはずの権利が後から生き返る。ライセンス紛争や事業譲渡の最中にこれが起きると、譲渡対象の権利関係が根本から崩れる
- あなたから見れば「使っていない日本の商標を整理しただけ」でも、ライセンシーや担保権者から見れば「収益源・担保価値が一方的に消された」事件になる。この視点の落差を放置したまま放棄を進めると、損害賠償請求や契約解除という形で跳ね返ってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 消滅させる対象 | 68条の25:日本の指定(国際登録に基づく権利)だけ | 35条準用97条:国内出願に基づく商標権そのもの 更新料不納:更新期限到来で日本の権利が消滅 |
| 効力が消えるタイミング | 放棄の意思表示時(利害関係人の承諾後) | 放棄の意思表示時(利害関係人の承諾後) 存続期間満了・更新期限経過時 |
| 国際登録本体への影響 | なし。国際登録簿の本体・他指定国は存続 | 国際登録と無関係(純国内権利) なし。日本指定の効力のみ失効 |
| 34条の2の適用 | 適用なし(68条の25第2項で除外) | 適用あり(国内商標権が対象) 適用あり(国内商標権が対象) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も商標権の放棄を認めるが、質権者・被授権者などがいる場合はその同意を要する点で日本の利害関係人承諾要件と類似する。
韓国もマドリッド議定書を国内法化し、国際商標登録出願の特例を置く。放棄に利害関係人の保護を要する構造は日本と近い。
ドイツは商標放棄(Verzicht)を § 48で定め、登録簿に登録された他人の権利がある場合は同意を要する。IR商標はマドリッド制度を通じて国内効力を持つ。
米国はマドリッド議定書をLanham Actで実施し、国際登録に基づく拡張保護(extension of protection)を国内登録に準じて扱う。登録の自発的放棄(surrender)も可能。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 日本でだけブランド名を刷新することになったら、世界の商標はどうする? マドリッドで取った権利のうち日本の指定だけをこの条文で放棄すれば、欧米やアジアの登録は触らずに残せる。全部を取り直す数百万円が浮く
- あなたの会社が海外企業を買収し、相手のグローバル商標を引き継いだ。だが日本では同名の別ブランドと衝突する。日本の指定部分だけを放棄して紛争を避け、残る指定国の価値は守る。事業譲渡のデューデリで真っ先に確認すべき論点だ
- 更新期限まであと一か月。維持コストに見合わない日本の指定を、惰性で更新する前に放棄するか決める。放っておけば個別手数料を払い続けることになる
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが国際登録に基づく商標権について専用使用権や質権を持つ立場なら、まず自分の権利が記録されているか確認する。権利者が放棄しようとしても、あなたの承諾なしには効力が生じない(商標法35条が準用する特許法97条1項)。承諾を求められたら、ライセンス対価の精算や担保の代替確保を条件に交渉する。承諾なしに放棄手続が進んでいる兆候があれば、速やかに異議と無効主張を準備する
訴えられた側:あなたが国際登録に基づく商標権者で放棄を検討するなら、まず専用使用権者・質権者など利害関係人の有無を棚卸しする。いれば承諾の取得が先決だ。次に、放棄するのは日本の指定だけで国際登録本体や他国の権利は残る点を確認し、海外側の維持判断と切り分ける。更新期限と個別手数料のサイクルを照合し、無駄な手数料を払う前に手続のタイミングを決める
時効(請求できる期限):放棄自体に特定の期限はない。ただし放棄するか否かは、商標権の存続期間(10年、更新可)と更新時の個別手数料の納付期限に実務上連動する。承諾が必要な利害関係人がいる場合、その承諾を得るまで放棄の効力は生じない(最新の手数料・期限は現行の改正状況をご確認ください)
学説
通説:68条の25第1項は国際登録に基づく商標権者に放棄の自由を保障する一方、第2項で34条の2の適用を除外し、国内法独自の処理を国際登録簿の一貫性と衝突しない範囲に限定するものと解される。放棄は日本の指定国効力のみを消滅させ、国際登録の本体には及ばない。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)改正、平成12年(2000年)施行 マドリッド協定議定書への日本加盟に伴い、第7章の2(議定書に基づく特例)が新設され、本条もその一部として国際登録に基づく商標権の放棄の特例を定めた
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:マドリッド協定議定書への日本加盟に伴い、第7章の2(議定書に基づく特例)が新設され、本条もその一部として国際登録に基づく商標権の放棄の特例を定めた。平成12年(2000年)施行。
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