商標法 第35条(特許法の準用)
クイックジャンプ
特許法第七十三条(共有)、第七十六条(相続人がない場合の特許権の消滅)並びに第九十八条第一項第一号及び第二項(登録の効果)の規定は、商標権に準用する。この場合において、同号中「移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)」とあるのは、「分割、移転(相続その他の一般承継によるものを除く。)」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
特許法の準用とは何ですか?
定義特許法の準用とは、商標法第35条に定められた規定で、「特許法第七十三条(共有)、第七十六条(相続人がない場合の特許権の消滅)並びに第九十八条第一項第一号及び第二項(登録の効果)の規定は、商標権に準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第35条(特許法の準用)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第35条の条文原文は「特許法第七十三条(共有)、第七十六条(相続人がない場合の特許権の消滅)並びに第九十八条第一項第一号及び第二項(登録の効果)の規定は、商標権に準用する。」で始まります。
- 商標法第35条は第一節 商標権に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第35条の前の条は商標法第34条の2です。
- 商標法第35条の次の条は商標法第36条です。
- 商標法第35条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第35条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第35条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/35
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法35条は特許法98条を準用し、商標権の移転は特許庁への登録が効力要件となる。登録するまで権利は譲渡人に残り、二重譲渡では先に登録した者が優先する。
Q · 会社やブランドを買って譲渡契約にサインしたら、商標は自分のものになりますか?
契約書だけでは不十分、特許庁の登録で初めて移転が確定します
商標法35条が準用する特許法98条1項により、商標権の移転(売買等の特定承継)は特許庁への登録が効力要件です。契約書にサインしても登録するまで権利は譲渡人に残り、相手が第三者にも売って先に登録すれば、あなたは権利を失います。ただし相続や会社合併などの一般承継による移転は登録なしに当然に効力を生じ、遅滞なく届け出れば足ります(特許法98条2項準用)。共有商標の持分処分やライセンスには他の共有者全員の同意が必要です(特許法73条準用)。
解説
会社を買収して、目当てのブランド商標も譲渡契約書にサインした。これで商標は自分のもの、そう思った瞬間が一番危ない。商標法35条が準用する特許法98条は、商標権の移転は特許庁に登録しなければ効力を生じないと定める。つまり契約書だけでは権利は一ミリも動いていない。登録を済ませる前に売り手が別の誰かにも売って先に登録すれば、あなたは負ける。さらにこの準用規定は三つの局面を一気に規律する。共有名義のブランドは、他の共有者の同意なく自分の持分を売れず、ライセンスも出せない(特許法73条準用)。個人事業主が相続人なく亡くなれば、その商標権は消滅して誰でも使える状態に戻る(特許法76条準用)。会社の合併で商標が移るときは登録不要だが、特許庁への届出は遅滞なく必要だ。たった一条の準用条文が、ブランドの売買、共有、承継、すべての分岐点を握っている。
法的な位置づけ
商標法35条は、特許法の規定を商標権に準用する技術的規定であり、共有(特許法73条)、相続人なき場合の権利消滅(同76条)、登録の効果(同98条1項1号・2項)を商標権に当てはめる。商標権の移転は登録が効力要件となり、一般承継による移転は登録不要だが遅滞ない届出を要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.譲渡契約に登録協力義務と委任条項を明記 商標を譲り受ける契約書に「移転登録手続に協力する義務」と委任の定めを入れる。移転登録は譲渡人と譲受人の共同申請が原則のため、相手の協力なしには登録が進まない
- 2.代金支払と移転登録申請を同時履行で設計 代金を先払いして登録が後回しになると、その隙に二重譲渡されるリスクが残る。調印日に代金支払と移転登録申請書の提出を同時に行う段取りを組む
- 3.共有商標は全共有者の同意書を取得 共有名義の商標を移転・ライセンスする場合、特許法73条準用により他の共有者全員の同意が必要。事前に同意書を書面で取得しておく
- 4.特許庁へ移転登録を申請 特許庁に移転登録申請書を提出し、登録を完了させる。登録完了で初めて移転の効力が生じる。一般承継(相続・合併)の場合は登録不要だが遅滞なく届け出る
よくある質問 AI による整理
Q1商標の移転登録とは何ですか?
商標権の譲渡を特許庁の登録簿に反映する手続です。商標法35条が準用する特許法98条1項により、売買等による移転は登録が効力要件で、登録しなければ移転の効力は生じません。
Q2商標譲渡契約だけで権利は移りますか?
移りません。契約は移転の約束にすぎず、特許庁への移転登録を完了して初めて効力が生じます(特許法98条準用)。登録前は権利が譲渡人に残ります。
Q3商標権を共有するメリットとデメリットは?
各共有者が単独で使用できる点はメリットですが、持分の譲渡・質権設定・ライセンスには全員の同意が必要で(特許法73条準用)、関係が悪化すると自分の持分すら動かせなくなります。
Q4会社の合併で商標権は自動的に移りますか?
移ります。合併は一般承継なので登録なしに当然に商標権が承継され、登録は対抗のためでなく効力発生に不要です。ただし遅滞なく特許庁へ届け出る必要があります(特許法98条2項準用)。
Q5商標の二重譲渡が起きたらどうなりますか?
先に移転登録を完了した譲受人が優先します。登録が効力要件のため、契約日が早くても登録が遅ければ権利を失います。契約後は速やかに登録を済ませることが命運を分けます。
Q6商標移転登録の費用はいくらですか?
特許庁の移転登録料は登録の種類により定額で、一般承継以外の移転は1件あたり数万円程度です。代理を弁理士に依頼する場合は別途手数料がかかります(最新の料金は特許庁でご確認ください)。
Q7特許法の準用とは商標法でどういう意味ですか?
商標法に同じ規定を重複して書かず、特許法の条文を商標権にそのまま当てはめることです。商標法35条は共有・相続消滅・登録効果の3局面を特許法から準用しています。
Q8商標権者である法人が解散したら商標はどうなりますか?
清算手続の中で商標権は財産として譲渡・換価され、承継先へ移転登録されます。承継者なく清算が結了すれば権利は実質的に消滅します。早期の名義整理が重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1商標を買ったのに、相手がまだ登録名義人のままです。大丈夫ですか?
登録するまで移転の効力は生じない(特許法98条準用)ので、現状では権利は相手に残っています。相手が他人にも売って先に登録すれば、あなたは負けます。実務のポイント:移転登録は譲渡人と譲受人の共同申請が原則で、相手の協力がないと進みません。だから実務では契約書に『登録手続に協力する義務』と委任状をセットで入れ、調印と同時に申請まで終わらせます。後から協力を求めても、相手が翻意したら判決を取るまで動けなくなります
Q2夫婦や友人と共有名義で商標を持っています。自分の持分だけ売れますか?
他の共有者全員の同意がなければ、持分の譲渡も質権設定もできません(特許法73条準用)。ライセンスを出すのも同様に同意が必要です。使用だけは各自が単独でできます。実務のポイント:共有は一見対等で安全ですが、出口を全員の合意に縛るため、仲違いすると誰も身動きが取れません。実務では最初から一社(一人)の単独名義にして、もう一方には使用許諾(ライセンス)でブランドを使わせる設計の方が、後の処分が圧倒的に自由です
Q3個人で商標登録した人が亡くなったら、その商標はどうなりますか?
相続人がいれば相続(一般承継)で当然に移転し、登録は不要ですが遅滞なく届出が必要です(特許法98条2項準用)。相続人が一人もいなければ、商標権は消滅して誰でも使える状態に戻ります(特許法76条準用)。実務のポイント:個人事業主の屋号やブランドは、本人の死亡で消滅したり宙に浮いたりするリスクを抱えています。事業を法人化して法人名義で登録しておけば、個人の生死に左右されず、ブランドを世代を超えて守れます
間違えやすい点 AI による整理
- 「譲渡契約書にサインすれば商標は自分のもの」と思い込んでいるが、特許法98条準用により移転は登録が効力要件。登録するまで権利は売り手に残り、二重譲渡されれば先に登録した方が勝つ。契約は移転の約束にすぎず、移転そのものではない
- 共有名義なのは知っていても、その不自由さの深刻度を知らない人が多い。共有商標は、各自が自由に使えるのは確かだが、持分の譲渡もライセンスの許諾も、他の共有者全員の同意がなければ一切できない(特許法73条準用)。仲違いした瞬間、自分の持分が自分の意思で動かせない資産に化ける
- 「相続で商標を引き継ぐには登録しないと無効になるのでは」と心配する人がいるが、問いの立て方自体がずれている。相続その他の一般承継(相続、会社合併)による移転は登録なしに当然に効力を生じる。ただし遅滞なく特許庁へ届け出る義務がある(特許法98条2項準用)。効力の話と届出の話を混同すると、要らない不安に振り回される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 35条:特許法を準用(共有・相続消滅・登録効果を商標権に適用) | 24-2条:商標権の移転そのものの規定 30条:専用使用権の設定 |
| 登録の役割 | 準用する特許法98条で移転は登録が効力要件 | 移転の対象・態様を定める本体規定 専用使用権の発生も登録が効力要件 |
| 共有の扱い | 特許法73条準用で持分処分・ライセンスに全員同意が必要 | 分割移転の可否を規律 共有商標への設定も他の共有者の同意が必要 |
| 一般承継の扱い | 相続・合併は登録不要で効力発生、遅滞なく届出(98条2項準用) | 移転の一場面として承継を包含 使用権の承継は別途登録を要する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は移転登記を第三者対抗要件とする点で日本(効力要件)と構造が異なる。共有商標の処分には他の共有者の同意を要する点は類似
韓国も商標権移転の登録に効力的意味を持たせ、共有の処分制限を設ける点で日本と近い構造
ドイツは商標権の移転を契約により認めつつ、登録簿への記載は第三者対抗・手続上の意味を持つ。効力要件か対抗要件かの設計が日本と異なる
米国は商標譲渡を grant の善意取得保護のため記録(recordation)制度を採り、未記録の譲渡は善意の後続譲受人に対抗できない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- スタートアップを買収して株式は全部取得した。だが看板ブランドの商標登録名義が旧創業者個人のまま放置されていたら? 株を買っても商標はあなたの確実な資産になっていない。旧創業者がへそを曲げて移転登録に協力しなければ、ブランドの権利は宙に浮く。デューデリで登録簿を見落とすと、買収後に最重要資産が手元にない事態が起きる
- 友人と二人で立ち上げたアパレルブランドを、仲良く共有名義で商標登録した。数年後に仲違い。あなたは自分の取引先にだけライセンスを出したいが、特許法73条準用により相手の同意が要る。相手が首を縦に振らなければ、自分の持分すら自由に売れない。共有という形が、そのまま足かせに変わる
- 個人事業主の父が築いた屋号の商標。父が亡くなり、相続人が一人もいなかった。商標権は特許法76条準用で消滅し、ライバルが同じ名前で登録に走る
- あと数日で商標の譲渡代金を払う段取りだが、相手は『お金が入ってから登録に行く』と言う。先に金を払って登録が後回しになれば、その隙に二重譲渡されるリスクが残る。代金支払と移転登録申請を同じ日に同時履行へ持ち込まないと、立場が一気に弱くなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 商標を譲り受けたのに相手が移転登録に協力しない場合、まず契約書に登録協力義務と委任の定めがあるか確認。移転登録は譲渡人と譲受人の共同申請が原則2. 協力を拒否されたら、譲渡の事実を証する契約書や代金支払の記録を保全し、登録手続を命じる判決を得て単独申請に持ち込む3. 二重譲渡の兆候があれば一刻も早く自分の移転登録を完了させる、先に登録した方が優先する4. 共有持分を同意なく処分された場合は、特許法73条準用違反としてその処分の効力を争う
訴えられた側:1. 譲渡したと主張されているが対価未受領なら、同時履行(代金支払と移転登録の引換え)を主張して登録協力を留保する2. 共有商標で他の共有者から同意を求められても、自分の事業利益に反するなら拒否は正当な権利、安易に同意しない3. 一般承継(相続、合併)で商標を取得した側は、登録なしに効力は生じているが、遅滞なく特許庁へ届け出て名義を整える4. ブランド価値に直結するため、早期に弁理士へ相談し登録名義の整合を取る
時効(請求できる期限):移転登録自体に法定の期限はないが、登録前に第三者が先に移転登録を済ませると対抗できなくなるため、事実上のスピードが命運を分ける。相続その他の一般承継による移転は遅滞なく特許庁へ届け出る義務がある(特許法98条2項準用)。相続人がない場合の消滅は、民法958条の2の権利主張期間が経過した時点(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:商標法35条が準用する特許法98条1項により、移転(一般承継を除く)は登録が効力要件であるとするのが通説。登録前は移転の効力が生じず、共有については特許法73条準用により持分処分とライセンスに全員の同意を要すると解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:現行商標法(昭和34年法律第127号)の制定により、特許法の共有・相続消滅・登録効果の規定を商標権に準用する規律が置かれた
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める