この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。
要点商標法 77 条の 2 は、本法に基づく命令の制定・改廃に伴い合理的に必要な範囲で、罰則を含む経過措置を命令自身で定められると規定する授権規定である。
Q · 刑罰は国会しか作れないはずなのに、なぜ役所の命令が罰則の経過措置を書けるの?
罪刑法定主義の例外として、憲法の個別委任により命令に認められています
商標法 77 条の 2 が根拠です。本法に基づく命令(政令・省令)を制定・改廃する際、それに伴い合理的に必要な範囲で、罰則に関する経過措置を含む所要の経過措置を命令自身で定められると規定します。これは憲法 73 条 6 号但書が「特に法律の委任がある場合」に限り命令の罰則を認めることの個別委任にあたります。委任は「合理的に必要な範囲」に縛られ、白紙委任は違憲です。改正前後で新旧どちらの罰則が適用されるかは、附則のこの経過措置の書きぶりが左右します。
刑罰を決められるのは国会だけ、と公民の授業で習ったはずだ。ところが商標法施行令や施行規則という、国会を通さない命令が改廃されるとき、その附則にこっそり罰則の経過措置が書き込まれることがある。その根拠がこの77条の2である。命令を制定し改廃する際、合理的に必要な範囲で、罰則に関する経過措置まで命令自身で定めてよい、と法律が限定的な授権を与えている。あなたが見落としがちなのは、ここでいう経過措置が、改正前の行為に旧罰則を当てるか新罰則を当てるか、という刑の重さに直結する話だという点だ。商標の手続や表示をめぐる省令改正の裏側で、いつから新ルールが効くのか、違反したらどの時点の罰則で裁かれるのか、その境目をこの一文が命令へ丸ごと預けている。
商標法第 77 条の 2 は経過措置の委任を定める規定であり、本法に基づく命令の制定・改廃に際し、それに伴い合理的に必要と判断される範囲内で、罰則に関する経過措置を含む所要の経過措置を当該命令で定めうる旨を規定する。憲法 73 条 6 号但書による罰則の個別委任を商標法分野で具体化した授権規範である。
法令の制定や改正によって新旧のルールが切り替わるとき、その移行をどう扱うかを定める規定です。施行日や、改正前の行為に旧ルールと新ルールのどちらを適用するかを決めます。
改正後も、特定の事項については改正前の旧規定をそのまま適用するという経過措置の定型句です。罰則についてこの文言があれば、改正前の行為は旧罰則で評価されます。
国会が法律で大枠を定め、細部を政令・省令などの命令に委ねる仕組みです。商標法 77 条の 2 は、経過措置(罰則を含む)の細部を命令に委ねる個別委任の例です。
原則はできませんが、憲法 73 条 6 号但書により法律の委任があれば可能です。商標法 77 条の 2 はその委任の一つで、罰則の経過措置を命令で定めることを認めています。
罪刑法定主義(憲法 31 条)のもとで、何が処罰されるかを実質的に行政へ丸投げすると国会の立法権が空洞化するためです。委任は「合理的に必要な範囲」に限定される必要があります。
本文ではなく改正省令の附則に置かれた経過措置が施行日と適用区分を決めます。改正日をまたぐ申請が旧ルールと新ルールのどちらになるかは、附則を読まないと分かりません。
両方あり得ます。法律改正の経過措置は法律附則に、命令改正の経過措置は命令の附則に書かれます。商標法 77 条の 2 は後者、つまり命令側の経過措置を定める権限の根拠です。
商標の手続費用や表示に関する省令が改正され、改正前後で罰則や料金の扱いが変わる局面です。代理人が附則の経過措置を読み違えると、依頼者に誤った時点の罰則を案内する危険があります。
罪刑法定主義は生きています。憲法73条6号但書が「特に法律の委任がある場合」に限って命令の罰則を許し、商標法77条の2はその個別委任にあたります。委任は「合理的に必要な範囲」に縛られ、白紙委任は違憲です。業界裏話ヒント:命令の罰則経過措置が委任の範囲を逸脱していないかを正面から争った実務例は少なく、ほとんどの実務家が委任を当然視して読み飛ばす。だからこそ、ここを精査すると争点が眠っていることがある
原則は逆です。刑法6条により、行為時より刑が重く変わった場合は軽い旧刑が適用されます。経過措置はこの適用関係を具体化するもので、77条の2を根拠に命令の附則で「なお従前の例による」などと定められます。業界裏話ヒント:附則の「なお従前の例による」という決まり文句を見たら、それが自分にとって有利か不利かを必ず確認する。同じ一文が、人によって追い風にも逆風にもなる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 命令の経過措置(罰則を含む)を命令自身で定める授権 | — |
| 条文 | 商標法 77 条の 2(授権規定) | — |
| 時間的適用の決め方 | 命令の附則の経過措置が新旧適用を具体化する | — |
| 委任の有無 | 憲法 73 条 6 号但書による個別委任が前提 | — |
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