商標法 第78条(侵害の罪)
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商標権又は専用使用権を侵害した者(第三十七条又は第六十七条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)は、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
この条文の基本情報
侵害の罪とは何ですか?
定義侵害の罪とは、商標法第78条に定められた規定で、「商標権又は専用使用権を侵害した者(第三十七条又は第六十七条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 商標法第78条(侵害の罪)は、日本の商標法に含まれる条文です。
- 商標法第78条の条文原文は「商標権又は専用使用権を侵害した者(第三十七条又は第六十七条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。」で始まります。
- 商標法第78条は第九章に置かれています。
- 商標法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 商標法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 商標法第78条の前の条は商標法第77条の2です。
- 商標法第78条の次の条は商標法第78条の2です。
- 商標法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第78条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127 - 本サイト収録
商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000127/78
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点商標法78条は、登録商標を故意に侵害した者を十年以下の拘禁刑又は千万円以下の罰金に処すと定める罰則。みなし侵害は除かれ、78条の2で別に処罰される。
Q · 偽ブランド品を売ると、本当に逮捕されて刑務所に入ることがあるの?
故意があれば最長十年の拘禁刑もありうる重い犯罪です
商標法78条により、登録商標に係る商標権又は専用使用権を故意に侵害した者は、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処され、両者の併科もありえます。上限十年は窃盗罪と並ぶ重さです。ただし故意がなければ犯罪は成立せず、また37条・67条のみなし侵害行為は本条から除外され、78条の2で一段軽い刑が科されます。被害者への民事賠償とは別軌道の刑事責任である点に注意が必要です。
解説
フリマアプリで安く仕入れたブランドバッグを「並行輸入の本物」として転売した。本物だと信じていた。だが税関や警察が動けば、あなたは商標法78条の被告人になりうる。「商標権又は専用使用権を侵害した者は、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」。注目すべきは刑の重さだ。上限十年は窃盗罪(10年以下)と並ぶ。多くの人は「知財侵害なんて、せいぜい民事で賠償金」と思っているが、商標法は刑事罰を正面から用意している。しかも括弧書きで37条・67条の「みなし侵害」(直接ロゴを付けて売る以外の周辺的な侵害行為)を除いている。これは直接侵害に最も重い刑を集中させる構造で、みなし侵害は78条の2で別枠、刑が一段軽い。あなたが商品を仕入れて売る側なら、この一行の重さを知らずに在庫を抱えるのは危険すぎる。
法的な位置づけ
商標法78条は商標権侵害の罪を定める罰則規定であり、登録商標に係る商標権又は専用使用権を故意に侵害した者を処罰の対象とする。法定刑は十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金で、両者の併科も可能である。37条・67条のみなし侵害行為者は本条から除外され、78条の2で一段軽い刑が科される。
よくある質問 AI による整理
Q1商標権侵害の罪の刑罰はどれくらいですか?
十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金で、両者の併科も可能です。上限十年は窃盗罪と並ぶ重さで、知財侵害は刑事罰を正面から用意しています。
Q2商標法78条と78条の2の違いは何ですか?
78条は直接侵害に最も重い刑を集中させる規定です。37条・67条のみなし侵害(間接的な侵害行為)は除外され、78条の2で一段軽い刑が科されます。
Q3並行輸入品の販売は商標権侵害になりますか?
真正商品の正規な並行輸入は原則として侵害になりません。ただし偽造品を並行輸入品と称して売れば、登録商標の無断使用として78条の射程に入ります。
Q4商標権侵害で会社も罰せられますか?
罰せられます。商標法82条の両罰規定により、行為者個人だけでなく所属法人にも罰金刑が科され、法人には最高三億円の罰金がありえます。
Q5商標権侵害は親告罪ですか?
非親告罪です。被害者の告訴がなくても捜査機関が独自に捜査・起訴できます。権利者が黙認していても、税関や警察が動くルートがあります。
Q6メルカリで偽ブランドを売るとどうなりますか?
プラットフォームが出品を削除しても刑事責任は消えません。反復継続・販売目的が認められれば78条で立件されるリスクが跳ね上がります。
Q7商標権侵害の公訴時効は何年ですか?
長期十年の罪に当たるため、公訴時効は7年です(刑事訴訟法250条2項4号)。侵害行為が終わった時から起算されます。
Q8偽ブランド品を買うだけでも罪になりますか?
個人使用目的の少量の購入・所持は原則として犯罪になりません。ただし販売目的の所持に変われば、78条の評価対象に切り替わります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1知らずに偽物を売ってしまった場合でも逮捕されますか?
故意がなければ78条の犯罪は成立しません。ただし「本物と信じていた」ことを客観的に示せるかが鍵で、相場より極端に安い仕入れや無名業者からの大量購入は「侵害品と気づいていた(未必の故意)」と推認されやすい。実務のポイント:正規代理店の請求書、ブランド公式の鑑定資料、仕入経路の記録を残しているかどうかで、検察の判断は天と地ほど変わる。仕入れの証跡こそ最大の防御だ
Q2商標権者と和解すれば、刑事も不問になりますか?
商標侵害罪は非親告罪なので、和解しても検察は独自に起訴できます。ただし被害者との示談成立は起訴猶予(検察が起訴しない処分)の有力な材料になります。実務のポイント:著作権の一部と違い、商標侵害は告訴がなくても捜査・起訴が可能。だからこそ『権利者が黙っているから大丈夫』は通用しない。税関や警察が独自に動くルートがあることを知らない事業者が驚くほど多い
Q3個人がフリマで数点売っただけでも刑事事件になりますか?
理論上は数点でも成立しますが、実務では悪質性・反復継続性・規模を見て立件判断されます。組織的・大量・反復だと立件されやすい。実務のポイント:単発の少量でも、過去に税関で輸入を止められた履歴があると「侵害品と知っていた」証拠として後の販売に響く。一度税関通知を受けたら、その商品系統には二度と手を出さないのが鉄則です
間違えやすい点 AI による整理
- 「知財侵害は民事の問題で、お金を払えば終わり」と思われているが、商標法78条は独立した刑事犯罪。被害者への賠償とは別軌道で、前科がつき身柄拘束もありうる。賠償と刑事責任は別腹だ
- 商標権侵害が犯罪なのは知っていても、その刑の重さを知る人はほとんどいない。上限十年の拘禁刑は窃盗罪と同水準。「ちょっとした模倣品販売」という日常感覚と、法定刑の現実との間には深い溝がある。深刻度を見誤ると、軽い気持ちの転売が人生を変える
- 「本物だと思っていたから無罪だ」という弁解を多くの人が信じているが、問いの立て方そのものがずれている。刑事の故意は「侵害品かもしれないと思いつつ売った」という未必の故意でも成立しうる。完全に信じ込んでいたと客観的に立証できるかが争点で、『知らなかった』の一言では足りない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象行為 | 78条:直接侵害(商標権・専用使用権の侵害) | 78条の2:みなし侵害(37条・67条の間接的侵害行為) 82条:両罰規定(行為者の所属法人への処罰) |
| 法定刑 | 十年以下の拘禁刑又は千万円以下の罰金(併科可) | 一段軽い刑(五年以下の拘禁刑又は五百万円以下の罰金) 法人に最高三億円の罰金 |
| 故意要件 | 故意(未必の故意でも成立しうる)が必要 | 故意が必要 行為者の犯罪成立が前提 |
| 登録商標の要否 | 登録商標に係る商標権の存在が前提 | 登録商標に係る権利が前提 行為者の侵害罪成立が前提 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も商標権侵害に刑事罰を科し、自由刑と罰金を併置する。直接の侵害行為を中心に処罰する構造は日本と類似する。
韓国も商標権侵害罪を定め、自由刑と罰金を科す。故意要件や非親告罪としての扱いなど運用面で日本と近い。
ドイツは商標の刑事的侵害を定め、業として(gewerbsmäßig)の侵害には加重刑を科す。EU の TRIPS 履行立法として整備された。
米国は連邦法で偽造品の取引を犯罪化し、故意(intentional)の偽造商標使用に重い拘禁刑と高額罰金を科す。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ネット通販で「正規品・並行輸入」と書いて海外から仕入れたスニーカーを売っていたら、ブランド側の調査会社から警告書が届いた。実は登録商標を無断使用した侵害品だった。あなたは被害者ではなく、加害者の側に立たされる。仕入れの証跡があるかどうかで、その後の運命が分かれる
- もし税関から「あなた宛ての輸入貨物が商標権侵害の疑いで留置された」と通知が来たら、どうなる? 認定手続で侵害と判断されれば貨物は没収、さらに販売目的だったと見られれば刑事捜査に発展する。意見書の提出期限は通常10日前後しかなく、放置すれば一方的に侵害認定される
- 店頭で偽ブランドのキャラクターグッズを並べた。仕入先が「正規ルートだ」と言ったから信じた。それでも売った瞬間、78条の射程に入る
- 友人が「副業で人気ブランドのロゴ入り T シャツを自作して売ってる」と相談してきた。これは登録商標の直接侵害になりうる。利益が小さくても、反復継続していれば立件リスクは跳ね上がる。あなたが三分で「それは民事じゃなく刑事の線だ」と説明できるかどうかで、友人の人生が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 侵害品を発見したら購入して証拠保全(現物、レシート、出品ページのスクショ、URL)。2. 自分の商標登録番号と指定商品を J-PlatPat で確認し権利範囲を固める。3. 刑事は警察・検察への告訴、民事は差止請求(商標法36条)と損害賠償(38条で損害額が推定される)を並行。4. 模倣品が輸入されるなら税関への輸入差止申立(関税法)で水際で止める。証拠の鮮度が回収額を左右するので、発見即動く
訴えられた側:1. 警告書や捜査の連絡が来たら、まず販売と在庫処分を止め、仕入記録・取引履歴・やり取りを保全。2. 知財と刑事の双方に通じた弁護士に相談し、黙秘権と供述方針を固める。3. 「本物と信じた」根拠(正規代理店の請求書、鑑定書等)があれば故意の不存在を主張、なければ早期の示談・在庫廃棄で起訴猶予を狙う。4. みなし侵害(37・67条、78条の2)に該当すれば刑が一段軽い、構成の振り分けを争う
時効(請求できる期限):公訴時効は7年(刑事訴訟法250条2項4号、長期10年の罪)。侵害行為が終わった時から起算。なお民事の損害賠償請求権は別途、損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(民法724条)
学説
通説:78条は重い刑事罰で商標の出所表示機能とブランド信用を保護する一方、『故意』を要件とすることで過失にとどまる善意の流通業者を刑事罰の外に置く。直接侵害に最重刑を集中させ、みなし侵害は78条の2で一段軽くする段階的処罰を採る。
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年) 知的財産権侵害への罰則強化の一環で、直接侵害の法定刑を「五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金」から「十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金」へ引き上げ、併科を整備した
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法の懲役・禁錮統合に伴い「懲役」を「拘禁刑」に改めた。本条文の現行表記はこの改正後のもの
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 改正:知的財産権侵害への罰則強化の一環で、直接侵害の法定刑を従来の水準から「十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金」へ引き上げ、併科を整備した。
- 2.令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 改正:刑法の懲役・禁錮統合に伴い「懲役」を「拘禁刑」に改めた。本条文の現行表記はこの改正後のもの。
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