要点商標法82条は両罰規定を定め、従業者が商標法違反をした場合、行為者本人に加え、その法人にも罰金刑(最大3億円)を科す。法人は相当の注意を尽くした立証がない限り免責されない。
Q · 従業員が偽ブランド品を売ったら、何も知らない会社まで罰金を払うことになるの?
行為者本人に加え、会社にも最大3億円の罰金が科されます
商標法82条の両罰規定により、従業者が業務に関し商標法違反をした場合、現実に行為した本人を罰するほか、その法人にも別個に罰金刑が科されます。第78条・第78条の2・第81条1項違反なら3億円以下、第79条・第80条違反なら1億円以下です。判例は法人の選任・監督上の過失を推定する立場をとるため、会社が「相当の注意を尽くした」と立証しない限り、知らなかったでは免責されません。
自社の従業員が、仕入れた商品に他社ブランドのロゴを無断で付けて売っていた。社長は何も知らなかった。それでも、商標法82条はあなたの会社そのものに最大3億円の罰金を科す。両罰規定と呼ばれるこの仕組みは、実際に手を下した従業員(行為者)を罰するだけでなく、その背後にいる法人にも別個に罰金刑を科す。しかも法人への罰金は、行為者個人の罰金とは桁が違う。78条・78条の2・81条1項の違反なら3億円、79条・80条の違反なら1億円。なぜ会社まで罰せられるのか。判例は、法人が従業員の選任・監督を怠った過失を推定する立場をとる。つまり「知らなかった」では逃げられず、「きちんと監督していた」と会社側が立証しない限り責任を免れない。商標チェックの社内体制があるかどうかが、3億円の分かれ目になる。
商標法第82条は両罰規定であり、法人の代表者・代理人・使用人その他の従業者が法人の業務に関して商標法上の一定の罪を犯した場合に、現実に行為した自然人を罰するほか、その法人に対しても別個に罰金刑を科すことを定める規定である。法人に対しては行為者個人より高額の罰金(法人重課)が定められている点に特色がある。
違反行為をした行為者本人だけでなく、その背後の法人や事業主にも別個に罰金刑を科す仕組みです。商標法では82条が定め、法人と個人を別人格として併せて処罰します。
法人に対する重課で、第78条・第78条の2・第81条1項違反は3億円以下、第79条・第80条違反は1億円以下です。行為者個人は各本条の罰金刑になります。
従業者が業務に関し他社商標を無断使用すれば、行為者個人に加え法人にも82条で罰金が科され得ます。会社の仕入れチェック体制が機能していたかが問われます。
商標法のほか特許法・不正競争防止法・著作権法など知的財産法、独占禁止法、各種行政取締法に広く置かれています。日本の規制立法に共通する処罰手法です。
判例は選任・監督上の過失を推定するため、会社が「相当の注意を尽くした」ことを社内規程・研修記録・確認フロー等で積極的に立証できれば免責の余地があります。
82条3項により、法人への罰金刑の時効は各違反規定の罪の時効によります。例えば78条違反は拘禁刑を含むため公訴時効は7年で、起算点は行為終了時です。
下請けが独立の主体なら直ちに発注元法人の犯罪にはなりませんが、発注元が監督を怠った関与があれば、業務関連性に応じて両罰規定の射程に入る可能性があります。
在職中の行為が会社の業務に関するものであれば、行為者が退職していても法人への罰金刑は別個に成立し得ます。「辞めた人がやったこと」では会社は逃れられません。
判例の立場では、両罰規定の法人処罰は従業員の選任・監督を怠った過失を推定する構造です(最大判昭和32.11.27の趣旨)。つまり会社側が「相当の注意を尽くした」と立証しない限り、知らなかったでは免責されません。業界裏話ヒント:この立証は理屈ではなく証拠で決まります。商標チェックの社内マニュアル、定期研修の出席記録、仕入れ時の権利確認フローが文書で残っているかどうかが分水嶺。事件が起きてから作っても遅い、平時の記録が会社を救う
二重処罰ではありません。憲法39条が禁じるのは同一人を二度罰することで、行為者個人と法人は法律上別の人格です。それぞれが自己の責任で処罰されます(商標法82条1項)。業界裏話ヒント:実務では法人の罰金額(最大3億円)の方が行為者個人の罰金より桁違いに重い。会社にとっての本当のダメージは個人の刑罰ではなく法人罰金です。だから弁護方針も、まず法人を守る設計から組み立てるのがセオリー
なります。商標法82条2項により、行為者に対してした告訴は法人にも効力を生じ、法人に対してした告訴は行為者にも効力を生じます。片方だけを告訴対象にしたつもりでも、両方に及びます。業界裏話ヒント:これは告訴を受ける側にとっても重要で、行為者個人とだけ示談して告訴を取り下げてもらっても、法人への効力が残る構造に注意が必要。示談は行為者・法人の両方を巻き込んで一括で設計しないと、片方に火種が残る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 法人への罰金上限 | 第82条:違反規定ごとに3億円/1億円を法人に重課 | — |
| 処罰される主体 | 行為者と法人(人)の双方を別個に処罰 | — |
| 告訴の効力 | 行為者・法人の双方に効力が及ぶ(82条2項) | — |
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