要点商標法 81 条の 2 は、訴訟で出された営業秘密を守る秘密保持命令に違反した者を、5 年以下の拘禁刑又は 500 万円以下の罰金で処罰する規定。親告罪であり国外犯にも適用される。
Q · 訴訟で見た相手の営業秘密を漏らしたら、本当に刑務所に入るの?
漏らせば 5 年以下の拘禁刑、海外からでも処罰されます
商標法 81 条の 2 により、秘密保持命令(特許法 105 条の 4 を準用)に違反して営業秘密を訴訟追行以外の目的で使用し、又は命令を受けていない者に開示すると、5 年以下の拘禁刑若しくは 500 万円以下の罰金に処され、又は併科されます。これは民事の損害賠償とは別の刑事罰で、前科がつきます。本罪は親告罪のため秘密保持者の告訴が必要ですが、日本国外での違反にも国外犯として適用されるため、海外移籍は逃げ場になりません。
商標権を侵害されて訴える側に立ったとき、あなたは矛盾に直面する。勝つには自社の営業秘密(製造ノウハウ、顧客リスト、原価構造)を証拠として法廷に出さねばならない。だが出せば、争っている相手の弁護士や担当者がその秘密を見てしまう。この袋小路を破るのが秘密保持命令だ。裁判所が特定の人物に「この秘密を訴訟の追行以外で使うな、外部に漏らすな」と命じる。81条の2は、その命令を破った者に5年以下の拘禁刑(刑務所に入る刑、2025年6月から懲役と禁錮を統合した呼称)または500万円以下の罰金を科す。ただの民事ルール違反ではない、前科がつく刑事罰だ。さらに二つの牙がある。一つ、国外犯にも適用される。命令を受けた者が海外で漏らしても日本で処罰できる。二つ、これは親告罪で、秘密を持つあなたが告訴しなければ起訴されない。起訴の引き金は、あなたの手の中にある。
商標法 81 条の 2 は、知的財産訴訟において裁判所が発した秘密保持命令に違反した者に対する刑事罰を定める規定である。営業秘密を訴訟追行以外の目的で使用し、又は命令を受けていない者に開示した場合に成立し、5 年以下の拘禁刑又は 500 万円以下の罰金が科される。親告罪かつ国外犯処罰規定を伴う点に特徴がある。
知財訴訟で営業秘密を含む証拠を提出する際、裁判所が特定の人物に「訴訟追行以外で使うな、外部に漏らすな」と命じる制度です。特許法 105 条の 4 が根拠で、商標法 39 条が準用します。
5 年以下の拘禁刑若しくは 500 万円以下の罰金、又はその併科です(商標法 81 条の 2 第 1 項)。民事の賠償ではなく前科のつく刑事罰である点が重要です。
親告罪のため、犯人を知った日から 6 か月以内に告訴する必要があります(刑事訴訟法 235 条)。この期間を過ぎると刑事の道は閉ざされます。
日本国外で犯した違反にも本罪を適用する規定です(同条 3 項)。命令を受けた者が海外で営業秘密を漏らしても、日本の刑事手続が及びます。
2025 年 6 月施行の刑法改正で懲役と禁錮を統合した自由刑の呼称です。商標法 81 条の 2 もこの改正に合わせ法定刑が拘禁刑表記になりました。
準備書面や証拠に営業秘密が含まれ、開示されると当事者の事業活動に支障が生じるため制限が必要であること等の疎明が要ります(特許法 105 条の 4 準用)。
営業秘密を含む証拠を提出する「前」に秘密保持命令を申し立てるのが定石です。提出後では遅く、一度相手に見られた秘密に命令は意味をなしません。
証拠提出前に秘密保持命令を申し立てれば、閲覧者は刑事責任を負う立場に変わります。これにより安心して証拠を法廷に差し出せます。
いいえ、要件があります。準備書面や証拠に営業秘密が含まれ、それが開示されると当事者の事業活動に支障が生じるため開示を制限する必要があること等の疎明が要ります(特許法105条の4準用)。業界裏話ヒント:実務では証拠を出す「前」に申し立てるのが定石。一度相手に見られた秘密に、もう命令は意味がない。タイミングを逃した瞬間、この武器は使えなくなる
この罪は故意犯なので、命令の存在と禁止内容を認識しながらあえて使用・開示した場合に成立します。純粋な過失なら直ちに本罪にはなりません。ただし「知らなかった」が通るかは証拠次第。業界裏話ヒント:命令を受けた組織では、誰が秘密に触れたかの記録と社内教育が決定的。違反が起きたとき会社が管理体制を示せるかどうかで、刑事責任の追及の向きが変わる
できます。本条3項は国外犯規定で、命令を受けた者が日本国外で違反しても日本の刑事手続が及びます。多くの知財関連の罪と違い、明確に国外適用が定められています。業界裏話ヒント:実効性は身柄確保や国際捜査共助に左右されますが、規定があること自体が抑止力。海外移籍した元従業員に『国外犯として告訴も辞さない』と伝えるだけで、相手の行動は大きく変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規制対象行為 | 秘密保持命令違反(訴訟で知った営業秘密の目的外使用・無資格者への開示) | — |
| 法定刑 | 5 年以下の拘禁刑又は 500 万円以下の罰金(併科あり) | — |
| 親告罪か | 親告罪(告訴がなければ起訴不可) | — |
| 国外犯適用 | 適用あり(同条 3 項) | — |
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